結論

Lorem ipsum(ロレム・イプサム)は、文章が決まる前の画面や印刷物に、本文の代わりとして入れるラテン語風のダミーテキストです。元はキケロの文章を崩したもので、意味が読めないため、見る人の目が文字の内容ではなく、文字の大きさ・行間・余白に向きます。

この記事でわかること

  • VS Code の Emmet・Word・Python・JavaScript で Lorem ipsum を出す方法と、実際に出た文
  • Lorem ipsum の日本語版(日本語のダミーテキスト)の種類と、自作する短いコード
  • 日本語と英語のダミーテキストを Chromium で比べた行数・禁則・はみ出しの実測と、本番に残さない確かめ方

2026年10月29日更新|Emmet 2.4.11・Faker 40.44.0・@faker-js/faker 10.6.0・Chromium 153 で実行確認

ダミーテキストは、目的によって選ぶ道具が変わります。画面の見た目を決めるのか、日本語の折り返しを確かめるのか、テスト用のデータを作るのかで、次のように分かれます。

flowchart TD
    Q[仮の文字の目的] --> A[英語の画面]
    Q --> B[和文の画面]
    Q --> C[テスト]
    A --> A1[Lorem ipsum]
    B --> B1[和文ダミー]
    C --> C1[Faker]
    A1 --> Z[公開前に検索]
    B1 --> Z
    C1 --> Z

よく調べられることを、すぐ手を動かせる順にまとめます。

やりたいこと いちばん早い方法 詳しい節
Lorem ipsum とは何か知りたい レイアウト確認用のラテン語風の仮の文。意味は読めないように崩してある Lorem ipsumとは
Lorem ipsum をコピーしたい この記事の「定番の1段落」をコピーする(445文字・69語) Lorem ipsumの由来と原文
VS Code で Lorem ipsum を出したい HTML ファイルで lorem と打って候補から選ぶ。語数は lorem10 Emmet・Wordで出す
Word で Lorem ipsum を出したい 行の先頭で =lorem() と打って Enter Emmet・Wordで出す
プログラムでダミーテキストを出したい Python は lorem・Faker、JavaScript は @faker-js/faker Python・JavaScriptで出す
Lorem ipsum の日本語版がほしい 定型文「この文章はダミーです。…」か、自作の生成コードを使う 日本語のダミーテキスト
日本語にすると崩れないか確かめたい 英語の約2倍の行数になる前提で、日本語のダミーで組み直す Chromiumで比べた実測
ダミーが本番に残っていないか調べたい grep -rniE 'lorem|ipsum|ダミー' を公開前に流す デザインで使うときの注意
テスト用の氏名・住所・電話を作りたい Faker の ja_JP で作り、メールは safe_email() にする テスト用データの作り方

確認環境:Ubuntu 24.04.5 LTS(カーネル 6.18)で、Node.js 22.23.4 と Python 3.13.18 を使いました。作業用のフォルダーに npm で emmet 2.4.11(VS Code の Emmet 機能が中で使うライブラリ。@vscode/emmet-helper 2.11.0 の依存先であることを npm の登録情報で確かめた)・@faker-js/faker 10.6.0・lorem-ipsum 3.0.0 を、venv に pip で lorem 0.1.1・Faker 40.44.0 を入れ、それぞれのコードを実行しました。表示の比べ方は、Playwright から Chromium 153.0.8010.12(ヘッドレス)を動かし、幅320px・16px・行の高さ1.7・Noto Sans CJK JP の段落に英語と日本語のダミーテキストを入れ、1文字ずつの位置から行の切れ目を数えています。サーバーは立てず、外部のサービスには何も送っていません。VS Code の操作と Word の =lorem() は、VS Code と Microsoft の公式ドキュメントで確かめた範囲で書いています。図は mermaid で描画を確かめました(確認日 2026年10月29日)。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「Lorem ipsumとは|ダミーテキストの出し方と日本語版・折り返し実測」

Lorem ipsumとは(意味・読み方・使う理由)

この節では、Lorem ipsum が何で、なぜ英語の文ではなくラテン語風の文を入れるのかが分かります。

Lorem ipsum は、Web サイト・アプリの画面・チラシ・本などを作るときに、まだ決まっていない本文の場所へ仮に流し込む文章(ダミーテキスト)です。読み方は「ロレム・イプサム」で、略して lipsum(リプサム)とも呼ばれます。冒頭の「Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit」から名前が付いています。

意味の分かる文を仮に入れると、見る人は内容を読んでしまい、「この言い回しは変えたい」といった話に流れがちです。読めない文なら、目が向くのは文字の大きさ・行間・1行の長さ・余白といった見た目です。意味の無い文字を並べて見た目に集中させるこのやり方は、英語で greeking(グリーキング)とも呼ばれます。

Lorem ipsum を作った文字は、英語の文と単語の長さや文字の混ざり方が近いため、「本文が入ったときの見た目」を想像しやすいのも利点です。手元で定番の1段落を数えると、69語・445文字、1語の平均は約5.3文字でした。一方で、ラテン語にほとんど出てこない k・w・z は1回も含まれていません。

445文字定番の1段落の長さ空白・句読点を含む。69語
5.3文字1語の平均の長さ句読点を除いて Python で数えた
約2倍日本語にしたときの行数同じ文字数・幅320px で Chromium の実測(1.8〜2倍)

