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クラウドシェア1位はどこ?AWSとCloudflareの違い
「クラウドの世界シェア1位はAWS」——そう聞いたことがある方は多いと思います。
でも調べていると、「1位はCloudflare」という資料も出てくるんですよね。しかも8割超えという、とんでもない数字で。
どちらかが間違っているのでしょうか。実は、どちらも正しいんです。今回はそのカラクリと、AWS・Azure・Google Cloud・Cloudflareそれぞれの得意分野を書いてみます。
※数字は2026年9月時点で確認できた最新の値です。
そもそも、2つの別々のランキングがあります
ここがいちばんの落とし穴なんです。
- クラウドインフラのシェア:サーバーやデータベースを動かす基盤の市場
- CDN・リバースプロキシのシェア:Webサイトの前に立って、配信を速くしたり守ったりする層の市場
役割がまったく違うので、そもそも同じ土俵にいないんですよね。
「1位はどこ?」と聞くとき、どちらの話をしているのかで答えが変わる。ここを揃えないと、話が噛み合わないんです。
クラウドインフラでは、AWSが1位です
調査会社Synergy Researchによると、2026年第2四半期(4〜6月)のシェアはこうなっています。
| 順位 | サービス | シェア |
|---|---|---|
| 1 | AWS | 28% |
| 2 | Microsoft Azure | 20% |
| 3 | Google Cloud | 15% |
この上位3社で、市場の6割以上を占めている状態ですね。
ちなみに市場全体は、1年前と比べて4割以上成長。四半期の売上が1,430億ドルという規模になっています。成長率はここ8年で最高で、AIの需要がそのまま数字に出ているんですよね。
日本で「クラウドといえばAWS」と言われるのは、この土俵の話としては正しいということです。
Cloudflareが1位なのは、CDNの分野です
こちらは調査サイトW3Techsのデータです。2026年9月時点で、リバースプロキシ・CDNを使っているWebサイトのうち、85.2%がCloudflare。2位のAmazon CloudFrontが5.5%なので、圧倒的ですよね。
ここで「85.2%」という数字の読み方が大事になります。
これはCDNを使っているサイトの中での割合なんです。全ウェブサイトに対する数字ではありません。
全体で見ると、Cloudflareを使っているサイトは約26%。それでも十分すごいんですが、印象がだいぶ変わりますよね。無料プランがあることも、この普及率に効いていると言われています。
大規模サイトに限ると、景色がまた変わります
ここが個人的に「ほぉー」となったところです。
Akamaiは、全ウェブサイトで見ると0.7%しかありません。数字だけ見ると小さく感じますよね。
ところが、アクセス上位1,000サイトに限ると、20.5%まで跳ね上がるんです。大企業や大規模サービスに強い、ということなんですよね。
| 全ウェブサイト | 上位1,000サイト | |
|---|---|---|
| Cloudflare | 26.1% | 62.3% |
| Akamai | 0.7% | 20.5% |
※W3Techs、2026年9月時点。各サービスを使っているサイトの割合
シェアの数字は「どの母集団で数えたか」で、まったく別の顔を見せる。これ、クラウドに限らず統計を読むときの基本かなと思います。
「なぜAWSからじゃないの?」が起きる理由
ここで、実際に起きた面白い話を。
Googleが2025年に、広告主向けのタグゲートウェイという仕組みを出しました。CDNを経由して、Googleのタグを自社ドメインから配信できるようにするものです。計測の精度を保つための機能ですね。
これ、最初にきれいに対応したのがCloudflareだったんです。Googleの管理画面からCloudflareのアカウントを連携すれば、ほぼ自動で設定できてしまう。
「なぜAWSからじゃないんだろう」——そう思った方は、鋭いと思います。
この機能が動くのは、サイトの前に立つ層なんです。すべてのリクエストがそこを必ず通る必要があります。
Cloudflareは、DNSを預けてリバースプロキシをONにする構成が前提。だから全部の通信が通るし、サブドメインをエッジに向けるだけで完結するんです。そこにCDN利用サイトの8割超という規模と、無料プランの存在が加わる。Googleから見れば、ひとつ統合するだけで最大のリーチが取れる相手なんですよね。
もちろんAWSでも実装できます。CloudFrontの機能を使って自分で組む形ですね。AkamaiやFastly、Google Cloud CDNも同じく選択肢です。
