結論

フロッピーディスクとは、磁性体を塗った薄くて柔らかい円盤をケースに収め、磁気でデータを記録する持ち運び用の記録媒体です。いちばん広く使われた3.5インチ2HDの容量は1.44MB(正確には1,474,560バイト)で、ファイルを置ける部分は1,457,664バイトです。メーカーの生産はすでに終わり、日本の行政手続きでフロッピーディスクを求める規定も2024年6月28日に全廃されました。手元に残っているデータは、読めるうちに今の媒体へ移すのが基本です。

この記事でわかること

  • フロッピーディスクの種類(8・5.25・3.5インチ)と容量一覧、1.2MB・1.23MB・1.25MBと表記が分かれる理由
  • 1.44MBのディスクイメージを作って測った「写真が何枚入るか」「ファイル数の上限」「日本語のファイル名」の実物
  • 今の扱い(生産終了・行政手続き・保存アイコン)と、データを今の媒体へ移す手順と確かめ方

2026年10月29日更新|dosfstools 4.2・mtools 4.0.43・util-linux 2.39.3 でディスクイメージを作って確認

この記事で実際に動かしたもの:作業用フォルダーの中に作った 1.44MB・720KB・1.2MB・2.88MB・1.23MB(PC-98 の形式に合わせたもの)のディスクイメージ(ファイル)です。mkfs.fat と mtools で書式を整え、写真・文章・1バイトのファイルを入るだけ入れて容量の上限を測り、日本語のファイル名がディスクの中でどう記録されるかを xxd で確かめ、わざと壊したイメージで出るエラーと、データを取り出してハッシュ値で照合する手順を実行しました。本物のフロッピーディスクドライブや、パソコンの装置には触れていません。

フロッピーディスクは、1980〜90年代のパソコンで、文書の保存・受け渡し・ソフトのインストールに広く使われた記録媒体です。今では実物を見たことがない人も多い一方で、ソフトの「保存」ボタンの絵として毎日目にしています。最初に、1.44MBのフロッピーディスクの中がどう区切られているかを図で示します。

flowchart TB
    A[ブートセクタ<br>1セクタ 512バイト] --> B[FAT その1<br>9セクタ]
    B --> C[FAT その2<br>9セクタ 予備の写し]
    C --> D[ルートディレクトリ<br>14セクタ 224項目]
    D --> E[データ領域<br>2,847セクタ 1,457,664バイト]

よく調べられることの答えを先にまとめます。

知りたいこと 答え 詳しい節
フロッピーディスクとは 磁気で記録する、柔らかい円盤の持ち運び用の記録媒体。略して FD フロッピーディスクとは(ふだんの意味とITの意味)
フロッピーの容量 3.5インチ2HDで1.44MB(1,474,560バイト)。置ける部分は1,457,664バイト フロッピーディスクの容量一覧
フロッピーディスクの種類 大きさは8・5.25・3.5インチ。記録の密度で2D・2DD・2HD フロッピーディスクの種類と歴史
スマホの写真は入るか 1,200万画素の写真(5.7MB)は1枚も入らず、4枚に分ける必要があった フロッピーディスクに何が入るか
ファイルは何個まで入るか いちばん上の階層は223個で止まった。フォルダーの中なら2,679個 ファイル数の上限と1バイトのファイル
今も売っているか・使えるか 生産は終了。行政手続きでの指定も2024年6月28日に全廃 フロッピーディスクの今の扱い
保存アイコンの由来 3.5インチのフロッピーディスクの形。絵文字は U+1F4BE フロッピーディスクの今の扱い
中のデータを移したい 外付けドライブで読み、コピー後にハッシュ値で照合する フロッピーディスクのデータを今の媒体へ移す方法

確認環境:Ubuntu 24.04.5 LTS(2 CPU・メモリ 8GB の共用マシン)の上で、Ubuntu の公式リポジトリから apt-get download で取得した dosfstools 4.2-1.1build1・mtools 4.0.43-1build1・fdisk(util-linux 2.39.3)・xxd(2023-10-25 版)を作業用フォルダーに展開し、システムには入れずに動かしました。ディスクイメージはすべて作業用フォルダーの中のファイルで、ループデバイスやマウント、本物のフロッピーディスクドライブなど、パソコンの装置は使っていません。写真は Python 3(Pillow 12.3.0・NumPy 2.5.3)で作った 4032×3024 画素の試験用の画像と、それを縮小したもの、文章は日本語のテキストを使いました。Unicode の絵文字の確認には Python の unicodedata と Node.js 22.23.4 を使っています。歴史と規格の数値は日本語版ウィキペディアと e-Words、行政手続きの扱いはデジタル庁の公表、Windows の format コマンドは Microsoft Learn、QEMU のフロッピーディスクの指定は QEMU の公式ドキュメントで確かめました。図は mermaid-cli で描画を確かめています(確認日 2026年10月29日)。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「フロッピーディスクとは?容量1.44MBの中身を実測・種類と今の扱い」

フロッピーディスクとは(ふだんの意味とITの意味)

この節では、「フロッピーディスク」という言葉の意味と、似た言葉(FDD・ハードディスク・ディスクイメージ)との関係が分かります。

フロッピーディスク(floppy disk)は、磁性体を塗ったプラスチックの円盤を保護用のケースに収めた、磁気で読み書きする記録媒体です。 英語の floppy は「ぺらぺらの・柔らかい」という意味で、中の円盤が柔らかいことから付いた名前です。略して FD と呼ばれ、JIS では「フレキシブルディスクカートリッジ」という名前が使われています。読み書きには、フロッピーディスクドライブ(FDD)という専用の装置が要ります。