Lorem ipsum が役に立つのは、主に次の場面です。

1デザインの見本・カンプ

原稿が届く前に、見出し・本文・カードの組み方を決める。Figma・Illustrator・InDesign などでも使われる。

2HTML・CSS のコーディング

行間・折り返し・カードの高さがそろうかを、本物に近い長さの文で確かめる。

3フォントの見本

書体の印象を、意味に引っぱられずに比べる。欧文の書体見本でよく使われる。

4プログラムの仮の値

一覧画面やテストで、文字列の欄を仮に埋める。氏名・住所なども要るときは Faker を使う。

ダミーテキストを使わず、最初から本物の原稿で作るほうがよい場面もあります。見出しの文字数が決まっている広告、ボタンや入力欄の短い言葉、法律で表示が決まっている文言などは、仮の文で組むと本物を入れたときに収まらないことが多いためです。

Lorem ipsum が向く

本文の段落・ブログの記事欄

英語のサイト・英語のフォントの見本

長さが毎回変わる説明文

本物の文か日本語のダミーが向く

日本語のサイトの見出し・カード

ボタン・メニュー・エラーメッセージ

文字数の上限があるタイトル・説明文

Lorem ipsumの由来と原文(キケロの文章)

この節では、Lorem ipsum がどこから来た文なのかと、コピーして使える定番の1段落が分かります。

Lorem ipsum の元は、古代ローマの政治家・哲学者キケロが紀元前45年に書いた『善と悪の究極について(De finibus bonorum et malorum)』の第1巻10章32〜33節です。原文の「Neque porro quisquam est, qui dolorem ipsum quia dolor sit amet, consectetur, adipisci velit…」(苦痛そのものを、苦痛だからという理由で求める人はいない、という趣旨)の「dolorem」の頭が切れて「lorem ipsum」になり、語の順番や綴りも崩されています。

元の文が見つかったのは、米ハムデン・シドニー大学のリチャード・マクリントックが、めったに使われない「consectetur」という語を手がかりに古典をたどったためだとされています。

  1. 1紀元前45年 キケロが書く『善と悪の究極について』第1巻 32〜33節
  2. 21960年代 文字の転写シートの見本に使われる英国 Letraset 社の製品で広まった(1966年ごろから)
  3. 31980年代 DTP ソフトに入るAldus PageMaker などのソフトに見本の文として入った
  4. 41990年代 出典が特定されるマクリントックがキケロの文と突き合わせた
  5. 5今 エディタ・ライブラリに入っているEmmet・Word・Faker などで1語から出せる

「1500年代の印刷工から使われてきた」という説明もよく見かけますが、日本語版 Wikipedia は、ダミーテキストとして使われ始めたのは「おそくとも1960年代と考えられている」と書いています。この記事では、確かめられる 1960年代以降の流れだけを並べました。

コピー用:定番の1段落

多くのツールやサイトで使われている、定番の1段落です(lipsum.com に載っている標準の文と同じ)。

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat. Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur. Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.

この文には訳がありません。元の文を崩しているため、ラテン語として正しい文になっていないところがあります。「意味は?」と聞かれたら、「キケロの文を崩した仮の文で、意味は持たせていない」と答えるのが正確です。

Lorem ipsum の派生

  • 英語の文字の出方に近づけた版:k・w・z を混ぜたり、「takimata」「gubergren」のような造語を入れたりした文があります。
  • 別のラテン語の文:キケロの別の演説の書き出し「Quo usque tandem abutere, Catilina, patientia nostra?」を使う見本もあります。
  • 英語のパングラム:「The quick brown fox jumps over the lazy dog」は26文字すべてを含む文で、フォントの見本に使われます。ダミーテキストとは目的が少し違い、全部の文字の形を見るためのものです。

VS CodeのEmmet・WordでLorem ipsumを出す

この節では、プログラムを書かずに、エディタや Word で Lorem ipsum を出す方法と、実際に出た文が分かります。

VS Code の Emmet で出す(lorem・lorem10・p*3>lorem8)

VS Code では、HTML・CSS・JSX などのファイルで lorem と打つと、Emmet の候補に Lorem ipsum が出ます。候補を選ぶと約30語の文に置き換わります。VS Code の Emmet は、既定では Tab キーで展開しません。Tab で展開したいときは、設定に "emmet.triggerExpansionOnTab": true を足します(VS Code の公式ドキュメント)。

1

HTML のファイルを開く

拡張子が .html のファイルか、右下の言語モードが HTML のファイルを開く。プレーンテキストでは既定で Emmet が動かない。

.html・.jsx・.vue など

2

lorem と打つ

語数を決めたいときは lorem10 のように数字を続ける。段落を3つ作るなら p*3>lorem8。

略語 lipsum でも同じ

3

候補から Emmet Abbreviation を選ぶ

候補の一覧が出ないときは、コマンドパレットで「Emmet: Expand Abbreviation」(略語の展開)を実行する。

Enter で確定

VS Code の Emmet が中で使っている emmet ライブラリ(2.4.11)を Node.js から直接呼び、略語ごとの出力を確かめました。

// lorem-emmet.mjs(npm i emmet のあとで node lorem-emmet.mjs)
import expand from "emmet";
for (const abbr of ["lorem", "lorem10", "p*3>lorem8", "ul>lorem4*3", "loremru8"]) {
  console.log("### " + abbr);
  console.log(expand(abbr));
}
### lorem
Lorem ipsum dolor sit amet consectetur adipisicing elit. Accusamus officiis molestias reprehenderit alias velit, aperiam quae a, saepe sit cumque vero quasi ipsam porro cupiditate ratione, quas architecto? Sit, hic.
### lorem10
Lorem ipsum dolor, sit amet consectetur adipisicing elit. Magnam, doloribus!
### p*3>lorem8
<p>Lorem, ipsum dolor sit amet consectetur adipisicing elit.</p>
<p>Reprehenderit repudiandae aliquam, architecto laboriosam provident iusto sint?</p>
<p>Architecto minima delectus numquam voluptatum omnis eligendi nostrum.</p>
### ul>lorem4*3
<ul>
	<li>Lorem ipsum dolor sit.</li>
	<li>Provident at eum reprehenderit.</li>
	<li>Voluptatum voluptate cumque obcaecati.</li>
</ul>
### loremru8
Далеко-далеко за словесными горами в стране гласных и согласных живут.

