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キオスクモードとは?店頭端末の仕組みとChromeの–kioskを実測
結論
キオスクモードとは、パソコンやタブレットを「1つのアプリ(または1つの Web ページ)だけを全画面で使える状態」に固定する仕組みです。店頭の案内端末、受付機、セルフオーダー、デジタルサイネージで使われます。OS の機能(Windows の割り当てアクセス、ChromeOS のキオスク、Android のロックタスク、iPhone・iPad のアクセスガイド)と、ブラウザの起動オプション(Chrome の --kiosk など)の2つの層があります。
この記事でわかること
- 「キオスク」のふだんの意味と IT の意味、キオスクモードの種類(OS・ブラウザ)と選び方
- Chrome の
--kioskを実際に起動した結果(通常表示・--start-fullscreen・--appとの違い、終了方法、再起動で裏にタブがたまる現象) - 店頭端末に向く画面の作り方(無操作で最初の画面へ戻す・接続が切れたときの表示)と注意点の表
この記事で実際に動かしたもの:作業用フォルダーの中だけで起動した仮想ディスプレイ Xvfb(1280×800)と、キオスク向けの軽いウィンドウマネージャー matchbox-window-manager の上で、Chromium 系のブラウザ Chrome for Testing 153 を通常表示・--start-fullscreen・--app・--kiosk の4通りで起動し、ウィンドウの状態・表示領域・キー操作・終了のしかた・再起動後のタブ数・メモリ・接続が切れたときの表示を測りました。表示したのは 127.0.0.1 で動かした自作の「店頭案内」ページです。
キオスクモードは、ふだん PC を使う人にはなじみが薄い言葉ですが、駅や店舗、病院の受付で毎日のように目にしている画面の多くがこの仕組みで動いています。最初に、キオスク端末がどんな層でできているかを示します。
flowchart TB
H[端末<br>PC・タブレット] --> O[OS のキオスク機能<br>割り当てアクセス等]
O --> B[ブラウザの表示<br>Chrome --kiosk 等]
B --> W[Web アプリ<br>大きなボタン・自動で戻る]
M[管理<br>MDM・ポリシー] -.-> O
M -.-> B
よく調べられることの答えを先にまとめます。
| 知りたいこと | 答え | 詳しい節 |
|---|---|---|
| キオスクモードとは | 端末を1つのアプリや Web ページだけが使える全画面の状態に固定する仕組み | キオスクモードとは(ふだんの意味とITの意味) |
| キオスクの意味(語源) | もとは駅や広場の小さな売店。そこから「街角に置いた案内・受付の端末」を指すようになった | キオスクモードとは(ふだんの意味とITの意味) |
| キオスクモードの種類 | OS の機能(Windows・ChromeOS・Android・iOS)と、ブラウザの起動オプションの2層 | キオスクモードの種類 |
| Chrome のキオスクモードの起動方法 | 起動時に --kiosk と表示する URL を付ける |
Chromeのキオスクモードを起動する(最初の5分) |
| 全画面表示(F11)との違い | F11 や --start-fullscreen は F11 で戻せる。--kiosk は F11 で戻らず、終了の案内も出ない |
--kioskと全画面表示・--appの違い |
| キオスクモードの終了方法 | Chrome の --kiosk はウィンドウを閉じる操作か、管理者がプロセスを止める。Windows の割り当てアクセスは Ctrl+Alt+Del |
キオスクモードの終了方法 |
Chrome の --kiosk だけで公共端末に使えるか |
使えない。OS のキオスク機能とポリシーで包む前提 | キオスクモードの種類/URLを制限する |
| キオスク端末の画面で気をつけること | 無操作で最初へ戻す、大きなボタン、接続が切れたときの表示、再起動の仕方 | キオスク端末に向く画面設計 |
確認環境:Ubuntu 24.04.5 LTS(2 CPU・メモリ 8GB の共用マシン)で、仮想ディスプレイ Xvfb(:228、1280×800、TCP 待ち受けなし)を作業用フォルダーで起動し、Ubuntu の公式リポジトリから apt-get download で取得した matchbox-window-manager 1.2.2・xdotool 3.20160805.1・x11-utils 7.7 などの .deb を作業用フォルダーに展開して、システムには入れずに使いました。ブラウザは Playwright に同梱の Chrome for Testing 153.0.8010.12(Chromium 系の自動テスト用ビルド)で、毎回新しいプロファイル(--user-data-dir)を作業用フォルダーに作り、外部への通信を止めるオプションを付けて 127.0.0.1 のページだけを表示しました。ウィンドウの状態と表示領域は Chrome DevTools Protocol(127.0.0.1 だけで待ち受け)、キー操作とクリックは xdotool、画面は ImageMagick の import で取得しています。Windows の割り当てアクセス、Microsoft Edge のキオスクモード、ChromeOS のキオスク、Android のロックタスク、iPhone・iPad のアクセスガイド、Chrome の URL 制限ポリシーは手元で動かしておらず、Microsoft Learn・Google・Android Developers・Apple の公式ドキュメントで確かめた範囲だけを書いています。図は mermaid-cli で描画を確かめました(確認日 2026年10月29日)。
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「キオスクモードとは?店頭端末の仕組みとChromeの--kioskを実測」
キオスクモードとは(ふだんの意味とITの意味)
この節では、「キオスク」という言葉が場面ごとに何を指すのかと、キオスクモードの定義が分かります。
キオスクモード(kiosk mode)は、端末の機能を絞り、決められたアプリや Web ページだけを全画面で使えるようにした動作モードです。 利用者はホーム画面や設定、ほかのアプリに移れず、管理者が用意した画面だけを操作します。目的は、不特定多数の人が触っても設定が変わったり、別のソフトを入れられたりしないようにすることと、操作に迷わせないことです。