つまり、AWSが弱いのではなく、この機能にとっての主戦場ではなかったということなんです。
「1位はどこか」ではなく「その仕事に向いているのはどこか」。そういう視点で見ると、こういうニュースの読み方も変わってきます。
それぞれの得意分野を、ざっくり整理すると
| サービス | 得意分野 |
|---|---|
| AWS | サービスの種類がとにかく多く、大抵のことは実現できる。歴史が長いぶん、情報も人材も豊富。「迷ったらまずここ」と選ばれてきた |
| Microsoft Azure | WindowsやMicrosoft 365との相性が抜群。すでにMicrosoft製品で回っている企業が移行しやすく、企業システムでの採用が多い |
| Google Cloud | データ分析とAIが強み。大量のデータを扱う基盤や、機械学習まわりで選ばれることが多い |
| Cloudflare | 役割が少し違い、Webの入口を守り、速くする会社。世界中のネットワークで攻撃を防ぎ、配信を高速化する |
成長率で見ると、順位が逆転します
シェアの数字は「いまの大きさ」ですが、成長率は「これからの勢い」なんですよね。2026年第2四半期の前年比成長率は、こうなっています。
| サービス | 前年比の成長率 |
|---|---|
| Google Cloud | +82% |
| Microsoft Azure | +40%台 |
| AWS | +37% |
順位が、シェアとちょうど逆なんです。
とはいえAWSも、絶対額でいえば四半期で約420億ドルと、依然として圧倒的な規模。しかも成長率自体も加速しています。
市場そのものが急拡大しているので、シェアが下がっても売上は伸びている。この構図、けっこう面白いところです。
ちょっとしたトリビアも
Cloudflareが提供している「1.1.1.1」というDNS、覚えやすさで有名ですよね。第三者機関の計測で、世界最速クラスに継続的にランクされています。
そしてCloudflareのネットワークは世界330都市以上に広がっていて、世界のインターネット利用者の約95%が、Cloudflareのサーバーから50ミリ秒以内の距離にいるとされています。まばたきよりも速い距離に、世界中の人がいるということなんですよね。
で、結局どれを選べばいいのか
ここまで書いておいてなんですが、シェアで選ぶものではないと思っています。
- すでにMicrosoft製品で回っているなら → Azureが素直
- データ分析が主役なら → Google Cloud
- 実現したいことの幅で選ぶなら → AWS
- Webの配信とセキュリティが課題なら → Cloudflare
そして実際の現場では、組み合わせて使うことも多いんですよね。基盤はAWSで、前段にCloudflareを置く。そういう構成は珍しくありません。
「どれが1位か」より「何を解決したいか」。当たり前ですが、そこに戻ってくるんです。
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決済分野のプロジェクトでは、AWSやDynamoDBを使って、要件定義からリリースまで一貫して開発しています。
グループ活動でもAWSはテーマのひとつで、検証したことをみんなで持ち寄っているんです。
「インフラ周りの知識を増やしたい」と相談して、実際にインフラの業務を任せてもらった社員もいます。いまはAWSに夢中で、エラーが出ても自力で解決できるようになっているそうです。
よくいただくご質問
Q. 未経験なら、どれから触るのがいいですか?
A. 求人数や情報量で選ぶなら、AWSが入りやすいと思います。ただ、考え方はどれも共通する部分が多いので、1つ覚えれば他も理解しやすくなります。
Q. 資格は取ったほうがいいですか?
A. 体系的に学べるので、地図としては役立ちます。ただ大切なのは、取ったあと実務でどう使うかなんですよね。
Q. シェアが変わったら、勉強し直しですか?
A. 基本的な考え方は共通なので、まるごとやり直しにはならないです。ネットワーク、権限、コスト。この3つの考え方は、どのクラウドでも効いてきます。
Q. 話だけ聞くのはアリですか?
A. アリです。まず知るところから。
数字は、読み方まで含めて情報です
今日いちばんお伝えしたかったのは、実はここなんです。
85.2%も、26%も、0.7%も、どれも嘘ではありません。数え方が違うだけなんですよね。
技術の話をするとき、この「どの母集団で数えたか」を確かめる習慣があると、判断の精度が変わってきます。
数字を見たら、まず定義を見る。地味ですが、いちばん効くやつかなと思います。
みなさんの「これも知っておくといいよ」も、ぜひ教えてください。
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