結論

未経験からエンジニアにはなれます。学習を終える前でも応募でき、基礎は入社後の研修で学べます。研修の期間と中身は会社で大きく違うので、求人票で研修の期間と内容を確かめることが、応募前の準備の中心です。

この記事でわかること

  • 応募をためらわせる「よくある誤解10」と、向いているかを確かめる10の問い
  • 入口になる職種の比較と、職種別・年代別の年収(doda の平均)
  • 入社後1年の見取り図と、求人票で確認しておく8項目

2026年10月17日更新|厚生労働省 jobtag・一般職業紹介状況・IPA・doda の公開データで確認

記事の全体像を1枚にまとめると、次のようになります。

今の自分(4種類)

A 完全未経験

プログラミング経験なし

B 学習済み未経験

独学・スクールで学んだ

C 職種未経験

IT企業の別職種から

D 業界未経験

他業界の技術職・情報系

↓

応募学習前でも
入社面接までに少し触るのは任意
研修3〜4か月が目安

学ぶのは入社後からでも間に合う(研修の期間と中身は会社で違う)

↓

入口の職種(5つ)

開発(プログラマー)

テスト・QA

運用・監視・ヘルプデスク

インフラ(サーバー等)

Web制作・フロントエンド

↓

配属後は
「読む・確かめる・報告する」から
一人前と認められるまで3〜4年
設計を任される・リーダーへ

未経験からエンジニアになるまでの全体像。自分がA〜Dのどこにいても、応募は学習を終える前でもでき、基礎は入社後の研修で学べる

確認日:2026年10月6日。求人倍率・資格の合格率・人材の需給は、厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)、厚生労働省「一般職業紹介状況」、経済産業省、IPA(情報処理推進機構)の公開ページを確認日に開いて引用しています。年収は、転職サービス doda の「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月のデータ、約60万人、2025年12月1日公開)の職種別・年代別の平均を、同じく確認日に開いて引用しています。平均は未経験で入社した1年目の額ではありません。求人件数は確認日時点の表示件数です。自己確認の問い・年齢別の整理・1年目の見取り図は、採用する側の経験をもとに作った目安であり、会社や職種によって異なります。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「未経験からエンジニアになるには|今すぐ応募していい理由と、よくある誤解10」

なぜ「学んでから応募」でなくていいのか:採用する側の事情

「まず勉強して、作品を作って、それから応募」という順番は、よく見かけます。採用する側から見ると、学習を終えるまで応募を待たなくてもよい理由が2つあります。

1つ目は、未経験者を採る会社は、応募時点の知識量で選んでいないことです。知識があるかどうかで選ぶなら、経験者を採ります。未経験者の枠は「入社後に教えれば伸びる人」を探す枠で、教える仕組み(研修・先輩・課題)は会社側が持っています。jobtag にも、システムエンジニア(受託開発)は「新卒入社の場合は、入社後の3〜4ヵ月は新人研修」、基盤システムは「3ヵ月程度、研修を受け、配属される」、ヘルプデスク(IT)は「入職後に半年程度、OJTで研修」とあり、最初の数か月は学ぶ期間として設計されているのが一般的です。

2つ目は、研修は入社前の学習量に関係なく、全員が同じ順番で学ぶように作られていることです。文法の基礎や道具の使い方は、研修で全員が同じ順番で学びます。入社前に独学やスクールで学んでいた人は研修の序盤が復習になって立ち上がりが早く、入社してから始めた人も研修の中で追いつけます。そのあとで差がつくのは「分からないことに自分で向き合えるか」「人と一緒に仕事を進められるか」で、これは応募前の勉強量とは別のものです。

ただし、研修の期間と中身は会社で大きく違います。だから、応募前に確かめたいのは自分の学習の進み具合よりも、応募先の研修の期間と中身です。求人票に研修の期間(週・か月)と学ぶ内容(言語・設計・ツール)が書いてある会社を選べば、応募の順番はこうなります。応募しながら、入社までの時間に少し触っておく。 学習は応募の条件というより、入社後の研修の理解を早くするもの、という位置づけです。

応募学習を終える前でも。学習の進み具合は問われないことが多い
面接までに少し触る任意。少し触っておくと「始めています」と話せる
入社入社前の学習量に関係なく、全員が同じ順番で学ぶ
研修(3〜4か月)言語の基礎から。期間と中身は会社で大きく違う
配属読む・確かめる・報告するから始まる

よくある誤解10(誤解 → 実際)

応募をためらわせているのは、たいてい次の10個のどれかです。

誤解 1資格がないと応募できない
→
実際資格は必須ではない。取るなら入社後でも間に合う

jobtag プログラマー:「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない」「必須ではないが、基本情報技術者等の資格を持っていると入職時に有利になる」

誤解 2理系か情報系の出身でないと無理
→
実際文系出身の人も多い

jobtag:「最近は文系出身のプログラマーも多い」「理系のイメージが強いが文系も多い」

誤解 3プログラミングを学び終えてから応募するもの
→
実際研修で育てる会社なら、応募は学習と並行できる。確認したいのは自分の学習量より、応募先の研修の期間と内容