「キオスク」で検索すると、駅の売店の話と IT の話が混ざって出てきます。同じ言葉でも、場面で指すものが違います。
| 場面 | 「キオスク」が指すもの | 例 |
|---|---|---|
| ふだんの言葉(語源) | 駅や広場にある小さな売店・あずまや。ペルシア語・トルコ語の「あずまや」が欧州に伝わった言葉 | 駅の売店、公園の売り場 |
| IT の「キオスク端末」 | 街角や店頭に置き、誰でも触れる案内・受付・発券用の端末 | コンビニのマルチコピー機、病院の再来受付機、駅の観光案内 |
| IT の「キオスクモード」 | 普通の PC・タブレットを、1つのアプリや Web ページだけが動く状態に固定する設定 | Windows の割り当てアクセス、Chrome の --kiosk |
| ChromeOS の「キオスクアプリ」 | 管理者が設定し、サインインなしで全画面に固定して起動するアプリ | 学校のテスト用端末、店舗のセルフサービス端末 |
| PowerPoint の「キオスク」 | スライドショーを自動で繰り返し再生する設定(「自動プレゼンテーション」) | 展示会のループ再生 |
この記事で扱うのは、3〜4行目の「端末を1つの用途に固定する」意味です。キオスク端末は専用に作られた機械のこともありますが、今は市販の PC やタブレットをキオスクモードで固定して使うことが増えています。専用機を作るより安く、画面を Web アプリで作れば中身の更新もサーバー側で済むためです。
キオスクモードでできること・使われる場所
この節では、キオスクモードがどんな場所で、何のために使われるのかが分かります。
キオスクモードが使われるのは、「使う人が毎回違う」「使う人に操作を教えられない」「端末の前に管理者がいない」の3つがそろう場所です。
1店頭の案内・セルフオーダー
飲食店の注文端末、家電量販店の在庫検索、ショッピングセンターのフロア案内。利用者はボタンを押すだけで、ブラウザの操作は見せない。
2受付・チェックイン
病院の再来受付、ホテルのチェックイン、オフィスの来訪者受付。入力が終わったら次の人のために最初の画面へ戻す。
3デジタルサイネージ
触らせない表示専用の画面。広告やお知らせをループ再生し、停電や再起動のあとも自動で同じ画面に戻す。
4試験・研修・図書館の端末
決められたサイトやアプリだけを使わせる。ChromeOS のキオスクは学校の標準テスト用アプリを例に挙げている。
どの場所でも、守りたいことは共通です。(1) 利用者がほかのアプリや設定に触れない、(2) 前の人の入力が次の人に見えない、(3) 止まっても自動で元の画面に戻る、の3点です。キオスクモードは(1)を受け持ちますが、(2)と(3)は画面の作り方と運用で補う必要があります。この記事の後半で、(2)(3)を実際に動かして確かめます。
キオスクモードの種類(OSの機能とブラウザの機能)
この節では、OS ごとのキオスクモードの名前と違い、ブラウザのキオスクモードとの役割の違いが分かります。
キオスクモードには、OS が端末全体を固定するものと、ブラウザが自分の表示を全画面に固定するものがあります。 公共の場所に置く端末では、OS の機能で固定し、その中でブラウザのキオスク表示を使う、という組み合わせが基本です。各社の公式ドキュメントで確かめた内容を表にまとめます。
| 名前 | 対象 | 固定のしかた | 終了・解除 |
|---|---|---|---|
| Windows「割り当てアクセス」 | Windows 11・10(Pro・Enterprise・Education・IoT Enterprise) | シングルアプリ(UWP アプリか Microsoft Edge を全画面)と、制限付きユーザー(複数アプリ)の2種類 | 既定は Ctrl+Alt+Del でキオスクが終了。閉じたアプリは自動で再起動 |
| Microsoft Edge キオスクモード | Windows(Edge 87 以降。Linux は対象外) | デジタル/対話型サイネージ(全画面で1サイト)と、パブリックブラウジング(制限した複数タブ) | どちらも InPrivate で動き、データを残さない |
| ChromeOS キオスク | 管理対象の Chromebook など | 管理者が設定したアプリを、サインインなしで全画面に固定 | Google 管理コンソールで管理 |
| Android ロックタスクモード | Android 5.0 以降(完全管理対象端末) | DPC(端末管理アプリ)が許可したアプリだけを実行 | 利用者は終了できない。DPC が許可リストから外すと解除 |
| iPhone・iPad「アクセスガイド」 | iOS・iPadOS | 開いているアプリ1つに一時的に固定。画面の領域やボタンも制限できる | ボタンのトリプルクリック+パスコードか生体認証 |
Chrome の --kiosk |
Windows・Mac・Linux の Chrome(Chromium 系) | ブラウザのウィンドウを全画面にし、タブやアドレスバーを出さない | ウィンドウを閉じる操作で終了する(次の節で実測) |
Android の公式ドキュメントは、ロックタスクモードと「画面の固定」は混同されやすいが、画面の固定は利用者がいつでも終了できる、と区別しています。同じように、Chrome の --kiosk も「表示の形」を変えるもので、端末全体を守る仕組みではありません。Chrome の --kiosk は、利用者が閉じる操作をすれば終わります。 だからこそ、Windows なら割り当てアクセス、Android ならロックタスク、ChromeOS なら管理されたキオスクの中で使います。
店頭端末の作り方
--kiosk で起動しただけで店頭に置くブラウザのキオスク表示は「見た目」、OS のキオスク機能は「端末の固定」を受け持つ
Chromeのキオスクモードを起動する(最初の5分)
この節では、Chrome(Chromium 系ブラウザ)をキオスクモードで起動する最小の手順と、そのとき画面がどう変わるかが分かります。
Chrome のキオスクモードは、起動するときに --kiosk と表示したい URL を付けるだけで始まります。 試すときは、ふだん使っているプロファイルとは別の、キオスク用のプロファイル(--user-data-dir)を指定すると、自分のブックマークやログイン状態を混ぜずに済みます。この記事では、Linux の仮想ディスプレイの上で次の順に起動しました。
