AIにコードレビューを頼むときは、「前提情報(差分の範囲・規約・対象外)」「観点」「出力形式」の3つをプロンプトに書くと、指摘の質がそろいます。 「このコードをレビューして」の1行だけでは、AIは何を優先し、どこまで見ればよいかを自分で決めるしかありません。

この記事では、8つの観点ごとに、確認項目の表とそのまま使えるプロンプトを対にして載せました。指摘を「重要度・ファイルと行・理由・修正案」の表で返させる出力形式と、誤検知を減らす前提情報の書き方もテンプレートにしています。後半では、同じ内容をチャット・Claude Code・GitHub Copilot のどこに置くかを整理します。

確認環境:差分を取り出す git コマンドは git 2.43.0(Linux)で実行。設定ファイルの名前・置き場所・項目は、Claude Code と GitHub Copilot の公式ドキュメント(2026年10月5日に閲覧)で確認し、掲載した設定ファイルの先頭部分(YAML)とプロンプトのタグの対応は Python 3.11 で構文を確認しています。この記事はプロンプト集で、モデルの出力例は載せていません。

AIコードレビューの観点と渡す情報の早見表

観点 AIに見させること 一緒に渡すと指摘が正確になる情報 重要度の目安
バグ 条件分岐、境界値、呼び出し元との整合 変更の目的、呼び出し元のコード 高
セキュリティ 外から来た値の経路、認証・認可、秘密情報 入口になる処理、認証の仕組み 高
例外処理 握りつぶし、後片付け、ログ エラー処理の規約 高〜中
テスト 変更した分岐とテストの対応 既存テストの書き方 中
性能 ループ内のI/O、取得量、インデックス 想定するデータ量、テーブル定義 中
設計 責務、依存の向き、既存処理との重複 層の分け方、共通処理のファイル 中
可読性 関数の長さ、入れ子、重複、コメント フォーマッターの有無 低
命名 名前と中身の一致、一貫性 既存の名前の例、命名規約 低〜中

1回のレビューで頼む観点は2〜3個までにすると、それぞれを深く見てもらいやすくなります。全部を見たいときは、「バグ・セキュリティ・例外処理」と「それ以外」のように、回を分けて頼みます。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「AIコードレビューのプロンプト集|観点別テンプレートと出力形式」

土台になるプロンプト(前提情報+出力形式)

観点が変わっても、前提情報と出力形式は共通です。先に土台を作り、<focus> の中だけを観点別プロンプトに差し替えて使います。

<role>
あなたは {{言語・フレームワークと版}} に詳しいレビュアーです。
</role>

<context>
変更の目的:{{何のための変更か。例:備品予約に割引コードを追加}}
差分の範囲:{{例:main ブランチとの差分。1つのプルリクエスト全体}}
差分に含まれないが関係するコード:{{例:呼び出し元の reservation_service.py を下に添付}}
</context>

<conventions>
{{チームの規約。例:例外は握りつぶさずログに残す/SQL は必ずプレースホルダーを使う}}
</conventions>

<out_of_scope>
- 自動生成ファイル、ロックファイル
- フォーマッターやリンターが検出する書式
- 今回の差分で変更していない行(変更の影響で問題になる場合を除く)
</out_of_scope>

<diff>
{{git diff の出力}}
</diff>

<focus>
{{観点別プロンプトをここに貼る。複数貼ってもよい}}
</focus>

<rules>
- 指摘は、差分の行を根拠として引用できるものだけにする
- 差分と添付から判断できないことは、指摘にせず「確認したいこと」に書く
- 同じ原因の指摘は1つにまとめる
- 指摘が無い観点は「指摘なし」と書く。無理に指摘を作らない
</rules>

<output_format>
1. 指摘の表(重要度の高い順)
| 重要度 | ファイル:行 | 観点 | 指摘 | 理由 | 修正案 |
重要度は次の3段階で付ける。
- 高:不具合・情報漏えい・データの不整合につながる。マージ前に直す
- 中:今は動くが、条件しだいで問題になる。直すか、理由を残す
- 低:読みやすさや好みの改善。対応は任意
2. 確認したいこと(差分からは判断できなかった点。箇条書き)
3. 総評(2文以内)
</output_format>

