- 技術 💻
Google Colabとは|使い方・GPU・料金・制限とエラーの直し方
結論
Google Colabは、ブラウザだけでPythonを書いて動かせる、Googleの無料のノートブックです。GPU・TPUも無料で試せます。
この記事でわかること
- やりたいこと別9行の早見表と使い方の手順
- .ipynbの中身とマジックコマンド6種の出力
- エラー原文16件の原因と直し方
ブラウザで開いたノートブックのコードは、Google の仮想マシン(ランタイム)で動きます。ノートブックのファイル(.ipynb)は Google ドライブに保存されます。
flowchart TD
A[ブラウザで<br>ノートブックを開く] --> B[Google ドライブに<br>.ipynb を保存]
A --> C[ランタイム<br>Google の仮想マシン]
C --> D[CPU・GPU・TPU で<br>Python を実行]
D --> E[結果がセルの下に出る]
C -.->|drive.mount| B
よく使う操作とコードを、検索の多い順にまとめます。
| やりたいこと | 操作・コード | 補足 |
|---|---|---|
| ノートブックを作る | colab.research.google.com を開き、新しいノートブックを作る | Google アカウントが要る |
| セルを実行する | Shift+Enter |
実行して次のセルへ進む |
| GPU を使う | ランタイム → ランタイムのタイプを変更 | 種類は時期で変わる |
| ライブラリを足す | !pip install 名前(%pip も可) |
ランタイムを消すと消える |
| ドライブを使う | drive.mount('/content/drive') |
/content/drive/MyDrive に出る |
| ファイルを上げる | files.upload() か左のファイル欄 |
ランタイムが消えると消える |
| グラフの日本語 | !pip install matplotlib-fontja → import |
japanize-matplotlib は 3.12 以降で失敗 |
| CSV の文字化け | pd.read_csv(…, encoding='cp932') |
Shift_JIS のファイルのとき |
| 何時間使える | 無料は最大12時間 | 操作が無いと先に切れる |
確認環境:Colab の実行環境の中身(OS・Python・入っているパッケージ)は、Google が公開している GitHub の googlecolab/backend-info(2026年10月22日のコミット)で確かめました。drive.mount・files.upload・userdata.get の動きと表示される文言は、Colab の Python ライブラリ googlecolab/colabtools(同日のコミット)のソースで確かめました。ノートブックの形(.ipynb の JSON)・マジックコマンド・シェルコマンド・日本語の文字化け・CSV の読み込み・.py への変換は、Python 3.13.13・IPython 9.17.1・ipykernel 7.4.0・nbclient 0.11.0・nbconvert 7.17.2・matplotlib 3.11.2・pandas 3.0.6 のノートブックを実際に実行して確かめ、ローカルランタイムは notebook 7.6.3(Jupyter Server 2.21.1)を Colab の公式手順のオプションで起動して確かめました。制限・料金・GPU・画面の操作は research.google.com の Colab FAQ、Google Developers Blog、developers.google.com/colab で確かめました(確認日 2026年10月22日)。
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「Google Colabとは|使い方・GPU・料金・制限とエラーの直し方」
Google Colabとは(読み方・できること・無料か)
この節では、Colab が何で、何に使えて、お金がかかるのかが分かります。
Google Colab(グーグル コラボ)は、Google が提供する、インストール不要のノートブックのサービスです。 正式名は Google Colaboratory(コラボラトリー)で、略して Colab と呼ばれます。公式の FAQ は「Colab is a hosted Jupyter Notebook service that requires no setup to use」と説明しています。Jupyter(ジュピター)というオープンソースのノートブックを、Google のサーバーの上で動かすサービスです。
1インストールが要らない
ブラウザと Google アカウントだけで、Python を書いてすぐ動かせる。
2ライブラリが最初から入っている
NumPy・pandas・matplotlib・scikit-learn・PyTorch・TensorFlow など、647個の pip パッケージが入った状態で始まる。
3GPU・TPU を無料で試せる
FAQ は GPU・TPU を含む計算資源に無料でアクセスできると説明している。種類と時間は保証されない。
4ドキュメントのように共有できる
ノートブックは Google ドライブに保存され、Google ドキュメントと同じように共有できる。
Colabでできること・使われる場面
| 使う場面 | 例 |
|---|---|
| Python の学習 | 環境構築の前に、文法やライブラリを試す |
| データ分析・グラフ | CSV を pandas で集計し、matplotlib で描く |
| 機械学習・ディープラーニング | GPU を使ってモデルを学習させる、論文のコードを動かす |
| 生成 AI の試用 | Gemini でコードを書かせる、google.colab.ai で LLM を呼ぶ |
| 教材・手順の共有 | 説明文(Markdown)とコードと結果を1つのファイルで配る |
Colabは無料か
Colab は無料で使えます。 FAQ には「Yes. Colab is free of charge to use.」とあります。ただし、続けて「Colab resources are not guaranteed and not unlimited, and usage limits sometimes fluctuate.」とあり、無料で使える GPU の種類・時間・メモリは保証されず、時期や使い方で変わります。もっと使いたい人向けに、Pay As You Go・Colab Pro・Colab Pro+ などの有料プランがあります(後の「料金」の節)。
Gemini(AI)の機能
developers.google.com/colab によると、Colab には Gemini が組み込まれていて、文章で頼むとコードを書く・説明する・直す機能や、質問すると Gemini がコードを書いて実行して答える分析の機能があります。コードから LLM を呼ぶ google.colab.ai も用意されています(colabtools の公式ノートブック「Getting started with google colab ai」より。公開プレビュー)。
from google.colab import ai
ai.list_models() # 使えるモデルの一覧
response = ai.generate_text("What is the capital of France?")
