結論

ブラインドタッチ(タッチタイピング)は、キーボードを見ずに画面を見たまま打つ打ち方です。左手の人差し指を F、右手の人差し指を J に置く「ホームポジション」から始め、指ごとに担当するキーを決めて、打ったら必ずホームポジションへ戻す、の3つを守って練習します。速さは後から付いてくるため、最初は正確さを優先し、ローマ字入力なら母音(A・I・U・E・O)と N を早めに覚えるのが近道です。

この記事でわかること

  • ホームポジション・指の割り当て(運指)・練習の順番と、つまずいたときの症状表
  • 日本語の文章をローマ字入力とかな入力で打ったときの打鍵数と、指ごとの負担の実測(日本語・英語・Java のコード)
  • 自作の練習ページを Chromium で動かして、速さ(打鍵/分)と正確率を測る仕組みと、日本語入力がオンのまま練習してしまうときの確かめ方

2026年10月29日更新|Ubuntu 24.04・Chromium 153・Python 3.13・pykakasi 2.3で実行確認

この記事で実際に動かしたもの:自作のタイピング練習ページ(HTML と JavaScript、約60行)を 127.0.0.1 の 22600 番に置き、Chromium 153 を playwright から操作して、決まった間隔でキーを送ったときの打鍵/分・WPM・正確率と、日本語入力(IME)の変換中に届くイベントを記録しました。あわせて、日本語の文章2本を pykakasi でひらがなにしてローマ字入力・かな入力の打鍵数を数え、英文と Java のコードを含めて、どの指がどれだけ使われるかを集計しました。

キーボードを見ずに打てるようになると、目線を画面に置いたまま文章やコードを確かめられるため、打ち間違いにその場で気づけます。ただ、最初の数日は手元を見て打つより遅く感じるため、そこで元の打ち方に戻ってしまう人も少なくありません。練習の全体の流れを先に図で示します。

flowchart TD
    A[ホームポジション<br>F と J に人差し指] --> B[中段だけを打つ]
    B --> C[上段の母音 E U I O]
    C --> D[下段と N]
    D --> E[単語と短い文]
    E --> F[正確率を保って<br>速さを上げる]
    F -.ミスが増えたら.-> E

やりたいことごとに、いちばん早い方法を先にまとめます。

やりたいこと いちばん早い方法 詳しい節
ブラインドタッチのやり方を知りたい F と J に人差し指を置き、指ごとの担当キーだけを押し、打ったら戻す 最初の5分:ホームポジションに指を置く
どの指でどのキーを打つか知りたい 縦の列ごとに1本の指が受け持つ。人差し指だけは2列 指の割り当て(運指)早見表
タッチタイピングの練習の順番 中段 → 上段の母音 → 下段 → 単語 → 文。速さは最後 ブラインドタッチの練習の順番
ローマ字入力とかな入力のどちらで覚えるか 迷ったらローマ字入力。かな入力は打鍵数が約3〜4割少ないが覚えるキーが多い ローマ字入力とかな入力の違い(打鍵数の実測)
自分の速さと正確さを測りたい 練習サービスの計測か、自作ページで打鍵/分と正確率を出す 自作の練習ページで速さと正確さを測る
練習ページで文字が打てない・変換候補が出る 日本語入力をオフ(半角英数)にする。Windows は半角/全角キー 日本語入力がオンのまま練習してしまうとき
キーボードの配列(JIS か US か)を確かめたい テキスト欄で Shift+2 を押す。「"」なら JIS、「@」なら US 自分で確かめる:配列と押したキー
どれくらいの期間で打てるようになるか 中段だけなら数日、文章を見ずに打てるまでは数週間〜数か月と人による どこまで練習するかの判断表

確認環境:Ubuntu 24.04.5 LTS(カーネル 6.18)の上で、Python 3.13 の http.server を 127.0.0.1:22600 だけで待ち受けさせ、自作の練習ページ typing.html を置きました。ブラウザーは Chromium 153.0.8010.12(Chrome for Testing)を playwright(Python 版)から画面なしで起動し、page.keyboard.press で1文字ずつキーを送り、ページが記録した値(window.result)を読み出しています。日本語入力の変換中の動きは、Chrome DevTools Protocol の Input.imeSetComposition と Input.insertText で変換中の文字を送って確かめました。打鍵数と指ごとの負担は、作業用のフォルダーに作った Python の仮想環境に pykakasi 2.3 を入れ、漢字かな交じり文をひらがなにしてから自作の変換表でローマ字にし、指の割り当て表で数えています。Windows と Mac の日本語入力の切り替えは、Microsoft サポート「Microsoft 日本語 IME」と Apple サポート「Macで日本語入力ソースに切り替える」の公式の説明で確かめた範囲だけを書きました。練習サービスは各サービスの公式ページに書かれている内容だけを紹介しています。外部のサービスにはデータを送っていません。図は mermaid-cli で描画を確かめています(確認日 2026年10月29日)。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「ブラインドタッチのやり方|タッチタイピングの指配置と練習を実測」