出力から分かったことは次の4つです。

  • 毎回ちがう文が出ます。先頭の要素だけが「Lorem ipsum」で始まり、2つ目からはランダムな語の並びです。
  • 綴りが定番の文と少し違います。Emmet の文は「adipisicing」で、lipsum.com の定番の文は「adipiscing」です。どちらも仮の文なので、表示の確かめには影響しません。
  • ul>lorem4*3 のように親を書くと、子の要素名(li)を補います。Emmet の公式ドキュメントにも似た例があります。
  • ロシア語(loremru)・スペイン語(loremsp)の文も出ました。日本語(loremja)は出せません。日本語の仮の文は後の節の方法で作ります。

同じ Emmet で ! と打つと HTML の雛形も出せます。ただし、雛形は <html lang="en"> と <title>Document</title> のままなので、日本語のサイトでは書き換えを忘れないようにします(後の「本番に残る事故」の節で、残っていないかを検索で見つける方法を扱います)。VS Code のほかの操作は、関連記事「VSCodeショートカット一覧|Win/Mac対応130項目とAI操作・変更方法」で扱っています。

Word で出す(=lorem() と =rand())

Word では、空の段落の先頭で =lorem() と打って Enter を押すと、Lorem ipsum の文が入ります。Microsoft のサポートページによると、=lorem(p,l) の p は段落の数、l は段落ごとの行の数で、省略すると3段落・3行です。=rand() は Word の表示言語の見本の文を入れます(日本語版なら日本語の文)。

打つ文字 入る文 メモ
=lorem() Lorem ipsum を3段落 英語のフォントの見本向き
=lorem(2,5) Lorem ipsum を2段落・各5行 引数で長さを変える
=rand() Word の言語の見本の文を3段落 日本語版なら日本語の文になる

何も起きないときは、Word のオートコレクトの「入力時にテキストを置換する」が切れていることがあります。Microsoft のページでは、[ファイル]→[オプション]→[校正]→[オートコレクト オプション]で変更できる、と案内されています。Word は手元で動かしていないため、この項は公式の説明の範囲で書いています。

PythonでLorem ipsum・ダミーテキストを出す(lorem・Faker)

この節では、Python で Lorem ipsum と日本語の仮の文を出すコードと、実際の出力が分かります。

Lorem ipsum だけなら lorem パッケージ、日本語や氏名・住所も要るなら Faker を使います。どちらも pip で入ります。

python3 -m venv .venv
. .venv/bin/activate
pip install lorem faker
# lorem_py.py
import lorem
from faker import Faker

print(lorem.sentence())
print(lorem.paragraph()[:80] + "...")

Faker.seed(146)                  # 同じ seed なら毎回同じ結果
en = Faker("en_US")
ja = Faker("ja_JP")
print(en.text(max_nb_chars=80))
print(ja.text(max_nb_chars=80))
print(ja.sentence())
print(ja.words(5))
$ python lorem_py.py
Sed tempora modi sed.
Quiquia est voluptatem neque sit. Quisquam dolorem dolore quaerat eius magnam. Q...
Cause foreign space city. Together get always window including.
自体ブランチパン腐った脊椎人形。リンク鉱山反射ダッシュハードウェア。大統領ログ持つ擁するクロスささやき創傷。合計賞賛する省略革新。
楽しんで彼女溝サラダダッシュ。
['追放する', '同行', '探査', '野球', '風景']

2回続けて実行すると、lorem の2行は毎回変わり、Faker.seed(146) を付けた下の4行は2回とも同じでした。テストで同じ結果を出したいときは seed を固定します。

道具 出せるもの 日本語 手元で見えた特徴
lorem 0.1.1 文・段落・複数段落 なし 「Lorem ipsum」で始まらない。ラテン語風の語を並べる
Faker 40.44.0(en_US) 文・段落、氏名・住所など ― 英単語を並べた意味の無い文になる
Faker 40.44.0(ja_JP) 文・段落、氏名・住所・電話など あり 218語の単語表から、区切りなしで語をつなげ「。」で終える
Faker(la) ラテン語風の文 なし 182語のラテン語の単語表を使う。en_US は971語の英単語

Faker の ja_JP の文は、単語を区切りなしでつなげたものです。「自体ブランチパン腐った脊椎人形。」のように、文字の並びは日本語らしく見えますが、助詞がほとんど入りません。行の長さ・漢字とカタカナの混ざり方を見るには使えますが、読める文に近い見た目を確かめたいときは、後の節の自作の文のほうが向きます。また、text() は文の間に改行の文字を入れることがあり、手元の出力にも \n が含まれていました。

JavaScriptでLorem ipsumを出す(faker-js・lorem-ipsum)

この節では、JavaScript(Node.js・ブラウザ)で Lorem ipsum と日本語の仮の値を出すコードと、その出力が分かります。

JavaScript では、@faker-js/faker の faker.lorem か、Lorem ipsum 専用の lorem-ipsum を使います。日本語の値は、日本語用に用意された fakerJA を読み込みます。