上の diff を、focus の観点でレビューし、output_format の形で出力してください。

前提情報の3点セット:差分の範囲・規約・対象外

誤検知(実際には問題のない指摘)の多くは、AIが前提を知らないことから生まれます。次の3つを書いておくと減らせます。

前提情報 書くこと 書かないと起きやすいこと
差分の範囲 どのブランチとの差分か。差分の外で関係するコード 「この関数は定義されていない」のような、見えていないことによる指摘
規約 チームで決めている書き方、採用しているライブラリの版 規約どおりの書き方への指摘、別の版を前提にした提案
対象外 自動生成ファイル、書式、変更していない行 書式の指摘で表が埋まり、大事な指摘が目立たなくなる

土台の <rules> に入れた「判断できないことは、指摘にせず『確認したいこと』に書く」も大切です。分からないことの行き先を用意しておくと、推測にもとづく指摘が表に混ざりにくくなります。

差分を取り出すコマンド

チャットに貼る差分は、git で取り出します。次のコマンドは、main ブランチから分かれた作業ブランチで実行した例です。

# 変更されたファイルの一覧と行数
git diff --stat main...HEAD
 package-lock.json  | 2 +-
 src/cart.py        | 5 +++--
 tests/test_cart.py | 2 ++
 3 files changed, 6 insertions(+), 3 deletions(-)
# ロックファイルを除いた差分
git diff main...HEAD -- . ':(exclude)package-lock.json'
diff --git a/src/cart.py b/src/cart.py
index 6e711fb..800532f 100644
--- a/src/cart.py
+++ b/src/cart.py
@@ -1,2 +1,3 @@
-def total(items):
-    return sum(i["price"] for i in items)
+def total(items, discount=0):
+    subtotal = sum(i["price"] * i["qty"] for i in items)
+    return subtotal - discount
diff --git a/tests/test_cart.py b/tests/test_cart.py
new file mode 100644
index 0000000..bdfc0fd
--- /dev/null
+++ b/tests/test_cart.py
@@ -0,0 +1,2 @@
+def test_total():
+    pass
やりたいこと コマンド
ブランチ全体の差分(分岐した時点との比較) git diff main...HEAD
変更されたファイル名だけ git diff --name-only main...HEAD
コミット前(ステージ済み)の差分 git diff --staged
前後の行を多めに含める(10行) git diff -U10 main...HEAD
特定のファイルを除く git diff main...HEAD -- . ':(exclude)package-lock.json'
特定のディレクトリだけ git diff main...HEAD -- src

変更の前後が少ないと、AIは周りの処理を知らないまま判断することになります。関数の途中だけが差分に出ているときは、-U で前後の行を増やすか、関数全体を別に添付すると、見えていないことによる指摘が減ります。

出力形式の指定:重要度3段階と表

指摘は、人が上から順に対応できる形で返してもらいます。土台のプロンプトでは、次の列を指定しています。

列 指定する内容 指定する理由
重要度 高・中・低の3段階と、それぞれの基準 基準を書かないと、すべて「中」に寄りやすい
ファイル:行 例:src/cart.py:2 該当箇所へすぐ移動できる
観点 バグ、セキュリティ など 観点ごとに担当や対応を分けられる
指摘 何が問題かを1文で 長い説明は「理由」に分ける
理由 なぜ問題か。起きる条件や入力 受け入れるかどうかを人が判断できる
修正案 直した後のコード、または方針 そのまま試せる

出力形式の指定例(表計算ソフトに貼りたいとき):

指摘は CSV で出力する。1行目は見出しとする。
重要度,ファイル,行,観点,指摘,理由,修正案
値にカンマや改行を含むときは、ダブルクォートで囲む。

出力形式の指定例(プログラムで処理したいとき):

<output_format>
次の JSON だけを出力する。前後に文章を付けない。
{
  "findings": [
    {
      "severity": "high | medium | low",
      "file": "ファイルのパス",
      "line": 行番号,
      "category": "bug | security | performance | readability | design | test | error-handling | naming",
      "issue": "指摘(1文)",
      "reason": "理由",
      "suggestion": "修正案"
    }
  ],
  "questions": ["差分からは判断できなかった点"],
  "summary": "総評(2文以内)"
}
指摘が無い場合は "findings": [] とする。
</output_format>

