エンジニアにコミュニケーション力は必要です。採用する側としてはっきり言うと、エンジニアの仕事は一人で黙々とコードを書く時間より、要望を聞く、分からないことを確かめる、進み具合を報告する、作ったものを説明する時間のほうが、思われているより長い仕事です。 厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)は、システムエンジニアについて「社内外の年齢も経歴も異なる様々な人と接し、意見交換する場面が多く、コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる」と書いています。プログラマーのしごと能力プロフィールでも、プログラミング4.9に次いで高いのは読解力と傾聴力(どちらも4.1)です。レバテック「IT人材白書2026」では、未経験者の採用で重視する点の1位が「コミュニケーション能力」30.7%でした。特に、顧客の開発チームに入って開発する仕事では、相手の会社のやり方を確かめながら進めるため、確認・報告・相談の会話が多くなります。だからこそ、人と話すのが好きな人、接客・営業・コールセンターで人と向き合ってきた人は、その経験がそのまま生きます。この記事では、エンジニアの会話を場面別に分け、前職の会話の経験がどこで生きるか、話すだけでなく「書いて伝える」報告の型、そして RJC の場合までを書きました。

確認日:2026年10月11日(一部は10月6日・7日)。職業の記述としごと能力プロフィールの値は厚生労働省 jobtag「システムエンジニア(受託開発)」「プログラマー」、企業の採用状況はレバテック「IT人材白書2026」、開発者のAI利用は Stack Overflow「2025 Developer Survey」を、確認日に開いて引用しています。「エンジニアの会話の場面」「前職の会話が生きる場面」は、他業種からの転職者を採用して育てている経験をもとにした整理です。

この記事の結論

エンジニアにコミュニケーション力は必要か

必要。jobtag:SE は「コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる」

jobtag

どんな会話があるか

質問・報告・相談・レビュー・打ち合わせ・チャット。要望を聞き、確かめ、進み具合を伝え、作ったものを説明する

本文の「エンジニアの会話を場面別に」

採用で重視されるか

される。未経験者の採用で重視する点の1位は「コミュニケーション能力」30.7%、2位は「前職の業務内容」26.9%

レバテック「IT人材白書2026」

どんな人が生きるか

人と話すのが好きな人。接客・営業・コールセンターなど、人と向き合ってきた経験は、要件を聞く・調整する場面でそのまま生きる

本文

話すのが得意でないと無理か

話す量より、確かめる・報告する・説明する習慣が大事。チャットや文書で「書いて伝える」場面も多い

本文の「書いて伝える報告の型」

いつ応募するか

今からでも。学習を終えてからでなくても応募できる

本文

数字で見る「エンジニアとコミュニケーション」

30.7%未経験者の採用で重視する点の1位「コミュニケーション能力」2位は前職の業務内容26.9%。レバテック「IT人材白書2026」
4.1jobtag「プログラマー」しごと能力プロフィール:傾聴力読解力も4.1。プログラミング4.9に次ぐ。厚生労働省 jobtag
2.54倍システムエンジニア(受託開発)の有効求人倍率(令和7年度)プログラマーは0.98倍。厚生労働省 jobtag
3年目jobtag が「一人で詳細設計を書けるようになる」とする時期設計に進むほど、人と話して決める場面が増える。jobtag SE
73.4%未経験者を採用中・採用を検討中の企業採用中28.4%、検討中45.0%。同白書
84%AIツールを使っている・使う予定の開発者AIへの指示も「伝える」仕事。Stack Overflow「2025 Developer Survey」
項目 数値・記述 出典
jobtag SE(受託開発) 「社内外の年齢も経歴も異なる様々な人と接し、意見交換する場面が多く、コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる」。有効求人倍率2.54(令和7年度) 厚生労働省 jobtag
jobtag プログラマー(しごと能力プロフィール) プログラミング4.9、読解力4.1、傾聴力4.1 厚生労働省 jobtag
未経験者の採用状況 採用中28.4%、検討中45.0%。採用で重視:コミュニケーション能力30.7%、前職の業務内容26.9% レバテック「IT人材白書2026」(2026年10月6日確認)
開発者のAI利用 84%が使用または使用予定。「ほぼ正しいが完全ではない」が最大の不満66% Stack Overflow「2025 Developer Survey」(2026年10月7日確認)

読み方は3つです。

  1. 公的な職業の説明でも「非常に重要」と書かれている。 jobtag は SE の仕事について、年齢も経歴も違う人と意見交換する場面が多いと書いています。一人で完結する仕事ではありません。
  2. プログラミングの次に高いのは「聞く」と「読む」。 傾聴力と読解力がどちらも4.1です。話す力より、相手の言いたいことを正しく受け取る力が先に来ます。
  3. 採用で一番見られている。 未経験者の採用で重視する1位がコミュニケーション能力です。前職で人と向き合ってきた経験は、そのまま評価の材料になります。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「エンジニアにコミュニケーション力は必要か|会話が生きる場面を仕事別に」