言葉 指すもの 例・補足
floppy(ふだんの英語) ぺらぺらした、柔らかい floppy hat(つばの柔らかい帽子)
フロッピーディスク・FD 記録媒体そのもの(円盤とケース) 「FDに保存して渡す」
フロッピーディスクドライブ・FDD FD を読み書きする装置 パソコンの「Aドライブ」が FDD だった
ハードディスク・HDD 硬い金属やガラスの円盤を使う記録装置 floppy(柔らかい)と hard(硬い)の対比
ディスクイメージ(.img) ディスクの中身を先頭から最後まで写したファイル この記事の実験はこの形で行った

Windows では、今も最初のハードディスクやSSDが「Cドライブ」と呼ばれます。これは、A と B のドライブ名がフロッピーディスクドライブのために空けられていた名残です。Microsoft Learn の format コマンドの説明にも、format a: で「ドライブ A の新しいフロッピーディスクを書式設定する」例が今も載っています。

フロッピーディスク(FD)

柔らかい円盤。ケースごと抜き差しして持ち運ぶ

3.5インチ2HDで1.44MB

読み書きの装置(FDD)が別に要る

ハードディスク(HDD)

硬い円盤。装置と一体で密閉されている

今は数TBが一般的

パソコンの中に据え付けて使うことが多い

フロッピーディスクの種類(8・5.25・3.5インチ)と歴史

この節では、フロッピーディスクの大きさの違いと、登場から生産終了までの流れが分かります。

フロッピーディスクの大きさは、8インチ・5.25インチ・3.5インチの3つが主流でした。 日本語版ウィキペディアによると、IBM が1967年に読み取り専用の8インチを開発し、1971年に最初の製品(IBM 23FD、80KB)を出しました。e-Words では最初の製品の発売を1970年としており、資料によって年が1年ずれます。

8

8インチ(約20cm)

最初の規格。大型コンピュータ向けに作られた。ケースも柔らかい。

IBM が開発(1967年)

5

5.25インチ(約13cm)

「5インチ」とも呼ばれる。パソコンの普及とともに広まった。折り曲げに弱い。

シュガートアソシエイツが発表(1976年)

3

3.5インチ(約9cm)

硬いケースと金属のシャッターで円盤を守る。ポケットに入る大きさ。

ソニーが開発(1980年)

3.5インチは、円盤がむき出しになる部分をシャッターで隠し、ドライブに入れたときだけ開く作りです。8インチと5.25インチは記録面の一部が常に見えていて、ケースも曲がるため、指で触れたり折ったりしてデータが読めなくなることがありました。

  1. 11967年:IBM が8インチを開発読み取り専用。1971年に製品化(23FD、80KB)
  2. 21976年:5.25インチが登場小型のコンピュータやパソコンへ広まる
  3. 31980年:ソニーが3.5インチを開発1984年に Macintosh が採用、1987年の IBM PS/2 で標準に
  4. 41985年:ソニーが2HD規格を開発3.5インチ2HD(1.44MB)が長く主流に
  5. 51998年:iMac がフロッピーディスクドライブを載せずに発売CD-R・USBメモリ・ネットワークへの置き換えが進む
  6. 62011年3月:ソニーが生産を終了最後まで残っていた大手メーカーの撤退
  7. 72024年6月28日:行政手続きでの指定が全廃デジタル庁が7月に公表

1990年代の終わりには、120MB の SuperDisk(LS-120)や 200MB の HiFD など、フロッピーディスクの形のまま容量を増やした製品も出ましたが、CD-R や USB メモリに置き換わり、広くは普及しませんでした。

フロッピーディスクの容量一覧(2D・2DD・2HD・1.44MB)

この節では、フロッピーディスクの種類ごとの容量と、「1.44MB」が実際には何バイトなのかが分かります。

容量は、大きさに加えて「2D・2DD・2HD」という記録の密度で決まります。 2 は両面(Double sided)、D は倍密度(Double density)、DD は倍密度・倍トラック、HD は高密度(High density)を表します。3.5インチ2HDの1.44MBは、80トラック×両面(2ヘッド)×1トラックあたり18セクタ×512バイトで計算できます。

種類 トラック×面×セクタ ディスク全体 ファイルを置ける量(実測)
5.25インチ 2D(360KB) 40×2×9(512バイト) 368,640バイト 362,496バイト
3.5インチ 2DD(720KB) 80×2×9(512バイト) 737,280バイト 730,112バイト
5.25インチ 2HD(1.2MB) 80×2×15(512バイト) 1,228,800バイト 1,213,952バイト
3.5インチ 2HD(PC-98 の 1.23MB) 77×2×8(1024バイト) 1,261,568バイト 1,250,304バイト
3.5インチ 2HD(1.44MB) 80×2×18(512バイト) 1,474,560バイト 1,457,664バイト
3.5インチ 2ED(2.88MB) 80×2×36(512バイト) 2,949,120バイト 2,931,712バイト

右端の列は、mformat でそれぞれの形式のディスクイメージを作り、mdir が表示した空き容量です。ディスク全体との差は、後の節で見る「ブートセクタ・FAT・ルートディレクトリ」に使われる分です。

1.44MB は 1.44×1,000,000 バイトではない

「1.44MB」は、1,440KB(1KB=1,024バイト)を「1.44MB」と書いたもので、1,474,560バイトです。 1MB を 1,000,000 バイトとみなすと 1.47MB、1,048,576 バイト(MiB)とみなすと 1.41MiB になり、どちらでも 1.44 にはなりません。今のパソコンで容量を表示すると「1.41 MiB」や「1.4MB」と出るのはこのためです。

