結論

Excalidrawは、ブラウザで手書き風の図を描ける無料・オープンソースのホワイトボードです。登録なしで excalidraw.com を開けば使えます。

この記事でわかること

  • ショートカット早見表(ヘルプ画面の全項目から抜粋)
  • PNG・SVG・.excalidraw の中身と、図を戻せる書き出し
  • Mermaid 5種の変換結果とReactへの埋め込みの実測

2026年10月23日更新|@excalidraw/excalidraw 0.18.1・Chromium 141で確認

Excalidraw は、描いた図を JSON のファイル(.excalidraw)として持ち、画像(PNG・SVG)への書き出しや、暗号化した共有リンクでの共同編集ができます。

flowchart TD
    A[excalidraw.com<br>VS Code・Obsidian] --> B[図形・矢印・文字を<br>手書き風に描く]
    B --> C[.excalidraw<br>JSON で保存]
    B --> D[PNG・SVG に書き出し<br>図の埋め込みも可]
    C --> E[暗号化して共有・共同編集<br>鍵は URL の # の後ろ]

急いでいる人向けに、よく調べられることの答えを先にまとめます。

知りたいこと 答え 詳しい節
無料で使えるか 無料。登録も不要(MIT ライセンス) とは
日本語で使えるか 使える。日本語の文字も手書き風の書体 始め方
描いた図の保存場所 ブラウザの中。ファイルは「名前を付けて保存」 保存と書き出し
四角を描く R か 2 を押してドラッグ ショートカット
背景を透過した PNG 書き出しで「背景」をオフ 書き出し
人と一緒に編集 共同編集のリンクを送る(暗号化) 共同編集
AWS のアイコン ライブラリから追加(AWS 関連は7件) ライブラリ
Mermaid から変換 その他のツール →「Mermaid to Excalidraw」 Mermaid
有料版の料金 Excalidraw+ は1ユーザー月6ドル(年払い) 料金
VS Code で使う 拡張機能 pomdtr.excalidraw-editor VS Code

確認環境:Ubuntu 24.04.4 LTS・Node.js 22.22.2・npm 10.9.7。create-vite で作った React+TypeScript のプロジェクト(Vite 8.3.5・React 19.3.1・TypeScript 6.0.3)に @excalidraw/excalidraw 0.18.1 と @excalidraw/mermaid-to-excalidraw 2.3.0 を入れて npm run build・vite preview で動かし、Chromium 141.0.7390.37(Playwright 1.56.0 から操作、表示言語は日本語)で、ツールバー・ヘルプのショートカット一覧・書き出し画面の文言、書き出した PNG・SVG・.excalidraw の中身、Mermaid の変換を確かめました。Mermaid 本体は npm が入れた 11.17.2 と、版を指定した 11.12.1 の両方で試しました。excalidraw.com だけにある機能(共有リンク・共同編集・保存先)は GitHub の excalidraw/excalidraw のソース(コミット 1d4dc2c、2026年10月21日)で読み、暗号の鍵の作り方は同じ手順を Node.js の Web Crypto で実行して確かめました。Excalidraw+ の料金は公式の料金ページ、VS Code 拡張は Visual Studio Marketplace、Obsidian プラグインは GitHub の manifest.json(2.29.0)と README、ライブラリの件数は excalidraw-libraries の libraries.json で確認しました(確認日 2026年10月23日)。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「Excalidrawとは・使い方|ショートカット・書き出し・料金を実例で解説」

Excalidrawとは(できること・無料か)

この節では、Excalidraw が何をする道具で、お金がかかるのかが分かります。

Excalidraw は、無限に広がるキャンバスに、四角・ひし形・円・矢印・線・文字を手書きのような線で描けるホワイトボードです。 ソースコードは GitHub の excalidraw/excalidraw で MIT ライセンスで公開されていて、2026年10月23日時点のスターは約13.4万です。設計の打ち合わせのラフな構成図、説明用の図解、画面の下書き(ワイヤーフレーム)によく使われます。

1手書き風の図

線にわずかな揺れが入る。整いすぎない見た目なので「下書き」「検討中」の図に向く。揺れは0にもできる。

2登録なしで使える

excalidraw.com を開くだけ。描いた図はブラウザに自動で保存される。

3開いた形式

保存形式 .excalidraw は中身が JSON。Git で差分を見られ、プログラムからも作れる。

4共同編集と暗号化

リンクを送ると同時に編集できる。暗号の鍵は URL の # の後ろにあり、サーバーへ送られない。

GitHub の README は、エディタの機能として「無料・オープンソース」「無限のキャンバス」「手書き風」「ダークモード」「画像」「図形のライブラリ」「多言語」「PNG・SVG・クリップボードへの書き出し」「.excalidraw の JSON ファイル」「矢印の接続(図形に吸い付く矢印)とラベル付きの矢印」「元に戻す・やり直し」「拡大・移動」を挙げ、excalidraw.com だけの機能として「PWA(オフラインで動く)」「リアルタイムの共同編集」「エンドツーエンド暗号化」「ブラウザへの自動保存」「共有リンク」を挙げています。

無料版と有料版(Excalidraw+)

種類 料金(2026年10月23日時点) 主な違い
excalidraw.com 無料 キャンバスはブラウザに1つ。共有・共同編集できる
Excalidraw+ 1ユーザー月6ドル(年払い) クラウド保存・フォルダ・権限・発表
自分のサーバーに置く 無料(MIT) 静的ファイルを配信する。共同編集は別のサーバー
npm の @excalidraw/excalidraw 無料(MIT) 自分の React アプリに埋め込む

料金と機能の差は「Excalidraw+の料金」の節に、自分のアプリへの埋め込みは「Reactに埋め込む」の節に載せます。

Excalidrawの始め方(日本語にする・インストールは要るか)

この節では、使い始めるまでの手順と、画面を日本語にする方法が分かります。

ブラウザで https://excalidraw.com/ を開けば、その場で描き始められます。 アカウントの登録もインストールも要りません。README のとおり PWA(ブラウザからアプリのように入れられる Web アプリ)にも対応していて、Chrome などで「インストール」するとオフラインでも開けます。

1

excalidraw.com を開く

最初の画面で、すぐ描ける。描いた図はブラウザに自動で保存される。

登録なし

2

言語を日本語にする

左上の三本線のメニューを開き、下の方にある言語の一覧から「日本語」を選ぶ。

メニュー

3

上のツールバーから図形を選んで描く

四角なら R か 2。ドラッグで大きさを決める。

次の節

4

ファイルに保存する

メニューの「名前を付けて保存...」で .excalidraw を手元に残す。

メニュー

excalidraw.com のメニューの並び(ソースの AppMainMenu.tsx)は、開く・保存・書き出し・画像として保存・共同編集・コマンドパレット・検索・ヘルプ・キャンバスのリセット・Excalidraw+・設定・テーマ・言語・キャンバスの背景色です。