前の節のとおり。jobtag にも入社後3〜4か月の新人研修の記述

誤解 4作ったもの(ポートフォリオ)がないと相手にされない
→
実際多くの会社で必須ではない。求人票に提出の記載がなければ不要

本文の「作ったものは必須ではない」

誤解 5何歳までと決まっている
→
実際年齢で線を引く仕組みはない。年齢が上がるほど、前職の経験が入社後に生きる

本文の「年齢別に、前職の経験がどう生きるか」

誤解 6未経験歓迎の求人は少ない
→
実際確認日の時点で、大手の求人サイト1つに2,000件以上

本文の「確かめて分かったこと」

誤解 7入社したらすぐコードを書く仕事をする
→
実際最初の数か月は研修、配属後も読む・確かめる・報告するが中心

本文の「入社後1年の見取り図」

誤解 8年収は1年目から高い(または、ずっと低いまま)
→
実際1年目は職種の平均より低いところから始まり、年代と役割で上がる

本文の「年収の現実」:SE/プログラマは20代 394万円→30代 495万円→40代 576万円

誤解 9生成AIがあるから、未経験から入る意味がない
→
実際コードを書くコストが下がった分、基礎(読む・確かめる・説明する・頼む)の比重が上がった

IPA のシラバス改訂とスキル標準の補記

誤解 10スクールに通わないと転職できない
→
実際必須ではない。通った人の学びは研修の序盤で復習になる。通いながら応募もできる

本文の「独学かスクールか」

エンジニアに向いているか、自分で確かめる10の問い

「向いているか」は、採用側が判定するものというより、本人が自分の傾向を知るためのものです。次の10問を「はい・いいえ」で見てみると、自分の傾向が分かります。合否を決める点数ではなく、入口の職種を選ぶときの材料です。

8〜10はい

エンジニアの仕事の進め方と相性がよい。入口は開発でもインフラでも選べる

5〜7はい

相性のよい項目が多い。「いいえ」の項目は、入社後の研修と仕事の中で身につく。「はい」が多い項目に近い入口(5が「はい」ならテスト、7・8が「はい」なら運用や開発など)から考える

0〜4はい

「はい」の項目を手がかりに、入口の職種を選ぶ。問いの多くは経験で変わるので、今の数は入口を選ぶ手がかりとして使える

10問のうち、1・2・6・10は「分からないことへの向き合い方」、3・4・8は「道具や仕組みへの興味」、5は「正確さ」、7・9は「続け方と伝え方」です。どれも入社後に伸びるものなので、今の自分を知る目安として使えます。

「未経験」には4種類ある:自分がどこにいるかを先に決める

求人票の「未経験歓迎」と、応募者の「未経験」は、同じ言葉でも指しているものが違います。まず自分がどこにいるかを決めると、狙う求人が絞れます。

種類 状態 求人票の言葉 応募時に伝えること 現実的な入口
A. 完全未経験 プログラミングをしたことがなく、PC操作も仕事で使う範囲 「未経験歓迎」「職種未経験OK」「文系歓迎」「研修あり」 前職で続けたこと、自分から覚えにいったこと 研修期間が明記された求人。テスト・運用・ヘルプデスクからの入口も視野に
B. 学習済み未経験 独学やスクールで一通り学んだが、仕事でコードを書いたことがない 「実務未経験OK」「ポテンシャル採用」「第二新卒歓迎」 学んだ範囲と、つまずいて解決したこと 開発職(プログラマー)
C. 職種未経験(IT業界の別職種) 営業・サポート・事務などでIT企業に勤めていて、技術職に移りたい 「社内異動」「職種転換」「技術職へのキャリアチェンジ」 今の仕事で技術に触れた経験(問い合わせ対応、簡単な自動化など) 今の会社の技術職、または同じ分野の開発職。業務知識が生きる
D. 業界未経験(他業界の技術職・情報系の学部) 情報系の学部出身、または他業界で設計・分析・データを扱っていた 「業界未経験歓迎」「経験者優遇」 学生時代や前職で扱った技術 開発職。「未経験」の枠ではなく、経験者寄りの枠で応募できることが多い

似た言葉の違いと、どれを狙うかの判断基準

言葉 意味 当てはまる人
未経験歓迎・職種未経験OK エンジニアとして働いたことがない人を、研修や育成の前提で採る A・B
実務未経験OK 学習歴はあるが、仕事でのコードの経験がない人を採る B
業界未経験歓迎 IT業界で働いたことはないが、技術職の経験がある人を採る D
ポテンシャル採用・第二新卒 年齢が若く(目安は20代)、伸びしろを前提に採る A・B・Cの20代
経験者優遇・実務経験○年以上 仕事でのコードの経験を求める。未経験者向けではない 応募しても書類で止まりやすい

判断の基準は1つ

求人票の「対象となる方」に、自分の今の状態(A〜D)が言葉として書かれているか。 書かれていなければ、その求人は別の人を探しています。

入口になる職種の比較表(最初の1年の仕事・入社後に学ぶこと・次のステップ)

未経験者が最初に就く職種は、だいたい次の5つに分かれます。それぞれ「最初の1年で何をするか」「入社後に何を学ぶか」「次に何が待っているか」が違います。

入口の職種 最初の1年に多い仕事 入社後に最初に学ぶこと 次のステップ
開発(プログラマー) 小さな機能の修正、テスト、既存コードを読む、設計書どおりに実装する 1つの言語の基礎、SQL、Git、設計書の読み方 設計を任される、システムエンジニアへ
テスト・QA テスト項目に沿って動作を確認し、不具合を記録して開発者に伝える ソフトウェアの基本的な仕組み、記録を正確に書く力、表計算ソフト テスト設計、自動テスト、開発へ
運用・監視・ヘルプデスク 問い合わせ対応、手順書に沿った操作、障害の一次対応 PC・ネットワークの基礎、ITパスポート程度の用語 インフラ構築、社内SE、開発へ
インフラ(サーバー・ネットワーク) 構築手順の実施、設定の確認、監視、資料の作成 Linux の基本操作、ネットワークの基礎用語、クラウドの入門 設計・構築、クラウド、セキュリティへ
Web制作(マークアップ・フロントエンド) 画面の修正、HTML/CSS の実装、既存サイトの更新 HTML・CSS・JavaScript の基礎 フロントエンド開発、Webアプリ開発へ