$ python3 -c "print(1440*1024, 1474560/1e6, 1474560/2**20)"
1474560 1.47456 1.40625

$ fdisk -l fd144.img
Disk fd144.img: 1.41 MiB, 1474560 bytes, 2880 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes

1.2MB・1.23MB・1.25MB と呼び名が分かれる理由

日本の PC-9800 シリーズでは、3.5インチ2HDを1セクタ1,024バイト・77トラック・8セクタで使う形式が一般的でした。この形式のイメージを作ると 1,261,568 バイトになり、1,000 で割ってから 1,024 で割ると 1.232(1.23MB)、1,048,576 で割ると 1.20(1.2MB)になりました。日本語版ウィキペディアによると、PC-9800 版の MS-DOS の FORMAT コマンドがこの容量を 1.25MB と表示したため、「1.25MB」とも呼ばれます。同じディスクに「1.2MB」「1.23MB」「1.25MB」の3つの呼び名がある理由は、割り算のしかたと表示の違いです。

$ mformat -C -i f1232.img -t 77 -h 2 -s 8 -S 3 -c 1 -r 6 ::
$ stat -c %s f1232.img
1261568
$ minfo -i f1232.img :: | grep -E 'sector size|root directory slots'
sector size: 1024 bytes
max available root directory slots: 192

1.44MB形式(512バイト×18セクタ)と PC-98 の 1.23MB形式(1,024バイト×8セクタ)は、同じ3.5インチ2HDの円盤を使っていても、書式が違います。PC-98 で書式を整えたディスクを読むには、その形式に対応したドライブが要るのはこのためです。

1.44MBのフロッピーディスクの中身(ディスクイメージで確かめる)

この節では、フロッピーディスクの中がどう区切られているかを、実際に作ったディスクイメージのバイトで確かめられます。

1.44MBのフロッピーディスクは、FAT12 というファイルシステムで、先頭から「ブートセクタ・FAT 2つ・ルートディレクトリ・データ領域」の順に区切られています。 作業用フォルダーの中に 1.44MB のディスクイメージを作りました。

$ mkfs.fat -C -F 12 -n MYFLOPPY -v fd144.img 1440
mkfs.fat 4.2 (2021-01-31)
fd144.img has 2 heads and 18 sectors per track,
hidden sectors 0x0000;
logical sector size is 512,
using 0xf0 media descriptor, with 2880 sectors;
drive number 0x00;
filesystem has 2 12-bit FATs and 1 sector per cluster.
FAT size is 9 sectors, and provides 2847 clusters.
There is 1 reserved sector.
Root directory contains 224 slots and uses 14 sectors.
Volume ID is e3a532c5, volume label MYFLOPPY.

$ ls -l fd144.img
-rw-r--r-- 1 root root 1474560 Oct 31 11:11 fd144.img

$ mdir -i fd144.img ::
 Volume in drive : is MYFLOPPY
 Volume Serial Number is E3A5-32C5
Directory for ::/

No files
                          1 457 664 bytes free

出力の数字を、冒頭の図と合わせて読むと次のとおりです。

領域 セクタ数 バイト数 役割
ブートセクタ 1 512 ディスクの形式(セクタの大きさ・数など)を書いた先頭の部分
FAT(2つ) 9×2 9,216 どのファイルがどのクラスタにあるかの表。2つ目は予備の写し
ルートディレクトリ 14 7,168 いちばん上の階層のファイル名の一覧。224項目分
データ領域 2,847 1,457,664 ファイルの中身が入る部分
合計 2,880 1,474,560 1.44MB

先頭のブートセクタを xxd で見ると、「1セクタ 512 バイト(00 02)」「ルートディレクトリ 224 項目(e0 00)」「全体 2,880 セクタ(40 0b)」「1トラック 18 セクタ(12 00)」が、小さい桁が先に来る並び(リトルエンディアン)で書かれていました。最後の2バイトは、正しいブートセクタの目印の 55 aa です。

$ xxd -l 64 fd144.img
00000000: eb3c 906d 6b66 732e 6661 7400 0201 0100  .<.mkfs.fat.....
00000010: 02e0 0040 0bf0 0900 1200 0200 0000 0000  ...@............
00000020: 0000 0000 0000 29c5 32a5 e34d 5946 4c4f  ......).2..MYFLO
00000030: 5050 5920 2020 4641 5431 3220 2020 0e1f  PPY   FAT12   ..

$ xxd -s 510 -l 2 fd144.img
000001fe: 55aa                                     U.

自分で確かめる(ターミナルで1行)

Linux・Mac のターミナル、Windows の Git Bash などで次の1行を実行すると、1.44MB と同じ大きさの空のファイルができ、1,474,560 バイトであることを確かめられます。中身は空なので、書式はまだ整っていません。

truncate -s 1440K fd.img && ls -l fd.img
# -rw-r--r-- 1 root root 1474560 Oct 31 11:14 fd.img

dosfstools が入っている Linux なら、続けて mkfs.fat -C -F 12 fd2.img 1440 と打つと、上と同じ FAT12 のディスクイメージができます。どちらもただのファイルなので、確かめ終わったら rm fd.img fd2.img で消せます。

フロッピーディスクに何が入るか(写真・文書の枚数を実測)