// lorem_js.mjs(npm i @faker-js/faker lorem-ipsum のあとで node lorem_js.mjs)
import { faker, fakerJA } from "@faker-js/faker";
import { LoremIpsum } from "lorem-ipsum";

faker.seed(146);
fakerJA.seed(146);
console.log(faker.lorem.sentence());
console.log(fakerJA.lorem.sentence());
console.log(fakerJA.person.fullName(), fakerJA.phone.number());
console.log(fakerJA.internet.email(), fakerJA.internet.exampleEmail());

const lorem = new LoremIpsum({ wordsPerSentence: { min: 4, max: 8 } });
console.log(lorem.generateSentences(2));
$ node lorem_js.mjs
Quaerat coepi cavus concido veniam conventus.
たいほう かい 揺さぶる 指紋 かんかつ ふさい.
安田 美咲 0726-17-3765
pv5kzd_ldkfit@i.softbank.jp lmfk2f86@example.com
Ex in veniam esse tempor laboris nulla. Amet sunt amet fugiat aute fugiat esse.

手元の出力で目立ったのは次の点です。

  • fakerJA.lorem の文は、語の間に半角の空白が入り、半角の「.」で終わります。日本語の文としては不自然なので、日本語の段落の見た目を確かめる用途には向きません。氏名・住所・電話などの値には日本語の形が使えます。
  • internet.email() は、実在する携帯電話会社やメールサービスのドメインを返すことがあります。手元では i.softbank.jp が出ました。送信を伴うテストには exampleEmail()(example.com などの予約済みのドメイン)を使います。
  • seed を固定すると、上の4行は何度実行しても同じでした(出力のハッシュ値が一致)。

以前の faker(v5 ごろ)の書き方は、今の版では動きません。手元の v10.6.0 で試した結果は、後の「よくあるつまずき」の節にまとめました。ブラウザで使うときも同じ書き方で、Vite などのビルドツールから読み込めます。

Lorem ipsumの日本語版(日本語のダミーテキストの種類)

この節では、「Lorem ipsum の日本語版」として使われている文の種類と、それぞれの向き・不向きが分かります。

日本語には、Lorem ipsum のように誰もが使う決まった1つの文はありません。よく使われるのは、「ダミーだと分かる定型文」「著作権の切れた小説の一節」「生成した文」の3つです。英語の Lorem ipsum が「読めない言語」でダミーだと伝えるのに対し、日本語は読めてしまうため、同じ文の繰り返しで「仮の文だ」と分かるようにするのが一般的です。

種類 例 向いている用途 気をつけること
定型文 この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。 Web・印刷の本文欄。誰が見ても仮の文と分かる 同じ文の繰り返しで、文字の種類が少ない
著作権の切れた小説 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。(夏目漱石『坊っちゃん』) 書体見本・縦組み。自然な日本語の見た目 読めてしまい、内容に目が向く。本物の文と取り違えられやすい
生成した文(Faker など) 自体ブランチパン腐った脊椎人形。 一覧・カードを大量に埋める 助詞が少なく、文として不自然
自作の生成コード このお知らせは、表示の崩れがないかを見るための仮の文章です。 日本語の画面の確かめ。数字・英字・かっこも混ぜられる コードを書く手間がある(次の節)

小説の一節は、青空文庫などで公開されている著作権の切れた作品から取るのが一般的です。夏目漱石・宮沢賢治の作品がよく使われます。著作権が残っている作品の文を見本に使うと、公開したときに問題になることがあるため、作品の著作権の状態は青空文庫の作品ページなどで確かめます。

コピー用:日本語のダミーテキスト

定型文を3回つなげた123文字です。幅320px・16px の段落では7行になりました。

この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。

次の節のコードで作った、数字・英字・かっこ・カタカナを混ぜた186文字の文です。

「ショッピング」の画面に表示します。新しい画面は、スマートフォンでの折り返しを見るためのダミーの文です。このお知らせは、文字の大きさと行間を確かめるための見本として入れています。会員向けの機能について、表示の崩れがないかを見るための仮の文章です。このお知らせは、文字の大きさと行間を確かめるための仮の文章です。サンプルの商品は、表示の崩れがないかを見るための仮の文章です。

日本語のダミーテキストをPythonで自作する

この節では、標準ライブラリだけで日本語のダミーテキストを作る短いコードと、文の途中で切らない作り方が分かります。

日本語の画面を確かめるなら、文の部品を組み合わせて文を作り、指定の文字数を超えない範囲で文の切れ目で止めるのが扱いやすい方法です。漢字・ひらがな・カタカナに加え、実際の原稿に出てくる数字・英字・かっこ・小さい「ッ」を混ぜておくと、折り返しの癖を見つけやすくなります。