ブラインドタッチ(タッチタイピング)とは:呼び方と意味

この節では、ブラインドタッチとタッチタイピングの関係と、手元を見て打つ打ち方と何が違うのかが分かります。

ブラインドタッチは、キーボードの文字を目で探さずに、指の位置の感覚だけでキーを打つ打ち方です。英語では touch typing(タッチタイピング)と呼び、日本語の「ブラインドタッチ」は和製英語です。日本語版ウィキペディアの「タッチタイピング」の項目では、1990年代半ばまではブラインドタッチという表記がよく使われ、以降はタッチタイピングが主流になったこと、「ブラインド(盲目)」という表現が差別的ではないかという指摘があることが紹介されています。検索ではいまもブラインドタッチの方が多く使われているため、この記事では両方を同じ意味で使います。

やり方の芯は、どの説明でもほぼ同じです。両手の8本の指を決まった位置(ホームポジション)に置き、キーボードの縦の列ごとに担当する指を決め、親指でスペースキーを押します。打ち終わった指はホームポジションへ戻します。こうすると、指の位置そのものが「地図」になり、キーを目で探す時間がなくなります。

呼び方 意味 使われる場面
ブラインドタッチ キーボードを見ずに打つこと(和製英語) 日本語の会話や検索。いまも検索数は多い
タッチタイピング 同じ意味。英語の touch typing 教材・練習サービス・学校の授業
タッチメソッド 同じ意味の別名 以前のタイプライターの教本など
手元を見て打つ(自己流) キーを目で探して、主に人差し指で押す打ち方 英語では hunt and peck(探してつつく)と呼ばれる
運指(うんし) どの指でどのキーを押すかの決まり 練習サービスの「指の担当範囲」

手元を見て打つ

目線がキーボードと画面を行き来する

打ち間違いに気づくのが、打ち終わって画面を見たとき

使う指が少なく、同じ指が続けて動く

ブラインドタッチ

目線は画面に置いたまま

打ち間違いに、その文字を打った瞬間に気づける

8本の指で分担するので、1本あたりの移動が短い

上位の解説でよく挙げられる良い点は、入力が速くなる、ミスにすぐ気づける、目と首の上下の動きが減って疲れにくい、文章の中身に集中できる、の4つです。反対に、身につくまでの数日〜数週間は一時的に遅くなるのが唯一といってよい負担です。

最初の5分:ホームポジションに指を置く

この節では、ブラインドタッチの出発点になるホームポジションの置き方と、キーを見ずに位置を確かめる方法が分かります。

ホームポジションは、左手を A・S・D・F、右手を J・K・L・;(セミコロン)に置いた形です。左手の人差し指が F、右手の人差し指が J に乗ります。多くのキーボードでは F と J のキーに小さな突起(ポッチ)があり、目で見なくても指先で位置を確かめられます。親指は両手ともスペースキーの上に軽く乗せます。

1

F と J の突起を指先で探す

キーボードを見ずに、左右の人差し指で突起のあるキーを探す。見つけたらそこが基準になる。

ノートパソコンでも多くの機種に突起がある

2

残りの指を横に並べる

左手は中指 D・薬指 S・小指 A、右手は中指 K・薬指 L・小指 ;。指は軽く曲げ、キーに触れるだけで押さない。

かな入力でも置く場所は同じ(F は「は」、J は「ま」)

3

1キーずつ打って戻す

「f j f j」「d k d k」と、ホームポジションのキーだけを見ずに打つ。打った指はすぐ元の位置に戻す。

最初は1分に30〜60打の遅さでよい

4

隣のキー G と H を足す

人差し指を1つ内側にずらして G・H を打ち、すぐ F・J に戻す。人差し指は2列を受け持つことに慣れる。

ここまでで中段がそろう

手首は机やパームレストにべったり乗せず、指先が軽く浮く高さにすると、指が動かしやすくなります。キーは強くたたかず、軽く押し下げる程度で反応します。上位の解説でも「力を入れすぎない」「爪を短くする」「痛みが出たら休む」が注意点として挙がっています。痛みが続くときは練習をやめ、医療機関に相談します。

手首を置く高さや椅子・画面との距離は、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が参考になります。ディスプレイは「おおむね40cm以上の視距離」を確保し、一連続作業時間が1時間を超えないようにして、次の作業までに10〜15分の作業休止、途中に1〜2回の小休止を設けるよう書かれています。練習も1回15〜20分程度で区切る方が、指の位置を正しく保ちやすくなります。

指の割り当て(運指)早見表

この節では、どの指でどのキーを押すかの一般的な割り当てと、ローマ字入力でその指が受け持つ主な音が分かります。

キーボードは少し斜めにずれた縦の列でできていて、1列を1本の指が受け持ちます。人差し指だけは左右とも2列ずつ(左は R・T・F・G・V・B、右は Y・U・H・J・N・M)を担当し、小指は端の列と記号のキーをまとめて受け持ちます。数字の 6 を左右どちらの人差し指で打つかは教材によって違うため、使う練習サービスの表示に合わせます。

指 担当するキー(数字段〜下段) ホームポジション ローマ字入力で打つ主な音
左小指 1・Q・A・Z と左の Shift・Tab・Caps A 母音の「あ」
左薬指 2・W・S・X S さ行・「わ」「を」
左中指 3・E・D・C D 母音の「え」・だ行
左人差し指 4・5・R・T・F・G・V・B F ら行・た行・が行・ば行
右人差し指 6・7・Y・U・H・J・N・M J 母音の「う」・は行・な行・ま行・や行・「ん」
右中指 8・I・K・,(読点) K 母音の「い」・か行・「、」
右薬指 9・O・L・.(句点) L 母音の「お」・「。」
右小指 0・P・;・/ と右側の記号・Enter・右の Shift・BackSpace ; ぱ行・長音の「ー」
両手の親指 スペース・変換・無変換(Mac は英数・かな) スペース 変換の確定や空白