画面を用意する
作業用フォルダーで Xvfb を 1280×800 で起動する。実機ならモニターが付いた状態の X や Wayland のセッションにあたる。
ウィンドウマネージャーを起動する
全画面の要求を受け取る役。タイトルバーを出さない設定の matchbox-window-manager を使った。無いと全画面にならない(後の節で実測)。
表示するページを用意する
127.0.0.1:8228 で、大きなボタンが4つある「店頭案内」のページを動かした。
Chrome を --kiosk で起動する
キオスク用のプロファイルと URL を指定する。初回の案内を出さないオプションも付ける。
実際に使ったコマンドは次のとおりです(外部へ通信しないオプションと、計測用のリモートデバッグの指定を含みます)。
W=/dev/shm/t228
Xvfb :228 -screen 0 1280x800x24 -nolisten tcp &
DISPLAY=:228 matchbox-window-manager -use_titlebar no -use_cursor no &
python3 -m http.server 8228 --bind 127.0.0.1 --directory $W/site &
env -i DISPLAY=:228 HOME=$W/home \
chrome --user-data-dir=$W/prof-kiosk --no-first-run --no-default-browser-check \
--disable-background-networking --disable-component-update --disable-sync \
--proxy-server=http://127.0.0.1:9 \
--remote-debugging-address=127.0.0.1 --remote-debugging-port=9228 \
--kiosk http://127.0.0.1:8228/
起動した直後に、DevTools Protocol でウィンドウの状態と、ページから見た画面の大きさを読みました。
{"window":{"bounds":{"left":0,"top":0,"width":1280,"height":800,"windowState":"fullscreen"}},
"eval":{"inner":"1280x744","outer":"1280x800","screen":"1280x800",
"fullscreenMQ":true,"standaloneMQ":false,"browserMQ":false,"fullscreenElement":false}}
ウィンドウは画面と同じ 1280×800 で、状態は fullscreen です。画面の上にはタブもアドレスバーも戻るボタンも無く、ページだけが表示されました。ページの表示領域(inner)が 744px なのは、Chrome for Testing が上端に「自動テスト専用です」という帯(56px)を出すためで、通常の Chrome にはこの帯はありません。
--kioskWindows の Microsoft Edge では、公式ドキュメントに次の書式が載っています。
msedge.exe --kiosk www.contoso.com --edge-kiosk-type=fullscreen --no-first-run
msedge.exe --kiosk www.contoso.com --edge-kiosk-type=public-browsing
--kioskと全画面表示(F11)・--appの違い
この節では、似た表示になる4つの起動方法を同じ条件で比べ、キオスクモードだけが持つ性質が分かります。
「全画面にしたいだけなら F11 でよいのでは」という疑問はよく出ます。そこで、同じページを通常表示・--start-fullscreen・--app=URL・--kiosk の4通りで起動し、起動直後と F11 を押した後の状態を測りました。
| 起動方法 | 起動直後の状態 | ページの表示領域 | display-mode | F11 を押した後 |
|---|---|---|---|---|
| 通常表示 | normal(タブ・アドレスバーあり) | 1280×657 | browser | fullscreen になる |
--start-fullscreen |
fullscreen。「全画面表示を終了するには Esc を長押しします」と表示 | 1280×744 | fullscreen | normal に戻る(1280×657) |
--app=URL |
normal(タブ・アドレスバーなし) | 1280×744 | standalone | fullscreen になる |
--kiosk |
fullscreen。案内の表示なし | 1280×744 | fullscreen | 変わらない(fullscreen のまま) |
違いがはっきり出たのは2点です。1つ目は、--start-fullscreen は F11 で通常表示に戻ったのに対し、--kiosk は F11 を押しても全画面のままだったこと。 2つ目は、--start-fullscreen では画面の上に「全画面表示を終了するには Esc を長押しします」という案内が出たのに、--kiosk では何も出なかったことです。店頭の画面に「終了の仕方」が出てしまうと困るので、全画面表示とキオスクモードは別物と考えたほうが安全です。
--app=URL はタブとアドレスバーを出さない「アプリのような窓」で、ページからは display-mode: standalone に見えます。今回はウィンドウマネージャーのタイトルバーを消していたので全面に見えましたが、通常のデスクトップではタイトルバーと閉じるボタンが付きます。
全画面表示(F11・--start-fullscreen)
見ている人が一時的に画面を広く使うための表示
F11 や Esc の長押しで戻る。戻し方の案内も出る
発表や動画の視聴に向く
キオスクモード(--kiosk)
端末を置く側が、その画面に固定するための表示
F11 では戻らず、案内も出ない
店頭端末・サイネージに向く(OS の固定と組み合わせる)
ウィンドウマネージャーがないとキオスクモードでも全画面にならない
Linux で Chrome のキオスクモードを使うときに起きやすいのが、「全画面にならない」現象です。