同じ5つの入口を、年収・求人倍率・「向く人」で並べたのが次の表です。年収は doda「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月、約60万人)の職種別平均で、全体と20代の値を併記しました。有効求人倍率は厚生労働省 jobtag の令和7年度の値(ハローワークの求人と求職者に基づく)です。

入口の職種 平均年収(全体/20代、doda の職種名) 有効求人倍率(jobtag の職業名) 向く人
開発(プログラマー) 435万円/394万円(SE/プログラマ) 0.98(プログラマー)、2.54(システムエンジニア・受託開発) 作りたいものがある人、手を動かして確かめるのが好きな人
テスト・QA 390万円/345万円(デバッグ/テスター) 2.07(デバッグ作業) 細かい違いに気づく人、手順どおりに進めるのが得意な人
運用・監視・ヘルプデスク 389万円/350万円(運用/監視/保守)、362万円/327万円(ヘルプデスク) 1.36(ヘルプデスク・IT) 人と話すのが得意な人、落ち着いて対応できる人
インフラ(サーバー・ネットワーク) 469万円/411万円(サーバーエンジニア)、455万円/396万円(ネットワークエンジニア) 2.24(システムエンジニア・基盤システム) 仕組みを理解するのが好きな人、慎重に手順を踏める人
Web制作(マークアップ・フロントエンド) 452万円/397万円(Webサービスエンジニア) 2.54(システムエンジニア・Webサービス開発) 見た目と使いやすさにこだわる人、作ったものをすぐ見せたい人

技術系(IT/通信)全体の平均は469万円です(同調査)。年収と求人倍率は母集団が違うので、横に並べて因果を読むと誤解しやすい数字です。有効求人倍率は「求職者1人あたりの求人数」で、1を超えると求人のほうが多いことを示します。プログラマーの0.98は、ハローワークではプログラマーを探す人が求人よりやや多いことを意味し、転職サイトの求人は含んでいません。

入口の職種を決める判断表

上から順に当てはめていくと、入口が決まります。

1

自分で何かを作ってみたい(アプリ・サイト・自動化ツールなど)、または作ってみて楽しかった

はい → 開発(プログラマー)か Web制作

2

作るより「仕組みを理解して、安定して動かす」ほうに興味がある

はい → インフラ

3

人と話す仕事が得意で、技術は仕事をしながら身につけたい

はい → 運用・監視・ヘルプデスク

4

細かい違いに気づくのが得意で、まず製品がどう作られているかを内側から見たい

はい → テスト・QA

5

どれも決め手がない

はい → 開発(プログラマー)。面接で「どの入口が合うか一緒に考えてほしい」と伝えてよい

迷ったら開発から始めるのは、学んだことが他の入口でも使えるからです。逆に、テストや運用から入った人が開発へ進む道も、会社の中では珍しくありません。入口は応募時に決め切らなくても、面接で相談できます。

未経験エンジニアの年収の現実:1年目の目安と、その後の上がり方

年収の数字は、「どの職種の、どの年代の、何の平均か」をそろえないと比べられません。ここでは、転職サービス doda の「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月のデータ、約60万人、2025年12月1日公開)から、未経験者の入口になりやすい職種の、全体と年代別の平均を並べます。

年代が上がるほど、どの職種も年収は上がるdoda「平均年収ランキング」2024年9月〜2025年8月・約60万人。20代の平均には経験3〜5年の人が含まれる

SE/プログラマ

20代394万円
30代495万円
40代576万円

Webサービスエンジニア

20代397万円
30代515万円
40代638万円

デバッグ/テスター

20代345万円
30代399万円
40代518万円

ヘルプデスク

20代327万円
30代375万円
40代448万円

プロジェクトマネジャー

20代517万円
30代705万円
40代855万円
未経験の入口になりやすい職種の平均年収(全10分類・全体/20代/30代/40代)を表で見る
職種(doda の分類) 全体 20代 30代 40代
SE/プログラマ 435万円 394万円 495万円 576万円
Webサービスエンジニア 452万円 397万円 515万円 638万円
サーバーエンジニア 469万円 411万円 520万円 664万円
ネットワークエンジニア 455万円 396万円 519万円 658万円
デバッグ/テスター 390万円 345万円 399万円 518万円
運用/監視/保守 389万円 350万円 441万円 552万円
ヘルプデスク 362万円 327万円 375万円 448万円
システム開発/運用 489万円 404万円 516万円 628万円
プロジェクトマネジャー 707万円 517万円 705万円 855万円
技術系(IT/通信)全体 469万円 ― ― ―

読み方は3つです。

  1. 未経験の1年目は、20代の平均より低いところから始まることが多い。 20代の平均には経験3〜5年の人が含まれます。確認日に求人一覧の上位に表示されていた未経験歓迎の求人では、月給23万円台から、年収で300万円台からの提示が目立ちました。
  2. 入口の職種で、最初の年収は30万〜70万円ほど違う。 ヘルプデスク・運用・テストから入ると開発より低めで始まりますが、そこから開発や設計に移った人は、移った先の職種の水準に近づきます。入口の年収より、「次のステップに進める会社か」のほうが3年後の年収を決めます。
  3. 上がり方は職種より年代と役割で決まる。 どの職種も20代から40代で150万〜260万円ほど上がり、プロジェクトマネジャーのように役割が変わると大きく動きます。

1年目の額は求人票ごとに違います。「求人票で確認しておくこと」にある年収の読み方の表で、月給×12+賞与にそろえると比べやすくなります。

参考として、この記事を書いている RJC の募集要項(確認日に開いた内容)では、未経験・1年目は年収308万〜322万円です。市場の未経験向けの提示と同じ水準で、年収を比べるときは、1年目の額と、その後の上がり方を分けて見ると実態に近づきます。

年齢別に、前職の経験がどう生きるか

「何歳まで」という問いに、採用側の答えは「年齢そのものでは決めていない」です。年齢が上がるほど「未経験」の枠の求人は減りますが、代わりに前職の経験が入社後に生きる場面が増えます。