エンジニアの会話を場面別に:採用する側の整理

場面 相手 何を話すか 1年目にどう見えるか
質問 先輩・リーダー 分からないこと、試したこと、どこで止まったか 早く聞ける人ほど、止まる時間が短い
報告 リーダー 結論、進み具合、問題、次の行動 毎日の報告が評価の中心になる
相談 リーダー・顧客 決めてほしいこと、選択肢 仕様の抜けに気づいて相談できる
レビュー 先輩・同僚 なぜこう書いたか、指摘の受け止め 指摘をすぐ直せる人は伸びる
打ち合わせ 顧客・チーム 要望の確認、決まったことの記録 議事録と確認が任される
チャット チーム全体 短い連絡、質問、共有 結論から短く書けるかが見られる

一人で黙々と書く時間はありますが、その前後には必ず人との会話があります。 特に、顧客の開発チームに入って開発する仕事では、相手の会社のルールや進め方を確かめながら進めるので、確認・報告・相談の回数が多くなります。

前職の会話の経験が、エンジニアのどの場面に生きるか

前職の会話の経験が、エンジニアのどの場面に生きるか前職でしてきた会話エンジニアのどの場面に生きるか接客・販売:相手に合わせて説明してきた要件を聞く・説明する顧客の言葉を仕様に直す営業:要望を聞いて提案してきた要件定義・顧客との調整要望の優先順位を一緒に決めるコールセンター:聞いて記録してきた報告・不具合の再現何が起きたかを正確に残す飲食:忙しい中で短く伝えてきたチャットでの報告・相談結論から短く伝える事務:依頼の意図を確かめてきた作業前の確認「何を・いつまでに」を先にそろえるエンジニアの会話は「聞く・確かめる・報告する・説明する」。前職で使ってきた形がそのまま生きる「書く・動かす」は研修で育つ。会話の力は、前職の仕事の中で身についている
前職の会話の経験と、エンジニアの場面の対応。人と話すのが好きな人、接客・営業の経験がある人ほど生きる
前職の会話の経験が、エンジニアのどの場面に生きるか前職でしてきた会話 → 生きる工程接客・販売:相手に合わせて説明してきた要件を聞く・説明する顧客の言葉を仕様に直す営業:要望を聞いて提案してきた要件定義・顧客との調整要望の優先順位を一緒に決めるコールセンター:聞いて記録してきた報告・不具合の再現何が起きたかを正確に残す飲食:忙しい中で短く伝えてきたチャットでの報告・相談結論から短く伝える事務:依頼の意図を確かめてきた作業前の確認「何を・いつまでに」を先にそろえる「書く・動かす」は研修で育つ会話の力は前職で身についている
前職の会話の経験と、エンジニアの場面の対応。人と話すのが好きな人、接客・営業の経験がある人ほど生きる

人と話すのが好きな人、接客・営業・コールセンターで人と向き合ってきた人は、エンジニアの会話の場面で最初から強みを持っています。 「書く・動かす」は研修で基礎から育ちますが、相手の話を聞いて確かめ、分かるように説明する力は、前職の仕事の中で身についたものです。前職ごとの詳しい話は、前職別の記事(接客・販売、営業、コールセンターなど)で書いています。

話すだけでなく「書いて伝える」:報告の型

エンジニアの会話は、チャットや文書で書いて伝える場面も多くあります。採用する側から見て、1年目で評価が高いのは、次の型で短く書ける人です。

【報告】ログイン画面の入力チェックの修正
・結論:修正とテストは終わりました。レビューをお願いします
・状況:テスト12件のうち12件が通りました。1件、仕様書に書かれていない入力(全角スペースだけ)があり、エラーとして扱っています
・相談:全角スペースだけの入力の扱いを、仕様として確認したいです
・次の行動:レビューの指摘を今日中に直します
1

結論

終わったのか、終わっていないのか。何をしてほしいのか

最初の1行
2

状況

何をして、どうなったか。数字で書けるところは数字で

3

相談

決めてほしいこと、気になったこと

4

次の行動

自分がこのあと何をするか、いつまでに

この型は、接客での引き継ぎや、営業の日報と同じ考え方です。 前職で「結論から伝える」をしてきた人は、1年目の報告で迷いません。

AIの時代も、伝える力が要る

Stack Overflow の2025年調査では、開発者の84%がAIツールを使っているか使う予定です。AIに作業を頼むときも、「何を・なぜ・どんな条件で」を相手に伝わる言葉で書く必要があります。人に伝える力と、AIに伝える力は同じものです。

聞

聞いて確かめる

要望の言葉の裏にある「本当に困っていること」を聞き出す

伝

短く伝える

結論から書く。AIへの指示も同じ

説

説明する

作ったものを、使う人に分かる言葉で説明する

自分の会話の力を確かめる

当てはまる項目をクリックすると印が付きます。印が付いた項目は、面談で具体的な場面と一緒に話せる材料です。

よくある質問

エンジニアにコミュニケーション力は必要ですか

必要です。jobtag はシステムエンジニアについて「コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる」と書いています。未経験者の採用で重視する点の1位も、コミュニケーション能力(30.7%)です。