大文字や記号を打つときの Shift は、打つキーと反対の手の小指で押すのが基本です。たとえば右手で打つ「K」を大文字にするなら左の Shift、左手で打つ「A」を大文字にするなら右の Shift を押します。同じ手で Shift とキーを同時に押そうとすると、手の形が崩れてホームポジションに戻りにくくなります。

11列1本

縦の列は1本の指が受け持つ。キーがずれていても、列で覚えると迷わない。

2人差し指は2列

F・J から内側の G・H、上の R・T・Y・U、下の V・B・N・M まで受け持つ。

3Shift は反対の手

打つキーと反対の小指で Shift を押すと、手の形が崩れない。

4打ったら戻す

上段・下段を打った指は、必ず中段のホームポジションへ戻す。

ブラインドタッチの練習の順番

この節では、どの段・どのキーから練習すると身につきやすいかと、日本語のローマ字入力に合わせた順番が分かります。

練習は「中段 → 上段 → 下段 → 単語 → 文」の順に広げ、どの段階でも正確さを先に、速さを後にします。上位の解説も、ホームポジション → 正確に打つ → 速く打つ、の3段階や、段ごとの練習を勧めています。この記事では、後の節の実測(日本語をローマ字で打つと上段のキーが半分を占める)をふまえて、上段の母音を早めに入れる順番にしています。

  1. 1中段(A S D F G H J K L ;)見ずに「asdf jkl;」を打てるまで。母音の「あ」と、さ行・か行の子音がここにある
  2. 2上段の母音(E U I O)「え」は左中指、「う」は右人差し指、「い」は右中指、「お」は右薬指で真上に伸ばす
  3. 3上段の子音(R T Y W P Q)ら行・た行・や行・わ行。人差し指は斜め上に伸ばす
  4. 4下段(Z X C V B N M , .)「ん」の N、な行・ま行・ば行、句読点。下段は指を曲げて手前に引く
  5. 5単語と短い文「かいしゃ」「よろしく」など、日常で打つ言葉。拗音・促音もここで混ぜる
  6. 6速さを上げる正確率95%以上を保ったまま、少しずつ速くする。ミスが増えたら1つ前に戻る

1日の練習は、短い時間を毎日続ける方が身につきやすいといわれます。上位の解説でも「毎日練習する」「短い単語から始めて少しずつ長くする」が注意点として挙がっています。キーボードを見ないことを強く意識するために、手元を布や紙で隠す方法を紹介している解説もあります。

速さが気になるとき

避けたいスコアを上げたくて、つい手元を見たり、打ちやすい指で打ったりする
→
代わりに遅くても決まった指で打つ。速さは正確率が安定してから上げる

自己流の運指は、速くなるほど直しにくくなる

覚えられないキーがあるとき

避けたい毎回キーボードを見て確かめる
→
代わりに画面に表示される指の案内や運指表を見て、指を伸ばして探す

「目で探す」癖をつけないことが、いちばんの近道

ローマ字入力とかな入力の違い(打鍵数の実測)

この節では、日本語を打つときのローマ字入力とかな入力で、実際に何回キーを押すかの違いと、どちらで覚えるかの考え方が分かります。

同じ文章をかな入力で打つと、ローマ字入力より打鍵数が約3〜4割少なくなりました。ただし、かな入力はキー1つに1つのかなが割り当てられているため、覚えるキーの数が約50と多く、数字段まで使います。ローマ字入力は英字26個の位置を覚えれば、英語やプログラミングの入力にもそのまま使えます。

確かめるため、ビジネスメール風の文(119文字)と日常の文(94文字)を用意し、pykakasi でひらがなにしたうえで、ローマ字は IME が受け付ける短い綴り(し=si、ち=ti、つ=tu など)とヘボン式に近い綴り(shi・chi・tsu など)の2通りで数えました。かな入力は、かな1つを1打、濁点・半濁点を+1打、小さい「ゃ」「っ」などを Shift との同時押しとして数えています。変換や確定で押すスペース・Enter は、どちらの方式でも同じなので含めていません。

mail(119文字)
  ひらがな : おせわになっております。せんじつごいらいいただいたしりょうをてんぷいたします。…
  ローマ字 : osewaninatteorimasu.senzitugoiraiitadaitasiryouwotenpuitasimasu.…
  ヘボン式 : osewaninatteorimasu.senjitsugoiraiitadaitashiryouwotenpuitashimasu.…
daily(94文字)
  ひらがな : けさはあめがふっていたので、えきまであるくのをやめてばすにのりました。…
  ローマ字 : kesahaamegahutteitanode,ekimadearukunowoyametebasuninorimasita.…
文章 かなの数 ローマ字(短い綴り) ローマ字(ヘボン式) かな入力
メール風(119文字) 143 239打 247打 160打(Shift 5回)
日常の文(94文字) 111 192打 198打 120打(Shift 7回)
かな1つあたり - 1.67〜1.73打 1.73〜1.78打 1.08〜1.12打
ローマ字(短い綴り)との差 - 基準 +3.1〜3.3% -33.1〜-37.5%
−37.5%かな入力の打鍵数(日常の文)192打 → 120打
1.7打ローマ字入力のかな1つあたり2文の平均
約2.0打漢字かな交じりの1文字あたり239打÷119文字、変換キーを除く