〜24歳

生きやすい前職の経験:学生時代や前職で自分から覚えにいった経験、分からないことを聞ける姿勢

多い入口:開発・インフラ・テストのいずれも。研修が長い会社と相性がよい

先に知っておくこと:覚えることが多い時期が続く。比べる相手は昨日の自分

25〜29歳

生きやすい前職の経験:社会人としての報告・連絡・相談、人と仕事を進めた経験

多い入口:開発・インフラ。「第二新卒」「ポテンシャル採用」の枠が使える

先に知っておくこと:前職より年収が一度下がることがある。上がり方は年代別の表を参照

30〜34歳

生きやすい前職の経験:業務知識、調整力、資料作成力、後輩を教えた経験

多い入口:開発(業務知識が生きる分野)、インフラ、運用から設計へ

先に知っておくこと:「前職の○○を、技術でこう変えたい」が決まっている人は、配属後の伸びが早い

35〜39歳

生きやすい前職の経験:マネジメント、顧客対応、業務改善の経験

多い入口:運用・テスト・ヘルプデスクから入り、業務知識で差をつける道も有力

先に知っておくこと:年収や役割が前職と変わる。納得したうえで応募すると、入社後のずれが小さい

40歳〜

生きやすい前職の経験:専門分野の深い知識、管理や改善の経験、人を育てた経験

多い入口:前職の分野に近い会社の技術職、運用・テスト・ヘルプデスク、社内SE

先に知っておくこと:「技術×前職の専門」が生きる。入口は広く取る

30代以降で大切なのは、前職を捨てて0から始めるのではなく、「前職の経験に技術を足す」という見方です。年齢を理由に応募を先延ばしにすると、その分だけ入社時の年齢が上がるので、迷っている間も年齢は上がるので、早めに動いたほうが選択肢は広く保てます。

応募までにやること3つ

応募の準備は、次の3つが目安です。どれも数時間あれば形になります。

1

入口の職種を仮に決める

使うもの:上の「入口の職種を決める判断表」

目安 30分

2

求人票で、研修・配属・評価の説明を確認する

使うもの:本文の「求人票で確認しておくこと」

目安 1時間

3

経歴と続けてきたことを、飾らずに自分の言葉で書く

使うもの:本文の「書類は飾らなくていい」

目安 1〜2時間

準備が終わったら、そのまま応募に進めます。応募後、面接までの時間に「入社までに触っておくとよいこと」を進めれば、面接で「先週から始めています」と話せます。

書類は飾らなくていい

未経験者の応募書類で、採用側が読んでいるのは文章のうまさではなく、事実と本人の言葉です。次の4つが書いてあれば、採用側は判断できます。

書くこと 例
経歴の事実 学歴、職歴、担当した仕事(期間と内容)
続けてきたこと 勉強・趣味・仕事のどれかで、数か月以上続けたこと。学び始めていれば、その時期と内容
困りごとを自分で解決した経験 前職で「原因を調べて直した」「手順を変えて楽にした」こと。小さなことでよい
希望する働き方と学び方 入口の職種の希望(仮でよい)、どんな研修や相談の体制があると続けられそうか

テンプレートの文章を当てはめると、面接で話が続かなくなります。自分の言葉で短く書いたほうが、面接で聞きたいことが増えます。

面接は試験ではなく、すり合わせ

未経験者の面接は、知識を試す場ではなく、お互いが「一緒に働けそうか」「入社後のずれがないか」を確かめる場です。応募者が確かめたいことと、会社が確かめたいことは、だいたい次のとおりです。

応募者が確かめたいこと

研修の期間と内容、誰が教えてくれるか

配属先はどう決まるか、相談できる人はいるか

1年目の仕事と、その後の道筋

給与・休日・働き方の実際

会社が確かめたいこと

分からないことに出会ったとき、どう向き合う人か

続けてきたこと、自分から覚えにいったことがあるか

人と一緒に仕事を進めてきたか(報告・確認・相談)

入口の職種と働き方の希望が、会社の仕事と合うか

準備は、自分の経験を思い出しておく程度で間に合います。模範回答はありません。会社によっては、面接のほかに短い体験会や簡単な課題で「分からないものにどう向き合うか」を見ることがありますが、これも知識の量を測るものではないので、事前に何かを仕上げておかなくても参加できます。

入社までに触っておくとよいこと(任意・順番だけ)

繰り返しになりますが、これは応募の条件ではありません。研修の理解が早くなるためのもので、応募と並行して、できる範囲で触っておくと入社後が楽になります。順番だけ決めておくと迷いません。

1道具:エディタを入れる、ターミナル(コマンド入力画面)を開く、タイピングここまでできれば → 「Hello」と表示するプログラムを自分で動かした
2文法の基礎:変数、条件分岐、繰り返し、関数ここまでできれば → 「1〜100 のうち3の倍数だけを表示する」を書ける
3エラーの読み方:わざとエラーを出して、メッセージを読むここまでできれば → メッセージから、原因の行を自分で特定できる
4データ:表形式のデータを読み込んで集計する、SQL の SELECTここまでできれば → 表計算ソフトでやっていた集計を、プログラムで1つ再現した
5Web の流れ:ブラウザで URL を開いてから画面が出るまでの流れ、開発者ツールここまでできれば → 「リクエストとレスポンス」を自分の言葉で説明できる

言語は、応募したい求人票を5件見て、いちばん多く書かれているものにすると、研修とつながりやすくなります。業務システムの開発なら Java、Webサービスなら JavaScript、データ処理や自動化なら Python、インフラなら言語より Linux の基本操作が最初です。1つ目の言語を身につければ2つ目は早く覚えられるので、選び直しても損はありません。

入社後の研修で学ぶことの全体像(研修が充実している会社の例)

