医療事務(病院・クリニックの受付、会計、レセプト)からエンジニアへ、未経験で転職することはできます。しかも、受付・入力・会計・レセプト請求・返戻の対応という医療事務の仕事の流れは、医事会計システムや電子カルテの機能の並びとほぼ同じで、仕様書に出てくる「点数」「算定」「返戻」「資格確認」を説明なしで読めることは、要件定義とテストの工程でそのまま生きます。 厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)は、医療事務の仕事を「診察が終わった患者のカルテを見て、診察の内容、検査の種類、薬の量などをコンピュータに入力して点数化し、患者が自己負担する金額を計算する」と書いています。医療事務の人は、毎日システムを使う側にいます。厚生労働省の資料では、電子カルテの導入率は2023年に一般病院で65.6%、一般診療所で55.0%で、まだ導入していない医療機関も多く、システムを作る・入れる・直す仕事が続く分野です。この記事は、他業種からの転職者を未経験から採用し、入社後4か月の研修で育てている会社の立場から、医療事務の知識が生きる工程、数字、職種別、転職理由別の確かめ方、年収の現実、採用する側が見ている3つ、1年目〜3年目、そして RJC の場合までを書いたものです。

確認日:2026年10月11日(一部は10月6日・7日・10日)。医療事務の記述と有効求人倍率は厚生労働省 jobtag、電子カルテの導入率は厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」(医療施設調査による)、医療,福祉の就業者数は総務省統計局「労働力調査(2025年平均)」、入職率・離職率と転職後の賃金は厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、企業の採用状況はレバテック「IT人材白書2026」、求人件数は doda の検索結果、開発者のAI利用は Stack Overflow「2025 Developer Survey」を、確認日に開いて引用しています。「医療事務の知識が生きる工程」「面談で見ているもの」は、他業種からの転職者を採用して育てている経験をもとにした整理です。

この記事の結論

医療事務からエンジニアになれるか

なれる。jobtag:「他業界からの転職者も比較的多い」。医療事務もプログラマーも「特に学歴や資格は必要とされない」仕事。未経験者を採用中・検討中の企業は7割超

jobtag、レバテック「IT人材白書2026」

医療事務の知識は生きるか

生きる。受付・会計・レセプトの流れは医事会計・電子カルテの機能の並びとほぼ同じ。受付の順番と例外を知っている(要件定義)、金額のずれに気づける(テスト)、点数の改定の影響が分かる(運用)

本文の「システムのどこに当たるか」

システムの需要はあるか

ある。電子カルテの導入率は一般病院65.6%、一般診療所55.0%(2023年)。導入・入れ替え・改定への対応が続く

厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」

求人はあるか

ある。doda IT・通信業界×職種未経験歓迎 5,762件。「医療」を含む求人1,618件、「電子カルテ」101件(福利厚生の記載を含む)

doda(確認日時点)