重要度の3段階は、チームで使っているラベルに合わせて言い換えてかまいません。大切なのは、段階の名前だけでなく「どういうものがその段階か」を書くことです。

観点別の確認項目とプロンプト

以下の各プロンプトを、土台の <focus> に貼って使います。{{ }} は自分の内容に書き換えてください。

1. バグ(正しさ):変更の目的どおりに動くか

確認項目 AIに確かめさせる内容
条件分岐 条件の向き、以上と超えるの取り違え、抜けている分岐
境界値 0件、1件、上限ちょうど、上限+1、空文字、null
計算 単位、丸め、ゼロ除算、桁あふれ
状態 途中で止まったときのデータの状態、二重実行
呼び出し側 引数や戻り値の変更が、既存の呼び出し元と合っているか
観点:バグ(正しさ)
- context の「変更の目的」を満たしているかを最初に確かめる
- 条件分岐の抜け、境界値(0件・1件・上限・空・null)での動きを確かめる
- 引数や戻り値を変えた関数は、添付した呼び出し元と合っているかを確かめる
- 問題がある場合は、問題が起きる具体的な入力値を1つ示す

2. セキュリティ:外から来た値の扱い、権限、秘密情報

確認項目 AIに確かめさせる内容
入力の扱い SQL・コマンド・HTML・ファイルパスへ、外から来た値をそのまま連結していないか
認証・認可 ログイン確認、本人のデータかどうかの確認が、追加した処理にもあるか
秘密情報 パスワード、トークン、APIキーがコードやログに出ていないか
エラー表示 内部の情報(スタックトレース、SQL)を利用者に返していないか
依存ライブラリ 追加・更新したライブラリと、その理由
観点:セキュリティ
- 利用者やほかのシステムから来る値が、SQL・コマンド・HTML・ファイルパスに渡る経路を差分からたどる
- 追加・変更したエンドポイントや処理に、認証と、本人のデータかどうかの確認があるかを確かめる
- パスワード・トークン・APIキー・個人を特定できる情報が、コード・ログ・エラー応答に出ていないかを確かめる
- 指摘には、値がどこから入り、どこで問題になるかの経路を書く

3. 性能:データが増えたときの動き

確認項目 AIに確かめさせる内容
繰り返しの中のI/O ループの中でDB問い合わせやAPI呼び出しをしていないか(N+1)
取得する量 全件取得、不要な列の取得、ページ分けの有無
計算量 入れ子のループ、リストでの検索
メモリ 大きなファイルやデータを一度に読み込んでいないか
インデックス 追加した検索条件や並び順に合うインデックスがあるか
観点:性能
- 想定するデータ量は {{例:予約テーブル100万件、1回の一覧表示は50件}} とする
- ループの中のDB問い合わせ・API呼び出し・ファイル操作を挙げる
- 件数に比例して遅くなる処理を挙げ、どの件数から問題になりそうかの見立てを書く
- 速さの数値は推測で書かず、測り方(確かめるクエリやコマンド)を提案する

4. 可読性:あとから読む人に伝わるか

確認項目 AIに確かめさせる内容
関数の長さと役割 1つの関数が複数のことをしていないか
入れ子の深さ 早期リターンで浅くできるか
重複 同じ処理のコピーがないか
コメント 「なぜ」が必要な箇所に書かれているか。コードと食い違っていないか
定数 意味の分からない数値や文字列が直接書かれていないか
観点:可読性
- 初めて読む人がつまずきそうな箇所を、理由つきで挙げる
- 重要度は原則「低」とし、誤解から不具合につながりそうなものだけ「中」にする
- 書式(インデント、空白、改行)はフォーマッターに任せるので指摘しない
- 修正案は、直した後のコードを数行で示す

5. 設計:責務の分け方と変更のしやすさ

確認項目 AIに確かめさせる内容
責務 画面・業務ロジック・データ取得が混ざっていないか
依存の向き 下の層が上の層を参照していないか
既存の仕組みとの重複 すでにある共通関数やクラスで足りないか
公開範囲 外から呼べる関数や項目が必要以上に増えていないか
拡張 種類が増えたときに、変更箇所が1か所で済むか
観点:設計
- このリポジトリの層の分け方は {{例:controller → service → repository}} とする
- 差分が、この分け方と依存の向きに合っているかを確かめる
- 既存の共通処理(添付した {{ファイル名}})で置き換えられる箇所を挙げる
- 作り直しの提案は、今回の変更の範囲で直せるものと、別の変更に分けるものを分けて書く