print(response)
公式ノートブックには「All users have free access to most popular LLMs, while paid users have access to a wider selection of models.」とあり、無料のユーザーも主なモデルを使えます。
Colabの実行環境の中身(OS・Python・ライブラリ)
この節では、Colab のランタイムに何が入っているかを、Google が公開している一覧で確かめます。
Google は、Colab のランタイムに入っている OS・Python・パッケージの一覧を GitHub の googlecolab/backend-info で公開しています。2026年10月22日のコミットの中身です。
主なライブラリの版です(pip-freeze.txt・pip-freeze.gpu.txt より)。
| ライブラリ | 版 | 補足 |
|---|---|---|
| numpy | 2.1.3 | |
| pandas | 2.2.3 | |
| matplotlib | 3.10.0 | 日本語のフォントは入っていない(後述) |
| scikit-learn | 1.6.1 | |
| torch(PyTorch) | 2.11.0 | GPU 用は 2.11.0+cu130(CUDA 13.0) |
| tensorflow | 2.21.0 | TPU のランタイムには入っていない |
| jax | 0.11.1 | |
| transformers | 5.20.2 | |
| google-genai | 2.12.1 | Gemini API の SDK |
| kaggle・kagglehub | 2.0.2・1.0.2 | Kaggle のデータを取る |
| ipykernel・ipython | 6.17.1・7.34.0 | ノートブックのカーネル |
README には「these files do not necessarily reflect the current state of the production environment」とあり、本番に反映されるまで1〜2日ずれることがあります。手元のノートブックで確かめるときは、!python --version や !pip list を実行します。
以前の版のランタイムに固定する
ライブラリの版が変わってコードが動かなくなったときは、以前のランタイムの版に固定できます。Colab のランタイムの版の FAQ によると、「Runtime → Change runtime type」のダイアログの「Runtime Version」で選び、以前の版はリリースから1年使えます。
| ランタイムの版 | OS | Python | PyTorch | TensorFlow |
|---|---|---|---|---|
| 最新(2026年10月22日のコミット) | Ubuntu 24.04.5 | 3.13.16 | 2.11.0 | 2.21.0 |
| 2026.07 | Ubuntu 22.04.5 | 3.12.13 | 2.11.0 | 2.20.0 |
| 2026.04 | Ubuntu 22.04.5 | 3.12.13 | 2.10.0 | 2.19.0 |
| 2026.01 | Ubuntu 22.04.5 | 3.12.12 | 2.9.0 | 2.19.0 |
| 2025.10 | Ubuntu 22.04.4 | 3.12.12 | 2.8.0 | 2.19.0 |
Google Colabの始め方(ノートブックを作る)
この節では、アカウントの準備から最初のコードを動かすまでを順に追えます。
Google アカウントでログインする
Gmail などの Google アカウントを使います。インストールは要りません。
colab.research.google.com を開く
最初の画面で、新しいノートブックを作ります。
コードセルに書いて実行する
print('Hello, Colab') と書き、Shift+Enter で実行します。最初の実行でランタイムに接続されます。
名前を付ける
左上のファイル名を押して、分かる名前に変えます。
必要なら GPU に切り替える
「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」で GPU を選びます(後の GPU の節)。
FAQ によると、ノートブックは Google ドライブに保存されるか、GitHub から読み込めます。保存の仕組みは後の「保存・共有・ダウンロード」の節で扱います。
ノートブックの基本(セル・実行・ショートカット)
この節では、コードセルとテキストセルの違い、実行の順番、よく使うキー操作が分かります。
ノートブックは「セル」を縦に並べたものです。セルには2種類あります。
コードセル
Python のコードを書いて実行する
最後の行の値が、セルの下に Out として出る
先頭に ! を付けるとシェルのコマンドになる
テキストセル
Markdown で説明文・見出し・表・数式を書く
実行すると整形されて表示される
手順の説明やメモに使う
実行の順番と変数(In の番号)
コードセルを実行すると、左に [1] [2] のような番号が付きます。番号は「実行した順番」で、上から何番目のセルかではありません。 変数はランタイムのメモリに残るので、別のセルから使えます。手元の Jupyter で次の2つのセルを実行した結果です。
# In [1]
print('Hello, Colab')
import sys
sys.version
Hello, Colab
'3.13.13 (main, Apr 8 2026, 09:49:30) [GCC 13.3.0]'
# In [2]
x = 10
x * 2
20
print の出力と、最後の行の値(sys.version・x * 2)の両方が表示されます。最後の行の値は、ファイルの中では execute_result という種類で保存されます(次の節)。
定義する前の変数を使うと NameError になります。 ランタイムを再起動した後や、上のセルを実行し忘れたときによく起きます。実際の出力です。
NameError Traceback (most recent call last)
Cell In[13], line 1