年収はどうなるか

年収は役割で決まる。1年目は前職と同じ程度からが多い。3年目に詳細設計を任されるかで差がつく

本文の「年収の現実」

採用する側は何を見ているか

分からないときにどうするか、手を動かして確かめるか、人に説明できるか。医療事務の資格の数や作品ではない

本文、採用する側の整理

いつ応募するか

今からでも。学習を終えてからでなくても応募できる。研修で育てる会社なら学ぶのは入社後からでも間に合う

本文

数字で見る「医療事務からエンジニア」

65.6%一般病院の電子カルテ導入率(2023年)一般診療所は55.0%。2008年は一般病院14.2%で、15年で約4.6倍。厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」
1.32倍医療事務の有効求人倍率(令和7年度)システムエンジニア(受託開発)は2.54倍。厚生労働省 jobtag
947万人医療,福祉の就業者数(2025年平均)前年比25万人増。情報通信業は302万人。総務省統計局「労働力調査」
14.3%医療,福祉の離職率(2025年)入職率14.5%。全産業13.7%、情報通信業10.4%。厚生労働省「雇用動向調査」
1,618件doda IT・通信業界で「医療」を含む職種未経験歓迎の求人「電子カルテ」を含む求人は101件。全体は5,762件。確認日時点
30.7%採用で重視する点の1位「コミュニケーション能力」2位は前職の業務内容26.9%。未経験者を採用中28.4%、検討中45.0%。レバテック「IT人材白書2026」
項目 数値 出典
jobtag 医療事務 「診療報酬を請求するための書類の作成を行ったり、窓口において、外来の受付、医療費の請求、入退院の手続などを行う」「入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない」。有効求人倍率1.32(令和7年度) 厚生労働省 jobtag
電子カルテの導入率 一般病院:2008年14.2%→2014年34.2%→2020年57.2%→2023年65.6%。一般診療所:14.7%→35.0%→49.9%→55.0% 厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」(医療施設調査)
産業別の入職率・離職率(2025年) 医療,福祉 入職率14.5%・離職率14.3%。情報通信業13.6%・10.4%。全産業14.7%・13.7% 厚生労働省「雇用動向調査」
就業者数(2025年平均) 医療,福祉947万人(前年比25万人増)。情報通信業302万人(10万人増) 総務省統計局「労働力調査」表Ⅰ-8
doda IT・通信業界×職種未経験歓迎5,762件。「医療」1,618件、「電子カルテ」101件 doda(確認日時点)
jobtag SE(受託開発) 「IT以外の様々な業界の経験や知識も生かせることから、他業界からの転職者も比較的多い」「理系のイメージが強いが文系も多い」 厚生労働省 jobtag(2026年10月7日確認)
転職後の賃金 増加/減少(2025年) 全体40.8%/31.0%。20〜24歳55.2%/17.5%、25〜29歳49.8%/23.9% 厚生労働省「雇用動向調査」
未経験者の採用状況 採用中28.4%、検討中45.0%。理由:経験者採用が難しい46.5%。採用で重視:コミュニケーション能力30.7%、前職の業務内容26.9% レバテック「IT人材白書2026」(2026年10月6日確認)
開発者のAI利用 84%が使用または使用予定。「ほぼ正しいが完全ではない」が最大の不満66% Stack Overflow「2025 Developer Survey」(2026年10月7日確認)

読み方は3つです。

  1. 医療事務の人は、すでにシステムを使う側にいる。 jobtag の記述どおり、医療事務の中心は「カルテを見てコンピュータに入力し、点数化する」仕事です。画面の入力と会計の金額の関係を知っている人は、作る側に回ったときに「この画面で何が起きるか」を先に想像できます。
  2. 電子カルテは、まだ広がっている途中。 一般病院で65.6%、一般診療所で55.0%で、導入・入れ替え・改定への対応が続く分野です。使う側の目を持つ人が、作る側にいる意味は大きい分野です。
  3. 採用で重視する1位はコミュニケーション能力、2位は前職の業務内容。 窓口で患者に説明し、点数を正確に扱ってきた医療事務の人が、面談で最も話せる2つです。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「医療事務からエンジニアへ転職|レセプト・電子カルテの知識が生きる工程」

