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初めてのチームリーダーがやること|最初の30日チェックリストと面談表
初めてチームリーダーになったら、最初の30日でやることは「上司と期待をそろえる」「メンバー全員と1対1で話す」「いまの仕事と会議を見える形にする」の3つです。 新しい施策はその後で十分間に合います。先に知ることへ時間を使うと、2か月目からの判断がぶれにくくなります。
この記事には、そのまま貼って使える30日チェックリスト、初回面談の質問シート、期待値すり合わせシート、就任あいさつ文、会議体の棚卸し表を全文で載せています。場面は、3〜8人ほどのIT開発チーム(顧客先に常駐するSESのチーム、または受託開発のチーム)を想定しています。
確認環境:ガント図は mermaid-cli 12.0.0(Ubuntu 24.04)で描画できることを確かめています。出典に挙げた公式ページの確認日は 2026年10月7日です。
最初の30日の早見表
| 時期 | 目的 | やること | 残すもの |
|---|---|---|---|
| 初日 | 役割を知らせる | あいさつ、上司と30分 | あいさつ文 |
| 1週目 | 人と仕事を知る | 全員と初回面談、仕事の一覧化 | 面談メモ、仕事一覧 |
| 2週目 | 流れを整える | 会議の棚卸し、任せ先を決める | 棚卸し表、判断表 |
| 3〜4週目 | 回し始める | 1on1の定例化、報告の型を決める | 週報の型 |
| 30日目 | 振り返る | 上司と振り返り、次の60日を決める | 次の目標3つ |
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「初めてのチームリーダーがやること|最初の30日チェックリストと面談表」
30日の流れ(ガント図)
11月2日(月)に就任した場合の例です。日付を書き換えてそのまま使えます。
gantt
title 新任リーダーの最初の30日
dateFormat YYYY-MM-DD
axisFormat %m/%d
excludes weekends
section 知る
上司と期待値をすり合わせる :a1, 2026-11-02, 2d
メンバー全員と初回面談 :a2, 2026-11-03, 6d
会議体と報告先の棚卸し :a3, 2026-11-04, 4d
section 整える
進捗と課題の見える化 :b1, 2026-11-09, 5d
会議体の見直し案を出す :b2, after a3, 4d
任せる仕事を決めて渡す :b3, 2026-11-16, 5d
section 回す
1on1を定例にする :c1, 2026-11-16, 12d
30日のふりかえり :milestone, c2, 2026-12-01, 0d
最初の30日チェックリスト
「済」の列にチェックを入れながら進めます。 全部を完璧にこなす必要はなく、初日と1週目の項目を先に埋めるのがおすすめです。
初日
| やること | 目安 | 残すもの | 済 |
|---|---|---|---|
| チームへ就任のあいさつをする | 3分 | あいさつ文 | □ |
| 上司と30分話し、期待を聞く | 30分 | すり合わせシート | □ |
| 前任者から引き継ぎを受ける | 60分 | 引き継ぎメモ | □ |
| 初回面談の日程を全員分入れる | 15分 | 予定表 | □ |
| 権限を確認する(承認・閲覧・管理者) | 15分 | 権限の一覧 | □ |
| 顧客側の窓口を確認する | 10分 | 連絡先一覧 | □ |
1週目
| やること | 目安 | 残すもの | 済 |
|---|---|---|---|
| メンバー全員と1対1で話す | 各30分 | 面談メモ | □ |
| 進行中の作業を一覧にする | 60分 | 仕事一覧 | □ |
| 期限が近いものを3つ挙げる | 20分 | 直近の期限表 | □ |
| すべての会議に1回ずつ出る | 各回 | 棚卸し表の下書き | □ |
| 顧客側の窓口へあいさつする | 15分 | あいさつメール | □ |
| 契約と作業範囲を読み直す | 30分 | 範囲のメモ | □ |