6. テスト:変更がテストで守られているか

確認項目 AIに確かめさせる内容
対応 変更した分岐ごとに、対応するテストがあるか
境界値・エラー系 正常系だけになっていないか
確認内容 実行するだけで、結果を確かめていないテストがないか
独立性 実行順や現在時刻、外部の状態に左右されないか
名前 何を確かめるテストかが名前で分かるか
観点:テスト
- 差分で変更・追加された分岐を列挙し、それぞれを通るテストが差分の中にあるかを表にする
- 足りないテストケースを、入力と期待する結果の形で挙げる
- 結果を確かめていない(検証の文が無い)テストを挙げる
- テストコードの書き方は conventions に合わせる

7. 例外処理:うまくいかなかったときの動き

確認項目 AIに確かめさせる内容
握りつぶし 捕まえた例外を、何もせずに捨てていないか
範囲 捕まえる例外の種類が広すぎないか
後片付け ファイル、接続、ロックが、例外のときも解放されるか
利用者への伝え方 次に何をすればよいかが分かるメッセージか
ログ 調査に必要な情報(ID、入力の要点)が残るか。秘密情報が混ざっていないか
観点:例外処理
- 外部への呼び出し(DB、API、ファイル)ごとに、うまくいかなかった場合の動きを差分からたどる
- 例外を捕まえて何もしていない箇所、広い種類でまとめて捕まえている箇所を挙げる
- 例外のときに、接続・ファイル・ロック・トランザクションが残らないかを確かめる
- 修正案には、ログに残す項目と、呼び出し元へ返す内容を書く

8. 命名:名前から中身が分かるか

確認項目 AIに確かめさせる内容
意味 名前と、実際にしていることが合っているか
一貫性 同じものを別の語で呼んでいないか(user と member など)
真偽値 is・has・can などで、真のときの意味が分かるか
省略 チームで通じない省略語がないか
規約 言語やチームの命名規約(大文字小文字、単数・複数)に合っているか
観点:命名
- 差分で追加・変更された変数・関数・クラス・テーブル・列の名前を対象にする
- 名前と実際の動きが食い違っているものを最優先で挙げる(重要度「中」)
- 既存の名前({{例:Reservation、cancelReservation}})と語の選び方がそろっているかを確かめる
- 修正案は、候補を2つまでと、選ぶ基準を書く

観点の組み合わせ方

変更の種類 頼む観点(1回め) 頼む観点(2回め)
新しい機能の追加 バグ、テスト、例外処理 設計、命名
入力フォームやAPIの追加 セキュリティ、バグ、例外処理 テスト
一覧・検索・集計の変更 性能、バグ テスト
リファクタリング バグ(動きが変わっていないか)、設計 可読性、命名
不具合の修正 バグ、テスト(再発を防ぐテストがあるか) 例外処理

チャット・Claude Code・GitHub Copilot での置き場所の違い

同じ「前提情報・観点・出力形式」でも、ツールによって書く場所が変わります。

項目 チャット(ブラウザのAI) Claude Code GitHub Copilot コードレビュー
差分の渡し方 git diff の出力を自分で貼る 自分でリポジトリを読む。差分をコマンドで取得できる プルリクエストの差分を読む
毎回共通の規約 毎回プロンプトに貼る CLAUDE.md(リポジトリ直下か .claude/ の中) .github/copilot-instructions.md
特定のパスだけの規約 該当するときだけ貼る .claude/rules/ の Markdown(先頭に paths を書く) .github/instructions/名前.instructions.md(先頭に applyTo を書く)
レビューの手順・出力形式 土台のプロンプトを貼る スキル .claude/skills/名前/SKILL.md 上の指示ファイルに書く
観点ごとの専門レビュアー 観点を変えて別の会話で頼む サブエージェント .claude/agents/名前.md ―
呼び出し方 メッセージを送る /スキル名。同梱の /code-review もある プルリクエストのレビュアーに Copilot を指定、または自動レビューを設定
個人だけの設定 ― ~/.claude/CLAUDE.md、CLAUDE.local.md ―

チャットで使う場合

土台のプロンプトに差分を貼って送ります。リポジトリを読めないため、差分の外にある関係コード(呼び出し元、型の定義、テーブル定義)を自分で添付することが、指摘の正確さを左右します。秘密情報(パスワード、APIキー、個人を特定できる情報)は、貼る前にダミーの値へ置き換えます。

Claude Code で使う場合

Claude Code には、差分をレビューするスキル /code-review(/review は別名)と、ブランチの変更をセキュリティの観点で調べる /security-review が同梱されています。チームの観点と出力形式でそろえたいときは、自分たちのスキルを追加します。