ヘボン式の綴り(shi・tsu など)は、短い綴りより約3%打鍵が増えるだけでした。練習サービスの多くは、どちらの綴りでも受け付けます(例として、寿司打の公式ページには「し」を si・shi・ci のどれでも入力できると書かれています)。覚えやすい方で打ってかまわない、というのが実測から言えることです。

どちらで覚えるかは、次の考え方で決めると迷いません。仕事でメールやチャットの日本語を大量に打ち、英字はほとんど打たないならかな入力にも利点があります。プログラミングや英語の入力も多いなら、英字の位置を一度で覚えられるローマ字入力が向いています。途中で切り替えると、両方の運指が混ざって遅くなるため、最初に決めて続けるのが大切です。

ローマ字入力で指がどれだけ使われるか(指別の負担の実測)

この節では、日本語をローマ字で打つとき・英語を打つとき・コードを打つときに、どの指とどの段がどれだけ使われるかが、集計した数字で分かります。

日本語のローマ字入力では、母音の5キーだけで英字の約5割を占め、上段のキーが全体の5割強を占めました。中段(ホームポジションの段)は3割ほどです。ホームポジションの段だけを長く練習しても、日本語の文章の半分は打てないということになります。練習の順番で上段の母音を早く入れたのは、このためです。

項目 メール風(ローマ字) 日常の文(ローマ字) 英文 Java(字下げ除く)
上段の割合 54.0% 51.0% 40.4% 32.9%
中段の割合 32.6% 30.2% 26.5% 26.2%
下段の割合 13.0% 18.2% 14.6% 11.0%
多い文字(上位5つ) a i u s e a i n t o e t o h a t i l a o
母音(aiueo)の割合 53.7% 50.0% - -

指ごとに見ると、さらに違いがはっきりします。日本語では右手の人差し指(う・ん・な行・は行・ま行)と右中指(い・か行)がよく働き、右小指はほとんど使いません。コードでは逆に、記号と Enter を受け持つ右小指がいちばん忙しい指になりました。

指 メール風 日常の文 英文 Java(字下げ除く)
右人差し指 22.2% 23.4% 17.2% 7.9%
右中指 16.3% 20.8% 5.3% 10.4%
左小指 15.1% 14.6% 7.3% 6.1%
左人差し指 14.2% 15.1% 14.6% 15.9%
右小指(Enter を含む) 0.8% 0.5% 1.3% 21.4%
親指(スペース) - - 18.5% 14.6%

表の数字は、日本語は変換のスペースを除いたローマ字の打鍵、英文と Java は書いた文字そのものを数えたものです。Java は9行の短いコードで、エディターが字下げ(インデント)を自動で入れる前提で、行頭の空白を除いて数えました。行頭の空白も手で打つと、親指(スペース)の割合が35.2%まで上がります。記号は JIS 配列(日本語キーボード)の位置で数え、164打のうち27打で Shift を押していました。

この集計から、練習の順番について2つのことが言えます。日本語を打つなら左小指の「a」を早く安定させること。コードを打つなら、日本語の練習だけでは右小指がほとんど鍛えられないため、記号の練習を別に入れることです。コードに出てくる記号の多さは、関連記事「タイピングが遅いとエンジニアは無理か|最初はみな遅く、慣れで速くなる」で Java のコード15本を数えた結果として扱っています。

自作の練習ページで速さと正確さを測る(Chromium で実測)

この節では、練習の成果を数字で見るための「打鍵/分」「WPM」「正確率」の意味と、それをブラウザーで測る仕組みを、実際に動かした結果で確かめられます。

打鍵/分は1分あたりに正しく打てたキーの数、WPM(words per minute)は5打を1語として数えた1分あたりの語数、正確率は押したキーのうち正しかった割合です。練習サービスによって速さの単位や点数の出し方は違いますが、この3つが分かれば自分の記録を比べられます。仕組みを確かめるため、ホームポジションの練習文を表示し、押したキーを1つずつ判定する練習ページを作りました。

<p id="target"></p>
<input id="pad" autocomplete="off" placeholder="ここをクリックして打つ">
<p id="warn"></p>
<p>正確率 <output id="acc">-</output> 打鍵/分 <output id="kpm">-</output> WPM <output id="wpm">-</output></p>
<script>
const TEXT = 'asdf jkl; fdsa ;lkj';
const r = { pos: 0, ok: 0, miss: 0, first: null, last: null };
const $ = id => document.getElementById(id);
$('pad').addEventListener('compositionstart', () => {
  $('warn').textContent = '日本語入力がオンです。半角英数に切り替えてから打ちます。';
});
$('pad').addEventListener('keydown', e => {
  if (e.isComposing || e.keyCode === 229) return;   // 変換中のキーは数えない
  if (e.key.length !== 1 || r.pos >= TEXT.length) return;
  e.preventDefault();
  if (e.key === TEXT[r.pos]) {
    if (r.first === null) r.first = e.timeStamp;   // 最初に正しく打った時刻から測る
    r.last = e.timeStamp; r.ok++; r.pos++;
  } else {
    r.miss++;
  }
  const min = (r.last - r.first) / 60000;
  $('acc').value = (100 * r.ok / (r.ok + r.miss)).toFixed(1) + '%';
  if (min > 0) {
    $('kpm').value = Math.round((r.ok - 1) / min);
    $('wpm').value = (((r.ok - 1) / 5) / min).toFixed(1);
  }
});
</script>