| 勤怠・工数の締め日と手順を確かめる | 15分 | 月次の予定 | □ |
2週目
| やること | 目安 | 残すもの | 済 |
|---|---|---|---|
| 面談で聞いた困りごとをまとめる | 40分 | 困りごと一覧 | □ |
| すぐ直せる小さなことを1つ直す | 半日 | 対応の記録 | □ |
| 会議体の棚卸し表を仕上げる | 40分 | 棚卸し表 | □ |
| 任せる仕事を決めて本人と話す | 各20分 | 判断表 | □ |
| 進捗と課題の見える場所を1つにする | 60分 | ボードや一覧 | □ |
| 上司への報告の型と頻度を決める | 20分 | 週報の型 | □ |
3〜4週目と30日目
| やること | 目安 | 残すもの | 済 |
|---|---|---|---|
| 1on1を定例にする(隔週など) | 各30分 | 定例の予定 | □ |
| 会議の見直しを1つ試す | 2週間 | 試した結果 | □ |
| チームの決めごとを書き出す | 60分 | 決めごと一覧 | □ |
| 自分の時間の使い方を1週間記録する | 毎日5分 | 時間の記録 | □ |
| 上司と30日の振り返りをする | 30分 | 振り返りメモ | □ |
| 次の60日の目標を3つ決める | 30分 | 目標3つ | □ |
| チームに30日で分かったことを伝える | 10分 | 共有メモ | □ |
リーダーが持つ仕事の一覧
リーダーの仕事は「進捗・品質・人・対外窓口・報告」の5つに分けると、抜けを見つけやすくなります。
| 領域 | 主な仕事 | 頻度 | 最初の30日でやること |
|---|---|---|---|
| 進捗 | 作業の一覧、期限、詰まりの解消 | 毎日 | 仕事一覧と期限表を作る |
| 品質 | レビュー、テスト方針、不具合の傾向 | 毎日〜週次 | レビューの流れを確かめる |
| 人 | 1on1、育成、負荷の偏り、勤怠 | 週次〜月次 | 全員と面談する |
| 対外窓口 | 顧客・他チームとの調整、依頼の受付 | 随時 | 窓口と依頼の経路を確かめる |
| 報告 | 上司・顧客への状況報告、課題の相談 | 週次 | 報告の型と頻度を決める |
SES常駐と受託開発での違い
同じ「リーダー」でも、契約の形で確かめる相手と範囲が変わります。就任初週に、自社の上司や営業担当に確認しておくと安心です。
| 確かめること | SES常駐のチーム | 受託開発のチーム |
|---|---|---|
| 作業の頼まれ方 | 契約と自社の窓口を確認する | 自社内で割り振る |
| 勤怠・工数 | 自社と常駐先の両方の締めに合わせる | 自社の締めに合わせる |
| 報告先 | 自社の上司と、常駐先の窓口 | 自社の上司と、顧客の担当者 |
| 道具とルール | 常駐先の規程に合わせる | 自社の規程で決められる |
| メンバーの相談 | 自社側の面談の場を確保する | 日々の中で聞ける |
契約形態ごとの指示の出し方には決まりがあります。自分の立場でどこまで決めてよいかは、推測で動かず、初日に上司へ「私が決めてよい範囲」と「相談が必要な範囲」を聞くのが近道です。
上司との期待値すり合わせシート
初日か2日目に、上司と30分で埋めます。 空欄は「まだ決まっていない」という情報になるので、そのまま残して構いません。
# 期待値すり合わせシート
- 記入日:
- リーダー:
- 上司:
- 次に見直す日(30日後):
## 1. このチームの目的
- チームが出す成果(誰に、何を):
- この3か月で一番大事なこと:
## 2. 私(リーダー)に期待すること
- 30日後にできていてほしいこと:
- 90日後にできていてほしいこと:
- 続けてほしいこと(前任のやり方で残すもの):
- 変えてよいこと:
## 3. 決めてよい範囲
| 事柄 | 自分で決める | 相談して決める | 上司が決める |
|---|---|---|---|
| 作業の割り振り | | | |
| 残業・休日作業の依頼 | | | |
| 休暇の承認 | | | |
| 顧客への納期の回答 | | | |
| 作業範囲の変更の受け入れ | | | |
| メンバーの追加・交代の依頼 | | | |