入社後に何を学ぶかが見えていると、「今から全部やらなくても間に合う」と分かります。ただし、研修の期間と中身は会社によって大きく違います。数日の座学で配属になる会社もあれば、数か月かけて次の順番で教える会社もあります。下の段階は後者の例で、未経験者を本気で育てる会社の研修はおおむねこの順番です。求人票の研修の記述を、これと見比べると、研修の充実度が分かります。

1開発環境と1つの言語の基礎(文法、デバッグ)身につくこと:書いたものを動かして、エラーを直せる
2プログラムの構造(関数、クラス、オブジェクト指向の考え方)身につくこと:部品に分けて作れる、人のコードを読める
3データベースと SQL身につくこと:データを保存し、取り出し、集計できる
4Web の仕組み(HTTP、画面と処理の分担)身につくこと:画面から入力を受けて保存し、表示できる
5フレームワークを使った小さなアプリ身につくこと:仕事で使う形に近いものを一通り作れる
6設計・テスト・チームでの進め方(レビュー、Git での共同作業)身につくこと:仕様を読んで実装し、確かめて、報告できる
7生成AIを使った開発の進め方身につくこと:AI に頼み、出力を確かめ、説明できる

学び始めたら、「やったこと・つまずいたこと・どう解決したか」を1日1行で記録しておくと、入社後の研修でも同じ形で使えます。表計算ソフトに貼れるタブ区切りの例です。

日付  時間  やったこと   つまずいたこと どう解決したか 明日やること
2026-10-06  0.5h    文法の基礎:繰り返し処理    ループが止まらない   条件の変数を更新していなかった。printで値を確認して気づいた    関数の引数と戻り値
2026-10-07  0.5h    関数の引数と戻り値   なし  ―   エラーの読み方

独学かスクールか:どちらも応募と並行できる

未経験者を研修で育てる会社に応募するなら、独学もスクールも「入社前に終えておく」ものではありません。どちらで学んだことも、入社後の研修の序盤で復習になり、立ち上がりを早くします。何かを始めたい人のために、どちらが自分に合うかの判断表を置きます。

観点 独学 スクール・講座 判断の基準
続けやすさ 自分で予定を守る必要がある 期限と講師の存在が「続ける仕組み」になる 過去に資格や語学を独学でやり切った経験があれば独学で足りる
質問できる相手 公式ドキュメント、検索、生成AI、学習コミュニティ 講師・メンター 「30分調べて分からなければ聞く」を独学で守れるなら独学。聞ける人がいると進む人はスクール
応募との関係 応募と並行しやすい 修了を待たずに応募できる。修了後の応募でも、学んだことは研修で生きる どちらを選んでも、応募は先に出してよい

もう1つの選択肢として、ハローワーク経由の公的な職業訓練に IT のコースが設けられていることがあります。条件や内容は地域と時期で変わるので、最寄りのハローワークの案内で確かめられます。

資格は必要か:ITパスポートと基本情報技術者の位置づけ

結論は「必須ではなく、入社後からでも間に合う」です。jobtag のプログラマーのページには「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない」「必須ではないが、基本情報技術者等の資格を持っていると入職時に有利になる」とあります。

資格 身につくもの 位置づけ 令和7年度の応募者数・合格率
ITパスポート試験 IT・経営・セキュリティの用語全般。2024年4月の試験から生成AIの出題あり 用語の土台。運用・ヘルプデスク・テストの入口で特に役に立つ 応募者307,266人、合格率48.6%(IPA)
基本情報技術者試験 アルゴリズム、プログラミングの考え方、ネットワーク・データベースの基礎 開発職の基礎を体系的に学べる。学習に時間がかかるので、入社後の最初の目標にする人が多い 応募者172,217人、合格率38.3%(IPA)

資格の勉強を待たずに応募できます。

作ったもの(ポートフォリオ)は必須ではない

応募に作品は必須ではありません。未経験者を研修で育てる会社では、作品の有無で合否を決めることはまれで、求人票に「ポートフォリオ提出」と書かれていなければ、なくても応募できます。作りたくて作った人は、「なぜ作ったか」「どこを自分で考えたか」「生成AIや教材を参考にした部分はどこか」を話せるようにしておくと、面接の話題になります。規模や見た目の完成度は関係ありません。

入社後1年の見取り図:期待とのずれを先に知っておく

「やめとけ」と言われる理由の多くは、1年目の仕事が想像と違うことにあります。先に知っておけば、ずれは「想定どおり」に変わります。jobtag の各職業のページには、システムエンジニア(受託開発)は「新卒入社の場合は、入社後の3〜4ヵ月は新人研修」、基盤システムは「3ヵ月程度、研修を受け、配属」、ヘルプデスク(IT)は「入職後に半年程度、OJTで研修」とあり、最初の数か月は学ぶ期間として設計されているのが一般的です。

入社〜3か月

多い仕事
研修(言語、設計、ツール)、課題の提出、ビジネスの基礎
気持ち
周りとの差が気になる。覚えることの多さに圧倒される
乗り越え方
比べる相手は昨日の自分。記録を続け、分からないことは当日中に聞く

4〜6か月

多い仕事
配属。コードを読む、テスト、小さな修正、資料の作成
気持ち
「コードを書く仕事」のつもりが、読む・確かめる・書き留めるが中心で、物足りなく感じる
乗り越え方
読む力は書く力の土台。任された範囲を正確に終える人が、次の仕事をもらえる

7〜12か月

多い仕事
小さな機能の実装、不具合の調査、レビューを受ける
気持ち
レビューの指摘が多くて落ち込む
乗り越え方
指摘は「直す場所が分かった」こと。指摘を一覧にして、同じ指摘を2回受けないようにする