時間は、最初に正しく打ったキーから最後に正しく打ったキーまでを e.timeStamp で測り、その間に打てたキーの数(最初の1打を除く)で割っています。このページを Chromium で開き、29文字の練習文を決まった間隔で1キーずつ送ったときの記録が次の表です。「実際の速さ」は、送り始めから終わりまでを Python 側の時計で測った値です。

キーを送る間隔 計算上の打鍵/分 ページが出した打鍵/分 WPM 送るのにかかった時間
600ミリ秒 100 99 19.7 17.63秒
300ミリ秒 200 196 39.2 8.88秒
150ミリ秒 400 379 75.8 4.59秒
100ミリ秒 600 569 113.8 3.06秒

ページの値は計算上の値より少し低く出ましたが、これはキーを送る操作そのものに1打あたり数ミリ秒かかっていたためです。送るのにかかった時間から逆算すると、600ミリ秒の行は 29打÷17.63秒×60 ≒ 98.7打/分、100ミリ秒の行は 29÷3.06×60 ≒ 568.6打/分で、ページの値とほぼ一致しました。ブラウザーの e.timeStamp の刻みは、この環境で0.1ミリ秒でした(performance.now() の値が変わる最小の幅を測った結果)。人の打鍵の間隔は100ミリ秒前後なので、計測に困らない細かさです。

次に、正しいキーの前にわざと違うキー(q)を混ぜて、正確率の変わり方を確かめました。練習文は「kaisyanituitekaramerumokakuninsita」(34文字)、間隔は120ミリ秒です。

混ぜたミスの割合(目安) 実際に混ぜたミス 正確率 打鍵/分 ミスした指(打つべきキーの担当)
0% 0回 100% 474 -
5% 1回 97.1% 470 左小指1
10% 4回 89.5% 467 左小指2・左薬指1・右人差し指1
20% 8回 81.0% 452 右人差し指3・左小指2・右中指2・左中指1

ミスを1回すると、その分だけ押すキーが増えるため、正しく打てた数が同じでも打鍵/分は下がります。8回のミスで約5%遅くなりました。実際の練習では、ミスに気づいて打ち直す時間も加わるので、差はさらに広がります。ミスを減らすことが、そのまま速さにつながるのは、この仕組みからも分かります。打つべきキーの担当の指ごとにミスを数えておくと、どの指の練習を増やすかが見えてきます。

自分で確かめる:キーボードの配列と押したキー

この節では、自分のキーボードが JIS 配列か US 配列か、押したキーがパソコンにどう伝わっているかを、ブラウザーの開発者ツールで1行で確かめる方法が分かります。

記号の位置は、日本語キーボード(JIS 配列)と英語キーボード(US 配列)で違います。英字の位置は同じですが、たとえば Shift+2 は JIS 配列では「"」、US 配列では「@」になります。運指表や練習サービスの記号の案内が自分のキーボードと合わないときは、まず配列を確かめます。メモ帳などのテキスト欄で Shift+2 を押してみるのがいちばん簡単です。

もう少し詳しく見たいときは、ブラウザー(Chrome・Edge など)で何かのページを開き、F12 キー(Mac は command+option+I)で開発者ツールを開いて、Console(コンソール)に次の1行を貼り付けて Enter を押します。そのあとページの上をクリックしてキーを押すと、押したキーの情報が表示されます。

addEventListener('keydown', e => console.log(e.key, e.code, e.isComposing, e.keyCode));

手元の Chromium(画面なしで起動した既定の状態は US 配列)でキーを送ったときの記録は次のとおりです。

f          KeyF       false 0
j          KeyJ       false 0
;          Semicolon  false 0
Shift      ShiftLeft  true  1
@          Digit2     true  0
Shift      ShiftLeft  true  1
*          Digit8     true  0
           Space      false 0
Enter      Enter      false 0
Backspace  Backspace  false 0
(左から e.key / e.code / Shift が押されているか / キーの位置 0=通常 1=左側)

e.key は入力される文字、e.code はキーボード上の物理的なキーの位置です。MDN の説明でも、code は「キーボードレイアウトや修飾キーの状態によって変更される前の値」とされています。Shift+2 の行は、物理的には同じ Digit2 のキーでも、US 配列なので「@」が入力されたことを示しています。JIS 配列のキーボードで同じことをすると、e.key は「"」になります。

1

配列を確かめる

Shift+2 が「"」なら JIS、「@」なら US。

記号の運指表を選ぶ前に

2

押したキーを確かめる

開発者ツールの1行で key と code を表示する。

キーの名前が分からないときに

3

変換中かを確かめる

isComposing が true、keyCode が 229 なら日本語入力が受け取っている。

練習ページで打てないときに

開発者ツールの開き方やコンソールの使い方は、関連記事「Chrome DevToolsの使い方|デバッグ手順と便利機能一覧」で扱っています。

日本語入力がオンのまま練習してしまうとき

この節では、練習ページで文字が進まない・変換候補が出るときに何が起きているかと、Windows・Mac での日本語入力の切り替え方が分かります。

ローマ字の練習ページは、ほとんどが「日本語入力オフ(半角英数)」で打った英字を判定します。日本語入力がオンのままだと、打った英字は日本語入力(IME)が受け取り、「k」→「か」のように変換中の文字になるため、ページ側には正しいキーとして届きません。自作のページに、変換中の文字を送ったときの記録が次のとおりです。

compositionstart   ""
compositionupdate  "k"         input "k"        (isComposing=true)
compositionupdate  "か"        input "か"       (isComposing=true)
compositionupdate  "かい"      input "かい"     (isComposing=true)
compositionupdate  "かいし"    input "かいし"   (isComposing=true)
compositionupdate  "かいしゃ"  input "かいしゃ" (isComposing=true)
compositionupdate  "会社"      input "会社"     (isComposing=true)
compositionend     "会社"