最初に、ウィンドウマネージャーを動かさずに Xvfb の上で --kiosk を起動したところ、画面の左上に余白を残した窓のまま表示されました。測った値は次のとおりです。
| 条件 | windowState | ウィンドウの位置と大きさ | 見た目 |
|---|---|---|---|
ウィンドウマネージャーなし・--kiosk |
fullscreen | (10,10) 1050×780 | 左上と右側に黒い余白 |
なし・--kiosk --window-position=0,0 --window-size=1280,800 |
fullscreen | (0,0) 1279×799 | ほぼ全面。右と下に1px の隙間 |
matchbox あり・--kiosk |
fullscreen | (0,0) 1280×800 | 全面 |
Chrome は「全画面にしてほしい」とウィンドウマネージャーに頼むだけで、実際に窓を広げるのはウィンドウマネージャーの仕事です。 そのため、ウィンドウマネージャーが無い環境では、Chrome 自身は fullscreen のつもりでも窓は広がりません。Raspberry Pi などで、デスクトップ環境を入れずに最小構成でサイネージを作るときにつまずきやすい点です。ウィンドウマネージャーを1つ入れるか、少なくとも位置と大きさを指定します。Windows や Mac では OS がこの役を担うので、この現象は起きません。
キオスクモードの終了方法(Chrome・Windows・Android・iPhone)
この節では、管理者がキオスクモードを終わらせる方法と、終わらせ方によって次の起動に何が残るかが分かります。
Chrome の --kiosk は、ウィンドウを閉じる操作(Windows・Linux の Alt+F4 など)か、管理者がプロセスを止めると終了します。 手元では3つの方法で終了させ、そのときプロファイルに記録された終了の種類(Preferences の exit_type)を読みました。
| 終了のさせ方 | 結果 | exit_type | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| Alt+F4(xdotool で送信) | 2秒以内に終了 | Normal | 端末の前にいる管理者が閉じる |
kill PID(SIGTERM) |
2秒以内に終了 | SessionEnded | リモートやスクリプトから止める |
| DevTools Protocol の Browser.close | {"id":1,"result":{}} が返り終了 |
Normal | 監視の仕組みから止める(計測用。運用では待ち受けを開けない) |
kill -9 PID(SIGKILL) |
即座に終了 | 書き換わらない(前回の値のまま) | 応答しないときの最後の手段 |
プロセスを止めるときは、pkill chrome のように名前でまとめて止めるのではなく、起動したときの PID を控えて止めると、同じ端末で動いているほかのプロセスを巻き込みません。プロセスの確かめ方と止め方は、関連記事「Linuxプロセス確認と停止|ps・top・kill逆引きコマンド一覧」で扱っています。
OS のキオスク機能の終了方法は、各社の公式ドキュメントに次のように書かれています。
- 1Windows の割り当てアクセス既定では Ctrl+Alt+Del でキオスクが終了し、キオスクのアプリも終わる。サインインし直すか、サインイン画面のタイムアウト(既定30秒)を待つとキオスクのアプリが再起動する
- 2Windows のキオスク構成そのものを外すMicrosoft Learn のクイックスタートに、構成を削除する PowerShell の手順と「再起動して変更を適用」が載っている
- 3Android のロックタスクモード利用者は終了できない。DPC が許可リストからアプリを外す(Android 6.0 以降は空の配列を渡す)と通常の動作に戻る
- 4iPhone・iPad のアクセスガイド開始と同じボタンをトリプルクリックし、パスコード・Face ID・Touch ID で認証して「終了」をタップする
Chrome の --kiosk と OS のキオスク機能の大きな違いはここにあります。OS の機能は「終了に認証が要る」か「利用者には終了できない」ように作られていますが、Chrome の --kiosk 単体は、閉じる操作をすれば誰でも終了できます。 公共の場所に置く端末では、Chrome を OS のキオスク機能の中で動かし、閉じられても自動で起動し直す形にします。
キオスクモードの再起動で裏にタブがたまる(プロファイルとセッション)
この節では、同じプロファイルで Chrome のキオスクモードを起動し直したときに起きる現象と、その避け方が分かります。
キオスク端末は、停電や定期再起動、異常終了のたびに Chrome を起動し直します。そこで、同じプロファイルで --kiosk と URL を付けて起動し、強制終了(kill -9)してまた起動する、を4回くり返して、開いているタブ(ページ)の数を数えました。
start 1: page tabs=1
start 2: page tabs=2
start 3: page tabs=3
start 4: page tabs=4
起動するたびにタブが1つずつ増えました。 キオスクモードではタブの帯が出ないので、画面の見た目は1枚のままです。前回のセッション(開いていたタブ)が裏で復元され、そこへ起動時の URL が新しいタブとして足されていました。正常に閉じた場合(Alt+F4・SIGTERM・Browser.close)も、次の起動ではタブが2つになりました。止め方と起動のしかたを変えて比べた結果が次の表です。
| 起動のしかた | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 |
|---|---|---|---|---|
| 同じプロファイルのまま(毎回 kill -9) | 1 | 2 | 3 | 4 |
--incognito を付ける(毎回 kill -9) |
1 | 1 | 1 | ― |
起動前に Default/Sessions を消す(毎回 kill -9) |
1 | 1 | 1 | 1 |
| 一度使ったプロファイルの複製から起動 | 2 | 2 | 2 | ― |
4回目の起動(タブ5つ)のメモリを測ると、タブ1つのときの 445MB(12プロセス)に対して 490MB(16プロセス)でした。ページが軽いので増え方は小さめですが、動画や地図のページなら差は大きくなります。また、裏のタブで動くタイマーや音声が残ると、画面に見えないところで動き続けます。