日本語の文字も手書き風の書体で表示されます。 手書き風の英字の書体(Excalifont)に無い文字は、中国・日本の漢字と仮名を持つ Xiaolai という書体で描かれます。書き出した SVG の文字は font-family="Excalifont, Xiaolai, Segoe UI Emoji" で、使った文字だけを切り出した Xiaolai と Excalifont のフォントが SVG の中に埋め込まれていました。

Excalidrawの使い方(手書き風の図を作る)

この節では、四角と矢印と文字で「ブラウザ → API サーバー」のような図を作る手順と、見た目を変える設定が分かります。

図形と矢印をつなぐ

1

四角を2つ描く

R(矩形)を押してドラッグ。1つ描くと選択ツールに戻る。続けて描くなら Q でツールを固定する。

R・Q

2

四角の中に文字を入れる

四角を選んで Enter を押すか、ダブルクリックして入力する。文字は四角の中央に付く。

Enter

3

矢印で四角どうしをつなぐ

A(矢印)を押し、片方の四角の中からもう片方へドラッグ。端が四角に吸い付き、四角を動かすと矢印も付いてくる。

A

4

矢印にラベルを付ける

矢印を選んで Enter。「HTTPS」などの文字が矢印の真ん中に乗る。

Enter

5

まとめて動かす・そろえる

Shift+クリックで複数を選び、Ctrl+G でグループ化。左の操作パネルで整列もできる。

Ctrl+G

手元で、R を押して 700,400 から 850,480 へ、O を押して 900,400 から 1000,480 へマウスをドラッグすると、rectangle(150x80) と ellipse(100x80) が1つずつ増え、描いた後のツールは selection(選択)に戻っていました。

矢印の吸い付き(バインド)は、図を作り直すときに効きます。 四角を右へ40px 動かすと、矢印の始点・長さと、四角の中の文字も一緒に変わりました(「.excalidraw ファイルの中身」の節に差分を載せます)。吸い付かせたくないときは、Ctrl を押しながら矢印を描きます(ヘルプの「矢印を結合しない」)。

ツールバーの道具(日本語表示)

0.18.1 のエディタを日本語で開いたときの、ツールバーの道具と割り当てられたキーです(ボタンの title 属性の実物)。

道具 キー 使いどころ
選択 V または 1 選ぶ・動かす・大きさを変える
矩形(四角) R または 2 箱・サーバー・画面
ひし形 D または 3 フローチャートの分岐
楕円 O または 4 状態・開始と終了
矢印 A または 5 つなぐ・流れ
直線 L または 6 区切り・枠
描画(フリーハンド) P または 7 丸で囲む・書き込み
テキスト T または 8 見出し・注記
画像を挿入 9 スクリーンショットを貼る
消しゴム E または 0 なぞった図形を消す
手(パンニング) H 画面を動かす
ツールを固定 Q 同じ図形を続けて描く
フレームツール F 発表・書き出しの範囲をまとめる
レーザーポインター K 画面共有で指し示す

「その他のツール」(ツールバー右端)には、フレームツール・Web 埋め込み・レーザーポインター・Mermaid to Excalidraw が入っていました。

見た目を変える(線の揺れ・フォント)

図形を選ぶと、左に操作パネルが出ます。0.18.1 の日本語表示で出た項目は「線」「背景」「線の太さ」「線の種類」「ばらつき加減」「角」「フォントの種類」「フォントの大きさ」「文字の配置」「透明度」「レイヤー」「操作」でした。

項目 選べるもの(画面の表示) 効果
ばらつき加減 正確・アート・漫画風 線の揺れの強さ(英語表示は Architect・Artist・Cartoonist)
線の太さ 細・太字・極太 枠と矢印の太さ
線の種類 実線・破線・点線 破線で「予定」「外部」を表す
角 四角・丸 角を丸くする
フォントの種類 Hand-drawn・Normal・Code 手書き風・普通・等幅
フォントの大きさ 小・中・大・特大 文字の大きさ

手書き風をやめたいときは、ばらつき加減を「正確」にし、フォントを「Normal」にします。 線の揺れが消え、整った図になります。フォントのボタンを押して、保存される番号(fontFamily)を読むと、Hand-drawn は 5(Excalifont)、Normal は 6(Nunito)、Code は 8(Comic Shanns)でした。フォントの一覧にはほかに Lilita One もありました。

Excalidrawのショートカットキー早見表

この節では、よく使う操作のキーを引けます。エディタのヘルプ画面(? キーで開く)の日本語表示を、そのまま表にしました。

Mac では Ctrl を Cmd、Alt を Option に読み替えます。 エディタのコードは、Mac のときに表示の CtrlOrCmd を Cmd に、Alt を Option に置き換えています。

操作 Windows・Linux 分類
元に戻す/やり直し Ctrl+Z/Ctrl+Shift+Z 編集
コピー・切り取り・貼り付け Ctrl+C・Ctrl+X・Ctrl+V 編集
複製 Ctrl+D(または Alt+ドラッグ) 編集
削除 Delete 編集
すべて選択 Ctrl+A 選択
複数選択 Shift+クリック 選択
グループ化/解除 Ctrl+G/Ctrl+Shift+G 編集
テキストの編集・ラベルの追加 Enter 文字
編集を終える Esc または Ctrl+Enter 文字
文字の中で改行 Enter または Shift+Enter 文字
書式なしで貼り付け Ctrl+Shift+V 文字
フォントを大きく/小さく Ctrl+Shift+>/Ctrl+Shift+< 文字
フォントを選ぶ Shift+F 文字
線の色・背景の色を選ぶ S・G 見た目
スタイルのコピー/貼り付け Ctrl+Alt+C/Ctrl+Alt+V 見た目
前面へ/最前面へ Ctrl+]/Ctrl+Shift+] 重なり
背面へ/最背面へ Ctrl+[/Ctrl+Shift+[ 重なり
上・下・左・右にそろえる Ctrl+Shift+矢印キー 配置
左右反転/上下反転 Shift+H/Shift+V 配置
ロック/解除 Ctrl+Shift+L 編集
リンクを付ける Ctrl+K 編集
PNG でクリップボードへ Shift+Alt+C 書き出し
拡大/縮小/100%に戻す Ctrl++/Ctrl+-/Ctrl+0 表示
全体が入るように表示 Shift+1 表示
選んだ図形に合わせて表示 Shift+2 表示
画面を動かす Space+ドラッグ、ホイール+ドラッグ 表示
グリッドの表示 Ctrl+' 表示
図形に吸着 Alt+S 表示
Zen モード(パネルを隠す) Alt+Z 表示
閲覧モード Alt+R 表示
ダークモード Alt+Shift+D 表示
キャンバス内を検索 Ctrl+F 表示
コマンドパレット Ctrl+/ または Ctrl+Shift+P 表示
図形からフローチャートを伸ばす Ctrl+矢印キー 作図
フローチャート内を移動 Alt+矢印キー 作図
曲がった矢印・曲線 A か L で、クリックを続ける 作図
線・矢印の点を編集 Ctrl+Enter 作図
画像の切り抜き ダブルクリックか Enter 作図
キャンバスのリセット Ctrl+Delete 全体