この節では、1.44MB のフロッピーディスクに、写真や文章がどれくらい入るのかを実測した結果が分かります。

1,200万画素のスマホ相当の写真(5.7MB)は1枚も入らず、「Disk full」で止まりました。1280×960 に縮めた写真なら13枚、640×480 なら88枚入りました。 写真は Python で作った 4032×3024 画素の試験用の画像を JPEG で保存し、縮小したものも作りました。写っている内容や画質の設定によって大きさは変わるので、枚数は目安です。

$ cp fd144.img t1.img; mcopy -i t1.img photo_12mp.jpg ::/
Disk full
$ echo $?
1

$ n=0; while mcopy -i t2.img photo_1280.jpg ::/P$n.JPG; do n=$((n+1)); done; echo $n
Disk full
13
$ mdir -i t2.img :: | tail -1
                             26 624 bytes free
入れたもの 1つの大きさ 入った数 残り
写真 4032×3024(1,200万画素) 5,705,975バイト 0枚(Disk full) 1,457,664バイト
写真 1280×960 109,849バイト 13枚 26,624バイト
写真 640×480 16,182バイト 88枚 15,872バイト
ちょうど 1,457,664 バイトのファイル 1,457,664バイト 1個(残り0) 0バイト
1,457,665 バイトのファイル 1バイト多い 0個(Disk full) ―

境目も確かめました。1,457,664 バイトのファイルはぴったり入って空きが0になり、1バイト多いファイルは「Disk full」で入りませんでした。1.44MB という表示の数字ではなく、データ領域の 1,457,664 バイトが本当の上限です。

日本語の文章なら何文字入るか

日本語の文字は、UTF-8 では1文字3バイト、Shift_JIS では1文字2バイトが基本です。データ領域いっぱいに入れると、UTF-8 で約48万6千文字、Shift_JIS で約72万9千文字になります。手元の日本語の文章(134,138バイト、67,407文字)を圧縮すると、zip で 48,225 バイト、xz で 41,620 バイトになり、3分の1ほどに縮みました。文章は圧縮がよく効く一方、JPEG の写真を zip にしても 109,849 バイトが 105,464 バイトになっただけで、ほとんど縮みませんでした。

$ python3 -c "s='フロッピーディスクは磁気で記録する円盤です。'; print(len(s), len(s.encode('utf-8')), len(s.encode('shift_jis')))"
22 66 44
$ python3 -c "print(1457664//3, 1457664//2)"
485888 728832

今の記録媒体なら何枚分か

1枚あたり 1,457,664 バイトとして、今の記録媒体が何枚分になるかを計算しました(1GB=1,000,000,000 バイトで計算)。

4枚1,200万画素の写真1枚5.7MB を分割して実際に4枚へ
687枚1GB1,000,000,000 ÷ 1,457,664
21,953枚32GB の USB メモリ同じ計算

1枚に入らないファイルは、分割して何枚かに分けて入れる方法がありました。5.7MB の写真を split で 1,457,664 バイトずつに分け、4つのディスクイメージに1つずつ入れてから取り出してつなぎ直すと、元のファイルとハッシュ値が一致しました。

$ split -b 1457664 -d photo_12mp.jpg part_
$ ls -l part_*
-rw-r--r-- 1 root root 1457664 Oct 31 11:13 part_00
-rw-r--r-- 1 root root 1457664 Oct 31 11:13 part_01
-rw-r--r-- 1 root root 1457664 Oct 31 11:13 part_02
-rw-r--r-- 1 root root 1332983 Oct 31 11:13 part_03
(vol0.img〜vol3.img に1つずつ mcopy して取り出し、cat でつなぐ)
$ sha256sum photo_12mp.jpg join/photo.jpg | cut -c1-16,65-
a8127ac6996ce05d  photo_12mp.jpg
a8127ac6996ce05d  join/photo.jpg

zip のファイルを分割する方法や、文字化けしない圧縮のしかたは関連記事「zip・unzipコマンドの使い方|圧縮・解凍・パスワード・文字化け」で扱っています。

ファイル数の上限と1バイトのファイル(クラスタの考え方)

この節では、容量が空いていてもファイルが入らなくなる理由と、小さなファイルが実際より大きく場所を取る理由が分かります。

1.44MB のフロッピーディスクのいちばん上の階層(ルートディレクトリ)には、名前を書く欄が224個しかありません。1バイトのファイルを入れ続けると223個で「No directory slots」になり、容量は1.3MB 以上空いたまま止まりました。 224個のうち1つは、ディスクの名前(ボリュームラベル MYFLOPPY)に使われています。

$ printf 'a' > one.txt
$ n=0; while mcopy -i t4.img one.txt ::/F$n.TXT; do n=$((n+1)); done; echo $n
No directory slots
223
$ mdir -i t4.img :: | tail -1
                          1 343 488 bytes free

$ mmd -i t5.img ::/SUB
$ n=0; while mcopy -i t5.img one.txt ::/SUB/F$n.TXT; do n=$((n+1)); done; echo $n
Disk full
2679

フォルダー(SUB)を1つ作ってその中に入れると、フォルダーの一覧は必要に応じて伸びるため、2,679個まで入り、最後は容量のほうが尽きて「Disk full」になりました。同じ「入らない」でも、エラーの文言で原因が分かれます。

1No directory slots

名前を書く欄が尽きた。容量は空いている。フォルダーを作ってその中に入れると解消する。

2Disk full

データ領域が尽きた。ファイルを消すか、圧縮するか、別のディスクに分ける。

31バイトでも512バイト使う

ファイルはクラスタ(ここでは512バイト)単位で場所を取る。小さなファイルが多いと容量より先に場所が埋まる。

3つ目を確かめるため、1バイトのファイル1つだけを入れると、空きは 1,457,664 から 1,457,152 へ、ちょうど 512 バイト減りました。223個入れたときの減り方も 223×512=114,176 バイトで、計算と一致しています。