# gen_ja.py(標準ライブラリだけ。python3 gen_ja.py 120 146)
import random, sys

subj = ["新しい画面", "検索の結果", "このお知らせ", "サンプルの商品", "会員向けの機能"]
mid  = ["は、", "では、", "について、"]
body = ["文字の大きさと行間を確かめるための", "表示の崩れがないかを見るための",
        "スマートフォンでの折り返しを見るための"]
end  = ["仮の文章です。", "ダミーの文です。", "見本として入れています。"]
mix  = ["価格は約1,200円(税込)です。", "型番はABC-123です。",
        "「ショッピング」の画面に表示します。", "ちょっとしたメモを書けます。"]

def sentence(rng):
    if rng.random() < 0.3:          # 数字・英字・かっこ・小さい「ッ」を混ぜる
        return rng.choice(mix)
    return rng.choice(subj) + rng.choice(mid) + rng.choice(body) + rng.choice(end)

def paragraph(n_chars=200, seed=None):
    rng = random.Random(seed)       # seed を固定すると毎回同じ文になる
    out = sentence(rng)
    while True:
        s = sentence(rng)
        if len(out) + len(s) > n_chars:
            return out              # 文の途中で切らない
        out += s

if __name__ == "__main__":
    print(paragraph(int(sys.argv[1]), seed=int(sys.argv[2])))
$ python3 gen_ja.py 120 146
「ショッピング」の画面に表示します。新しい画面は、スマートフォンでの折り返しを見るためのダミーの文です。このお知らせは、文字の大きさと行間を確かめるための見本として入れています。
$ python3 gen_ja.py 120 146
「ショッピング」の画面に表示します。新しい画面は、スマートフォンでの折り返しを見るためのダミーの文です。このお知らせは、文字の大きさと行間を確かめるための見本として入れています。
$ python3 gen_ja.py 80 7
検索の結果では、スマートフォンでの折り返しを見るための仮の文章です。価格は約1,200円(税込)です。

最初に書いた版は、指定の文字数でそのまま切っていたため、「このお知らせについ。」のように文の途中で終わってしまいました。上のコードは文を足す前に長さを確かめ、超えるなら止めます。そのため、出てくる文字数は指定より少し短くなります(200を指定して190文字でした)。

文の部品を、作っているサービスで実際に使う言葉(商品名の長さ、日付の書き方、金額の書き方)に寄せると、本物の原稿を入れたときとの差が小さくなります。

日本語と英語のダミーテキストの見え方をChromiumで比べた実測

この節では、同じ幅の段落に英語の Lorem ipsum と日本語のダミーテキストを入れると、行数や1行の文字数がどれだけ違うのかが分かります。

同じ文字数なら、日本語は英語の約2倍の行数になりました。英語の1文字は全角の半分ほどの幅で、日本語の1文字は文字の大きさとほぼ同じ幅を取るためです。Lorem ipsum で組んだ見本に、あとから日本語の原稿を入れると、カードや見出しの高さが足りなくなるのはこのためです。

Chromium 153 で、幅320px・文字の大きさ16px・行の高さ1.7・Noto Sans CJK JP の段落に5種類のダミーテキストを入れ、1文字ずつの表示位置から行数を数えました。

ダミーテキスト 文字数 行数 1行の平均文字数 高さ
英語:Emmet の lorem30 223 6 37.2 163px
日本語:定型文×3 123 7 17.6 190px
日本語:自作の生成コード 186 10 18.6 272px
日本語:Faker(Python・ja_JP) 123 7 17.6 190px
日本語:fakerJA.lorem(空白入り) 142 6 23.7 163px

同じ文の先頭から同じ文字数だけ切り出して比べると、差はさらにはっきりします。

文字数 英語(Lorem ipsum)の行数 日本語(自作の文)の行数
20 1 1
40 1 2
80 2 4
160 5 9

見出しでも試しました。幅300px・20px・太字の見出しに入れると、英語50文字の「Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing」は2行に収まり、日本語37文字の「2026年10月29日から会員向けの新しい検索機能を使えるようになりました」は3行になりました。見出しを2行で切る(-webkit-line-clamp: 2)デザインだと、日本語は3行目が隠れます。

行の切れ方にも違いがありました。英語は単語の切れ目でしか改行しないため、右端がそろわずに凸凹になります(最後の行を除くと、1行が34〜42文字で変わった)。日本語はほぼ毎行20文字で右端がそろい、句読点の位置によって19文字の行ができます。この19文字の行が、次の節の禁則処理によるものです。

日本語の画面を Lorem ipsum だけで組むと

やってはいけない英語の Lorem ipsum で高さを決め、そのまま日本語の原稿を流し込む。同じ文字数でも行数が約2倍になり、カードからはみ出す
→
代わりに日本語のダミーテキストで組み、見出し・本文それぞれの最大の文字数で一度表示して確かめる

見分ける問い:「本物の原稿は何語で、最大何文字か」

禁則処理と折り返し:日本語のダミーテキストで確かめること

この節では、日本語の文で「。」や「ッ」が行の先頭に来るかどうか、長い英数字がはみ出すかどうかを、Chromium で確かめた結果が分かります。

ブラウザは、句点「。」や閉じかっこが行の先頭に来ないように、前の文字ごと次の行へ送ります(行頭禁則)。Lorem ipsum には句読点の全角文字が無いため、この動きは日本語のダミーテキストでしか確かめられません。19文字のあとに試したい文字を置き、幅320px(ちょうど20文字分)で20文字目の次に来るようにして調べました。

試したこと CSS 1行目の文字数 2行目の先頭
「。」が行頭に来る位置 既定 19 い。(前の1文字ごと送った)
小さい「ッ」が行頭に来る位置 既定 20 ッ(行頭に来た)
小さい「ッ」が行頭に来る位置 line-break: strict 19 いッ(前の1文字ごと送った)
長音「ー」が行頭に来る位置 既定/strict 20/19 ー/いー
「。」が行頭に来る位置 line-break: anywhere 20 。(禁則を無視した)
開きかっこ「「」が行末に来る位置 既定 19 「かっこ」(かっこごと送った)
「約1,200円」が行末をまたぐ位置 既定 18 1,200円(数字は分けなかった)