画面の警告 : 日本語入力がオンです。半角英数に切り替えてから打ちます。
判定の結果 : 正しく打てた数 0 / ミス 0 / 入力欄の中身 "会社"

変換中は compositionstart から compositionend までのイベントが続き、その間の入力は isComposing が true になります。自作ページは、この間のキーを判定に数えない作りにしたため、正しく打てた数もミスも0のまま、警告だけを出しました。実物の IME では、変換中の keydown も届き、そのとき keyCode は 229 になります(MDN の keydown イベントの説明に、変換中のキーを無視するには isComposing と keyCode === 229 を確かめる書き方が載っています)。今回の送り方(DevTools Protocol の変換中の文字の送信)では keydown は発生しないため、keydown の 229 は MDN の記述で確かめた範囲です。Web ページ側の実装は、関連記事「JavaScript keydownイベントの使い方|Enter判定とIME対策」で扱っています。

Windows(Microsoft IME)

Microsoft サポート「Microsoft 日本語 IME」によると、日本語入力のオン・オフは「半角/全角」キーで切り替えます。英数(Caps Lock)キーはひらがなモードと英数字モードの切り替え、「Alt+カタカナひらがなローマ字」キーはかな入力とローマ字入力の切り替えです(後者は、IME の設定の「全般」で、このキーでかな/ローマ字入力を切り替える項目を有効にしているときに使えます)。IME の設定は、タスクバーの IME のアイコンを右クリックして「設定」から開けます。

Mac(日本語入力プログラム)

Apple サポート「Macで日本語入力ソースに切り替える」によると、JIS キーボードでは「英数」キーで英字、「かな」キーでひらがなに切り替えます。標準(US)キーボードでは Control+Shift+J でひらがな、Control+Shift+アポストロフィ(')で英字モードです(英字モードへの切り替えは、ローマ字入力を選んでいるとき)。かな入力とローマ字入力は入力ソースとして分かれていて、メニューバーの入力メニューから「“日本語 - かな入力”設定を開く」「“日本語 - ローマ字入力”設定を開く」でそれぞれの設定画面を開けます。

かな入力の練習をするときは、逆に日本語入力をオンにし、かな入力の設定にしてから打ちます。e-typing のように、ローマ字・英語・かなのコースを分けているサービスでは、コースに合わせて入力方式を切り替えます。

練習サービスの選び方(公式ページの範囲で紹介)

この節では、無料で使えるタイピング練習サービスの例と、自分の段階に合わせて何を基準に選ぶかが分かります。紹介する内容は、各サービスの公式ページに書かれている範囲です。

選ぶ基準は「今の段階の練習があるか」「指の案内が出るか」「自分の入力方式(ローマ字・かな・英語)に対応しているか」の3つです。ホームポジションから始めたい段階なのか、文章で速さを上げたい段階なのかで、向くサービスが変わります。

サービス 公式ページに書かれている主な内容 向く段階
e-typing ウェブ上で無料のタイピング練習。ローマ字・英語・かなのコース、実力を確かめる「レベルチェック」、タイピング技能検定「e-typing master」、分野別のタイピングバラエティ 基礎から、実力の確認まで
マイタイピング(ひよこのタイピング練習) 初心者向けの講座。基礎編(練習1〜11:ホームポジション、あ行〜わ行、五十音まとめ)と習得編(練習12〜17:濁音・拗音など)。練習中に使う指が画面に表示される ホームポジションから始める段階
寿司打 ローマ字入力の練習ができるタイピングゲーム。流れてくる皿の文字を入力する。ふりがなつきや音なしのモードがあり、「し」は si・shi・ci のどれでも入力できる 文で速さを上げる段階

どのサービスも、最初の段階で指の割り当てとホームポジションを案内しています。マイタイピングの講座のページでは、まず画面を見ずに正確に打つことが勧められています。ゲーム形式のサービスは続けやすい反面、時間制限があると焦って手元を見たくなるため、ホームポジションに慣れてから使うと効果が出やすくなります。

学校や会社の端末では、外部のサイトに接続できないことがあります。その場合は、この記事の自作ページのように、手元の HTML ファイルを開くだけで動く練習ページを使う方法もあります(練習文はページの TEXT を書き換えるだけで変えられます)。

エンジニアがコードを打つときのブラインドタッチ

この節では、文章ではなくプログラムを打つときに、ブラインドタッチの練習で何を足せばよいかが分かります。

コードを打つときは、英字に加えて記号・Shift・Enter を右小指で打つ場面が大幅に増えます。指別の実測では、9行の Java のコードで右小指(Enter を含む)が21.4%を占め、日本語の文章(0.5〜0.8%)とは全く違う使われ方でした。日本語の文章だけで練習していると、記号のところで手が止まりやすくなります。