避け方は2つです。前の人のデータを残さない意味でも、--incognito(Edge のキオスクモードは公式に InPrivate で動くと書かれています)を付けるか、起動用のスクリプトで毎回 Sessions フォルダーを消してから起動します。手元で使った起動用スクリプトは次の形です。
#!/bin/bash
# キオスク用の起動スクリプト(例)。前回のタブを持ち越さない
P=/dev/shm/t228/prof-kiosk
rm -rf "$P/Default/Sessions"
exec chrome --user-data-dir="$P" --no-first-run --no-default-browser-check \
--kiosk http://127.0.0.1:8228/
一度使ったプロファイルをひな形として複製する方法では、ひな形に残っていたセッションまで複製されるため、毎回タブが2つになりました。ひな形を作るなら、Sessions を消した状態で保存します。
接続が切れたときのキオスク画面(ERR_CONNECTION_REFUSED)
この節では、表示しているサーバーが止まったときにキオスク画面がどうなるかと、元に戻るまでの時間が分かります。
店頭端末の画面を Web アプリで作ると、サーバーやネットワークが止まったときの見え方も考える必要があります。--kiosk で案内ページを表示したまま 127.0.0.1 のサーバーを止め、ボタンを押してみました。ページから読んだ文字は次のとおりです。
chrome-error://chromewebdata/ | 127.0.0.1 |
このサイトにアクセスできません
127.0.0.1 で接続が拒否されました。
次をお試しください
接続を確認する
プロキシとファイアウォールを確認する
ERR_CONNECTION_REFUSED
再読み込み
詳細
キオスクモードには戻るボタンもアドレスバーも無いので、利用者はこのエラー画面から先に進めません。ページに入れておいた「無操作で最初の画面へ戻す」スクリプトも、エラー画面に置き換わった時点で動かなくなりました。サーバーを動かし直したあと、誰も触らずに元の画面へ戻るまでの時間を測った結果が次の表です。
| サーバーが止まっていた時間 | サーバー再起動から復帰まで | エラー表示から復帰まで |
|---|---|---|
| 10秒 | 26.3秒 | 36.3秒 |
| 40秒 | 45.4秒 | 85.4秒 |
Chrome はエラー画面を自動で読み込み直しましたが、間隔が少しずつ空くため、サーバーが戻ってから数十秒はエラー画面のままでした。 店頭でこの画面が1分近く出ていると、利用者は「壊れている」と受け取ります。対策としては、ページを切り替えずに画面の中で通信する作りにして「ただいま準備中です」のような自前の表示を出す、Service Worker で最低限の画面を手元に持っておく、端末側でネットワークを監視して再読み込みする、といった方法があります。Service Worker で画面をキャッシュする作り方は、関連記事「PWAの作り方|Service Worker最小コードとキャッシュ戦略一覧」で扱っています。開発中に localhost が開けないときの切り分けは、関連記事「localhostで接続が拒否されましたの原因と解決方法」で扱っています。
Windowsの割り当てアクセスでキオスク端末を作る(公式の範囲)
この節では、Windows でキオスク端末を作るときの機能の名前、種類、必要な条件が分かります。
Windows のキオスクモードの正式な名前は「割り当てアクセス(Assigned Access)」です。 Microsoft Learn の「割り当てられたアクセスの概要」(2026年10月29日時点)では、キオスクまたは制限されたユーザー エクスペリエンスでデバイスを構成するための Windows の機能、と説明されています。手元では Windows を動かしていないため、ここでは公式ドキュメントで確かめた内容だけを書きます。
| 項目 | 公式ドキュメントの記述 |
|---|---|
| 種類 | キオスク エクスペリエンス(1つの UWP アプリか Microsoft Edge を全画面)と、制限付きユーザー エクスペリエンス(決めたアプリの一覧だけ。いわゆるマルチアプリ キオスク) |
| 使える例 | パブリック ブラウジング、対話型デジタル サイネージ(キオスク)/第一線で働く担当者・学生・ラボのデバイス(制限付き) |
| 対応エディション | Windows 11・10 の Pro、Enterprise/Enterprise LTSC、Education、IoT Enterprise/IoT Enterprise LTSC |
| 条件 | ユーザー アカウント制御(UAC)が有効であること。コンソールからのサインインが必要で、リモート デスクトップ接続では使えない |
| アプリが閉じたとき | キオスク アプリが閉じられた場合、自動的に再起動する |
| 構成の方法 | Intune などの MDM(CSP)、プロビジョニング パッケージ、PowerShell(Set-AssignedAccess)、設定アプリ(ローカル標準ユーザーで1台を簡単に構成する方法) |
| 無操作時の戻り | レジストリの IdleTimeOut で、サインイン画面から再開するまでの時間を変えられる。ただし Microsoft Edge のキオスクモードには適用されない |
Microsoft Edge 側には、最後の操作から指定した分数でブラウザを閉じてセッションをリセットする --kiosk-idle-timeout-minutes があります。既定値は全画面のサイネージが 0(オフ)、パブリック ブラウジングが5分です。公式ドキュメントには「このフラグは閉じた後に Edge を再起動しない。自動で再起動するには割り当てアクセスなど別の技術が必要」と注記されています。ブラウザのキオスクと OS のキオスクを組み合わせる前提で作られていることが分かります。
キオスクモードで開けるURLを制限する(Chromeのポリシー)
この節では、キオスク端末で表示できるサイトを決められた URL だけに絞る方法が分かります。
Chrome の --kiosk は表示の形を変えるだけで、ページの中のリンクをたどって別のサイトへ移ることは止めません。表示できる URL を絞るには、Chrome Enterprise のポリシー URLBlocklist と URLAllowlist を使います。Google の「ウェブサイトへのアクセスを許可または拒否する」(Chrome Enterprise and Education ヘルプ)で確かめた内容は次のとおりです。