医療事務の仕事の流れが、システムのどこに当たるか:採用する側の整理

医療事務の仕事の流れが、システムのどこに当たるか医療事務の仕事の流れシステムのどこに当たるか受付:保険証の確認、予約と来院の受付受付・予約・資格確認の機能要件定義:受付の順番と例外を知っている入力:カルテを見て診療内容を入力電子カルテ・オーダーの機能要件定義:画面に何が並ぶべきか分かる会計:点数を計算し、自己負担額を請求医事会計の機能(点数の計算)テスト:金額のずれに気づけるレセプト:月初に診療報酬を請求レセプト作成・請求の機能テスト:月初の締めの動きが分かる返戻・改定:差し戻しの対応、点数の改定点数マスタ・改定の反映運用:改定の時期と影響の範囲が分かる仕様書に出てくる「点数」「算定」「返戻」「資格確認」の意味を、医療事務の人は説明なしで読める最初に戸惑う「書く・動かす」は研修で育つ。医療事務の出身者は、レセコンを使う側の目で画面を読める
医療事務の仕事の流れは、医事会計・電子カルテのシステムの機能の並びとほぼ同じ。下の表には、要件・テスト・運用のどこで生きるかと、1年目にどう見えるかも載せた
医療事務の仕事の流れが、システムのどこに当たるか医療事務の仕事の流れ → 生きる工程受付:保険証の確認、予約と来院の受付受付・予約・資格確認の機能要件定義:受付の順番と例外を知っている入力:カルテを見て診療内容を入力電子カルテ・オーダーの機能要件定義:画面に何が並ぶべきか分かる会計:点数を計算し、自己負担額を請求医事会計の機能(点数の計算)テスト:金額のずれに気づけるレセプト:月初に診療報酬を請求レセプト作成・請求の機能テスト:月初の締めの動きが分かる返戻・改定:差し戻しの対応、点数の改定点数マスタ・改定の反映運用:改定の時期と影響の範囲が分かる「書く・動かす」は研修で育つ「点数・締め・正確さ」は入社前から持っている
医療事務の仕事の流れは、医事会計・電子カルテのシステムの機能の並びとほぼ同じ。下の表には、要件・テスト・運用のどこで生きるかと、1年目にどう見えるかも載せた
医療事務の仕事の流れ システムのどこに当たるか 要件・テスト・運用で生きる場面と、1年目にどう見えるか
受付:保険証・資格の確認、予約と来院の受付 受付・予約・資格確認の機能 要件定義。受付の順番と「この状態では受け付けられない」例外を知っているので、設計書の分岐を追える
入力:カルテを見て、診療の内容・検査・薬を入力 電子カルテ・オーダーの機能 要件定義。入力する人の目で、画面に何がどの順に並ぶべきかが分かる
会計:点数を計算し、自己負担の金額を請求 医事会計の機能(点数の計算) テスト。負担割合や加算のずれに気づける。窓口の問い合わせを再現できる
レセプト:月初に、前の月の診療報酬を請求 レセプト作成・請求の機能 テスト・運用。月初の締めの動きと、締めたあとに直せない理由が分かる
返戻・改定:差し戻しの対応、点数の改定の反映 点数マスタ・改定の反映 運用。改定の時期と影響の範囲が分かり、改修の相談で話が通じる

医療事務の人が最初に戸惑うのは「書く・動かす」の工程ですが、これは研修で育ちます。逆に、研修では育ちにくい「点数と算定の考え方を知っている」「月初の締めの段取りが分かる」「正確に扱う」を、医療事務の人は入社前から持っています。採用する側がはっきり言えるのは、医療事務の出身者はレセコンを使う側の目で画面を読め、テストの観点が受付から請求までの順番に沿って出てくるということです。

医療事務の知識が生きる3つの場面

読

要件を読む

仕様書には「点数」「算定」「返戻」「資格確認」が説明なしに出てくる。医療事務の人は辞書を引かずに読み、「この受付のときはこの状態になる」を先に言える

1年目:設計書の読み合わせで止まらない

試

テストで異常に気づく

自己負担の金額、加算の有無、月をまたぐ診療。業務を知っている人は「この結果はおかしい」に気づける。テストの観点を受付から請求までの順番で並べられる

1年目:テストの抜けが少ない

話

顧客と話せる

医事会計・電子カルテの要望を出すのは、医療機関の事務や看護の担当者。同じ言葉で話せる人は、2〜3年目に顧客との調整役へ進みやすい

2〜3年目:設計と調整へ

この3つは、研修で教えられるものではなく、入社前の仕事でしか身につきません。1年目のうちは「書く・動かす」で先輩に追いつく期間で、2年目以降、業務の知識が設計の工程で差になって現れます。

医療事務の職種別に生きる経験

前職 特に生きる力 向く場面
クリニックの受付・会計 受付から会計までを一人で回す。患者への説明 要件を読む、人に説明する、運用の問い合わせ対応
病院の医事課(外来・入院) 入院の手続き、病棟との連絡、入院費の計算 要件定義、テスト(月をまたぐ計算)
レセプトの担当 月初の請求、点検、返戻の対応 テストの観点、要件の矛盾に気づく
調剤薬局の事務 処方箋の入力、薬剤の点数、患者への会計 テスト(金額の計算)、データの扱い
歯科の受付・事務 予約の管理、自費と保険の区別、会計 要件の比較、状態の移り変わり
介護事務 介護報酬の請求(レセプト)、月末月初の締め テスト(締めと計算)、規程を読む