スキルは .claude/skills/スキル名/SKILL.md に置きます。次の例を .claude/skills/team-review/SKILL.md として保存すると、/team-review で呼び出せます。

---
name: team-review
description: チームの観点と出力形式で、現在のブランチの差分をレビューする
disable-model-invocation: true
argument-hint: "[追加の指示]"
allowed-tools: Bash(git diff *) Bash(git log *) Read Grep Glob
---

## 差分
!`git diff main...HEAD -- . ':(exclude)package-lock.json'`

## 変更されたファイル
!`git diff --name-only main...HEAD`

## 依頼
上の差分をレビューしてください。追加の指示:$ARGUMENTS

- 観点:バグ、セキュリティ、例外処理、テストの順に確かめる
- 対象外:自動生成ファイル、書式、差分で変更していない行
- 差分だけで判断できないときは、関係するファイルを読んでから判断する
- 出力:| 重要度 | ファイル:行 | 観点 | 指摘 | 理由 | 修正案 | の表。
  重要度は 高・中・低 の3段階。指摘が無い観点は「指摘なし」と書く
項目 意味
name コマンド名。省略するとディレクトリ名になる
description 何をするスキルか。Claude が自動で使うかどうかの判断にも使われる
disable-model-invocation: true Claude が自動で呼び出さないようにする(人が呼んだときだけ動く)
argument-hint 入力候補に表示される引数のヒント
allowed-tools スキルの実行中、確認なしで使えるツール
$ARGUMENTS コマンドの後ろに書いた文字列に置き換わる
行頭の ! とバッククォートで囲んだコマンド スキルを渡す前にコマンドを実行し、その出力に置き換わる

観点を1つに絞った専門のレビュアーは、サブエージェントとして .claude/agents/ に置けます。先頭に name と description、必要なら使えるツールを書き、その下の本文がサブエージェントへの指示(システムプロンプト)になります。

---
name: security-reviewer
description: 差分をセキュリティの観点だけでレビューする。認証・入力の扱い・秘密情報を変更したときに使う
tools: Read, Glob, Grep
---

あなたはセキュリティの観点だけを見るレビュアーです。
外から来る値が SQL・コマンド・HTML・ファイルパスに渡る経路、認証と認可の確認、
秘密情報の扱いを確かめ、指摘を「重要度・ファイル:行・理由・修正案」の表で返してください。
差分から判断できないことは、指摘にせず「確認したいこと」として挙げてください。

毎回のレビューに共通する規約(命名、エラー処理、使うライブラリ)は、スキルではなく CLAUDE.md に書いておくと、レビュー以外の作業でも同じ規約が使われます。

GitHub Copilot コードレビューで使う場合

Copilot のコードレビューは、リポジトリのカスタム指示を読みます。リポジトリ全体に効かせる内容は .github/copilot-instructions.md に書きます。

# コードレビューの方針

## 観点の優先順位
1. バグ(変更の目的どおりに動くか、境界値)
2. セキュリティ(外から来た値の扱い、認証・認可、秘密情報)
3. 例外処理とテスト
4. 設計、性能、可読性、命名

## 規約
- SQL は必ずプレースホルダーを使う
- 例外を捕まえたら、ログに残すか、呼び出し元へ伝える
- 公開する関数には型ヒントを付ける

## 指摘の書き方
- 重要度(高・中・低)、理由、修正案を必ず書く
- 書式の指摘はしない(フォーマッターが担当する)
- 自動生成ファイルとロックファイルは対象外

特定のパスだけに効かせたい内容は、.github/instructions/ に 名前.instructions.md というファイルを作り、先頭の applyTo に対象のパスを glob 形式で書きます。

---
applyTo: "src/api/**/*.py"
---

# API 層のレビュー観点
- エンドポイントごとに、認証と、本人のデータかどうかの確認があること
- 入力値の検証をしてから service を呼ぶこと
- エラー応答に、内部の情報(スタックトレース、SQL)を含めないこと

excludeAgent を書くと、その指示を使わない相手を指定できます。指定できる値は "code-review" と "cloud-agent" です。次の例は、コードレビューでだけ使い、クラウドエージェントには使わせない指示です。