道具の切り替え(R・O・A など)は、ツールバーの表のとおりです。ヘルプ画面には、このほか「深い選択(Ctrl+クリック)」「キャンバスから色を選ぶ(I、または Shift+S・Shift+G)」「ページを上下に移動(PgUp・PgDn)」も載っていました。

フローチャートを速く描くなら Ctrl+矢印キーが便利です。 四角を選ぶと画面上に「Hold Ctrl and Arrow key to create a flowchart」と出ます。手元で四角を選んで Ctrl+→ を2回押すと、右に四角2つと矢印2本が増え、図形は6個から10個になりました。

Excalidrawのライブラリの使い方(AWSアイコンなど)

この節では、AWS のアイコンなどの部品を取り込んで使う方法と、自分の部品を保存したファイルの形が分かります。

ライブラリは、よく使う図形の組み合わせを保存しておく部品箱です。 画面右上の「ライブラリ」を開くと、「個人ライブラリ」と「Excalidrawライブラリ」の2つの欄と、下に「ライブラリを参照する」のボタンが出ます。図形を選んだ状態で個人ライブラリの「+」を押すと、自分の部品として保存できます。

公開されているライブラリは、「ライブラリを参照する」で開く libraries.excalidraw.com に集められていて、各ライブラリの「Add to Excalidraw」で今開いている Excalidraw に取り込めます。サイトは、掲載されているライブラリはすべて MIT ライセンスと書いています。一覧の元データ(GitHub の excalidraw-libraries の libraries.json、2026年9月3日の更新)を数えた結果です。

名前・説明に含む語 件数 例
全体 232 ―
icon 61 Data Science logos など
azure 12 Azure cloud services icons
aws 7 AWS Architecture Icons・AWS Serverless Icons
kubernetes 6 Kubernetes Icons Set
network 6 Network topology icons
uml 4 Shapes for UML & ER Diagrams
wireframe 4 Wireframing placeholders
gcp 2 GCP Icons

クラウドの構成図をきれいな記号で描く書き方は、関連記事「ネットワーク構成図の書き方|記号・レイヤー別の書き分けとAWS構成の例」で扱っています。

ライブラリのファイル(.excalidrawlib)

ライブラリは .excalidrawlib というファイルで受け渡します。中身は JSON で、serializeLibraryAsJSON で作った実物の先頭はこうでした。

{
  "type": "excalidrawlib",
  "version": 2,
  "source": "http://127.0.0.1:36201",
  "libraryItems": [
    {
      "id": "item1",
      "status": "unpublished",
      "elements": [
        { "id": "w9gHr8vvfoo-7vOwH6ufS", "type": "rectangle", "x": 88.234375 }
      ]
    }
  ]
}

(elements の中は、次の .excalidraw と同じ形の図形です。長いので省略しました。)excalidraw.com では、ライブラリはブラウザの IndexedDB(excalidraw-library)に入ります。ほかのパソコンでも使うなら、ライブラリのメニューから .excalidrawlib に書き出して持っていきます。

Excalidrawの共同編集と共有リンク(暗号化の仕組み)

この節では、人と一緒に描く方法と、送ったリンクの中身がサーバーから読めない理由が分かります。

excalidraw.com には、同時に編集する「共同編集」と、読み取り専用の「共有リンク」の2つがあります。 どちらも、図は送る前にブラウザで暗号化され、復号の鍵は URL の # の後ろに入ります。

機能 URL の形(ソースの実物) 中身
共同編集 https://excalidraw.com/#room=部屋ID,鍵 部屋IDは16進20文字、鍵は22文字
共有リンク https://excalidraw.com/#json=ID,鍵 読み取り専用。開いた人は複製して編集

共同編集は、画面右上の「共有」から始め、出てきたリンクを相手に送ります。ソースの getCollaborationLink は #room=${roomId},${roomKey} の形で URL を作り、getCollaborationLinkData は鍵が22文字でないと「invalidEncryptionKey」の警告を出します。共有リンクは書き出しの画面の「共有可能なリンク」→「リンクとしてエクスポート」で作ります。

flowchart TD
    A[ブラウザ A<br>鍵を作り図を暗号化] --> B[サーバー<br>暗号文だけを預かる]
    A --> C[URL の # の後ろに鍵<br>サーバーへは送られない]
    B --> D[ブラウザ B<br>暗号文を受け取る]
    C --> D
    D --> E[鍵で復号して表示]

# の後ろ(フラグメント)は、ブラウザがサーバーに送らない部分です。 公式ブログ(End-to-End Encryption in the Browser)は、この性質を使って鍵を URL に入れていると説明しています。共有リンクのソースのコメントも「サーバーに送らないため、鍵をクエリパラメーターではなくハッシュに入れる」と書いています。

鍵の作り方(generateEncryptionKey)は、Web Crypto で AES-GCM の128ビットの鍵を作り、JWK 形式の k の値を取り出すものです。同じ手順を Node.js 22 で実行した結果です。

const key = await crypto.subtle.generateKey({ name: 'AES-GCM', length: 128 }, true, ['encrypt', 'decrypt'])
const k = (await crypto.subtle.exportKey('jwk', key)).k
const iv = crypto.getRandomValues(new Uint8Array(12))
const data = new TextEncoder().encode(JSON.stringify({ type: 'excalidraw', elements: [] }))
const enc = new Uint8Array(await crypto.subtle.encrypt({ name: 'AES-GCM', iv }, key, data))
key: HR6LwlR7h3iSrlmmdtQnKQ length: 22
plain bytes: 35 encrypted bytes: 51 head: 2e9500ded31a1b12d9606a23

鍵は22文字(128ビットを URL で使える Base64 にした長さ)で、35バイトの JSON は51バイトの読めないデータになりました(AES-GCM の確認用の16バイトが付くため)。