$ mcopy -i t8.img one.txt ::/ONE.TXT
$ mdir -i t8.img ::
ONE      TXT         1 2026-10-31  11:12
                          1 457 152 bytes free

自分で確かめる(今のディスクでも同じことが起きる)

クラスタの考え方は、今のパソコンのディスクでも同じです。Linux のターミナルで、1バイトのファイルの「中身の大きさ」と「ディスク上で使っている大きさ」を並べると、手元の環境では 1 と 4,096 になりました。Windows のエクスプローラーでファイルのプロパティを開くと出る「サイズ」と「ディスク上のサイズ」も、同じ違いを表しています。

printf 'a' > one.txt; du -B1 --apparent-size one.txt; du -B1 one.txt
# 1      one.txt
# 4096   one.txt

日本語のファイル名と文字化け(長いファイル名の仕組み)

この節では、フロッピーディスクに日本語や長い名前のファイルを入れたとき、ディスクの中でどう記録されるかと、文字化けが起きる理由が分かります。

FAT12 の本来のファイル名は「8文字+拡張子3文字」の短い名前です。長い名前や日本語の名前は、短い名前とは別の欄に UTF-16 で書き足され、その名前を読めない機器では「____20~1.TXT」のような短い名前だけが見えます。 「議事録_2026年10月.txt」というファイルを入れて確かめました。

$ LC_ALL=C.UTF-8 mcopy -i t10.img "議事録_2026年10月.txt" ::/
$ LC_ALL=C.UTF-8 mdir -i t10.img ::
____20~1 TXT         6 2026-10-31  11:12  議事録_2026年10月.txt
        1 file                    6 bytes
                          1 457 152 bytes free

$ xxd -s $((19*512+64)) -l 48 t10.img
00002640: 0170 8b8b 4e32 935f 0032 000f 00c2 3000  .p..N2._.2....0.
00002650: 3200 3600 745e 3100 3000 0000 0867 2e00  2.6.t^1.0....g..
00002660: 5f5f 5f5f 3230 7e31 5458 5420 0000 8d59  ____20~1TXT ...Y

バイトを読むと、70 8b は U+8B70(議)、8b 4e は U+4E8B(事)、32 93 は U+9332(録)で、長い名前が UTF-16 で記録されています。その後ろに、短い名前の ____20~1TXT が続きます。日本語の部分は短い名前に使えない文字なので「_」に置き換えられ、同じ名前がぶつからないよう「~1」が付きました。

同じ操作を、文字コードの設定(ロケール)を指定せずに行うと、ファイル名が _-________2026___10ae__.txt のように化けて記録されました。ファイルを書き込む側が「元の名前がどの文字コードか」を正しく知らないと、ディスクに書かれる名前そのものが壊れます。読む側の問題ではないため、後から別のパソコンで開いても直りません。

ファイル名の扱い

避けたい中身を確かめずに、化けた名前のまま新しい媒体へ移し、元のディスクを捨てる
→
代わりに移す前に一覧を出して名前を確かめ、化けていれば中身を開いて名前を付け直してから移す

短い名前(~1)しか見えないときは、そのディスクを書いた機器が長い名前に対応していなかった可能性がある

文字化けの原因の切り分けは、関連記事「文字化けの原因8選|濁点分離・utf8mb4・絵文字の文字数」で扱っています。

フロッピーディスクの構造と書き込み禁止(ライトプロテクト)

この節では、フロッピーディスクの部品の名前と、誤って上書きしないための書き込み禁止の仕組みが分かります。

3.5インチのフロッピーディスクは、硬いプラスチックのケース・金属のシャッター・中心の金属のハブ・磁性体を塗った円盤・書き込み禁止のつまみでできています。 ドライブに入れるとシャッターが開き、磁気ヘッドが円盤に触れて読み書きします。

部品 役割 扱いの注意
シャッター 円盤の露出部分を隠す。ドライブの中でだけ開く 手で開けて円盤に触れない
円盤(ディスク) 磁性体を塗った薄い膜。同心円のトラックに記録 磁石・熱・湿気・ほこりに弱い
ハブ ドライブが円盤を回すための中心の金属 さびや変形で回らなくなる
書き込み禁止のつまみ 窓を開けると書き込めなくなる 移す前に開けておくと、誤って上書きしない
容量を見分ける穴 2HD にはもう1つ穴があり、ドライブが種類を見分ける 穴の有無で 2DD と 2HD を見分けられる

日本語版ウィキペディアによると、書き込み禁止の方法は大きさで違い、3.5インチはつまみをスライドさせて窓を開け、5.25インチはケースの切り欠きにシールを貼ってふさぎ、8インチは決まった位置に切り欠きを作ります。ドライブはスイッチや光のセンサーでその状態を見分けます。

円盤の上には、同心円のトラックが並び、トラックは扇形のセクタに分かれています。1.44MB の形式では、1面に80本のトラック、1本のトラックに18個のセクタがあり、ディスクイメージの minfo にも同じ数字が出ました。

$ minfo -i fd144.img ::
device information:
===================
filename="fd144.img"
sectors per track: 18
heads: 2
cylinders: 80

media byte: f0

フロッピーディスクの今の扱い(生産終了・行政手続き・保存アイコン)