転職理由別に、求人票で確かめること

医療事務から転職を考える理由で多いのは、「月初のレセプトの時期に忙しさが集中する」「給与が上がりにくい」「受付で患者の対応に気を張り続ける」「手に職をつけたい」です。同じ理由を繰り返さないために、求人票で確かめる項目を整理します。

転職理由月初のレセプトの時期に忙しさが集中する
→
求人票で確かめること始業・終業の時刻、年間休日、完全週休2日か。1年目の仕事の中身が書かれているか

医療事務で起きていたこと:月初に締めの作業が集中し、休みが取りにくい

転職理由給与が上がりにくい
→
求人票で確かめること役割の道(SE→リーダー→PM など)と、役割ごとの年収モデルが公開されているか

医療事務で起きていたこと:資格や経験年数を積んでも、給与の上がり方が見えにくい

転職理由受付で患者の対応に気を張り続ける
→
求人票で確かめること開発の仕事の中身と、チームでの進め方が書かれているか

医療事務で起きていたこと:待ち時間や会計の金額への問い合わせに、窓口で一人で対応する

転職理由手に職をつけたい
→
求人票で確かめること「書く・動かす」を基礎から教える研修の期間と中身、学ぶための講座・書籍の支援

医療事務で起きていたこと:点数の知識はあっても、作る側の技術がない

年収の現実:1年目は前職と同じ程度から

採用する側として正直に書くと、未経験の1年目の年収は、医療事務の時と同じ程度から始まることが多く、前職によっては下がることもあります。厚生労働省「雇用動向調査」では、転職入職者全体で40.8%が賃金増、31.0%が賃金減で、25〜29歳では49.8%が増、23.9%が減です。エンジニアの年収は役割で決まり、3年目に詳細設計、5年目に基本設計・リーダーへ進むかで差がつきます。年代・役割ごとの年収モデルを公開している会社なら、入る前に見通しが立ちます。

採用する側が面談で見ている3つ

1

分からないときにどうするか

止まったまま待つ人より、調べて聞く人のほうが伸びる

医療事務の人はどう話せるか:返戻が戻ってきたとき、何を確かめて誰に相談したか

2

手を動かして確かめるか

AIの出力を「動かして確かめる」人かどうか

医療事務の人はどう話せるか:レセプトを点検してきた習慣。体験会・面談でのやり取り

3

人に説明できるか

顧客・先輩・AIに「何を・なぜ」を伝えられる人は設計へ進める

医療事務の人はどう話せるか:自己負担の金額の仕組みを、初めて来た患者に分かるように話す

見ていないのは「医療事務の資格の数」「作品」「学習の量」です。応募の前に何かを仕上げておかなくても応募できます。

1年目から3年目まで:医療事務出身者の道筋

入社〜研修

言語の基礎、データベース、Web の仕組み、設計とテスト医療事務の経験が生きるところ:点数表を読むように設計書を読む。分からないことを早く聞く

1年目

小さな修正、テスト、既存の仕組みを読む。「配属後、半年から1年間程度、先輩の指導を受けながら」(jobtag PG)医療事務の経験が生きるところ:報告・相談。業務システムの画面と帳票が、受付から請求までの順番で読める

2年目

機能単位で任される医療事務の経験が生きるところ:テストの観点を業務の順番で出す。金額のずれに気づく

3年目詳細設計

詳細設計を書く。「3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」(jobtag SE)医療事務の経験が生きるところ:使う人と同じ言葉で話せる。顧客との調整役へ

生成AI時代、医療事務の知識はさらに生きる

Stack Overflow の2025年調査では、開発者の84%がAIツールを使っているか使う予定で、66%が「ほぼ正しいが、完全ではない」ことを最大の不満に挙げています。コードの雛形はAIが出す時代になり、開発職で残るのは「何を作るかを決める」「出力を確かめる」「人に伝える」です。AIは点数表も通知も読みますが、「受付が混む時間にこの画面の順番では遅れる」「月初のこの作業の前にこの確認が要る」という使う側の知識は、実物を扱ってきた人の中にしかありません。

決

何を作るかを決める

受付から請求までの流れと例外を知っている人が、作るものを決められる

確

出力を確かめる

66%の開発者が「ほぼ正しいが、完全ではない」を最大の不満に挙げている。レセプトを点検するように確かめる人が要る

伝

人に伝える

AIへの指示も、窓口での説明と同じ。相手に伝わる言葉で「何を・なぜ」を書く

確かめて分かったこと(2026年10月の公開データ)