---
applyTo: "**/*.sql"
excludeAgent: "cloud-agent"
---

# SQL のレビュー観点(Copilot コードレビュー向け)
- 追加した検索条件と並び順に合うインデックスがあること
- 全件を更新・削除する文には、件数を確かめる手順がコメントにあること

押さえておきたい点は次の2つです。

  • Copilot は、プルリクエストの変更側のブランチ(head ブランチ)にある指示ファイルを読みます。 指示ファイルを変えるプルリクエストでは、その変更後の内容でレビューされます。
  • Copilot のレビューは、既定では必須の承認の数に数えられません。人のレビューと組み合わせて使う前提の仕組みです。

誤検知を減らすためのチェックリスト

確認すること 対応
差分の範囲を書いたか 「main との差分」「このプルリクエスト全体」のように明記する
差分の外の関係コードを渡したか 呼び出し元、型やテーブルの定義を添付する。ツールに読ませる場合は読むよう指示する
規約を渡したか チームの決まりを箇条書きで。指示ファイルに置けば毎回貼らずに済む
対象外を書いたか 自動生成、書式、変更していない行
重要度の基準を書いたか 3段階それぞれの意味を1行ずつ
判断できないときの行き先を作ったか 「確認したいこと」の欄を出力形式に入れる
「指摘なし」を認めたか 指摘が無い観点は「指摘なし」と書かせる
観点を絞ったか 1回に2〜3個まで

AIの指摘は、受け入れる前に人が確かめます。理由の列を読んで、問題が起きる入力や条件が具体的に書かれているかを見ると、取り入れるかどうかを判断しやすくなります。

よくある質問

Q. 観点は1つずつ頼むのと、まとめて頼むのとどちらがよいですか? A. 差分が小さければ、関係の近い観点を2〜3個まとめて頼むと効率的です。差分が大きいときや、セキュリティのように見落としを減らしたい観点は、単独で頼むと深く見てもらいやすくなります。

Q. 指摘が多すぎて読み切れません。 A. 対象外(書式、自動生成、変更していない行)を書き、重要度の基準を明記したうえで、「重要度が高と中のものだけ」「最大10件」のように出力形式で絞ります。可読性と命名は、別の回に分けるのも有効です。

Q. ChatGPT と Claude で、プロンプトを書き分ける必要はありますか? A. この記事の土台は、どちらにもそのまま貼って使える書き方です。タグで区切る形が合わないと感じたら、タグを Markdown の見出しに置き換えてください。内容(前提情報・観点・出力形式)が同じであれば、区切りの形式はどちらでも伝わります。

Q. AIのレビューがあれば、人のレビューは省けますか? A. AIは差分と渡された情報から読み取れる範囲を見ます。仕様として正しいか、チームの方針に合うかは、人が判断する部分です。AIには観点ごとの確認を任せ、人は目的と設計の判断に時間を使う、という分担がおすすめです。

まとめ

  • プロンプトには「前提情報・観点・出力形式」の3つを書く。土台を1つ作り、観点だけを差し替える
  • 前提情報は「差分の範囲・規約・対象外」の3点セット。見えていないことによる指摘と、書式の指摘を減らせる
  • 出力は「重要度・ファイル:行・観点・指摘・理由・修正案」の表。重要度は3段階の基準まで書く
  • 観点はバグ・セキュリティ・性能・可読性・設計・テスト・例外処理・命名の8つ。1回に頼むのは2〜3個まで
  • 判断できないことは「確認したいこと」へ、指摘が無ければ「指摘なし」と書かせると、推測の指摘が混ざりにくい
  • 置き場所はツールで違う。Claude Code は CLAUDE.md・スキル・サブエージェント、Copilot は .github/copilot-instructions.md と .github/instructions/ のファイル
  • AIの指摘は人が確かめてから取り入れる。理由の列に具体的な条件が書かれているかを見る

参考・出典

  • Claude Code Docs「Extend Claude with skills」 https://code.claude.com/docs/en/skills
  • Claude Code Docs「Create custom subagents」 https://code.claude.com/docs/en/sub-agents
  • Claude Code Docs「How Claude remembers your project」 https://code.claude.com/docs/en/memory
  • Claude Code Docs「Commands」 https://code.claude.com/docs/en/commands
  • GitHub Docs「Adding repository custom instructions for GitHub Copilot」 https://docs.github.com/en/copilot/how-tos/configure-custom-instructions/add-repository-instructions
  • GitHub Docs「About GitHub Copilot code review」 https://docs.github.com/en/copilot/concepts/agents/code-review

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「AIコードレビューのプロンプト集|観点別テンプレートと出力形式」

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