記号 JIS 配列での打ち方 US 配列での打ち方 担当の指
( ) Shift+8・Shift+9 Shift+9・Shift+0 JIS は右中指・右薬指
{ } Shift+[・Shift+] Shift+[・Shift+] 右小指
; : ; と :(別のキー) ; と Shift+; 右小指
" ' Shift+2・Shift+7 Shift+'・' JIS は左薬指・右人差し指
= + Shift+-・Shift+; =・Shift+= 右小指

一方で、コードは全部を自分で打つわけではありません。エディターの補完やスニペット、AI による下書きで、実際に打つ量は大きく減ります。それでも、補完の候補を選ぶ・ショートカットで移動する・ターミナルでコマンドを打つ場面では、画面から目を離さずに打てることが作業の速さに直結します。エディターの操作は、関連記事「VSCodeショートカット一覧|Win/Mac対応130項目とAI操作・変更方法」で扱っています。ホームポジションから手を離さずに編集できるエディターとしては vim があり、関連記事「vimコマンド一覧|モード別早見表と置換・マクロの実行結果つき」でモード別のコマンドを扱っています。

タイピングが速くないと仕事にならないのでは、という不安そのものには、前に挙げた「タイピングが遅いとエンジニアは無理か」の記事が答えています。この記事は、実際に練習を始めるときの「やり方」の側を受け持ちます。

うまくいかないときの症状と直し方

この節では、ブラインドタッチの練習でよくあるつまずきを、症状・原因・直し方の順に確かめられます。実際に出た表示やメッセージは原文で載せています。

症状 原因 直し方
練習ページで打っても文字が進まない・変換候補が出る 日本語入力がオン。自作ページでは「日本語入力がオンです。半角英数に切り替えてから打ちます。」と表示された Windows は半角/全角キー、Mac は英数キー(US キーボードは Control+Shift+')で英字にする
記号が運指表と違う文字になる キーボードの配列(JIS と US)が違う。US 配列では Shift+2 が「@」 Shift+2 で配列を確かめ、配列に合った運指表を使う
「し」「つ」でミスになる 練習サービスが受け付ける綴りと違う 多くのサービスは si/shi、tu/tsu の両方を受け付ける。案内の表示に合わせる
「ん」が「n」1回で次の文字とつながる 「n」の次に母音・y・n が来ると別のかなになる(「かんい」と「かに」) 迷ったら「nn」と打つ。実測でも「こんにちは」は konnnitiha になった
上段・下段を打つとホームポジションに戻れない 指を戻さずに次のキーを探している 1打ごとに戻す。F・J の突起で位置を確かめ直す
速くしようとすると手元を見てしまう 正確さが固まる前に速さを上げている 正確率95%以上に戻るまで速さを落とす。手元を紙で隠す
指や手首が痛い 力の入れすぎ・手首の角度・休憩不足 練習をやめて休む。椅子・机の高さを見直し、痛みが続けば医療機関に相談する
Caps Lock で大文字になる・Shift が効かない 左小指が Caps Lock を押している Shift は打つキーと反対の手の小指で押す。Windows は英数キーでひらがなと英数字が切り替わる点にも注意

「ん」の打ち方は、実際に変換表で数えたときにも引っかかった点です。「n」の直後に「a・i・u・e・o・y・n」が来ると、「na」「ny」のように別のかなとして読まれます。ローマ字入力の多くは「n」のあとに子音が続けば「ん」と読むので、「kanji」は「かんじ」になりますが、「かんい」のつもりで「kani」と打つと「かに」になります(「かんい」は kanni か kan'i と打ちます)。日常の文では、英字の9.8%が n でした。「ん」と、な行の子音の両方に使う文字なので、早めに慣れておく価値があります。

どこまで練習するかの判断表

この節では、自分の目的に合わせて、どの段階まで練習するかを判断できます。

目標は「見ずに打てること」と「正確率」で決め、速さの数字は目的に合わせて後から決めます。上位の解説では、ある程度の速さで打てるまでの期間は「数日〜数か月」「1〜2か月程度」と幅があり、人によって大きく違います。期間よりも、今どの段階にいるかを見て次に進む方が確かです。

目的 目安にする段階 次に足す練習
メールやチャットを楽に打ちたい 見ずに日本語の短い文が打てる、正確率95%以上 よく使う言い回しの単語練習
議事録など長い文章を打つ 見ずに文章が打て、打鍵/分が200前後(WPM 40前後) 長文のコース、句読点・数字
プログラミングを始める 英字を見ずに打てる 記号・Shift・Enter の右小指の練習
英語の文章を打つ 英字・スペース・大文字を見ずに打てる 英語コース、WPM で記録
検定や記録を目指す 練習サービスのレベルチェックで段階を確かめる サービスの検定・模擬試験

打鍵/分と WPM は「打鍵/分 ÷ 5 = WPM」で換算できます。日本語のローマ字入力では、実測で漢字かな交じりの1文字に約2.0打かかったので、変換キーを除いて打鍵/分200なら1分に約100文字が目安です。数字はあくまで自分の記録を比べる物差しで、他の人と比べるためのものではありません。

  • 1F と J の突起でホームポジションに戻れる目をつぶっても置ければ合格
  • 2母音の5キーを見ずに打てる日本語のローマ字の約5割は母音
  • 3正確率95%以上を保てる下がったら速さを落とす
  • 4Shift を反対の手で押せる大文字と記号の土台
  • 5日本語入力のオン・オフを見ずに切り替えられるWindows は半角/全角、Mac は英数・かな