- 決めたサイトだけを使えるようにするには、
URLBlocklistに*(すべての URL)を入れ、URLAllowlistに使わせる URL を入れる。許可リストはブロックリストより優先される。 - 設定できる場所は、Google 管理コンソール(ChromeOS・Windows・Mac・Linux など)、Windows のグループ ポリシー、Mac の設定プロファイル、Linux の
/etc/opt/chrome/policies/managedの JSON ファイル。 - 登録できる URL は最大1,000件。設定後は Chrome の再起動が要り、
chrome://policyで状態が「OK」か確かめる。
公式ヘルプに載っている Linux の例は次の2つの JSON です(このマシンでは /etc を変えられないため、適用は試していません)。
{ "URLBlocklist": ["*"] }
{ "URLAllowlist": ["mail.example.com", "wikipedia.org", "google.com"] }
同じヘルプには、サイト全体をブロックしてから特定のページだけを許可しても、そのサイトの他のコンテンツが見えてしまう場合がある、という注意もあります。許可する URL は、表示に使うサーバーのものだけに絞ると管理しやすくなります。
キオスク端末に向く画面設計(無操作で最初の画面へ戻す)
この節では、キオスクモードで表示する Web ページを作るときに入れておきたい仕組みと、実際に動かした結果が分かります。
キオスク端末の画面でいちばん大事なのは、前の人の操作を次の人に残さないことです。 受付の途中で立ち去った人の画面が残っていると、次の人が困るだけでなく、入力内容が見えてしまいます。そこで、案内ページの下の階層に「15秒操作がなければ最初の画面へ戻る」スクリプトを入れ、xdotool で実際にクリックして時間を測りました。
const IDLE_MS = 15000; // 操作がないと最初の画面へ戻るまでの時間
let last = Date.now();
['pointerdown', 'keydown', 'touchstart', 'wheel'].forEach((e) =>
addEventListener(e, () => { last = Date.now(); }, { passive: true }));
setInterval(() => {
if (Date.now() - last >= IDLE_MS) {
location.replace('index.html?from=idle'); // 履歴を残さずに戻す
}
}, 250);
ボタンを押してから URL が変わった時刻を 0.5秒ごとに記録した結果です。2回目は、途中で一度画面をタップしています。
0.1s http://127.0.0.1:8228/menu.html
15.5s http://127.0.0.1:8228/index.html?from=idle&t=1793413160343
0.1s http://127.0.0.1:8228/menu.html
8.4s (画面をタップ)
23.8s http://127.0.0.1:8228/index.html?from=idle&t=1793413196240
操作がなければ 15.5秒後に、途中でタップすればそこから約15秒後に最初の画面へ戻りました。サーバーのアクセスログにも、15秒ちょうどの間隔で GET /index.html?from=idle が残っています。location.replace を使うのは、戻った記録を履歴に積まないためです。
ほかに、画面を作るときに確かめたい点をチェックリストにまとめます。
- 1無操作で最初の画面へ戻す入力の途中のフォームも消す。戻るまでの残り時間を画面に出すと、操作中の人が慌てない
- 2ボタンは大きく、少なく今回のボタンは 596×166px・文字 30px。WCAG 2.2 の達成基準 2.5.8 は最低 24×24 CSS ピクセル、2.5.5 は 44×44 CSS ピクセルを示している
- 3ブラウザの部品に頼らない戻るボタン・再読み込み・アドレスバーは無い前提で、画面の中に「最初へ」「戻る」を置く
- 4接続が切れたときの表示を用意するChrome のエラー画面が数十秒残った。自前の「準備中」表示か、手元のキャッシュで画面を保つ
- 5前の人のデータを残さないシークレット(InPrivate)で動かす、ログインを伴う画面は最後に必ずログアウトさせる
- 6読み上げや拡大にも配慮するChromeOS の開発者向け資料「キオスクのユーザー補助」に、ポリシー設定や拡張機能 API、ハードウェアの要件がまとまっている
ページの動きを確かめたり、表示領域を測ったりするときは、開発者ツールを使うと手早く調べられます。使い方は関連記事「Chrome DevToolsの使い方|デバッグ手順と便利機能一覧」で扱っています。
キオスクモードかどうかを自分で確かめる
この節では、いま見ている Chrome がキオスクモードで起動しているかどうかを、その場で確かめる方法が分かります。
キオスク端末の画面を作っている人や、引き継いだ端末の設定を確かめたい人向けに、手元で実際に動かして結果を確かめた3つの方法を示します。
開発者ツールで1行
コンソールで matchMedia('(display-mode: fullscreen)').matches を実行する。--kiosk では true、通常表示では false だった。
--app は standalone が true
chrome://version を見る
「コマンドライン」の欄に、起動したときのオプションが並ぶ。--kiosk と URL、プロファイルの場所が読める。
「プロフィール パス」も同じ画面
ターミナルで1行
ls プロファイル/Default/Sessions で、持ち越されるセッションのファイルが見える。起動前に消せばタブは増えなかった。
Linux・Mac のキオスク端末向け
手元で --kiosk 起動中の chrome://version を開いたときの「コマンドライン」の欄は次のとおりでした(長いので一部を省いています)。
Google Chrome for Testing 153.0.8010.12 (公式ビルド) (x86_64)
OS Linux