項目 数値・記述 出典
jobtag 医療事務 「カルテを見て、診察の内容、検査の種類、薬の量などをコンピュータに入力して点数化し、患者が自己負担する金額を計算する」。「特に学歴や資格は必要とされない」。有効求人倍率1.32(令和7年度) 厚生労働省 jobtag
電子カルテの導入率(2023年) 一般病院65.6%、一般診療所55.0% 厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」
雇用動向調査(2025年) 医療,福祉 入職率14.5%・離職率14.3%。全産業13.7%。転職入職者の賃金 増加40.8%/減少31.0% 厚生労働省
労働力調査(2025年平均) 医療,福祉947万人(25万人増)、情報通信業302万人(10万人増) 総務省統計局 表Ⅰ-8
doda IT・通信業界×職種未経験歓迎5,762件。「医療」1,618件、「電子カルテ」101件 doda(確認日時点)
jobtag SE・プログラマー 「他業界からの転職者も比較的多い」「文系も多い」「特に学歴や資格は必要とされない」「3年目頃には一人で詳細設計」 厚生労働省 jobtag(2026年10月7日確認)
レバテック 未経験採用中28.4%、検討中45.0%。理由:経験者採用が難しい46.5%。採用で重視:コミュニケーション能力30.7%、前職の業務内容26.9% 「IT人材白書2026」
Stack Overflow 2025 AI利用84%、「ほぼ正しいが完全ではない」66% 「2025 Developer Survey」

よくある質問

医療事務から未経験でエンジニアになれますか

なれます。jobtag はシステムエンジニアについて「他業界からの転職者も比較的多い」、プログラマーについて「特に学歴や資格は必要とされない」としています。医療事務の人は、毎日レセコンや電子カルテを使う側にいて、画面の入力と会計の金額の関係を知っています。

医療事務の知識はエンジニアで生きますか

生きます。受付・入力・会計・レセプトの流れは、医事会計システムや電子カルテの機能の並びとほぼ同じです。受付の順番と例外を知っている力は要件定義に、金額のずれに気づく力はテストに、点数の改定の影響が分かる力は運用に、そのまま生きます。

医療系のシステムの開発だけになりますか

なりません。入社後にどの分野の開発を担当するかは会社と時期によって違います。ただ、「受付→処理→請求→締め」という流れは多くの業務システムに共通するので、医療事務の経験は医療系に限らず、業務システム全般で生きる力として考えるのが現実的です。

パソコンはレセコンしか使ったことがありません

応募できます。レセコンに毎日入力し、画面の項目と会計の結果の関係を知っていること自体が、システムを使う側の経験です。プログラミングの道具の使い方は、研修で最初から教えます。

医療事務の資格は無駄になりますか

無駄になりません。応募の条件ではありませんが、資格のために学んだ点数と算定の知識は、業務の理解としてそのまま生きます。ITの資格は任意で、もし取りたい方は入社後に取り組むのも一つの方法です。

クリニックの受付だけの経験でも応募できますか

できます。学歴不問・未経験歓迎の求人は、前職の職種を条件にしていません。受付で患者に説明してきた経験は人に説明する力に、予約と来院の流れを回してきた経験は要件を読む力に生きます。

年収は下がりますか

1年目は医療事務の時と同じ程度から始まることが多く、前職によっては下がることもあります。転職入職者全体では40.8%が賃金増、31.0%が賃金減です。年収は役割で決まるので、3年目に設計を任されるか、年収モデルが公開されているかで会社を選ぶと、入った後の見通しが立ちます。

プログラミングを勉強してから応募すべきですか

いいえ。応募は今からでも受け付けています。研修で育てる会社なら、学ぶのは入社後からでも間に合います。医療事務の人が持っていない「書く・動かす」は研修で育ち、持っている「点数・締め・正確さ」は研修では育ちにくいものです。

20代後半でも間に合いますか

間に合います。25〜29歳の転職入職者の49.8%が賃金増で、採用する側が見ているのは年齢ではなく向き合い方と説明する力です。迷っている間も年齢は上がるので、早めに動いたほうが選択肢は広く保てます。