  • 1リンクを知っている人は誰でも開ける鍵が URL に入っているので、URL そのものが合言葉。社外秘の図を送る経路に注意する
  • 2共有の前に手元へ保存したか共同編集を止めると、ブラウザに保存していた図が上書きされると画面が警告する
  • 3画像が大きすぎないか共有リンクで送る画像は1ファイル 4MiB まで(ソースの FILE_UPLOAD_MAX_BYTES)
  • 4権限で分けたいか閲覧だけ・編集可の切り分けや、読み取り専用の埋め込みは Excalidraw+ の機能

Excalidrawの保存と書き出し(PNG・SVG・.excalidraw)

この節では、描いた図がどこに保存され、どの形式で書き出すと後から編集し直せるのかが、書き出したファイルの実物で分かります。

描いた図はどこに保存されるか

excalidraw.com が自動で保存

ブラウザの localStorage(キーは excalidraw・excalidraw-state)

キャンバスは1つ。新しく描くと前の図に重なる

ブラウザのデータを消すと図も消える

自分でファイルに保存

メニューの「名前を付けて保存...」で .excalidraw

「開く」(Ctrl+O)でいつでも戻せる

Git やクラウドのフォルダで管理できる

保存先のキーの名前は、excalidraw.com のソース(app_constants.ts の STORAGE_KEYS)の値です。大事な図は、自動保存だけに頼らず .excalidraw か「シーンを埋め込んだ」PNG・SVG に残しておくと、別のパソコンやブラウザでも開き直せます。

書き出しの画面

メニューの「画像のエクスポート...」(Ctrl+Shift+E)で開く画面の項目です(0.18.1 の日本語表示。英語のままだった項目は括弧に最新のソースの訳を書きました)。

項目 何が変わるか
Only selected(選択した図形のみ) 選んだ図形だけを書き出す
背景 オフにすると背景が透明な PNG・SVG
ダークモード 黒い背景・白い線で書き出す
Embed scene(シーンを埋め込む) 画像の中に図のデータを入れ、後で開き直せる
スケール 1×・2×・3× PNG の解像度。資料に貼るなら 2× 以上
PNG・SVG・クリップボードにコピー 書き出す形式

同じ図を各形式で書き出した大きさ

「ブラウザ → API サーバー」の図(四角2・矢印1・文字3の6つの要素)を、エディタの書き出しの関数(exportToSvg・exportToBlob・serializeAsJSON)で書き出した大きさです。

同じ6要素の図を書き出したファイルの大きさ(バイト)実測。PNG は 580×100px

.excalidraw5,978
SVG7,838
SVG+シーン10,319
PNG13,356
PNG+シーン15,168

シーンを埋め込むと、PNG は 1,812 バイト、SVG は 2,481 バイト増えました。 その代わり、Excalidraw で開き直すと元の図に戻ります。書き出した画像を loadFromBlob で読み直した結果です。

roundtrip from embedded png: 6 from embedded svg: 6 plain png: Image doesn't contain scene

シーンを埋め込んだ PNG と SVG からは6つの要素がそのまま戻り、埋め込んでいない PNG は「Image doesn't contain scene」で読めませんでした。

埋め込まれたデータの正体

PNG の中を、チャンク(PNG を区切る単位)ごとに読んだ結果です。

pngE.png 15168 580 100 [('IHDR', 13), ('IDAT', 4096), ('IDAT', 4096), ('IDAT', 4096), ('IDAT', 957), ('IDAT', 6), ('tEXt', 1800, b'application/vnd.excalidraw+json'), ('IEND', 0)]

シーンを埋め込んだ PNG(15,168 バイト)の中身Python でチャンクを数えた実物

PNG
13,2511,800
絵のデータ(IDAT)図のデータ(tEXt)見出しなど117

tEXt チャンクのキーワードが application/vnd.excalidraw+json で、値は {"version":"1","encoding":"bstring","compressed":true,"encoded":"…"} でした。encoded を zlib で展開すると 5,978 バイトの JSON になり、中身は .excalidraw と同じ type: excalidraw・6要素でした。

import json, zlib
d = open('pngE.png', 'rb').read()
i = d.find(b'tEXt'); n = int.from_bytes(d[i-4:i], 'big')
key, val = d[i+4:i+4+n].split(b'\0', 1)
o = json.loads(val.decode('latin1'))
scene = json.loads(zlib.decompress(o['encoded'].encode('latin1')))
print(key, scene['type'], len(scene['elements']))
b'application/vnd.excalidraw+json' excalidraw 6

SVG では、<svg> の先頭に <!-- svg-source:excalidraw -->、<metadata> の中に <!-- payload-type:application/vnd.excalidraw+json -->・<!-- payload-version:2 -->・<!-- payload-start --> が入り、その後ろに2,360文字の Base64 の文字列が続いていました。図のデータは暗号化されていないので、埋め込んだ画像を渡すと、相手は図の中の文字をすべて取り出せます。

資料・ブログ・README に貼る図

PNG・SVG だけ見た目だけを渡す。小さい。Excalidraw では開き直せない
→
シーンを埋め込む画像として貼れて、後で Excalidraw で直せる。ファイル名を .excalidraw.png・.excalidraw.svg にすると VS Code 拡張でも開ける

図を直す可能性があるなら埋め込む。社外に出すなら、余計な文字が残っていないか確かめてから

.excalidrawファイル(JSON)の中身

この節では、.excalidraw のファイルに何が書かれていて、Git で管理したときにどんな差分になるかが、実物で分かります。

.excalidraw は、type・version・source・elements・appState・files の6つのキーを持つ JSON です。 公式ドキュメントの JSON Schema のページの説明と、手元で serializeAsJSON で書き出した実物を並べます。

キー 意味(公式ドキュメント) 手元の値
type 種類。"excalidraw" "excalidraw"
version 形式の版 2
source 作ったアプリの URL "http://127.0.0.1:36201"
elements キャンバス上の図形の配列 6個
appState 背景色・グリッドなどの状態 4項目
files 画像のデータ({ fileId: データ }) {}

appState は {"gridSize": 20, "gridStep": 5, "gridModeEnabled": false, "viewBackgroundColor": "#ffffff"} で、選択中の図形や拡大率などは入っていませんでした(serializeAsJSON の4つ目の引数が "local" のとき)。

図形1つの中身(四角と、その中の文字)

