- 採用
「未経験エンジニアはいらない」は本当か|採用している会社の答えと数字
結論
「未経験エンジニアはいらない」は本当ではありません。育てる前提で採る会社は7割を超えます。採用を始めた理由の1位は「経験者採用が難しくなっているから」(46.5%)で、「いらない」の背景にあるのは、教えるには体制と準備が要るという事実です。
この記事でわかること
- 未経験者を採用・検討中の企業の割合(28.4%+45.0%)と、採る理由・採用側の課題の上位6つ
- 「いらない」と言われる6つの主張と、採用する側の答え
- 採用する側が「育てたい」と思う未経験者の動きと、応募までの準備3つ
未経験者(新卒を除く)を採用している企業の割合レバテック「IT人材白書」2025年版・2026年版(各 n=1,000)
「採用していない」は26.6%で、約4社に3社は未経験者を採っているか、採用を検討しています。
確認日:2026年10月6日。企業の採用状況はレバテック「IT人材白書2025」「IT人材白書2026」、求人倍率は転職サービス doda の「転職求人倍率レポート」と厚生労働省「一般職業紹介状況」、就業者数は総務省「労働力調査」、人材の不足感は IPA「DX動向2025」、業界の採用と退職は JISA「基本統計調査」を、確認日に開いて引用しています。「いらない」と言う側の主張は、確認日に検索結果の上位にあったページから、原文に近い形で整理しました。「育てたい未経験者」の表は、採用する側の経験をもとにした整理です。
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「「未経験エンジニアはいらない」は本当か|採用している会社の答えと数字」
「いらない」という言葉の中身:6つの主張と、採用する側の答え
確認日に「未経験エンジニア いらない」で上位にあったページの主張を集めると、言っていることは次の6つに集約されます。
6つのうち、1は会社側の事情、2〜6は本人の姿勢の話です。「未経験だからいらない」ではなく、「教える体制」と「応募者の準備」のどちらかが足りないときに起きる行き違いだ、というのが採用する側の答えです。
「いらない」という行き違いは、2つのどちらかが足りないときに起きる
横:応募者の準備(入口の職種と働き方を決める・調べて記録して聞く)
縦:会社の教える体制(研修・先輩・課題)
体制あり × 準備あり
育つ
未経験者を研修で育てている会社の、いつもの状態
体制あり × 準備なし
「同じ質問」「うざい」の声
姿勢の話。調べて記録して聞く、を身につければ変わる
体制なし × 準備あり
「教える工数がかかる」の声
会社側の事情。体制を持つ会社を求人票で見分ける
体制なし × 準備なし
行き違い
「未経験はいらない」という言葉が生まれる場所
応募する側にできるのは、右上を左上に動かすこと。会社選びで、下の段を避けること。
「教える体制」と「応募者の準備」の組み合わせ。どちらも揃った左上が、未経験者を育てている会社の日常
数字で見る実態:採っている会社は何割か、なぜ採るのか
冒頭の帯グラフの出典は、レバテック「IT人材白書」(2025年版は2024年11月22〜29日調査、2026年版は2026年1月28日公開)です。IT人材を採用する企業の採用担当者1,000名への調査で、エンジニア未経験者(新卒を除く)の採用状況を尋ねたものです。2026年版では「採用している」が減り、「検討中」が増えました。
採用を始めた理由と、採用側の課題(2026年版)
「いらない」という言葉の背景は、この右側の列です。採用側が困っているのは「未経験者がいること」ではなく、「誰を採ればよいか見極めにくいこと」と「教える工数」です。左側の列が示すとおり、経験者が採れない以上、育てる前提で採る会社は増えこそすれ減りません。
求人と人の動き
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 転職求人倍率 エンジニア(IT・通信) | 12.04倍(全職種で最高。全体は2.86倍) | doda「転職求人倍率レポート」2026年8月 |
| 有効求人倍率 情報処理・通信技術者 | 1.33(職業計は1.06) | 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年8月分 |
| 情報通信業の就業者数 | 302万人(2025年平均、前年比+10万人。2023年278万人→2024年292万人) | 総務省「労働力調査」 |
| DXを推進する人材の「量」が不足している企業 | 85.1%(日本。米国23.8%、ドイツ44.6%) | IPA「DX動向2025」 |