コマンドライン /opt/pw-browsers/chromium-1243/chrome-linux64/chrome --user-data-dir=/dev/shm/t228/prof-k11 --no-first-run ... --kiosk --ozone-platform=x11 --flag-switches-begin --flag-switches-end http://127.0.0.1:8228/
プロフィール パス /dev/shm/t228/prof-k11/Default
キオスクモードの端末では、利用者がアドレスバーに chrome://version を入力することはできません。確かめるのは、管理者が同じ設定で通常表示の Chrome を起動したときや、開発中の端末で行います。
キオスクモードのよくあるつまずき・注意点と判断表
この節では、キオスクモードを使うときに起きやすい症状と原因・直し方と、どのキオスクモードを選ぶかの判断表が分かります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
Linux で --kiosk なのに全画面にならない(windowState は fullscreen) |
ウィンドウマネージャーが動いていない | ウィンドウマネージャーを起動する。少なくとも --window-position と --window-size を指定する |
| 再起動のたびに動作が重くなる | 前回のタブが裏で復元され、タブが増えていく(1→2→3→4 を確認) | --incognito を付けるか、起動前に Default/Sessions を消す |
| 「このサイトにアクセスできません」「ERR_CONNECTION_REFUSED」のまま止まる | 表示しているサーバーが止まった。自動の再読み込みは数十秒かかる | サーバーを戻す。画面側に自前の「準備中」表示やキャッシュを用意する |
| F11 で全画面が解除される | --kiosk ではなく --start-fullscreen や F11 の全画面で動かしている |
--kiosk で起動する。chrome://version のコマンドラインで確かめる |
| 上に「自動テスト専用です」という帯が出る | Chrome for Testing(自動テスト用のビルド)を使っている | 運用には通常の Chrome か、管理された Chromium 系ブラウザを使う |
| 利用者に閉じられてしまう | Chrome の --kiosk 単体で運用している |
OS のキオスク機能で固定し、閉じられたら自動で起動し直す形にする |
| リンクから別のサイトへ行けてしまう | --kiosk は URL を制限しない |
URLBlocklist に *、URLAllowlist に使う URL を入れる |
| Windows のキオスクをリモート デスクトップで確かめられない | 割り当てアクセスはコンソールからのサインインが前提 | 端末の前で確かめる(Microsoft Learn に記載) |
計測や自動操作のためにリモートデバッグの待ち受け(--remote-debugging-port)を使う場合は、外から届かないアドレスに限り、運用する端末では外しておきます。待ち受けが開いていると、ブラウザを外から操作できてしまうためです。自動操作の仕組みについては、関連記事「Playwright入門|E2Eテストの書き方とCI実行まで実行結果つきで解説」で扱っています。
どのキオスクモードを使うかの判断表
作りたい端末に合わせて、どのキオスクモードを選ぶとよいかを表にまとめます。
| 作りたいもの | 向く組み合わせ | 理由 |
|---|---|---|
| Windows の PC で Web の受付画面を出す | 割り当てアクセス(シングルアプリ)+ Microsoft Edge のキオスク | 公式の組み合わせ。閉じても自動で再起動し、InPrivate で動く |
| Windows で決めた数本のアプリだけ使わせる | 割り当てアクセス(制限付きユーザー) | スタートメニューとタスクバーを、決めたアプリだけにできる |
| Chromebook を店頭や学校に置く | ChromeOS のキオスク(管理コンソール) | サインインなしで起動し、配信・更新・監視を管理コンソールでまとめて行える |
| Android タブレットを注文端末にする | ロックタスクモード(DPC・MDM で設定) | 利用者は終了できず、許可したアプリだけが動く |
| iPad を一時的に1つのアプリに固定する | アクセスガイド | 設定だけで使え、パスコードで解除する。時間制限も付けられる |
| Linux(小型 PC など)でサイネージを出す | ウィンドウマネージャー+ Chrome の --kiosk +自動起動 |
触らせない表示なら軽い構成で済む。ポリシーとセッションの扱いを決めておく |
| 開発中の画面をキオスクの見た目で確かめる | 別プロファイルで Chrome の --kiosk |
ふだんのプロファイルを汚さずに、全画面の見た目と動きを確かめられる |
キオスクモードのよくある質問
この節では、キオスクモードについてよく聞かれる質問に短く答えます。
Q. キオスクモードとは、簡単にいうと何ですか。
端末を1つのアプリや Web ページだけが使える全画面の状態に固定する設定です。店頭の案内端末や受付機のように、誰が触っても同じ画面だけが使えるようにします。
Q. 「キオスク」の語源は何ですか。
駅や広場にある小さな売店・あずまやを指す言葉です。街角に置かれた案内や受付の端末を「キオスク端末」と呼ぶようになり、普通の PC をその用途に固定する設定が「キオスクモード」と呼ばれています。
Q. Chrome のキオスクモードの起動方法は。
起動するときに --kiosk と表示したい URL を付けます。試すときは --user-data-dir でキオスク用のプロファイルを分けると、ふだんの設定と混ざりません。
Q. Chrome のキオスクモードの終了方法は。
ウィンドウを閉じる操作(Windows・Linux の Alt+F4 など)か、管理者がプロセスを止めると終わります。手元では Alt+F4・SIGTERM・DevTools Protocol の Browser.close のどれでも2秒以内に終了しました。
Q. F11 の全画面表示とキオスクモードは何が違いますか。
F11 や --start-fullscreen の全画面は F11 で通常表示に戻り、「Esc を長押し」の案内も出ます。--kiosk は F11 を押しても全画面のままで、案内も出ませんでした。