医療事務の経験を生かせる求人はどう探せばいいですか

doda で業種をIT・通信業界、条件を職種未経験歓迎に絞り、キーワード「医療」を含めると1,618件、「電子カルテ」なら101件です(福利厚生の記載を含む件数。確認日時点)。求人票では、研修の期間と中身、1年目の仕事、役割の道、固定給かどうかが書かれているかが目安になります。

RJC に医療事務から転職する場合

最後に、この記事を書いている RJC(株式会社RJC)の場合を、公開中の採用情報と入社時研修の内容から書いておきます。RJC は、顧客やSIerの開発チームに入って開発する SES事業を主に、自社で引き受けて開発する SI事業も行う会社で、未経験採用は他業種からの転職者が中心です。これまでに500名以上の未経験者を育ててきました。

応募エントリーフォームの「プログラマ(未経験者)」から。資格・作品は条件にしていない
入社時研修 4か月・12段階「書く・動かす」を基礎から。採用した担当者が修了まで伴走
10年育成プログラム技術研修・設計研修・昇進研修。SE→リーダー→PM、またはテックリード→アーキテクト
応募の条件
学歴不問、業界未経験者大歓迎。元フリーター・他業種からの転職者も活躍中。資格・作品は条件にしていない
入社時研修
4か月・12段階。Java の基礎から、オブジェクト指向、データベースと SQL、Web の基礎、Spring Boot、JavaScript・React・Next.js と進み、最終段階で設計・実装・単体テストのサイクルを AI と一緒に回す(AI駆動開発)
研修の形
採用した担当者が研修の修了まで伴走する
研修のあと
10年育成プログラム(技術研修・設計研修・昇進研修)。600本以上の動画講座、書籍購入費用の会社負担
役割の道
SE→リーダー→プロジェクトマネージャー、またはテックリード→アーキテクト
給与
未経験・1年目は年収308万〜322万円。昇給年1回、賞与年2回
働き方
年間休日127日、完全週休2日(土日)、9:00〜18:00。11期連続黒字
応募
エントリーフォームの希望職種「プログラマ(未経験者)」から。向いているかを先に確かめたい方は「インターン・研修体験を希望の方」から

医療事務の仕事で身につけた「点数と算定を知っている・締めの段取りが分かる・正確に扱う」は、そのまま持ち込める力です。「書く・動かす」は入社後の研修で、採用した担当者が修了まで一緒に伴走します。

参考・出典

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「医療事務」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/443 、「介護事務」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/436 (2026-10-11 確認)
  • 厚生労働省「電子カルテ普及計画(案)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001747869.pdf (2026-10-11 確認)
  • doda 求人検索 業種IT・通信×職種未経験歓迎 https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_ind__01L/-op__70/-preBtn__3/ 、同×キーワード「医療」 https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_k__/%E5%8C%BB%E7%99%82/-ind__01L/-op__70/-preBtn__3/ 、同×キーワード「電子カルテ」 https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_k__/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%86/-ind__01L/-op__70/-preBtn__3/ (2026-10-11 確認、表示件数)
  • 情報サービス産業協会(JISA)「2025年版 情報サービス産業 基本統計調査」図表2-20 取引先別売上高構成(2024年度、300社) https://www.jisa.or.jp/Portals/0/report/basic2025report.pdf (2026-10-10 確認)
  • 厚生労働省「令和7年雇用動向調査」結果の概要 2 産業別の入職と離職 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf 、3 転職入職者の状況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/kekka_gaiyo-03.pdf (2026-10-10 確認)
  • 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅰ-8 主な産業別就業者数 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/gaiyou.pdf (2026-10-10 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(受託開発)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/312 、「プログラマー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313 (2026-10-07 確認)
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76397.html 、参考統計表 https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001753011.pdf (2026-10-10 確認)
  • レバテック「IT人材白書2026」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2026.pdf (2026-10-06 確認)
  • Stack Overflow「2025 Developer Survey」AI https://survey.stackoverflow.co/2025/ai (2026-10-07 確認)
  • 株式会社RJC「採用情報」 https://www.r-jc.jp/recruitment/ (2026-10-10 確認)

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「医療事務からエンジニアへ転職|レセプト・電子カルテの知識が生きる工程」

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