| 道具やライブラリの導入 | | | |
## 4. 報告と相談
- 定例の報告(曜日・形式・項目):
- すぐ知らせてほしいこと(例: 納期に影響する遅れ、体調や勤怠の変化、顧客からの強い要望):
- 連絡手段(急ぎ/通常):
## 5. 自分の時間の使い方
- 自分で手を動かす作業の割合の目安:
- 手放してよい担当作業:
## 6. 上司にお願いしたいこと
-
記入例
# 期待値すり合わせシート
- 記入日: 2026-11-02
- リーダー: 佐藤
- 上司: 田中マネージャー
- 次に見直す日(30日後): 2026-12-01
## 1. このチームの目的
- チームが出す成果(誰に、何を): 顧客の在庫管理システムの追加開発を、月次リリースで届ける
- この3か月で一番大事なこと: 1月のリリースを予定どおり出すこと
## 2. 私(リーダー)に期待すること
- 30日後にできていてほしいこと: 進捗と課題を週1回、同じ型で報告できている
- 90日後にできていてほしいこと: レビューを自分以外の2人にも任せられている
- 続けてほしいこと(前任のやり方で残すもの): 毎朝15分の朝会、金曜のふりかえり
- 変えてよいこと: 会議の時間と参加者、タスクボードの列
## 3. 決めてよい範囲
| 事柄 | 自分で決める | 相談して決める | 上司が決める |
|---|---|---|---|
| 作業の割り振り | ○ | | |
| 残業・休日作業の依頼 | | ○ | |
| 休暇の承認 | | ○ | |
| 顧客への納期の回答 | | ○ | |
| 作業範囲の変更の受け入れ | | | ○ |
| メンバーの追加・交代の依頼 | | | ○ |
| 道具やライブラリの導入 | | ○ | |
## 4. 報告と相談
- 定例の報告(曜日・形式・項目): 金曜17時までにチャットで。進捗/課題/来週の予定/相談の4項目
- すぐ知らせてほしいこと: 納期に影響する遅れ、体調や勤怠の変化、顧客からの範囲外の依頼
- 連絡手段(急ぎ/通常): 急ぎは電話、通常はチャット
## 5. 自分の時間の使い方
- 自分で手を動かす作業の割合の目安: 最初の1か月は5割、3か月後に3割
- 手放してよい担当作業: 帳票出力の改修(11月中に鈴木さんへ引き継ぐ)
## 6. 上司にお願いしたいこと
- 顧客の窓口の方への紹介を、今週中に一度お願いしたい
メンバー全員との初回面談の質問シート
1人30分、聞くことが8割です。 最初に「評価のための場ではなく、あなたのことと仕事のことを教えてもらう時間です」と伝えると話しやすくなります。メモは本人に見せながら取り、最後に内容を確かめます。
# 初回面談シート
- 日時:
- メンバー:
- 場所/方法:
## はじめに伝えること(2分)
- 今日は、あなたの仕事とやりやすさを教えてもらう時間です。
- 聞いた内容は、チームを整えるために使います。共有してほしくないことは、そう言ってください。
## 1. いまの仕事(8分)
- いま担当している作業を教えてください。
- その中で、いちばん時間を使っているものはどれですか。
- 待ちになっていること、詰まっていることはありますか。
- 自分しか知らない作業や手順はありますか。
## 2. やりやすさ(8分)
- このチームで続けたいこと、気に入っていることは何ですか。
- 変わると助かることを、1つ挙げるとしたら何ですか。
- 会議や報告で、長い・多い・足りないと感じるものはありますか。
- 質問や相談は、誰に、どんな方法でするのがやりやすいですか。
## 3. これから(7分)
- この半年で、やってみたい仕事や伸ばしたい技術はありますか。
- 得意で、人に教えられることは何ですか。
- 働く時間や場所で、配慮してほしいことはありますか。
## 4. 私(リーダー)への期待(3分)
- 私にやってほしいこと、やらないでほしいことはありますか。
- 困ったとき、どのくらいの早さで声をかけてほしいですか。
## おわりに(2分)
- 今日のメモを読み上げて確かめる。
- 次に話す日を決める:
## メモ
- 分かったこと:
- すぐ対応すること(期限と担当):
- 上司に伝えること(本人の了解: 済/未):
質問の一覧と聞く意図