この節では、フロッピーディスクが今どう扱われているのかを、生産・行政手続き・ソフトの画面の3つの面から確かめられます。

フロッピーディスクの生産はすでに終わり、日本の法令でフロッピーディスクを求める規定も2024年6月28日に全廃されました。一方で、3.5インチの形は「保存」のアイコンとして今も使われています。

生産の終了

日本語版ウィキペディアによると、日立マクセルと三菱化学メディアは2009年春までに生産から撤退し、ソニーも2011年3月に生産を終えました。新品が店頭に並ぶことはほとんどなく、手に入るのは在庫品や中古品が中心です。読み書きするドライブも、パソコンに内蔵されていることはまずありません。

行政手続きでの扱い

行政への申請や届け出では、長くフロッピーディスクなどの記録媒体での提出を求める規定が残っていました。デジタル庁の「フロッピーディスク等記録媒体に関する規制の廃止について」(2024年7月19日)によると、それまでに1,033件の規制が撤廃され、最後の1件だった自動車リサイクル関係の規制も2024年6月28日に改められ、全廃されました。今後は電磁的記録での保存ができることが明確になったとされています。

保存アイコンと絵文字

多くのソフトで、上書き保存のボタンには3.5インチのフロッピーディスクの絵が使われてきました。Unicode にもフロッピーディスクの絵文字があり、Python で確かめると U+1F4BE の名前は「FLOPPY DISK」でした。白い硬いケースのフロッピーディスク(U+1F5AB)もあります。

$ python3 -c "import unicodedata as u; print(hex(ord('\U0001F4BE')), u.name('\U0001F4BE'))"
0x1f4be FLOPPY DISK
$ python3 -c "import unicodedata as u; print(hex(ord('\U0001F5AB')), u.name('\U0001F5AB'))"
0x1f5ab WHITE HARD SHELL FLOPPY DISK

自分で確かめる(ブラウザの開発者ツールで1行)

Chrome や Edge で F12 キーを押して開発者ツールを開き、「Console」に次の1行を貼り付けると、保存の絵文字の番号が出ます。同じ式を Node.js 22 で実行し、1f4be と出ることを確かめました。絵文字1つが JavaScript の文字列では長さ2になる(サロゲートペア)ことも分かります。

['💾'.codePointAt(0).toString(16), '💾'.length, [...'💾'].length]
// [ '1f4be', 2, 1 ]

日本語版ウィキペディアでは、2013年の調査で、米国の小学5年生までの子どものうち保存アイコンが何を表すか分かっていたのは14%だったという話も紹介されています。アイコンの意味は「フロッピーディスクに保存する」から「保存する」そのものへ変わったと言えます。

2011年3月ソニーが生産終了日本語版ウィキペディア
1,034件撤廃された規制1,033件+最後の1件(デジタル庁)
U+1F4BE保存の絵文字名前は FLOPPY DISK

フロッピーディスクのデータを今の媒体へ移す方法

この節では、手元のフロッピーディスクのデータを、USB メモリやパソコンのディスク、クラウドへ移すときの手順と確かめ方が分かります。

移し方の基本は「読み取り装置を用意する→書き込み禁止にする→ファイルをコピーする→ハッシュ値で照合する→2か所に保存する」の5段階です。 この記事では本物のドライブは使っていないため、手順の3と4はディスクイメージで実行し、手順の1は公式の説明の範囲で書きます。

1

読み取り装置を用意する

USB 接続の外付けフロッピーディスクドライブが一般的です。対応する OS とディスクの種類(2DD・2HD、PC-98 の 1.23MB 形式など)は製品ごとに違うため、メーカーの対応表で確かめます。

ディスクの種類を先に確かめる

2

書き込み禁止にする

3.5インチならつまみをスライドさせて窓を開けます。読むだけのつもりでも、パソコン側が自動で何かを書き込むことを防げます。

数秒

3

ファイルをコピーする

フォルダーごとパソコンのディスクへコピーします。何枚もある場合は、ディスクごとにフォルダーを分け、ラベルに書かれた題名をフォルダー名にしておくと後で探せます。

1枚あたり数分

4

ハッシュ値で照合する

コピー元とコピー先のファイルのハッシュ値(SHA-256 など)を比べ、すべて一致することを確かめます。

数秒

5

2か所以上に保存する

パソコンのディスクに加え、外付けのディスクやクラウドなど、別の場所にも置きます。

移した日付を記録しておく

手順3と4を、写真と文書を入れたディスクイメージで実行しました。日本語のフォルダー名・ファイル名のまま取り出し、4つのファイルすべてのハッシュ値が一致しました。

$ export LC_ALL=C.UTF-8
$ mcopy -s -i disk.img data/写真 data/文書 ::/      ← 試験用のディスクを作る
$ mkdir out; mcopy -s -n -i disk.img ::/写真 ::/文書 out/   ← 取り出す
$ (cd data && find . -type f -exec sha256sum {} + | sort -k2) > a.sum
$ (cd out  && find . -type f -exec sha256sum {} + | sort -k2) > b.sum
$ diff a.sum b.sum && echo "全ファイル一致"
全ファイル一致
$ cut -c1-16,65- b.sum
007c82cbe4d667c8  ./写真/旅行1.jpg
5e4b597ea77f87fe  ./写真/旅行2.jpg
58a8ad1a083125e6  ./文書/メモ.txt
11c0a353d2438a47  ./文書/在庫.csv

Windows では certutil -hashfile ファイル名 SHA256、Mac では shasum -a 256 ファイル名 で同じ値を出せます。Python で多数のファイルのハッシュ値をまとめて出す方法は、関連記事「Python hashlibの使い方|SHA256・MD5とファイルのハッシュ値」で扱っています。