{
  "id": "_KQP4OBDUCc7yje_b1ETl",
  "type": "rectangle",
  "x": 100,
  "y": 100,
  "width": 180,
  "height": 80,
  "angle": 0,
  "strokeColor": "#1e1e1e",
  "backgroundColor": "transparent",
  "fillStyle": "solid",
  "strokeWidth": 2,
  "strokeStyle": "solid",
  "roughness": 1,
  "opacity": 100,
  "groupIds": [],
  "frameId": null,
  "index": "a0",
  "roundness": null,
  "seed": 1828861440,
  "version": 3,
  "versionNonce": 960276992,
  "isDeleted": false,
  "boundElements": [
    { "type": "text", "id": "0md1Kc_xniGs3Z5VWQXXM" },
    { "id": "un2Vfc1-f4H0CiLz3W_Zf", "type": "arrow" }
  ],
  "updated": 1792739994154,
  "link": null,
  "locked": false
}
{
  "id": "0md1Kc_xniGs3Z5VWQXXM",
  "type": "text",
  "x": 149.0625,
  "y": 127.5,
  "width": 81.875,
  "height": 25,
  "text": "ブラウザ",
  "fontSize": 20,
  "fontFamily": 5,
  "textAlign": "center",
  "verticalAlign": "middle",
  "containerId": "_KQP4OBDUCc7yje_b1ETl",
  "originalText": "ブラウザ",
  "autoResize": true,
  "lineHeight": 1.25
}

(文字のほうは、四角と共通の項目を省きました。)

項目 意味
roughness 線の揺れ。0=正確、1=アート、2=漫画風
seed 揺れ方を決める乱数の種。同じ値なら毎回同じ線になる
boundElements・containerId 四角と、中の文字・吸い付いた矢印のつながり
startBinding・endBinding 矢印の両端が吸い付いている図形の id(矢印の側)
index 重なりの順番(a0・a1…)
version・versionNonce・updated 変更のたびに増える番号と時刻。共同編集で新しい方を選ぶのに使う
isDeleted 消した図形。共同編集中は残ることがある
fontFamily 5=Excalifont、6=Nunito、8=Comic Shanns など

矢印は points(始点からの相対座標の配列。手元では [[0,0],[189,0]])と、startBinding・endBinding({"elementId": "…", "focus": 0, "gap": 5})を持っていました。

四角を1つ動かしたときの差分

画面で四角を右へ40px ドラッグする前と後の .excalidraw を diff で比べると、変わった行は18行でした(抜粋)。

       "type": "rectangle",
-      "x": 100,
+      "x": 140,
@@
-      "version": 3,
-      "versionNonce": 282622733,
+      "version": 7,
+      "versionNonce": 1900584621,
@@
       "type": "arrow",
-      "x": 285.5,
+      "x": 325,
@@
-      "width": 189,
+      "width": 150,
@@
       "type": "text",
-      "x": 149.0625,
+      "x": 189.0625,

1つの図形を動かしても、吸い付いた矢印と中の文字の座標、version・versionNonce・updated も変わります。 差分は読めますが、同じファイルを2人が別々に直すと、Git のマージで衝突しやすくなります。同時に直すなら、共同編集のリンクを使うほうが向いています。

MermaidからExcalidrawに変換する

この節では、Mermaid の記法で書いた図を、手で動かせる Excalidraw の図形に変える方法と、図の種類ごとの結果が分かります。

エディタの「その他のツール」→「Mermaid to Excalidraw」に Mermaid のコードを貼ると、図形に変換して挿入できます。 中で使われているのは @excalidraw/mermaid-to-excalidraw というライブラリで、自分のプログラムからも呼べます。

import { parseMermaidToExcalidraw } from '@excalidraw/mermaid-to-excalidraw'
import { convertToExcalidrawElements } from '@excalidraw/excalidraw'

const src = `flowchart TD
  A[注文を受ける] --> B{在庫はある?}
  B -->|はい| C[発送する]
  B -->|いいえ| D[入荷を待つ]`

const { elements, files } = await parseMermaidToExcalidraw(src, { themeVariables: { fontSize: '16px' } })
// 返るのは「骨組み(skeleton)」なので、本物の図形に変換してから置く
excalidrawAPI.updateScene({ elements: convertToExcalidrawElements(elements) })

このフローチャートは、四角3・ひし形1・矢印3・文字6の図形になり、「はい」「いいえ」も矢印のラベルとして残りました。ひし形の中の「在庫はある?」は、手元では「在庫は/ある?」の2行に折り返されました。

図の種類ごとの結果(Mermaid の版で変わった)

5種類の図を、mermaid-to-excalidraw 2.3.0 で変換した結果です。npm が入れた Mermaid 11.17.2 のままだと、クラス図・ER 図・状態遷移図は1枚の画像になりました。Mermaid を 11.12.1 にすると、図形に変換されました。

図の種類 Mermaid 11.17.2 Mermaid 11.12.1
flowchart 四角3・ひし形1・矢印3・文字6 同じ
sequenceDiagram 四角4・線2・矢印2・文字6 同じ
classDiagram 画像1枚 四角2・線4・矢印1・文字4
erDiagram 画像1枚 四角2・矢印1・文字3
stateDiagram-v2 画像1枚 楕円1・四角2・矢印2・文字2

11.17.2 のとき、ブラウザのコンソールには次のエラーが出ていました。変換の処理が失敗すると、画像に切り替える作りになっています(ソースの parseMermaid.js)。

Error processing Mermaid diagram: Error: DOM Node with id classId-User-0 not found
Error processing Mermaid diagram: Error: ER entity entity-CUSTOMER-0 not found in rendered SVG
Error processing Mermaid diagram: Error: State node element not found for "待機"

mermaid-to-excalidraw 2.3.0 の package.json の依存は "mermaid": "^11.12.1" なので、npm はより新しい 11.17.2 を入れます。クラス図などを図形として変換したいときは、npm install mermaid@11.12.1 のように Mermaid の版を固定すると、手元では変換できました。 なお公式ドキュメントの API のページは「現在はフローチャートだけに対応し、ほかの図は画像として描く」と書いていて、ソースのほうが先に進んでいます。画像になった図は、拡大・移動はできても、中の四角を1つずつ動かすことはできません。

書き間違えたコードを渡すと、Mermaid の構文エラーがそのまま返りました。

Parse error on line 3: | ...owchart TD  A -->  | ---------------------^

Mermaid の書き方は、関連記事「Mermaid記法一覧|全図種のコピペ用コードと描画結果まとめ」で扱っています。

VS Code拡張・Obsidianプラグインで使う

この節では、エディタやノートアプリの中で Excalidraw を使う方法と、保存されるファイルの形が分かります。

VS Code の拡張機能(Excalidraw)