よくある質問

この節では、ブラインドタッチ(タッチタイピング)について、よく聞かれる疑問への答えが分かります。

Q. ブラインドタッチとタッチタイピングは違うものですか? A. 同じものです。ブラインドタッチは和製英語で、英語では touch typing と呼びます。教材や練習サービスでは、いまはタッチタイピングと書かれることが多くなっています。

Q. 大人になってからでも身につきますか? A. 身につきます。指の割り当てと「打ったら戻す」を守って、短い時間を毎日続けることが大切です。上位の解説でも、習得の期間は数日〜数か月と幅があり、年齢よりも練習の続け方で差が出ます。

Q. ローマ字入力とかな入力、どちらがよいですか? A. 迷ったらローマ字入力です。実測では、かな入力の方が打鍵数は約3〜4割少なくなりましたが、覚えるキーが多くなります。英語やプログラミングも打つなら、英字の位置を一度に覚えられるローマ字入力が向いています。

Q. 人差し指だけで速く打てるなら、直す必要がありますか? A. 目的しだいです。手元を見て打つ方法でも速い人はいますが、画面から目が離れるため、打ち間違いに気づくのが遅れます。長い文章やコードを打つ機会が多いなら、一時的に遅くなっても指の割り当てを覚え直す価値があります。

Q. 1日に何分くらい練習すればよいですか? A. 15〜20分ほどを毎日続ける形が取り組みやすいです。厚生労働省のガイドラインでも、一連続作業時間は1時間を超えないようにし、途中に1〜2回の小休止を入れることが示されています。指が疲れたら、その日はやめます。

Q. 数字のキーも見ずに打つべきですか? A. 数字段は指を大きく伸ばすため、英字が見ずに打てるようになってから取り組む順番がおすすめです。数字をたくさん入力する仕事なら、テンキーの練習コースがあるサービスもあります(e-typing のタイピングバラエティにはテンキーの分野があります)。

Q. ノートパソコンでも同じやり方でよいですか? A. 同じです。英字の位置はデスクトップ用のキーボードと同じで、多くの機種で F と J に突起があります。ただし、右端の記号や Enter の大きさ・位置は機種によって違うため、右小指で打つキーは自分のキーボードで確かめます。

Q. Mac の US キーボードでも練習できますか? A. できます。英字の位置は同じです。日本語入力の切り替えは、Apple サポートの説明では Control+Shift+J でひらがな、Control+Shift+アポストロフィで英字モードです。記号の位置は JIS 配列と違うため、記号の運指は US 配列のものを使います。

Q. 練習ページで「ん」がうまく打てません。 A. 「n」の次に母音・y・n が来ると、別のかなとつながります。迷ったときは「nn」と打つと確実です。この記事の変換表でも、「こんにちは」は konnnitiha と数えました。

Q. 自分の打鍵の記録をとるにはどうすればよいですか? A. 練習サービスの結果画面の数字を控えるのがいちばん手軽です。自分で測りたいときは、この記事の自作ページのように keydown の timeStamp で打鍵の間隔を記録すると、打鍵/分と正確率を出せます。

まとめ

  • ブラインドタッチ(タッチタイピング)は、キーボードを見ずに打つ打ち方。左の人差し指を F、右の人差し指を J に置き、1列1本の指で打ち、打ったら戻す。
  • 練習は中段 → 上段の母音 → 上段の子音 → 下段 → 単語 → 文の順。日本語のローマ字では上段が5割強、母音が約5割を占めたため、母音を早く覚えると文章に進みやすい。
  • かな入力はローマ字入力より打鍵数が33.1〜37.5%少なかったが、覚えるキーが多い。ヘボン式の綴りは短い綴りより約3%多いだけで、どちらでもよい。
  • 自作の練習ページを Chromium で動かすと、打鍵/分は実際の速さと一致し、ミスを8回混ぜると正確率81.0%・速さは約5%低下した。ミスを減らすことがそのまま速さになる。
  • 練習ページで打てないときは日本語入力がオンになっていないか、記号が違うときは JIS と US の配列を確かめる。コードを打つなら右小指(記号・Enter)の練習を別に足す。

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月29日です。

  • Microsoft サポート「Microsoft 日本語 IME」:https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/microsoft-日本語-ime-da40471d-6b91-4042-ae8b-713a96476916
  • Apple サポート「Macで日本語入力ソースに切り替える」:https://support.apple.com/ja-jp/guide/japanese-input-method/jpimf6ffb247
  • MDN Web Docs「Element: keydown イベント」:https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/Element/keydown_event
  • MDN Web Docs「KeyboardEvent: code プロパティ」:https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/KeyboardEvent/code
  • 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」:https://www.mhlw.go.jp/content/000539604.pdf
  • ウィキペディア「タッチタイピング」:https://ja.wikipedia.org/wiki/タッチタイピング
  • e-typing(公式):https://www.e-typing.ne.jp/
  • マイタイピング「ひよこのタイピング練習」(公式):https://typing.twi1.me/training
  • 寿司打(公式):https://sushida.net/
  • pykakasi(PyPI):https://pypi.org/project/pykakasi/

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(記載例)出典:株式会社RJC「ブラインドタッチのやり方|タッチタイピングの指配置と練習を実測」

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