| 情報サービス産業の採用と退職(JISA 正会員300社) | 新卒採用4.85人/100人、中途採用2.86人/100人、退職3.99人/100人(2024年度) | JISA「2025年版 基本統計調査」 |
| 未経験歓迎のエンジニア求人の表示件数 | 大手の求人サイト1つに2,677件(確認日時点) | マイナビ転職「ITエンジニア/職種未経験OK」 |
「増えすぎ」と言われる一方で、就業者は毎年10万人前後増え、求人倍率は全職種で最も高い状態が続いています。応募者が多いのも、採る会社が多いのも、どちらも本当です。
なぜ会社は未経験者を採るのか:採用する側の事情
数字の裏側にある事情を、採用する側の言葉で書きます。
1経験者は、どの会社も欲しがっているので採れない
転職求人倍率12.04倍は、求職者1人に12件の求人がある状態です。経験者だけで組織を作れる会社は、ほとんどありません。
2育てた人は、辞めにくい
JISA の会員300社では、毎年従業員の4%近くが辞めています。経験者を採っても同じように辞めるなら、育てる投資をしたほうが長く残ります。
3未経験者には、経験者にない強みがある
前職の業務知識、顧客対応、資料作成、後輩を教えた経験は、システムエンジニアに必要な「対象業界の業務知識」「コミュニケーション能力」そのものです。レバテックの調査でも「新たな組織文化の形成が期待できる」が27.8%、「異業種、異職種の経験を活かしてほしい」が12.0%あります。
4教える仕組みは、一度作れば毎年使える
研修・課題・先輩の体制は、会社の資産です。これを持つ会社にとって、未経験者は負担ではなく、毎年の新陳代謝の入口です。
「いらない」という声は、4つ目の仕組みがまだ整っていないところから出てきます。応募する側にできるのは、自分を責めることではなく、仕組みを持つ会社を求人票で見分けることです。
採用する側が「育てたい」と思う未経験者の動き
採用する側が見ているのは、知識の量ではありません。知識は研修で教えられます。見ているのは、次の右側の動きです。左側は、同じ場面で入社後に困りやすい動きで、どれも「知らなかった」だけのことです。選考の答え方ではなく、入社後に毎日起きる場面の話です。
エラーが出た
同じことを2回目に聞く
分からない用語が出た
作業が遅れそう
指摘を受けた
地味な作業(テスト、資料の修正)が続く
配属先の希望
入社前
左側に心当たりがあっても、心配は要りません。どれも「知らなかった」だけで、入社後の研修と仕事の中で身につく動きです。採用する側が面接で知りたいのは、右側の動きを前職や学生時代でしていたか、その一例です。
「増えすぎ」「やめとけ」「うざい」との関係
| 言葉 | 言っている内容 | 採用する側の見方 |
|---|---|---|
| 増えすぎ | 未経験者の応募が増えて、競争が厳しくなった | 応募者は増えたが、採る会社も増えた。転職求人倍率は12.04倍。競争が厳しいのは「準備のない応募者同士」の中で、入口の職種と働き方の希望を自分で決めた人は、むしろ目立つ |
| やめとけ | 1年目の仕事と年収が想像と違う。配属先が選べない。納期前に忙しい | どれも入社前に求人票と面接で確かめられる。確かめたうえで選んだ人には「想定どおり」になる |
| うざい | 同じ質問を繰り返す、自分で試さない、プライドが先に立つ | 本文の表の左側。知識ではなく姿勢の話で、研修で変えられる |
30代以上の未経験者は採用されているのか
レバテック「IT人材白書2025」で、未経験採用で最も多い年齢層を尋ねた結果は、20代後半34.8%、20代前半28.7%、30代前半22.8%、30代後半5.1%でした。
30代前半までは、採用している会社の4社に1社近くが「最も多い年齢層」として挙げています。30代後半からは少なくなるので、前職の業務知識が生きる分野を選び、運用・テストや、業務知識を使うシステムエンジニア寄りの入口も視野に入れると、道が開けます。
年齢を理由に応募を先延ばしにすると、その分だけ入社時の年齢が上がります。迷っている間も年齢は上がるので、早めに動いたほうが選択肢は広く保てます。
生成AI時代に、未経験者はいらなくなるのか
「AIがコードを書くなら、ジュニアのエンジニアはいらなくなる」という声があります。採用する側の答えは「仕事の中身が変わる。育てる前提は変わらない」です。
変わるもの
コードを「書く」コストが下がり、雛形はAIが出す
1年目から生成AIを使う前提で研修が組まれる
「AIに何を頼み、何を自分で決めるか」の切り分けが仕事になる
変わらないもの
設計書や人のコードを読んで、何をしているか言える力
出力が正しいかを動かして確かめる力、説明する力