どんな場面で会話が多いですか

質問・報告・相談・レビュー・打ち合わせ・チャットです。特に顧客の開発チームに入って開発する仕事では、相手の会社のやり方を確かめながら進めるので、確認・報告・相談の回数が多くなります。

接客や営業の経験は生きますか

生きます。接客の「相手に合わせて説明する」は要件を聞く場面に、営業の「要望を聞いて提案する」は要件定義と顧客との調整に、そのまま生きます。採用で重視する点の2位は「前職の業務内容」です。

話すのが得意ではありません

エンジニアの会話で大事なのは、話の量より、確かめる・報告する・説明する習慣です。チャットや文書で書いて伝える場面も多いので、結論から短く書く型を身につけると伝わりやすくなります。ただし、人と関わる場面は必ずあるので、人と話すことを避けたい人には合わない仕事です。

一人で黙々とできる仕事だと思っていました

書く時間はありますが、その前後には必ず人との会話があります。何を作るかを聞き、分からないことを確かめ、作ったものを説明し、レビューで直す、の繰り返しです。

1年目は何を求められますか

毎日の報告と、分からないことを早く聞くことです。jobtag はプログラマーについて「配属後、半年から1年間程度、先輩プログラマーやSEなどの指導を受けながら」と書いています。指導を受けながら進めるので、聞く・報告するが仕事の中心になります。

設計やリーダーに進むと、会話は増えますか

増えます。設計では顧客と要望を確かめ、リーダーではチームの進み具合をまとめて伝えます。jobtag が「3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」とする段階から、話して決める場面が増えていきます。

AIが使えれば、会話は減りますか

減りません。AIに頼むときも「何を・なぜ・どんな条件で」を伝える必要があり、AIの出力を確かめて人に説明するのも人の仕事です。伝える力は、AIを使うほど要ります。

面談では何を話せばいいですか

前職で、相手の話を聞いて確かめた場面、問題を早めに報告した場面、知らない人に説明した場面を、何を・なぜ・どうしたかで話すと伝わります。

RJC の場合:顧客のチームに入って開発する仕事と、会話の力

最後に、この記事を書いている RJC(株式会社RJC)の場合を、公開中の採用情報と入社時研修の内容から書いておきます。RJC は、顧客やSIerの開発チームに入って開発する SES事業を主に、自社で引き受けて開発する SI事業も行う会社で、未経験採用は他業種からの転職者が中心です。これまでに500名以上の未経験者を育ててきました。

応募エントリーフォームの「プログラマ(未経験者)」から。資格・作品は条件にしていない
入社時研修 4か月・12段階「書く・動かす」を基礎から。採用した担当者が修了まで伴走
10年育成プログラム技術研修・設計研修・昇進研修。SE→リーダー→PM、またはテックリード→アーキテクト
応募の条件
学歴不問、業界未経験者大歓迎。元フリーター・他業種からの転職者も活躍中。資格・作品は条件にしていない
入社時研修
4か月・12段階。Java の基礎から、オブジェクト指向、データベースと SQL、Web の基礎、Spring Boot、JavaScript・React・Next.js と進み、最終段階で設計・実装・単体テストのサイクルを AI と一緒に回す(AI駆動開発)
研修の形
採用した担当者が研修の修了まで伴走する
研修のあと
10年育成プログラム(技術研修・設計研修・昇進研修)。600本以上の動画講座、書籍購入費用の会社負担
役割の道
SE→リーダー→プロジェクトマネージャー、またはテックリード→アーキテクト
給与
未経験・1年目は年収308万〜322万円。昇給年1回、賞与年2回
働き方
年間休日127日、完全週休2日(土日)、9:00〜18:00。11期連続黒字
応募
エントリーフォームの希望職種「プログラマ(未経験者)」から。向いているかを先に確かめたい方は「インターン・研修体験を希望の方」から

RJC は、顧客の開発チームに入って開発する SES事業を主にしているので、確認・報告・相談の会話は毎日の仕事の中心です。人と話すのが好きな人、接客・営業などで人と向き合ってきた人の経験は、そのまま持ち込める力です。「書く・動かす」は入社後の研修で、採用した担当者が修了まで一緒に伴走します。

参考・出典

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(受託開発)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/312 、「プログラマー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313 (2026-10-11 確認)
  • レバテック「IT人材白書2026」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2026.pdf (2026-10-06 確認)
  • Stack Overflow「2025 Developer Survey」AI https://survey.stackoverflow.co/2025/ai (2026-10-07 確認)
  • 株式会社RJC「採用情報」 https://www.r-jc.jp/recruitment/ (2026-10-11 確認)

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「エンジニアにコミュニケーション力は必要か|会話が生きる場面を仕事別に」

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