ファイルではなく「ディスクまるごと」写す場合

起動用のディスクや、特定の機械でしか使わない形式のディスクは、ファイルだけを取り出すと動かなくなることがあります。その場合は、ディスクの先頭から最後までをそのまま写したディスクイメージ(.img)として保存します。ディスクイメージはただのファイルなので、複製してもハッシュ値は変わらず、この記事の実験でも複製の前後で一致しました。

$ sha256sum disk.img | cut -c1-16
e5b904bd834a685e
$ cp disk.img disk_copy.img; sha256sum disk_copy.img | cut -c1-16
e5b904bd834a685e

ディスクイメージは、仮想マシンでフロッピーディスクとして読み込ませることもできます。たとえば QEMU の公式ドキュメントでは、-fda の説明が「Use file as floppy disk 0/1 image」となっており、ファイルをフロッピーディスクの代わりに使えます。読み取り装置が手元にない場合や、ディスクの劣化が心配な場合は、データ復旧やメディア変換を行う専門の業者に頼む方法もあります。

移したデータを何世代残すか、どこに置くかの考え方は、関連記事「バックアップ設計の書き方|RPO・RTOの決め方と世代管理の計算例」で扱っています。

よくあるエラー・つまずき(フロッピーディスクとディスクイメージ)

この節では、フロッピーディスクやそのディスクイメージを扱うときに出やすいエラーと、その原因が分かります。

ディスクイメージの一部をわざと壊して、出る文言を確かめました。本物のディスクでも、傷や磁気の劣化で同じ場所が読めなくなると、似た症状になります。

$ dd if=/dev/zero of=bad1.img bs=512 count=1 conv=notrunc   ← 先頭のブートセクタを消す
$ mdir -i bad1.img ::
init :: non DOS media
Cannot initialize '::'

$ fsck.fat -n bad2.img                                     ← FAT の一部を壊す
fsck.fat 4.2 (2021-01-31)
FATs differ but appear to be intact.
  Using first FAT.
/写真/旅行2.jpg
  Contains a free cluster (4). Assuming EOF.
/写真/旅行2.jpg
  File size is 109849 bytes, cluster chain length is 512 bytes.
  Truncating file to 512 bytes.

Leaving filesystem unchanged.

もう1つ大切なのは、データ領域の中身だけが壊れた場合です。ファイルの中の512バイトを乱数で上書きしたイメージは、mcopy でエラーなく取り出せ、fsck.fat -n も問題を報告しませんでした。ハッシュ値を比べて初めて、メモ.txt が壊れていると分かりました。

$ mcopy -s -n -i bad3.img ::/写真 ::/文書 out3/; echo rc=$?
rc=0
$ fsck.fat -n bad3.img | tail -1
bad3.img: 7 files, 512/2847 clusters
$ diff a.sum c.sum
3c3
< 58a8ad1a083125e6  ./文書/メモ.txt
---
> a308cea7f6d226e1  ./文書/メモ.txt
症状・エラー 原因 直し方・対処
Disk full データ領域が尽きた(1,457,664バイトが上限) 圧縮する、分割して別のディスクに入れる
No directory slots ルートディレクトリの224項目が尽きた フォルダーを作ってその中に入れる
non DOS media ブートセクタが壊れている、または別の形式 形式(PC-98 など)を確かめる。読めなければ業者に相談
FATs differ 2つの FAT の内容が食い違っている 書き込みをやめ、先にイメージを写してから修復を試す
エラーは出ないが中身が違う データ領域の一部が壊れている ハッシュ値で照合する。元の別の写しがあれば比べる
ファイル名が ____20~1.TXT になる 長い名前を読めない機器で書いた、または読んでいる 中身を開いて名前を付け直す
名前が記号や英字の羅列に化ける 書き込んだ側の文字コードの設定が違った 中身から内容を確かめ、名前を付け直す

エラーの文言は、今回使った mtools と dosfstools のものです。Windows や Mac では、同じ状態でも「フォーマットする必要があります」のような別の文言で表示されることがあります。読めないディスクで書式設定(フォーマット)を実行すると、中のデータは消えてしまうので、データを残したい場合は実行しないのが原則です。

  • 1移す前に書き込み禁止にした読むだけの作業でも、誤って上書きするのを防ぐ
  • 2読めないときに書式設定(フォーマット)を実行していない実行するとデータが消える
  • 3コピー後にハッシュ値を照合したエラーが出なくても中身が壊れていることがある
  • 4ファイル名が化けていないか一覧で確かめた~1 の短い名前や記号の羅列に注意
  • 5移した先を2か所以上にした1か所だけだと、その媒体が壊れたときに失う

フロッピーディスクのデータをどうするかの判断表

この節では、手元にフロッピーディスクがあるとき、自分で移すか、業者に頼むか、処分するかの目安が分かります。

判断の軸は「中身が今も要るか」「読み取り装置を用意できるか」「ディスクの形式が分かるか」「読めない兆候があるか」の4つです。

状況 目安 理由
3.5インチ2HD(1.44MB)で、ふつうに読める 外付けドライブで自分で移す 手順はファイルのコピーと照合だけ
PC-98 などで使っていた 1.23MB 形式 その形式に対応したドライブを選ぶ 同じ3.5インチでも書式が違う
5.25インチ・8インチ 専門の業者に相談する 読み取り装置を用意しにくい
起動用ディスク・機械の設定用ディスク ディスクまるごとイメージで残す ファイルだけでは動かないことがある
読むとエラーが出る・異音がする 何度も試さず、業者に相談する 読み直すたびに傷が広がることがある
中身が要らない データを読めない状態にしてから処分する 捨てたディスクから中身を読まれるのを防ぐ
仕組みを学びたい ディスクイメージを作って試す ドライブなしで、この記事と同じことができる