2年目

多い仕事
機能単位の担当、後輩の質問に答える
気持ち
自分のやり方に固執しやすい
乗り越え方
設計の理由を人に説明する機会を増やす

1年目の年収が思ったより低かった、という声もよく聞きます。これは求人票の段階で「年収の読み方」の表を使えば、応募前に分かることです。逆に、1年目を「読む・確かめる・報告する」で乗り切った人は、2年目から任される範囲が目に見えて広がります。

求人票で確認しておくこと:入社後のずれを減らす8項目

「未経験歓迎」の求人は数が多く、確認日の時点で大手の求人サイト1つに2,000件以上が載っていました。数が多いからこそ、求人票を読む軸が要ります。採用する側として「ここが分かっていれば、入社後のずれが減る」と言える8項目です。求人票に書かれていなければ、面接で聞けます。

# 確認すること 求人票のどこを見る 分かると何が防げるか
1 研修の期間と内容 「研修」「教育」「育成」の欄。期間と、何を学ぶか 「入社後に何も教わらなかった」というずれ
2 研修中の給与 給与欄に「研修期間中も同条件」などの記載があるか 研修中の生活の見通し
3 配属の決まり方 「研修後、適性と希望を踏まえて配属」など 希望と違う入口に就くずれ
4 配属後に相談できる人 「メンター」「先輩がつく」「定期面談」の記載 困ったときに1人で抱えること
5 評価と昇給の仕組み 「評価制度」「昇給年○回」「等級」の記載 「頑張っても何で評価されるか分からない」という不安
6 休日と就業時間 「年間休日○日」「完全週休2日」、始業・終業の時刻 働き方の見込み違い
7 未経験で入社した人の割合と今の役割 「未経験入社○%」「社員の声」 自分の数年後の姿が見えないこと
8 選考の流れ 面接回数、課題や体験会の有無、結果連絡の時期 予定の立てにくさ

年収の読み方(求人票の数字を同じ物差しにそろえる)

見る場所 読み方 確認すること
月給 月給×12 が年収の土台 昇給が年何回か。2年目・3年目のモデルがあるか
賞与 「年2回」「○か月分」は、会社の業績と本人の評価で変わる 1年目の支給の有無と目安
年収例 「年収○万円(○歳・入社○年目)」は、その人の例。年齢と経験年数を必ず見る 未経験入社の人の例があるか
昇給 「昇給年1回」の金額は会社で幅がある 1年目から2年目に、どのくらい変わることが多いか
手当 住宅・通勤・資格手当は、月給とは別に積み上がる 条件(距離、資格の種類)と金額

確認日に求人一覧の上位に表示されていた未経験歓迎の求人では、月給23万円台から、年収で300万円台からの提示が目立ちました。提示額は求人ごとに幅があるので、上の表で同じ物差しにそろえると比べられます。

生成AIがある時代に、未経験者が最初に身につけるもの

「AIがコードを書くなら、未経験から入る意味はあるのか」という問いには、採用する側として「意味は変わったが、なくなってはいない」と答えます。コードを「書く」コストが下がった分、エンジニアに求められるのは、次の4つの基礎です。どれも入社後の研修と仕事の中で身につくものです。

読

読む

人や AI が書いたコードを読んで、何をしているか言える

身につけ方:「このコードは何をしているか」を口に出して説明する練習

確

確かめる

出力が正しいかを、動かして・テストして判断できる

身につけ方:AI に書かせたコードは必ず動かし、結果を自分の目で見る

説

説明する

変更の理由と影響を、相手に合わせて言葉にできる

身につけ方:作業の記録を毎日書く

頼

頼む

AI や人に、状況と制約を添えて具体的に依頼できる

身につけ方:質問は「結論・状況・試したこと」の順。AI への依頼も同じ型にする

公的な動きも、この方向です。IPA は2023年8月に「生成AI時代のDX推進には生成AIを効果的かつ安全に利用するスキルが求められる」として ITパスポート試験のシラバスに生成AIの記載を追加し、2024年4月の試験から出題を始めました。2024年7月には、ソフトウェアエンジニアを含む人材類型について、生成AIを「活用する」場合の行動例を DX推進スキル標準に加えています。

学習で生成AIを使うときの線引き

場面 使ってよい 控えたい
エラーの調査 メッセージの意味と、調べる順番を聞く 原因を聞いて、答えだけを貼り付ける
コードの作成 雛形を出してもらい、1行ずつ意味を確かめて書き直す 動いたからそのまま提出する
課題や練習の設計 設計案を複数出させ、自分で理由をつけて選ぶ AI が選んだ案の理由を言えないまま使う
応募書類 自分で書いた下書きの誤字や表現を整える 経験を AI に作らせる(面接で必ずずれが出る)

確かめて分かったこと(2026年10月6日の公開データ)

この記事を書くにあたり、確認日に次の公開情報を開いて確かめました。

2,677件未経験OKのITエンジニア求人(1サイト)マイナビ転職「ITエンジニア/職種未経験OK」確認日時点の表示件数
1.33倍情報処理・通信技術者の有効求人倍率厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年8月分(職業計は1.06倍)
3〜4か月入社後の新人研修の目安(SE)厚生労働省 jobtag「システムエンジニア(受託開発)」
3〜4年「一人前」と認められるまで厚生労働省 jobtag「プログラマー」
85.1%DX推進人材の「量」が不足している企業IPA「DX動向2025」(日本、2024年度調査)
48.6%ITパスポート試験の合格率(令和7年度)IPA。基本情報技術者試験は38.3%

未経験歓迎のエンジニア求人の件数(確認日時点の表示件数)

求人サイト・条件 表示件数
マイナビ転職「ITエンジニア/職種未経験OK」 2,677件
doda「未経験からITエンジニアを目指せる求人特集」 2,441件
doda「プログラマ・Webサービス系エンジニア×職種未経験歓迎」 468件
type「職種未経験OK!ゼロからエンジニアになれる求人」 359件
エン転職「エンジニア(Web・アプリ・オープン系)×業種未経験歓迎」 136件