| 質問 | 知りたいこと | 聞いた後にすること |
|---|---|---|
| いちばん時間を使っている作業は | 負荷の偏り | 仕事一覧に時間を書き足す |
| 待ち・詰まりはあるか | すぐ外せる障害 | 当日中に動く |
| 自分しか知らない手順は | 属人化している箇所 | 手順書の作成を計画に入れる |
| 続けたいことは | 残すべき良い習慣 | 変えない項目に入れる |
| 変わると助かることは | 小さな改善の種 | 2週目に1つ直す |
| やってみたい仕事は | 任せる候補 | 判断表に名前を入れる |
| 私にやってほしいことは | 期待される関わり方 | 関わり方を調整する |
全員の面談が終わったら、共通して出た話を3つだけチームに返します(「レビュー待ちが長いという声が複数ありました。来週から、朝会でレビュー待ちを先に確認します」など)。聞いた後に1つ動くことが、次に話してもらえるかどうかを左右します。1on1の続け方や質問の広げ方は、当サイトの記事「1on1の質問一覧100選とテーマ別シートのテンプレート|エンジニア向け」で扱っています。
就任あいさつ文の例
あいさつは「役割・最初にやること・お願い」の3点を短く伝えます。 方針の発表は、話を聞き終えた2週目以降で十分です。
チームへの口頭のあいさつ(朝会で1〜2分)
おはようございます。今日からこのチームのリーダーを務める佐藤です。
最初の2週間は、皆さんの仕事とやりやすさを教えてもらう時間にします。
今週中に、お一人ずつ30分ずつお時間をください。予定はこのあと送ります。
当面、進め方は今のままで変えません。
気づいたことや困っていることがあれば、朝会の後でもチャットでも、いつでも声をかけてください。
これからよろしくお願いします。
チャットへの投稿
【ごあいさつ】本日からチームリーダーを担当します、佐藤です。
・今週: 皆さんと1対1で30分ずつお話しさせてください(予定を送ります)
・当面: 進め方や会議は現状のまま続けます
・相談: 作業の詰まり、休暇、顧客からの依頼の受け方は、私に声をかけてください
前任の高橋さんには、今月末まで引き継ぎで相談に乗っていただきます。
よろしくお願いします。
顧客側の窓口へのメール
件名: チームリーダー交代のごあいさつ(佐藤)
○○株式会社
△△様
いつもお世話になっております。□□株式会社の佐藤です。
11月2日より、高橋に代わり、開発チームのリーダーを担当いたします。
これまでの進め方と定例のお打ち合わせは、変更なく続けてまいります。
今後のご連絡・ご依頼は、私あてにお送りいただけますと幸いです。
メール: sato@example.com
電話: 000-0000-0000(平日 9:00〜18:00)
次回の定例(11月5日)で、あらためてごあいさつさせてください。
引き続きよろしくお願いいたします。
□□株式会社
佐藤
会議体の棚卸し表
1週目にすべての会議へ1回ずつ出て、次の表を埋めます。 「目的」と「決まること」が1行で書ける会議は、そのまま続けます。書きにくい会議は、参加者と一緒に目的を確かめます。
| 会議名 | 頻度・時間 | 目的(決まること) | 参加者 | 見直し案 |
|---|---|---|---|---|
| | | | | |
記入例
| 会議名 | 頻度・時間 | 目的(決まること) | 参加者 | 見直し案 |
|---|---|---|---|---|
| 朝会 | 毎日15分 | 今日の作業と詰まりの共有 | 全員 | 続ける |
| 顧客定例 | 週1回60分 | 進捗の報告、依頼の受付 | リーダー、顧客2名 | 議題を前日に送る |
| 設計レビュー会 | 週1回90分 | 設計の承認 | 全員 | 対象者だけに絞る |
| 進捗確認 | 週2回30分 | 朝会と同じ内容 | 全員 | 朝会にまとめる |
| ふりかえり | 隔週60分 | 次に試す改善を1つ決める | 全員 | 続ける |
| 上司との1on1 | 隔週30分 | 課題の相談、判断の確認 | リーダー、上司 | 新しく設ける |
見直しの観点は次の4つです。
| 観点 | 確かめる問い | 見直しの方向 |
|---|---|---|
| 目的 | 何が決まる会議か1行で言えるか | 言えるまで参加者と話す |