顧客と要件を決める力、人と仕事を進める力
IPA は2024年7月、ソフトウェアエンジニアを含む人材類型について、生成AIを「活用する」場合の行動例を DX推進スキル標準に加えています。AIがあるほど、「読む・確かめる・説明する・頼む」ができる人の価値が上がります。これは未経験者が1年目に身につけるものそのもので、AIは未経験者の入口を狭めるのではなく、1年目の仕事の形を変えています。
応募までの準備は3つ:選考対策ではない
準備は3つが目安で、どれも選考を攻略するものではありません。
教える体制がある会社を選ぶ
求人票に研修の期間(週・か月)と内容(言語・設計・ツール)、配属後に相談できる人の記述があるか
自分の動機を、稼ぐ以外の言葉で言えるようにする
前職で「困りごとを仕組みで解決した」経験、作ってみて楽しかった経験
「調べて、記録して、聞く」を入社前から習慣にする
分からないことに出会ったら30分調べ、学習ログに1行書き、それでも分からなければ聞く
学習を終えてからでなくても応募できます。研修で育てる会社に応募するなら、学ぶのは入社後からでも間に合います。
確かめて分かったこと(2026年10月6日の公開データ)
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 未経験者(新卒除く)を採用している企業 | 2026年版:採用している28.4%、検討中45.0%、採用していない26.6%/2025年版:39.4%、31.2%、29.4% | レバテック「IT人材白書2026」「IT人材白書2025」(各 n=1,000) |
| 採用を始めた理由の1位 | 「経験者採用が難しくなっているから」46.5%(2026年版)、50.8%(2025年版) | 同上 |
| 採用側の課題の1位 | 「スキルや能力の見極めが難しい」51.1%(2026年版)、55.3%(2025年版) | 同上 |
| 未経験採用で最も多い年齢層 | 20代後半34.8%、20代前半28.7%、30代前半22.8%、30代後半5.1% | レバテック「IT人材白書2025」(n=394) |
| 転職求人倍率 | 全体2.86倍、エンジニア(IT・通信)12.04倍、業種「IT・通信」7.47倍 | doda「転職求人倍率レポート」2026年8月(2026年9月17日発表) |
| 有効求人倍率 情報処理・通信技術者 | 1.33(常用・含パート、原数値)。職業計1.06 | 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年8月分 |
| 情報通信業の就業者数 | 302万人(2025年平均、前年比+10万人) | 総務省「労働力調査」 |
| DX推進人材の「量」の不足感 | 85.1%(日本、2024年度調査) | IPA「DX動向2025」 |
| JISA 正会員300社の採用・退職 | 新卒4.85人/100人、中途2.86人/100人、退職3.99人/100人、平均年齢41.2歳 | JISA「2025年版 基本統計調査」 |
| 未経験歓迎のエンジニア求人 | 2,677件(マイナビ転職「ITエンジニア/職種未経験OK」、確認日時点の表示件数) | マイナビ転職 |
上位ページ8本のうち、採用している企業の立場で書かれたものはありませんでした。
よくある質問
未経験エンジニアは本当にいらないのですか
本当ではありません。レバテック「IT人材白書2026」では、未経験者(新卒を除く)を採用している企業が28.4%、検討中が45.0%で、合わせて7割を超えます。「いらない」という言葉の背景は、教える工数と見極めの難しさという採用側の課題で、教える体制を持つ会社に応募すれば行き違いの半分は消えます。
未経験エンジニアは増えすぎですか
応募者も、採る会社も増えています。情報通信業の就業者は2025年に302万人で前年比+10万人、エンジニア(IT・通信)の転職求人倍率は12.04倍です。競争が厳しいのは準備のない応募者同士の中で、入口の職種と働き方の希望を自分で決めた人は目立ちます。
未経験エンジニアが「うざい」と言われるのはなぜですか
同じ質問を記録なしで繰り返す、エラーを自分で試さずに聞く、地味な作業に不満を言う、といった姿勢が理由です。知識の不足ではなく姿勢の話なので、「調べて、記録して、聞く」を身につければ変わります。
30代の未経験者は採用されますか
30代前半までは、未経験採用で最も多い年齢層として挙げた企業が22.8%あります。30代後半は5.1%と少なくなるので、前職の業務知識が生きる分野を選ぶと道が開けます。
スクール卒は不利ですか