既定のままでも「。」「、」と開きかっこは正しく扱われ、小さい「ッ」と長音「ー」は行頭に来ることがありました。新聞や書籍のように小さい仮名も行頭に置きたくない場合は、line-break: strict を指定します。MDN の line-break の説明では、strict は最も厳格な改行規則を使う値とされています。

はみ出し(長い英数字)

Lorem ipsum の単語は長くても十数文字のため、はみ出しは起きにくくなっています。本物の原稿に入りやすい URL・型番・メールアドレスのような長い英数字は、ダミーテキストに混ぜて確かめます。

入れた文字 CSS 段落の幅320pxに対する内容の幅 結果
「_」区切りの62文字の URL 既定 527px 右へはみ出した
同じ URL overflow-wrap: anywhere 320px URL の途中で折り返した
「-」区切りの URL 既定 320px 「-」の後ろで折り返した
45文字の英単語 既定 366px 右へはみ出した
日本語の定型文 word-break: keep-all 320px 読点の後ろでしか折り返さず、「字間、」だけの短い行ができた

word-break: keep-all は、英語・韓国語の単語を分けないための指定です。日本語の段落に付けると、句読点の位置でしか改行できなくなり、行の長さが大きくばらつきました。CSS の折り返しの指定の違いは、関連記事「CSS折り返し早見表|word-breakとoverflow-wrapの違い」で扱っています。

  • 1日本語のダミーテキストで組む同じ文字数で英語の約2倍の行数になる前提で高さを決める
  • 2句読点・かっこ・小さい仮名を混ぜる行頭禁則で行が短くなるところを先に見ておく
  • 3長い URL・型番を1つ入れるはみ出すなら overflow-wrap: anywhere を検討する
  • 4最大の文字数で表示する見出し・ボタン・カードの説明文それぞれの上限で崩れないか見る

デザインでダミーテキストを使うときの注意(本番に残る事故・文字数)

この節では、ダミーテキストで起きやすい2つの事故と、公開前に見つける方法が分かります。

よく起きるのは「ダミーテキストが本番に残る」ことと、「本物の原稿が入らない」ことの2つです。本文の欄は目で見て気づきやすい一方、画像の代替テキスト(alt)・meta の説明文・ページのタイトル・まれにしか出ないエラーの表示などは、画面を見ても気づきにくい場所です。

わざとダミーを残した HTML を作り、Python の短いコードで探しました。Emmet の雛形の lang="en" と <title>Document</title> も一緒に探します。

# check_dummy.py(python3 check_dummy.py 公開するフォルダー)
import re, sys, pathlib
PAT = re.compile(r"lorem|ipsum|dolor sit|ダミー|この文章は|<title>Document</title>|lang=\"en\"", re.I)
hits = 0
for f in pathlib.Path(sys.argv[1]).rglob("*.html"):
    for n, line in enumerate(f.read_text(encoding="utf-8").splitlines(), 1):
        if PAT.search(line):
            hits += 1
            print(f"{f}:{n}: {line.strip()[:60]}")
print(f"見つかった行: {hits}")
sys.exit(1 if hits else 0)
$ python3 check_dummy.py site; echo "exit=$?"
site/index.html:2: <html lang="en">
site/index.html:5: <title>Document</title>
site/index.html:6: <meta name="description" content="Lorem ipsum dolor sit amet
site/index.html:11: <img src="a.png" alt="ダミー画像">
site/index.html:12: <p>この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。</p>
見つかった行: 5
exit=1

見つかったときに終了コードを1にしているため、公開前の自動チェック(CI)に入れると、残っていたら止められます。手で調べるだけなら grep -rniE 'lorem|ipsum|ダミー' site/ でも同じ3行(description・alt・本文)が見つかりました。ただし grep の正規表現には lang="en" などを入れていないため、雛形の残りは見つかりません。探す言葉は、自分たちが使っている仮の文に合わせて足します。

文字数が合わない事故

  • 英語で組んで日本語を入れる:前の節の実測のとおり、行数が約2倍になります。
  • 短すぎる仮の文:「テキストテキスト」のような短い文で組むと、本物の長い商品名や見出しで折り返しが起き、ボタンやカードの高さがそろわなくなります。
  • 長さの上限が決まっていない:「見出しは最大何文字か」を決めずに組むと、どの長さで確かめればよいか分かりません。デザインの段階で上限を決め、その長さのダミーテキストを作ります。

画面の骨組みをテキストで作る段階の進め方は、関連記事「ワイヤーフレームの書き方:作り方の手順とテキストで作る例・テンプレート」で扱っています。ワイヤーフレームの段階で文字数の上限を書き込んでおくと、ダミーテキストの長さも決めやすくなります。

テスト用データ(名前・住所・電話)の作り方と本物の個人情報を使わない理由

この節では、Faker でテスト用の氏名・住所・電話番号を作る方法と、作った値の癖、本物の個人情報を使わない理由が分かります。

画面の確かめやテストで人の情報が要るときは、本物の顧客や社員のデータではなく、Faker などで作った架空の値を使います。本物の個人情報をテスト環境に置くと、テスト環境はたいてい本番より守りが弱いため、漏れたときの影響が大きくなります。また、テストのメールや SMS が本物の宛先に届く事故も起こり得ます。