| 重なり | 同じ内容を別の会議でも話していないか | 1つにまとめる |
| 参加者 | 全員が発言または判断に関わるか | 必要な人に絞り、議事メモを共有 |
| 時間 | 予定の時間を使い切っているか | 短くして試す |
参考として、スクラムガイド(2020年11月版)はデイリースクラムを「開発者のための15分のイベント」と定めています(確認日:2026年10月7日、https://scrumguides.org/scrum-guide.html )。スクラムを採用していないチームでも、毎日の共有を15分に収める目安として使えます。見直しは一度に1つ、2週間試してから続けるか決めると、チームが受け入れやすくなります。
自分でやる・任せる・上司に上げるの判断表
迷ったら「誰が決めると一番早く正しく決まるか」で分けます。 上司とのすり合わせシートの「決めてよい範囲」が、この表の土台になります。
| 場面 | 自分でやる | 任せる | 上司に上げる |
|---|---|---|---|
| 日々の作業の割り振り | ○ | ||
| 詰まっている作業の障害を外す | ○ | ||
| 顧客・他チームとの日程の調整 | ○ | ||
| コードレビュー | 重要な変更のみ | 通常の変更 | |
| 自分が得意な実装 | ○(育つ機会にする) | ||
| 手順が決まっている定例作業 | ○ | ||
| 議事メモ、朝会の進行 | ○(持ち回り) | ||
| 納期に影響する遅れ | 状況の整理 | ○(早めに) | |
| 契約の範囲を超える依頼 | 内容の確認 | ○ | |
| 人の追加・交代、体制の変更 | 案の作成 | ○ | |
| 勤怠や体調に関わる相談 | 話を聞く | ○(本人の了解を得て) | |
| 費用がかかる道具の導入 | 比較の資料 | ○ |
判断の基準を3行にまとめると、次のとおりです。
| 分け方 | 基準 | 例 |
|---|---|---|
| 自分でやる | チーム全体の流れに関わり、他の人では決めにくい | 割り振り、障害の除去、窓口 |
| 任せる | 手順がある、または任せることで人が育つ | 定例作業、得意分野の実装 |
| 上司に上げる | 契約・費用・人・納期に関わる | 範囲外の依頼、体制の変更 |
スクラムガイドは、自己管理型のチームを「誰が、何を、いつ、どのように行うかをチーム内で決める」チームと説明しています。PMIのPMBOKガイド第8版(2025年11月発行)の紹介ページでも、6つの原則の中に「権限を持ったチームを築く」が挙げられています(確認日:2026年10月7日、https://www.pmi.org/standards/pmbok )。任せることは手を抜くことではなく、チームが自分たちで決められる範囲を広げる仕事だと考えると、渡しやすくなります。任せるときの伝え方は、当サイトの記事「仕事の任せ方と依頼テンプレート|5W1Hと権限委譲レベル表」が参考になります。
就任初週の言い方(直す前と直した後)
言い方を少し変えるだけで、受け取られ方が変わります。左は言いがちな形、右はおすすめの形です。
| 場面 | 直す前 | 直した後 |
|---|---|---|
| あいさつ | これからは私のやり方で進めます | まず2週間、今のやり方を教えてください |
| 気になる点を見つけた | このやり方は効率が良くないですね | この手順になった経緯を教えてもらえますか |
| 進捗を聞く | まだ終わっていないのですか | いまどこまで進んでいて、何があると進みますか |
| 自分が詳しい作業 | 私がやったほうが早いのでやります | 最初の1件は一緒にやって、次からお願いします |
| 分からないこと | (黙って調べ続ける) | ここは詳しくないので、教えてください |
| 前任者の話 | 前のやり方は見直します | 高橋さんが整えてくれた土台を引き継ぎます |
| 年上・先輩のメンバーへ | 立場上、指示に従ってください | 経験を貸してください。判断は私が引き受けます |
| 上司への相談 | どうすればいいですか | AとBの案があり、Aで進めたいです。よいでしょうか |