Visual Studio Marketplace の「Excalidraw」(ID は pomdtr.excalidraw-editor、発行者 pomdtr、2026年10月23日時点のインストール数 568,120)です。

code --install-extension pomdtr.excalidraw-editor
項目 内容(Marketplace の説明)
開けるファイル .excalidraw・.excalidraw.json・.excalidraw.svg・.excalidraw.png
新しく描く 上の拡張子で空のファイルを作って開く
テーマ ライト・ダーク・VS Code に合わせる
言語 excalidraw.language(無ければ VS Code の表示言語)
ライブラリ excalidraw.workspaceLibraryPath でワークスペースごと
画像の書き出し excalidraw.image(拡大率・背景・ダーク)
ブラウザ版 vscode.dev・github.dev でも動く

.excalidraw.svg・.excalidraw.png は、シーンを埋め込んだ画像です。 前の節で確かめたとおり、画像として README などに貼れて、VS Code で開くと編集できます。リポジトリの設計資料を、画像と編集用のデータの1ファイルで持てます。

Obsidian のプラグイン(Excalidraw)

Obsidian では、コミュニティプラグイン「Excalidraw」(作者 Zsolt Viczian、ID は obsidian-excalidraw-plugin、2026年10月23日時点の最新は 2.29.0、必要な Obsidian は 1.8.7 以上、モバイルでも動く)を使います。

1Markdown に保存

1.2.0 から、図は Markdown のファイルに保存される。先頭に excalidraw-plugin: parsed、本文に「## Text Elements」「## Drawing」。

2ノートに埋め込む

![[図の名前|100]] の形で、ノートに大きさを指定して表示できる。

3PNG・SVG を自動で書き出す

保存のたびに PNG・SVG の写しを作り、同期を保つ設定がある。

4ほかの道具との互換

Obsidian の外(VS Code・Web)で編集する人向けに、.excalidraw の形式で扱う互換の設定がある。

図の中の文字が「## Text Elements」に平文で書かれるので、Obsidian の検索で図の中の言葉も見つかります。Obsidian の保管庫の作り方は、関連記事「Obsidianとは・使い方|保管庫の中身・同期・料金とNotionとの違い」で扱っています。

そのほかの連携

公式の料金ページは、無料版にも「Notion、Obsidian などとの連携」が含まれると書いています。Notion では、共有リンク(#json=…)を埋め込みブロックで表示する使い方がよく紹介されています。

Excalidraw+の料金と無料版の違い

この節では、有料版の Excalidraw+ で何が増えるのかと、料金が分かります。値は2026年10月23日時点の公式の料金ページのものです。

項目 Free(無料) Plus
料金 無料 1ユーザー月6ドル(年払い)。月払いは7ドル
お試し ― 14日間の無料トライアル
キャンバス 1つ(ブラウザ) 無制限・フォルダ・クラウド保存
共同編集 人数の制限なし +権限(閲覧・編集)・読み取り専用リンク・埋め込み
生成 AI 1日10回 1日100回、または自分の API キー
書き出し PNG・SVG・ファイル +フレームを PDF・PPTX に
そのほか ライブラリ・ブラウザ内の暗号化 発表・コメント・音声と画面共有・チーム管理

料金ページはこのほか、Plus の機能として MCP と REST API(パブリックベータ)、SOC 2 Type 2 への準拠、保存時と転送時の暗号化、画像のアップロードが最大4K(無料版は圧縮)、個人のライブラリをサーバーに保存(無料版はブラウザ)を挙げています。月払いの7ドルは、料金ページの説明文に書かれている値です。

1人で描いてファイルで保存・共有する使い方は無料版の機能に含まれ、チームで図を溜めて権限を分けたいときに Excalidraw+ の機能が効いてきます。

Excalidrawを自分のReactアプリに埋め込む(@excalidraw/excalidraw)

この節では、npm のパッケージで自分のアプリに Excalidraw のエディタを置く手順が、Vite でビルドしてブラウザで動かした実物で分かります。

入れる

npm create vite@latest app -- --template react-ts
cd app
npm install
npm install @excalidraw/excalidraw

0.18.1 の peer dependency は react と react-dom の ^17.0.2 || ^18.2.0 || ^19.0.0 で、React 19.3.1 で動きました。Vite のプロジェクトの作り方は、関連記事「React環境構築をViteで行う手順|create viteの使い方」で扱っています。

画面のコード

// src/App.tsx
import { useState } from 'react'
import { Excalidraw, convertToExcalidrawElements } from '@excalidraw/excalidraw'
import type { ExcalidrawImperativeAPI } from '@excalidraw/excalidraw/types'
import '@excalidraw/excalidraw/index.css'

// 骨組み(skeleton)で書いて、本物の図形に変換する
const initialElements = convertToExcalidrawElements([
  { type: 'rectangle', id: 'browser', x: 100, y: 100, width: 180, height: 80, label: { text: 'ブラウザ' } },
  { type: 'rectangle', id: 'api', x: 480, y: 100, width: 180, height: 80, label: { text: 'API サーバー' } },
  {
    type: 'arrow', x: 285, y: 140, width: 190, height: 0,
    label: { text: 'HTTPS' },
    start: { id: 'browser' },
    end: { id: 'api' },
  },
])

export default function App() {
  const [api, setApi] = useState<ExcalidrawImperativeAPI | null>(null)
  return (
    // 親の要素に高さが無いと、何も表示されない
    <main style={{ height: '100vh', width: '100vw' }}>
      <Excalidraw
        excalidrawAPI={(a) => setApi(a)}
        initialData={{ elements: initialElements, appState: { viewBackgroundColor: '#ffffff' } }}
        langCode="ja-JP"
      />
    </main>
  )
}

convertToExcalidrawElements に label を付けた四角を渡すと、四角と文字の2つの図形になり、start・end に id を書いた矢印は両端が四角に吸い付きました。できた6つの図形は rectangle・rectangle・arrow・text・text・text で、id は browser ではなく IYFkfypw1DWkPpcY0eeNp のような新しい値に置き換わっていました(矢印のつながりは新しい id でつながっています)。

フォントを自分のサーバーから配る

公式のインストールのページは、既定ではフォントを CDN から取りに行き、自分で配るときは node_modules/@excalidraw/excalidraw/dist/prod/fonts の中身を公開フォルダに置き、window.EXCALIDRAW_ASSET_PATH にそのパスを書く、と説明しています。

cp -r node_modules/@excalidraw/excalidraw/dist/prod/fonts public/
<!-- index.html の head の先頭 -->
<script>window.EXCALIDRAW_ASSET_PATH = "/";</script>

0.18.1 のコードでは、CDN の既定値は https://esm.sh/@excalidraw/excalidraw@0.18.1/dist/prod/ でした。フォントのフォルダは9書体・234ファイル・13MB です。この設定で開くと、ページを表示するまでに外部のサーバーへの通信は0件でした。 社内のネットワークだけで使うアプリでは、この設定が要ります。