Q. Chrome の --kiosk だけで公共の端末に置けますか。
置かないほうが安全です。閉じる操作で終了でき、URL も制限しません。OS のキオスク機能(割り当てアクセス・ロックタスク・ChromeOS のキオスク)で固定し、URL の制限ポリシーと自動起動を組み合わせます。
Q. Windows 11 Home でもキオスクモードは使えますか。
Microsoft Learn の「割り当てられたアクセスの概要」で対応と書かれているのは Pro・Enterprise/Enterprise LTSC・Education・IoT Enterprise/IoT Enterprise LTSC で、Home は一覧にありません。
Q. iPhone や iPad でキオスクモードのように使うには。
「設定」→「アクセシビリティ」→「アクセスガイド」をオンにし、使いたいアプリを開いてボタンをトリプルクリックします。終了は同じボタンのトリプルクリックと認証です。Apple のサポート記事には、アクセスガイドの使用中は衝突事故検出と緊急通報が使えないという注意もあります。
Q. キオスクモードで前の人の入力が残らないようにするには。
シークレット(InPrivate)で動かし、画面側に「無操作で最初の画面へ戻す」仕組みを入れます。手元では15秒の設定で、操作がなければ 15.5秒後に最初の画面へ戻りました。
Q. キオスク端末の再起動で動作が重くなるのはなぜですか。
同じプロファイルで起動し直すと、前回のタブが裏で復元されることがあります。手元では起動のたびにタブが1→2→3→4と増えました。--incognito を付けるか、起動前に Default/Sessions を消すと増えませんでした。
まとめ
この節では、キオスクモードについてこの記事で確かめたことを5点にまとめます。
- キオスクモードとは、端末を1つのアプリや Web ページだけが使える全画面の状態に固定する仕組みで、店頭の案内・受付・セルフオーダー・サイネージで使われる。
- OS の機能(Windows の割り当てアクセス、ChromeOS のキオスク、Android のロックタスク、iOS のアクセスガイド)と、ブラウザの表示(Chrome の
--kiosk、Edge のキオスク)の2層があり、公共の端末では OS の機能で固定する。 - Chrome の
--kioskは F11 で戻らず終了の案内も出ないが、閉じる操作で終了し、URL も制限しない。Linux ではウィンドウマネージャーが無いと全画面にならなかった。 - 同じプロファイルで起動し直すと裏にタブがたまり(1→2→3→4)、
--incognitoかDefault/Sessionsの削除で防げた。 - 画面は「無操作で最初へ戻す」「大きなボタン」「接続が切れたときの自前の表示」を用意する。Chrome のエラー画面は、サーバーが戻ってからも数十秒残った。
参考・出典
確認日はいずれも 2026年10月29日です。
- Microsoft Learn「割り当てられたアクセスの概要」:https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/configuration/assigned-access/
- Microsoft Learn「割り当て済みアクセスを使用してシングル アプリ キオスク エクスペリエンスを構成する」:https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/configuration/assigned-access/configure-single-app-kiosk
- Microsoft Learn「クイック スタート: 割り当てられたアクセス権を持つ Single-App キオスクを構成する」:https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/configuration/assigned-access/quickstart-kiosk
- Microsoft Learn「Microsoft Edge キオスク モードを構成する」:https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployedge/microsoft-edge-configure-kiosk-mode
- Google for Developers「ChromeOS のキオスクアプリ」:https://developers.google.com/chromeos/app-development/learn/kiosk?hl=ja
- Google for Developers「キオスクのユーザー補助」(ChromeOS):https://developers.google.com/chromeos/app-development/learn/kiosk-accessibility?hl=ja
- Chrome Enterprise and Education ヘルプ「ウェブサイトへのアクセスを許可または拒否する」:https://support.google.com/chrome/a/answer/7532419?hl=ja
- Android Developers「ロックタスク モード」:https://developer.android.com/work/dpc/dedicated-devices/lock-task-mode?hl=ja
- Apple サポート「iPhoneまたはiPadでアクセスガイドを使う」:https://support.apple.com/ja-jp/111795
- W3C「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2」:https://www.w3.org/TR/WCAG22/
- Ubuntu Packages「matchbox-window-manager」(noble):https://packages.ubuntu.com/noble/matchbox-window-manager
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(記載例)出典:株式会社RJC「キオスクモードとは?店頭端末の仕組みとChromeの--kioskを実測」
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