絞り込みの条件がサイトごとに違うため、比較ではなく規模感として見るのが正確です。未経験者向けの求人が「探せば見つかる」量で出ていることは確かめられました。

職業別の有効求人倍率(厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年8月分)

区分 有効求人倍率
情報処理・通信技術者 1.33(有効求人51,958人、有効求職者39,174人)。パートを除くと1.48
専門的・技術的職業(計) 1.73
職業計 1.06
全体(季節調整値) 1.18

いずれも常用(パートを含む)の原数値です。情報処理・通信技術者は、職業計より求人が多い状態が続いています。

厚生労働省 jobtag の各職業ページの記述

職業 学歴・資格の記述 研修の記述
プログラマー 「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。専攻も特に問われず、最近は文系出身のプログラマーも多い」 「一人前のプログラマーとして認められ…るには、3〜4年かかるといわれる」
システムエンジニア(受託開発) 「特に学歴や資格は必要とされないが、大卒や大学院卒(修士)が多く…理系のイメージが強いが文系も多い」 「新卒入社の場合は、入社後の3〜4ヵ月は新人研修」
システムエンジニア(基盤システム) 「特に学歴や資格は必要とされないが、大卒、大学院卒が多く…理系が多いが文系もいる」 「3ヵ月程度、研修を受け、配属される」
ヘルプデスク(IT) 「特に学歴や資格は必要とされない。学校での専攻も特に問われない」 「入職後に半年程度、OJTで研修を受けた後」

IT人材の需給と、資格試験の数値

項目 数値 出典
2030年のIT人材の需給ギャップ(中位シナリオ) 約45万人(2018年22万人→2025年36万人→2030年45万人。前回調査では59万人) 経済産業省「IT人材需給に関する調査」概要(2019年4月)
DXを推進する人材の「量」が不足している企業の割合 85.1%(「やや不足」+「大幅に不足」、日本) IPA「DX動向2025」(2024年度調査)
ITパスポート試験 令和7年度 応募者307,266人、合格者132,012人、合格率48.6% IPA
基本情報技術者試験 令和7年度 応募者172,217人、受験者147,186人、合格者56,370人、合格率38.3% IPA
個人の生成AIサービス利用経験 約27%(2024年度調査、前年度の約3倍) 総務省「令和7年版 情報通信白書」概要

経済産業省の需給ギャップの試算は2019年のもので、「年3.54%の労働生産性上昇を実現した場合には…均衡する」という前提も書かれています。「人が足りないから誰でも採用される」という読み方ではなく、「育てる前提で採る会社がある」という読み方が正確です。

よくある質問

未経験エンジニアは「やめとけ」と言われるのはなぜですか

1年目の仕事と年収が、入社前の想像と違うことがあるからです。最初の数か月は研修で、配属後も読む・確かめる・報告するが中心になり、年収は職種の平均より低い額から始まります。これらは「入社後1年の見取り図」「年収の現実」「求人票で確認しておくこと」で応募前に分かるので、知ったうえで選んだ人には当てはまりにくくなります。

未経験からエンジニアになれるのは何歳までですか

年齢で機械的に線を引く仕組みはありません。年齢が上がるほど「未経験」の枠の求人は減りますが、前職の経験が入社後に生きる場面が増えます。「年齢別に、前職の経験がどう生きるか」の表のとおり、30代以降は前職の経験に技術を足す見方で道が開けます。迷っている間も年齢は上がるので、早めに動いたほうが選択肢は広く保てます。

30代未経験でエンジニアは無理ですか

無理ではありません。30代は業務知識・調整力・資料作成力・後輩を教えた経験が入社後に生きやすく、「前職の○○を、技術でこう変えたい」が決まっている人は配属後の伸びが早い傾向があります。業務知識が生きる分野の開発、インフラ、運用から設計へ進む道が現実的です。

未経験エンジニアの年収はいくらですか

職種別の平均は、doda「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月)で SE/プログラマ 435万円(20代 394万円)、Webサービスエンジニア 452万円(20代 397万円)、デバッグ/テスター 390万円(20代 345万円)、運用/監視/保守 389万円(20代 350万円)、ヘルプデスク 362万円(20代 327万円)です。未経験の1年目は20代の平均より低いところから始まることが多く、確認日に求人一覧で見た未経験歓迎の求人では月給23万円台・年収300万円台からの提示が目立ちました。1年目の額は求人票ごとに違うので、「年収の読み方」の表で月給×12+賞与にそろえると比べられます。

未経験エンジニアは増えすぎていますか

未経験者向けの求人も応募者も多い、というのが実態です。確認日の時点で大手の求人サイトには2,000件を超える未経験歓迎のエンジニア求人があり、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.33倍と職業計の1.06倍を上回っています。応募者も多いので、入口の職種と働き方の希望を自分で決めて応募した人のほうが、会社との話が進みやすいのは確かです。

未経験エンジニアは厳しい、きついと聞きますが本当ですか

1年目は覚えることが多く、想像より地味な仕事が中心なので、きついと感じる時期はあります。ただ、その中身は「読む・確かめる・報告する」で、できるようになるほど任される範囲が広がります。「入社後1年の見取り図」に、時期ごとの気持ちの変化と乗り越え方をまとめています。

未経験からエンジニアになるには、何から始めればいいですか

応募から始められます。入口の職種を仮に決め、求人票で研修・配属・評価の説明を確認し、経歴と続けてきたことを自分の言葉で書けば、数日で応募の準備が整います。研修で育てる会社なら、学習は応募の条件ではなく、入社後に基礎から教わります。面接までの時間に「入社までに触っておくとよいこと」の順番で少し触っておくと、研修の理解が早くなります。