不利ではありません。学ぶ習慣と基礎があることは伝わり、入社後の研修の立ち上がりが早くなります。採用側は作品の有無で決めておらず、分からないことへの向き合い方と、続けてきたことを見ています。
生成AIがあると未経験者はいらなくなりますか
いらなくなるのではなく、1年目の仕事の形が変わります。コードを書く時間は短くなり、読む・確かめる・説明する力の比重が上がります。IPA も DX推進スキル標準に生成AIを活用する行動例を補記しており、育てる前提は変わっていません。
やめとけと言われるのはなぜですか
1年目の仕事(読む・確かめる・報告する)と年収(職種の平均より低いところから始まる)が、想像と違うことがあるからです。どれも求人票と面接で確かめられる項目で、確かめたうえで選んだ人には当てはまりません。
RJC は未経験者を採っています
最後に、この記事を書いている RJC(株式会社RJC)の場合を書いておきます。
- 未経験者の採用
- 学歴不問、業界未経験者歓迎。他業種からの転職者が多く、これまでに500名以上の未経験者を育ててきた
- 教える体制
- 入社時研修は4か月・12段階(Java の基礎から Spring Boot、JavaScript・React、最後は AI と一緒に開発のサイクルを回す)。そのあと10年育成プログラム、600本以上の動画講座、書籍購入費用の会社負担
- 給与
- 未経験・1年目は年収308万〜322万円
未経験者を育てる前提で採り続けている会社は、7割を超えています。RJC はその1つです。応募はいつでも受け付けています。学ぶのは入社後の研修からでも間に合い、採用した担当者が研修の修了まで一緒に伴走します。
参考・出典
- レバテック「IT人材白書2026」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2026.pdf および「IT人材白書2025」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2025.pdf (2026-10-06 確認)
- doda「転職求人倍率レポート(2026年8月)」 https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ および職種別・業種別データ https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/data/ (2026-10-06 確認)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表 https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001753011.pdf (2026-10-06 確認)
- 総務省「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/gaiyou.pdf (2026-10-06 確認)
- IPA「DX動向2025」 https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/tbl5kb0000001mn2-att/dx-trend-2025.pdf (2026-10-06 確認)
- IPA プレス発表「DX推進スキル標準に生成AIに関する補記などを追加」(2024年7月8日) https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2024/press20240708.html (2026-10-06 確認)
- JISA「2025年版 情報サービス産業 基本統計調査」 https://www.jisa.or.jp/Portals/0/report/basic2025report.pdf (2026-10-06 確認)
- マイナビ転職「ITエンジニア/職種未経験OKの転職・求人・中途採用情報」 https://tenshoku.mynavi.jp/engineer/list/o16/pa1/ (2026-10-06 確認、表示件数)
- 株式会社RJC「採用情報」 https://www.r-jc.jp/recruitment/ (2026-10-06 確認)
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(記載例)出典:株式会社RJC「「未経験エンジニアはいらない」は本当か|採用している会社の答えと数字」
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