共通しているのは、最初の2週間は「決める」より「聞く」を先にすることと、判断の責任は自分が持つと言葉にすることです。
30日目の振り返りシート
# 30日の振り返り
- 記入日:
- 参加者: リーダー/上司
## 1. 分かったこと
- チームの強み(3つ):
- 困りごと(3つ):
## 2. やったこと
- 直したこと:
- 任せたこと(誰に、何を):
- 会議で見直したこと:
## 3. 自分の時間の使い方(1週間の記録から)
- 自分で手を動かす作業: 時間( %)
- メンバーの支援: 時間( %)
- 会議: 時間( %)
- 計画・報告: 時間( %)
## 4. 次の60日の目標(3つまで)
| 目標 | 確かめ方 | 期限 |
|---|---|---|
| | | |
| | | |
| | | |
## 5. 上司に相談したいこと
-
目標を3つに絞るのは、数が多いと力が分散するためです。Google の re:Work も、目標設定の方法であるOKRについて、1期間の目標を3〜5個、目標ごとの成果指標を3つ程度にすることを勧めています(確認日:2026年10月7日、https://rework.withgoogle.com/intl/en/guides/set-goals-with-okrs )。新任の最初の60日は、その下限に合わせた3つから始めると進めやすくなります。
よくある質問
Q. メンバーに年上や経験の長い人がいます。どう接すればよいですか? A. 役割が違うだけで、上下の関係ではありません。技術や経緯については教えてもらい、割り振りや優先順位の判断は自分が引き受ける、と分けて伝えると進めやすくなります。初回面談で「得意で人に教えられること」を聞くと、頼る場面を作りやすくなります。
Q. 自分の担当作業が多く、リーダーの仕事に時間を取れません。 A. 最初の30日は、面談と上司との対話の時間を先に予定へ入れ、残りを担当作業に充てます。そのうえで1週間の時間の使い方を記録し、30日目の振り返りで「手放す作業」を上司と決めます。
Q. 最初の30日で成果を出さなくてもよいのでしょうか? A. 大きな変更より、面談で聞いた小さな困りごとを1つ直すことをおすすめします。早く小さく動くと、チームは「話せば動いてくれる」と受け取ります。
Q. 前任者と進め方の考えが違います。 A. まず今の進め方になった理由を前任者とメンバーに聞きます。理由が分かったうえで変えたい点が残れば、2週目以降に1つずつ、試す期間を決めて提案します。
まとめ
- 最初の30日は 「上司と期待をそろえる・全員と話す・仕事と会議を見える形にする」 の3つに集中する
- 初日に上司と30分話し、決めてよい範囲と報告の型をシートに残す
- 1週目に全員と30分ずつ面談し、聞いた後に小さなことを1つ直す
- リーダーの仕事は 進捗・品質・人・対外窓口・報告 の5つで抜けを確かめる
- 会議は棚卸し表で目的と重なりを確かめ、見直しは一度に1つ試す
- 契約・費用・人・納期に関わることは早めに上司へ上げる
- 30日目に振り返り、次の60日の目標を3つ決める
参考・出典(確認日:2026年10月7日)
- Scrum Guide(2020年11月版) https://scrumguides.org/scrum-guide.html
- PMI「PMBOK Guide」第8版(2025年11月発行)の紹介ページ https://www.pmi.org/standards/pmbok
- Google re:Work「Set goals with OKRs」 https://rework.withgoogle.com/intl/en/guides/set-goals-with-okrs
- 労働政策研究・研修機構(JILPT)調査研究成果の一覧(調査シリーズ No.212「管理職の働き方に関する調査」2021年7月 を掲載) https://www.jil.go.jp/institute/research/index.html
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「初めてのチームリーダーがやること|最初の30日チェックリストと面談表」
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