独学でもエンジニアになれますか

なれます。そもそも未経験者を研修で育てる会社に応募するなら、入社前に独学を終えておかなくても応募できます。独学で続けるコツは、短くても毎日の時間を固定することと、「30分調べて分からなければ聞く」相手(学習コミュニティ、公式ドキュメント、生成AI)を決めておくことです。

スクールに通わないと転職できませんか

通わなくても転職できます。通った人は、学んだことが入社後の研修の序盤で復習になり、立ち上がりが早くなります。修了を待たずに応募することも、修了してから応募することもできます。期限と講師があったほうが続く人、聞ける人がいると進む人には、スクールが合います。

資格がないと未経験エンジニアになれませんか

資格は必須ではありません。jobtag のプログラマーのページにも「特に学歴や資格は必要とされない」とあります。取るなら、ITパスポートは運用・ヘルプデスク・テストの入口で用語の土台に、基本情報技術者は開発職の基礎を体系的に学ぶのに役立ちます。資格の勉強を待たずに応募でき、入社後の最初の目標にする人も多くいます。

女性でも未経験からエンジニアになれますか

性別で採用の可否が決まるものではありません。働き方が気になる場合は、「求人票で確認しておくこと」の6(休日と就業時間)と4(配属後に相談できる人)を面接で確認できます。

文系出身でもエンジニアになれますか

なれます。jobtag には「最近は文系出身のプログラマーも多い」「理系のイメージが強いが文系も多い」とあります。研修で育てる会社なら、PC操作は入社後の研修で道具をそろえる段階から始まります。採用する側が見ているのは、分からないことを自分で調べて、聞けるかどうかです。「自分で確かめる10の問い」で自分の傾向を見られます。

生成AIがあるのに、未経験からエンジニアになる意味はありますか

あります。コードを書くコストが下がった分、求められるのは「読む・確かめる・説明する・頼む」の基礎に変わりました。IPA も ITパスポート試験に生成AIの出題を加え、DX推進スキル標準に生成AIを活用する行動例を補記しています。研修と仕事の中で「AIに書かせて、自分で確かめて、説明する」練習を重ねると、仕事の形に早く慣れます。

未経験で入社した1年目は、どんな仕事をしますか

最初の数か月は研修、配属後はコードを読む・テストをする・小さな修正をする・資料を作る、が中心です。jobtag にも、システムエンジニアは入社後3〜4か月の研修、ヘルプデスクは半年程度の OJT とあります。「コードを書く仕事」のつもりで入ると地味に感じますが、読む力が書く力の土台なので、この時期を確実にこなした人から次の仕事が回ってきます。

RJC で未経験からエンジニアになる場合

最後に、この記事を書いている RJC(株式会社RJC)の場合を、募集要項と入社時研修の内容から書いておきます。上の「求人票で確認しておくこと」8項目に、自分たちで答える形です。

応募随時。学歴不問、業界未経験者歓迎
入社時研修 4か月12段階。Java の基礎から AI と一緒に開発のサイクルを回すまで
10年育成プログラム技術研修・設計研修・昇進研修。600本以上の動画講座
研修の期間と内容
入社時研修は4か月・12段階。Java の基礎から、オブジェクト指向、データベースと SQL、Web の基礎、Spring Boot、JavaScript・React・Next.js と進み、最後の段階で設計・実装・単体テストのサイクルを手で回したあと、同じサイクルを AI と一緒に回せるようにする
研修のあと
10年育成プログラムとして、技術研修・設計研修・昇進研修が続く。600本以上の動画講座と、書籍購入費用の会社負担
応募資格
学歴不問、業界未経験者歓迎。他業種からの転職者が多く、これまでに500名以上の未経験者を育ててきた
給与
未経験・1年目は年収308万〜322万円。昇給年1回、賞与年2回
休日・働き方
年間休日127日、完全週休2日制(土日)。本社は東京都千代田区飯田橋

応募はいつでも受け付けています。学ぶのは入社後の研修からでも間に合い、採用した担当者が研修の修了まで一緒に伴走します。

参考・出典

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「プログラマー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(受託開発)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/312 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(基盤システム)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/318 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(Webサービス開発)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「ヘルプデスク(IT)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/320 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「デバッグ作業」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/540 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76397.html および参考統計表 https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001753011.pdf (2026-10-06 確認)
  • 経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」(2019年4月) https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf (2026-10-06 確認)
  • IPA「DX動向2025」 https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/tbl5kb0000001mn2-att/dx-trend-2025.pdf (2026-10-06 確認)
  • IPA「令和7年度 iパス(ITパスポート試験)の年間応募者数等について」 https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/ip-oubo2025.html (2026-10-06 確認)
  • IPA「情報処理技術者試験 統計資料(基本情報技術者試験)令和8年3月分」 https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/ps6vr70000016ew6-att/202603_fe_toukei.pdf (2026-10-06 確認)
  • IPA プレス発表「生成AI関連の記載をデジタルスキル標準とITパスポート試験に追加」(2023年8月7日) https://www.ipa.go.jp/archive/press/2023/press20230807.html (2026-10-06 確認)
  • IPA プレス発表「DX推進スキル標準に生成AIに関する補記などを追加」(2024年7月8日) https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2024/press20240708.html (2026-10-06 確認)
  • 総務省「令和7年版 情報通信白書(概要)」 https://www.soumu.go.jp/main_content/001019264.pdf (2026-10-06 確認)
  • doda「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)」2024年9月〜2025年8月・約60万人・2025年12月1日公開 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/ (2026-10-06 確認)
  • 株式会社RJC「採用情報」 https://www.r-jc.jp/recruitment/ (2026-10-06 確認)

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「未経験からエンジニアになるには|今すぐ応募していい理由と、よくある誤解10」

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