ビルドと表示の結果

> app@0.0.0 build
> tsc -b && vite build

vite v8.3.5 building client environment for production...
✓ 2342 modules transformed.
dist/assets/index-DtRVLazd.css                          142.02 kB │ gzip:  22.37 kB
dist/assets/index-DvYByZkx.js                         1,535.08 kB │ gzip: 482.97 kB
dist/assets/chunk-EIO257PC-TyD7alKv.js                1,820.99 kB │ gzip: 744.20 kB

(!) Some chunks are larger than 500 kB after minification. Consider:
- Using dynamic import() to code-split the application
✓ built in 5.07s

(言語ごとのファイルや Mermaid の図の種類ごとのファイルなど、約160行は省きました。)

483kB入口の JS(gzip 後)このほか遅れて読む大きなチャンクが744kB
143個書き出された JS のファイル言語・Mermaid の図ごとに分かれる
1.25秒開いてから API が使えるまでvite preview・手元の計測

開いてから描けるようになるまでに、ブラウザが読み込んだのは JS 22個・CSS 1個・フォント(woff2)5個でした。エディタは大きいので、図を描くページだけで読み込むように React.lazy と import() で分けると、ほかのページが重くなりません。 Vite の警告文の1つ目の案と同じです。

よく使う props と API

名前 使い方
initialData 最初に表示する図(elements・appState・files)
excalidrawAPI 操作用の API を受け取る(getSceneElements・updateScene・scrollToContent など)
onChange 変更のたびに図形・状態・ファイルを受け取る(保存に使う)
langCode 画面の言語。日本語は "ja-JP"(既定は en)
theme "light"・"dark"
viewModeEnabled 閲覧だけにする
UIOptions メニューの項目などを変える
exportToSvg・exportToBlob 画面を出さずに SVG・PNG を作る
serializeAsJSON・loadFromBlob .excalidraw を書く・読む

PNG を2倍の大きさで書き出すときは、exportToBlob に getDimensions: (w, h) => ({ width: w * 2, height: h * 2, scale: 2 }) を渡します。手元では 371×442px が 743×885px になりました。exportPadding: 40 では周りの余白が増え、431×502px になりました。

Next.js で使うとき

公式の統合のページによると、Excalidraw はサーバーでの描画(SSR)に対応していないので、next/dynamic で ssr: false にして読み込みます。App Router では、先頭に "use client" を書いたラッパーのコンポーネントを作り、それを dynamic で読み込む形です。

// app/excalidraw-wrapper.tsx
'use client'
import { Excalidraw } from '@excalidraw/excalidraw'
import '@excalidraw/excalidraw/index.css'

export default function ExcalidrawWrapper() {
  return <main style={{ height: '500px' }}><Excalidraw /></main>
}
// app/page.tsx
import dynamic from 'next/dynamic'
const ExcalidrawWrapper = dynamic(() => import('./excalidraw-wrapper'), { ssr: false })

(App Router では ssr: false の dynamic はクライアントコンポーネントの中で使う決まりなので、page.tsx 側も 'use client' にするか、もう1段のクライアントコンポーネントから呼びます。)公式のサンプルは GitHub のリポジトリの examples/with-nextjs にあります。

excalidraw.com そのものを自分のサーバーに置く

リポジトリの Dockerfile は、Node.js 24 でアプリをビルドし、できた静的ファイルを nginx で配る2段の構成です。docker-compose.yml はポート 3000:80 で起動します。ただし、excalidraw.com の共同編集はソケットのサーバー(本番の設定では VITE_APP_WS_SERVER_URL=https://oss-collab.excalidraw.com)、共有リンクは JSON を預かるサーバー(json.excalidraw.com)につながっていて、自分のサーバーだけで閉じるには、これらの設定を自分の環境に向け直す作業が要ります。

Excalidrawとdraw.io・Mermaidの違い

この節では、図を描く道具を選ぶときに比べられることが多い2つとの違いを、各公式の情報で比べられます。

比べる点 Excalidraw draw.io Mermaid
描き方 手で置く(手書き風) 手で置く(整った図) テキストで書く
ライセンス MIT Apache 2.0 MIT
保存の形 .excalidraw(JSON) .drawio(XML) テキスト
同時編集 excalidraw.com で可 このリポジトリの版は非対応 Git などで管理
相互の変換 Mermaid から取り込める ― Excalidraw へ変換できる

draw.io の「同時編集」は、GitHub の jgraph/drawio の README の「draw.io does not support real-time collaborative editing in this version」に基づきます。

状況 選びやすいもの
打ち合わせ中にラフな構成図をすぐ描きたい Excalidraw
正式な設計書に、記号の決まった図を残したい draw.io
図を Markdown と一緒に Git で差分管理したい Mermaid
Mermaid で骨組みを作り、手で直して説明用にしたい Mermaid → Excalidraw
AI に考えを広げさせて、マインドマップにしたい マインドマップの道具

設計書に使う図の種類は、関連記事「UML図の種類一覧:全14種類の使い分けと工程別早見表・PlantUML例」で扱っています。AI でマインドマップを作る道具は、関連記事「Mapifyとは|AIマインドマップの使い方・料金・無料枠と書き出しを解説」で扱っています。

Excalidrawのよくあるつまずきと直し方

この節では、症状から原因と直し方を引けます。エラー文は手元で出た実物です。

症状・エラー文 原因 直し方
昨日描いた図が消えた ブラウザのデータを消した・別のブラウザで開いた 自動保存はブラウザの中だけ。.excalidraw に保存しておく
Image doesn't contain scene シーンを埋め込まずに書き出した画像を開いた 書き出しで「Embed scene」をオンにする
クラス図・ER 図が画像1枚になる Mermaid の版と変換ライブラリが合わない 手元では mermaid@11.12.1 に固定すると図形になった
Parse error on line 3 Mermaid の構文の誤り 行番号の位置のコードを直す
埋め込んだエディタが真っ白 親の要素の高さが0 親に高さ(height: 100vh など)を付ける
フォントが CDN から読まれる EXCALIDRAW_ASSET_PATH が無い fonts をコピーし、パスを設定する
Failed to use workers for subsetting, falling back to the main thread. 書き出し時のフォントの切り出しをワーカーで動かせなかった 書き出しは続けて成功する。メインのスレッドで処理される
Some chunks are larger than 500 kB エディタのコードが大きい Vite の警告。描くページだけ import() で分ける
Next.js のページでエディタが動かない Excalidraw はサーバーでの描画に非対応(公式) dynamic(…, { ssr: false }) で読み込む
共同編集で「invalidEncryptionKey」の警告 URL の鍵が22文字でない(途中で切れた) リンクを最後までコピーし直す
共有リンクを作れない(シーンが大きすぎる) 画像を含む図が大きい 画像を減らすか、.excalidraw で渡す