# testdata.py(python testdata.py &gt; users.csv)
import csv, sys
from faker import Faker

Faker.seed(2026)
fake = Faker("ja_JP")
w = csv.writer(sys.stdout)
w.writerow(["id", "氏名", "フリガナ", "郵便番号", "住所", "電話", "メール"])
for i in range(1, 4):
    w.writerow([i, fake.name(), fake.kana_name(), fake.zipcode(),
                fake.address(), fake.phone_number(), fake.safe_email()])
id,氏名,フリガナ,郵便番号,住所,電話,メール
1,山本 直人,サイトウ リョウヘイ,615-9118,香川県小金井市千束38丁目15番8号 丹勢ハイツ417,070-7536-4556,yamashitakenichi@example.net
2,山本 くみ子,サトウ ハルカ,372-7554,山形県中野区鳥越8丁目14番17号 千束シティ697,070-9320-8196,otakahashi@example.org
3,森 結衣,イノウエ ナナミ,561-8223,鳥取県横浜市中区台場28丁目7番10号 クレスト手岡297,53-4778-7680,mituru71@example.com

出てきた値には、使う前に知っておきたい癖がありました。

見えた癖 実際の値 困る場面 対処
氏名とフリガナが合わない 山本 直人/サイトウ リョウヘイ ふりがなの照合・並べ替えのテスト name() と kana_name() を対にした自作の表を使う
都道府県と市区町村が合わない 香川県小金井市、鳥取県横浜市 住所の入力チェック・郵便番号からの補完 住所の正しさを見るテストは、自分で作った固定の値で行う
電話番号の形がまちまち 53-4778-7680 電話番号の形式チェック 形式チェックのテストは、正しい形・誤った形を自分で並べる
実在のメールサービスのドメイン free_email() で hotmail.com・yahoo.com メール送信のテスト safe_email()・exampleEmail() で example.com 系にする

example.com・example.net・example.org は、説明やテストのために予約されたドメインです(RFC 2606)。誤って送信しても、実在の人には届きません。電話番号には同じような予約の範囲が無いため、作った番号が実在する可能性があります。テストで電話や SMS を本当に送る処理は、送信先をモック(偽の送信先)に差し替えます。モックの考え方は関連記事「テストダブルとは|スタブ・モック・スパイ・フェイクの違いと使い分け」で扱っています。

何万件ものデータを SQL で作る方法や、本番のデータをどうしても使うときのマスキング(個人を特定できない形への置き換え)は、関連記事「テストデータの作り方|生成SQLとマスキング手法一覧・匿名化の手順」で扱っています。この記事は「仮の文字・値を出す入口」、そちらは「データベースに入れるテストデータの作り方」と役割を分けています。

Lorem ipsum・ダミーテキストのよくあるつまずき(原文つき)

この節では、手元で実際に出たエラーの原文と、出なかったときの原因が分かります。

起きたこと(原文) 原因 直し方
ModuleNotFoundError: No module named 'lorem' venv の外の Python で実行した、または pip で入れていない venv を有効にしてから pip install lorem
AttributeError: Invalid configuration for faker locale `jp` 言語の指定の誤り。日本語は jp ではない Faker("ja_JP") と書く
AttributeError: 'Generator' object has no attribute 'kana_name'. Did you mean: 'last_name'? en_US の Faker で日本語だけの機能を呼んだ ja_JP の Faker から呼ぶ
TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'findName') 以前の faker の書き方 faker.name.findName() faker.person.fullName() に書き換える
エラーは出ないが英語の名前(Terrence Swift)が出た 以前の書き方 faker.locale = "ja" は今の版では効かない import { fakerJA } を使う
VS Code で lorem と打っても何も出ない プレーンテキストなど Emmet が既定で動かないファイル HTML として開くか、emmet.includeLanguages で対応づける
Word で =lorem() と打っても文が入らない オートコレクトの設定が切れている(Microsoft の公式の説明) オートコレクト オプションで「入力時にテキストを置換する」を有効にする
日本語にすると見出しが3行になり隠れた 英語の Lorem ipsum で2行に収まるように組んでいた 日本語のダミーテキストの最大の文字数で組み直す

Python の環境づくり(venv と pip)の詳しい手順は、使っている OS の Python の公式ドキュメントで確かめられます。エラーが出たら、まず「どの Python・どの Node.js で動かしているか」を which python・node --version で確かめると、原因を絞り込めます。

どのダミーテキストを使うかの判断表

この節では、目的ごとにどの道具・どの文を選べばよいかが分かります。

目的 おすすめ 理由 避けたいもの
英語のサイトの見た目 Emmet の lorem・定番の1段落 英語の単語の長さに近い。打つだけで出る 日本語の定型文
日本語のサイトの見た目 日本語の定型文・自作の生成コード 行数・禁則が本物に近い Lorem ipsum だけで組むこと
書体の見本(和文) 著作権の切れた小説の一節 自然な文字の並び 著作権の残っている作品の文
一覧・カードを大量に埋める Faker(ja_JP)・fakerJA 件数を数字で指定でき、seed で再現できる 同じ1件のコピー(長さの違いが見えない)
テスト用の氏名・住所・メール Faker + safe_email()/exampleEmail() 実在の宛先に届かない 本番の顧客・社員のデータ
入力チェックのテスト 自分で並べた固定の値 正しい形・誤った形を狙って作れる Faker の値だけに頼ること
Word・資料の見本 =lorem()・=rand() Word だけで完結する 本番の資料にそのまま残すこと