処分する前に中身を消す場合、書式設定だけでは道具を使えば読み戻せることがあります。個人情報や業務のデータが入っていたディスクは、自治体の分別の決まりに従い、必要なら物理的に壊してから処分するのが確実です。

記録媒体には、それぞれ寿命の考え方があります。今の主流の SSD の寿命の目安と確かめ方は、関連記事「SSDの寿命は何年?TBWの計算式と確認方法・前兆と長持ちのコツ」で扱っています。

よくある質問

Q. フロッピーディスクの容量はどれくらいですか? A. いちばん広く使われた3.5インチ2HDで1.44MB(1,474,560バイト)です。ファイルを置ける部分は1,457,664バイトでした。種類によって、360KB・720KB・1.2MB・1.23MB・2.88MB などがあります。

Q. 1.44MB とはどれくらいの量ですか? A. 手元の実測では、1280×960 の写真が13枚、640×480 の写真が88枚入りました。日本語の文章なら、UTF-8 で約48万文字分です。1,200万画素のスマホ相当の写真(5.7MB)は1枚も入りませんでした。

Q. 2HD と 2DD の違いは何ですか? A. 記録の密度の違いです。3.5インチでは 2DD が 720KB、2HD が 1.44MB です。2HD のケースには、ドライブが種類を見分けるための穴がもう1つあります。

Q. フロッピーディスクは今も売っていますか? A. メーカーの生産は終わっており、ソニーも2011年3月に生産を終えました。手に入るのは在庫品や中古品が中心です。

Q. 役所への提出でフロッピーディスクはまだ必要ですか? A. デジタル庁の公表によると、法令でフロッピーディスクなどの記録媒体を求める規定は2024年6月28日に全廃されました。具体的な提出方法は、提出先の案内で確かめるのが確実です。

Q. フロッピーディスクのデータを今のパソコンで読むにはどうしますか? A. USB 接続の外付けフロッピーディスクドライブを使うのが一般的です。対応する OS とディスクの形式は製品ごとに違うため、メーカーの対応表で確かめます。読めない場合は、データ復旧やメディア変換の業者に頼む方法もあります。

Q. 保存アイコンはなぜフロッピーディスクなのですか? A. ソフトの画面が作られた時代に、データの保存先として3.5インチのフロッピーディスクが一般的だったためです。今では「保存する」そのものを表す絵として使われ続けています。絵文字は U+1F4BE(FLOPPY DISK)です。

Q. Windows のドライブが C から始まるのはなぜですか? A. A と B のドライブ名が、フロッピーディスクドライブのために使われていたためです。Microsoft Learn の format コマンドの説明にも、ドライブ A のフロッピーディスクを書式設定する例が載っています。

Q. ドライブがなくても中身を確かめる方法はありますか? A. ディスクそのものを読むにはドライブが要ります。ただ、すでにディスクイメージ(.img)になっているものなら、mtools などでドライブなしにファイルの一覧を出したり取り出したりできます。この記事の実験もすべてディスクイメージで行いました。

Q. フロッピーディスクにファイルが入らないのに容量が空いているのはなぜですか? A. いちばん上の階層には名前を書く欄が224個しかないためです。実測では1バイトのファイルが223個で「No directory slots」になりました。フォルダーを作ってその中に入れると、さらに入ります。

まとめ

  • フロッピーディスクは、柔らかい円盤に磁気で記録する持ち運び用の記録媒体。大きさは8・5.25・3.5インチ、密度は2D・2DD・2HD。
  • 3.5インチ2HDの1.44MBは1,474,560バイト。ファイルを置ける部分は1,457,664バイトで、1バイト多いファイルは「Disk full」で入らなかった。
  • 1,200万画素の写真は1枚も入らず、4枚に分けて入れ、つなぎ直すとハッシュ値が一致した。ルートディレクトリは224項目までで、1バイトのファイルは223個で止まった。
  • 生産は2011年3月までに終わり、行政手続きでの指定も2024年6月28日に全廃。3.5インチの形は保存アイコン(U+1F4BE)として残っている。
  • データを移すときは、書き込み禁止にしてコピーし、ハッシュ値で照合する。中身だけが壊れた場合、エラーは出なかった。

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月29日です。

  • デジタル庁「フロッピーディスク等記録媒体に関する規制の廃止について」(2024年7月19日):https://www.digital.go.jp/news/d0d894b1-9d2e-4e0a-a538-dab1acee296d
  • ウィキペディア日本語版「フロッピーディスク」:https://ja.wikipedia.org/wiki/フロッピーディスク
  • e-Words「フロッピーディスク」:https://e-words.jp/w/フロッピーディスク.html
  • Microsoft Learn「format」(Windows Commands):https://learn.microsoft.com/en-us/windows-server/administration/windows-commands/format
  • QEMU Documentation「Invocation」:https://www.qemu.org/docs/master/system/invocation.html
  • Ubuntu Packages「dosfstools」(noble):https://packages.ubuntu.com/noble/dosfstools
  • Ubuntu Packages「mtools」(noble):https://packages.ubuntu.com/noble/mtools
  • Unicode「Miscellaneous Symbols and Pictographs」:https://www.unicode.org/charts/PDF/U1F300.pdf

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
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(記載例)出典:株式会社RJC「フロッピーディスクとは?容量1.44MBの中身を実測・種類と今の扱い」

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