Failed to use workers for subsetting は、Vite でビルドしたアプリで SVG・PNG を書き出したときにコンソールに出ました。書き出した SVG には、使った文字のフォントが埋め込まれていました。

よくある質問

Q. Excalidrawとは何ですか? A. ブラウザで手書き風の図を描ける、無料・オープンソース(MIT)のホワイトボードです。excalidraw.com を開けば登録なしで使え、共同編集や PNG・SVG への書き出しができます。

Q. Excalidrawは無料ですか?商用で使えますか? A. excalidraw.com と npm のパッケージは無料で、ソースコードは MIT ライセンスなので自社のアプリに組み込めます。クラウド保存や権限の管理が要るときは有料の Excalidraw+(1ユーザー月6ドル、年払い。2026年10月23日時点)があります。

Q. Excalidrawは日本語で使えますか? A. 使えます。メニューの言語の一覧で日本語を選ぶと画面が日本語になり、日本語の文字も Xiaolai という手書き風の書体で表示されます。

Q. Excalidrawで描いた図はどこに保存されますか? A. excalidraw.com では、ブラウザの localStorage に自動で保存されます。ブラウザのデータを消すと図も消えるので、「名前を付けて保存...」で .excalidraw のファイルに残しておくと安心です。

Q. 背景を透明にしてPNGで保存するには? A. 「画像のエクスポート...」(Ctrl+Shift+E)で「背景」をオフにして PNG を押します。資料に貼るならスケールを 2× か 3× にすると文字がつぶれにくくなります。

Q. 書き出したPNGをあとで編集し直せますか? A. 書き出すときに「Embed scene(シーンを埋め込む)」をオンにしておけば、Excalidraw でその PNG・SVG を開くと元の図に戻ります。手元では6つの図形がすべて戻りました。

Q. Excalidrawのショートカットを一覧で見るには? A. エディタで ? キーを押すとヘルプ画面に全部が出ます。主なものはこの記事のショートカット早見表にまとめました。Mac では Ctrl を Cmd、Alt を Option に読み替えます。

Q. Excalidrawで共同編集するには? A. 画面右上の「共有」から共同編集を始め、出てきた #room=… のリンクを相手に送ります。図は暗号化され、鍵はリンクの # の後ろにあるのでサーバーには送られません。

Q. AWSのアイコンを使うには? A. 右上の「ライブラリ」から libraries.excalidraw.com を開き、AWS Architecture Icons などの「Add to Excalidraw」で取り込みます。2026年9月の一覧では、名前か説明に「aws」を含むライブラリが7件ありました。

Q. VS CodeでExcalidrawを使えますか? A. 拡張機能 pomdtr.excalidraw-editor を入れ、.excalidraw か .excalidraw.svg・.excalidraw.png のファイルを作って開くと、VS Code の中で描けます。

Q. MermaidのコードをExcalidrawの図にできますか? A. できます。「その他のツール」の「Mermaid to Excalidraw」にコードを貼ります。フローチャートとシーケンス図は図形になり、クラス図などは手元では Mermaid の版によって画像になりました(Mermaid の節)。

Q. オフラインで使えますか? A. excalidraw.com は PWA に対応していて、インストールするとオフラインでも開けます。共同編集と共有リンクはネットにつながっているときだけ使えます。

まとめ

  • Excalidraw は手書き風の図を描ける無料・MIT のホワイトボード。excalidraw.com なら登録なしで描け、日本語の文字も手書き風(Xiaolai)で出る。
  • 道具は R(四角)・D(ひし形)・O(楕円)・A(矢印)・T(文字)、Q で固定、? でショートカット一覧。Mac は Ctrl を Cmd に。
  • 自動保存はブラウザの中だけ。.excalidraw か「シーンを埋め込んだ」PNG・SVG で残すと、開き直して編集できる。埋め込みで PNG は約1.8KB 増えた。
  • .excalidraw は6つのキーの JSON。図形1つを動かすと、吸い付いた矢印と文字、version も変わる。
  • 共同編集と共有リンクは、ブラウザで暗号化し、22文字の鍵を URL の # の後ろに入れる。リンクそのものが合言葉。
  • Mermaid からの変換は、フローチャート・シーケンス図は図形に。クラス図・ER 図・状態遷移図は Mermaid 11.17.2 では画像、11.12.1 では図形になった。
  • React には @excalidraw/excalidraw 0.18.1 で埋め込める。親に高さを付け、フォントを自分で配ると外部への通信が0件になった。
  • Excalidraw+ は1ユーザー月6ドル(年払い)で、クラウド保存・権限・発表・PDF 書き出しなどが付く(2026年10月23日時点)。

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月23日です。

  • Excalidraw:https://excalidraw.com/
  • GitHub「excalidraw/excalidraw」:https://github.com/excalidraw/excalidraw
  • Excalidraw Developer Docs「Installation」:https://docs.excalidraw.com/docs/@excalidraw/excalidraw/installation
  • Excalidraw Developer Docs「Integration」:https://docs.excalidraw.com/docs/@excalidraw/excalidraw/integration
  • Excalidraw Developer Docs「Props」:https://docs.excalidraw.com/docs/@excalidraw/excalidraw/api/props
  • Excalidraw Developer Docs「JSON Schema」:https://docs.excalidraw.com/docs/codebase/json-schema
  • Excalidraw Developer Docs「mermaid-to-excalidraw API」:https://docs.excalidraw.com/docs/@excalidraw/mermaid-to-excalidraw/api
  • Excalidraw+「Pricing」:https://plus.excalidraw.com/pricing
  • Excalidraw+:https://plus.excalidraw.com/
  • Excalidraw Blog「End-to-End Encryption in the Browser」:https://plus.excalidraw.com/blog/end-to-end-encryption
  • Excalidraw Libraries:https://libraries.excalidraw.com/
  • GitHub「excalidraw/excalidraw-libraries」:https://github.com/excalidraw/excalidraw-libraries
  • npm「@excalidraw/excalidraw」:https://www.npmjs.com/package/@excalidraw/excalidraw
  • npm「@excalidraw/mermaid-to-excalidraw」:https://www.npmjs.com/package/@excalidraw/mermaid-to-excalidraw
  • Visual Studio Marketplace「Excalidraw」:https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=pomdtr.excalidraw-editor
  • GitHub「zsviczian/obsidian-excalidraw-plugin」:https://github.com/zsviczian/obsidian-excalidraw-plugin
  • GitHub「jgraph/drawio」:https://github.com/jgraph/drawio

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「Excalidrawとは・使い方|ショートカット・書き出し・料金を実例で解説」

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