よくある質問

Q. Lorem ipsum の読み方は?

A. 「ロレム・イプサム」と読むのが一般的です。略して lipsum(リプサム)とも呼ばれます。

Q. Lorem ipsum に意味はありますか。

A. キケロの『善と悪の究極について』の文を崩したもので、文としての意味は持たせていません。元の文は「苦痛そのものを、苦痛だからという理由で求める人はいない」という趣旨の一節です。

Q. Lorem ipsum を商用のデザインで使ってもよいですか。

A. 2000年以上前の文を元にした文で、デザインの見本として広く使われています。ただし、仮の文のまま公開しないことが前提です。公開前に検索で残りを探します。

Q. Lorem ipsum の日本語版はありますか。

A. 誰もが使う1つの文はありません。「この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。」という定型文や、著作権の切れた小説の一節、生成した文がよく使われます。

Q. VS Code で日本語のダミーテキストを出せますか。

A. Emmet の lorem はラテン語風・ロシア語・スペイン語の文で、日本語は出せませんでした。日本語は、スニペットに定型文を登録するか、この記事の生成コードで作って貼り付けます。

Q. lorem10 の数字は文字数ですか。

A. 語の数です。lorem10 は10語の文になります。文字数で指定したいときは、Faker の text(max_nb_chars=…) などを使います。

Q. Faker で作った名前や住所は、実在する人のものですか。

A. よくある姓・名や地名を組み合わせて作った値で、特定の人を指すものではありません。ただし偶然の一致は起こり得るため、メールは example.com 系にし、電話や SMS を本当に送る処理はモックに替えます。

Q. 毎回同じダミーテキストを出したいときは?

A. Python の Faker は Faker.seed(数字)、JavaScript の faker-js は faker.seed(数字) で固定できます。手元では、同じ seed で2回とも同じ出力になりました。

Q. ダミーテキストのまま公開してしまったら?

A. 本文・タイトル・meta の説明文・画像の alt を直して公開し直します。検索結果に出ている説明文は、検索エンジンがページを読み直したあとで更新されます。再発を防ぐには、公開前の検索(この記事の check_dummy.py など)を手順に入れます。

Q. 画像のダミー(仮の画像)はどうすればよいですか。

A. 文字と同じく、本物の写真の代わりに、大きさだけを合わせた単色の画像や図形を使います。外部の画像サービスを使う場合は、公開前に自分のサイトの画像へ差し替えたかを、ダミーテキストと一緒に検索で確かめます。

まとめ

  • Lorem ipsum は、キケロの文を崩したラテン語風のダミーテキスト。意味を読めないため、見る人の目が文字の大きさ・行間・余白に向く。
  • VS Code は Emmet の lorem・lorem10・p*3>lorem8、Word は =lorem()、Python は lorem・Faker、JavaScript は @faker-js/faker・lorem-ipsum で出せる。
  • 日本語版は決まった1つの文が無い。定型文・著作権の切れた小説・生成した文から選び、日本語の画面は日本語のダミーで組む。
  • Chromium の実測では、同じ文字数で日本語は英語の約2倍の行数になった。句読点・小さい仮名・長い URL を混ぜて、禁則とはみ出しも確かめる。
  • 公開前に lorem・ipsum・ダミー・雛形の title を検索して残りを消す。テスト用の人の情報は Faker の架空の値と example.com 系のメールで作り、本物の個人情報は使わない。

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月29日です。

  • Lipsum.com「Lorem Ipsum - All the facts」:https://www.lipsum.com/
  • Wikipedia(日本語版)「Lorem ipsum」:https://ja.wikipedia.org/wiki/Lorem_ipsum
  • Emmet Documentation「Lorem Ipsum generator」:https://docs.emmet.io/abbreviations/lorem-ipsum/
  • Visual Studio Code Docs「Emmet in Visual Studio Code」:https://code.visualstudio.com/docs/languages/emmet
  • Microsoft サポート「Microsoft Office Word にサンプル テキストを挿入する方法」:https://support.microsoft.com/ja-jp/word/how-to-insert-sample-text-in-microsoft-office-word
  • Faker Documentation「Locale ja_JP」:https://faker.readthedocs.io/en/master/locales/ja_JP.html
  • Faker(JavaScript)「Localization」:https://fakerjs.dev/guide/localization.html
  • PyPI「lorem」:https://pypi.org/project/lorem/
  • npm「lorem-ipsum」:https://www.npmjs.com/package/lorem-ipsum
  • MDN Web Docs「line-break」:https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/line-break
  • RFC 2606「Reserved Top Level DNS Names」:https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc2606
  • 青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「Lorem ipsumとは|ダミーテキストの出し方と日本語版・折り返し実測」

株式会社RJC ― SI事業・SES事業・AI駆動開発。RJCは一緒に成長を楽しめる会社です。

WE ARE HIRING

RJCで一緒に開発しながら、
成長を楽しみませんか?

RJCは、Web・モバイル・AIを活用した開発プロジェクトで、テックリードやPM・PMOも活躍するシステム開発会社です。会社を知る、待遇を確かめる、話を聞いてみる。気になるところ見てみてください!

  • 127日年間休日
  • 12時間平均残業時間
  • 毎日ガチャ遊びココロも大切にする福利厚生。アマギフなどの賞品ラインナップ!

ほかにも、チケットレストラン、書籍読み放題、2年ごとの慰労報奨(休暇 or 金一封)、11期連続の黒字決算。

ABOUT RJC RJCがどんな会社か知る 考え方、研修、働き方、福利厚生、社員の前職まで。RJCのことが丸わかり! RJC丸わかりページへ JOB DESCRIPTION 仕事内容・待遇を見てみる 仕事内容、給与・待遇、選考の流れ。経験者も未経験も!応募前に知りたいこと、まとめました! 募集要項を見る ENTRY エントリーする エントリーは1〜2分・履歴書不要です。まずは話を聞いてみたい、という方でも歓迎です! エントリーフォームへ

成長のヒミツ、 ぜんぶ丸わかり