----> 1 print(y)
NameError: name 'y' is not defined
直し方は、変数を作るセルを先に実行することです。全部を上から実行し直すときは「ランタイム」→「すべてのセルを実行」を使います。
よく使うキー操作
| 操作 | キー |
|---|---|
| 実行して次のセルへ | Shift+Enter |
| 実行してそのセルにとどまる | Ctrl+Enter |
| 実行して下に新しいセルを足す | Alt+Enter |
| コード補完 | 入力中に候補が出る |
| ショートカットの一覧と変更 | 「ツール」→「キーボード ショートカット」 |
JupyterLab のショートカットの一覧は、関連記事「JupyterLabの使い方|ショートカット・マジックコマンド一覧」で扱っています。
.ipynbファイルの中身(ノートブックの形を実物で)
この節では、ノートブックのファイルが何でできているかを、実際のファイルを開いて確かめます。
.ipynb は、セルと出力を並べた JSON のテキストファイルです。 IPython Notebook の略で、Colab も Jupyter も同じ形式(nbformat 4)を使います。前の節のセル x = 10 / x * 2 を実行した後のファイルの中身です。
{
"cell_type": "code",
"execution_count": 2,
"id": "8eca5e41",
"metadata": {},
"outputs": [
{
"data": {
"text/plain": [
"20"
]
},
"execution_count": 2,
"metadata": {},
"output_type": "execute_result"
}
],
"source": [
"x = 10\n",
"x * 2"
]
}
(metadata の中の実行時刻は省いています。)
| キー | 中身 |
|---|---|
cell_type |
code(コードセル)か markdown(テキストセル) |
source |
セルに書いたコード・文章。1行ずつの文字列の配列 |
execution_count |
実行した順番。In [2] の 2 |
outputs |
出力の配列。stream(print)・execute_result(最後の値)・display_data(グラフなど)・error |
metadata |
セルの設定(折りたたみ・実行時刻など) |
Colabが書き込むメタデータ
Colab で保存したノートブックには、ファイル全体の metadata に colab の項目が付きます。googlecolab/colabtools にある公式のノートブックの中身です。
{
"colab": {"provenance": [], "gpuType": "T4"},
"kernelspec": {"name": "python3", "display_name": "Python 3"},
"language_info": {"name": "python"},
"accelerator": "GPU"
}
GPU を選んで保存したノートブックには、"accelerator": "GPU" と "gpuType": "T4" が入ります。 人から受け取ったノートブックを開くと、この設定のランタイムで接続されます。TPU のノートブックでは "accelerator": "TPU"・"gpuType": "V5E1"、ハイメモリでは "machine_shape": "hm" が入っていました。
出力の画像もファイルに入る
グラフを2枚描いたノートブックは、セルが9個でも 91,850 バイトになりました。グラフは display_data の image/png として Base64 の文字列(1枚あたり約3.5万文字)で埋め込まれるためです。共有するノートブックが重いときや、出力にデータが写っているときは、出力を消してから保存します。 ローカルランタイムの公式ページには、出力を保存しない設定「Edit > Notebook settings > Omit code cell output when saving this notebook」が紹介されています。
マジックコマンドとシェルコマンド(%time・!pip・%%writefile)
この節では、Python 以外の命令(% と !)の意味と、実際の出力が分かります。
コードセルの先頭に % を付けると IPython のマジックコマンド、! を付けるとシェル(bash)のコマンドになります。手元の Jupyter(IPython 9.17.1)で実行した出力です。Colab の IPython は 7.34.0 で、ここで使う命令はどれも IPython の組み込みのマジックです。
| 書き方 | 種類 | 何をするか |
|---|---|---|
%time 文 |
ラインマジック | 1行の実行時間を測る |
%%time |
セルマジック(セルの1行目) | セル全体の実行時間を測る |
%%writefile 名前 |
セルマジック | セルの中身をファイルに書く |
%pip install 名前 |
ラインマジック | 今のカーネルの Python に pip で入れる |
%pwd・%cd |
ラインマジック | 今のフォルダを表示・移動 |
!コマンド |
シェル | ls・nvidia-smi・python などを動かす |
%timeと%%timeの出力
%time total = sum(range(10_000_000))
CPU times: user 185 ms, sys: 7.71 ms, total: 193 ms
Wall time: 198 ms
%%time
import time
time.sleep(0.5)
print('done')
done
CPU times: user 657 μs, sys: 59 μs, total: 716 μs
Wall time: 500 ms
Wall time は実際にかかった時間、CPU times は CPU が計算に使った時間です。 sleep で待っている間は CPU を使わないので、Wall time(500 ms)だけが長くなっています。GPU の処理やファイルの読み書きを待つ時間も、Wall time に表れます。
%%writefileでファイルを作り、!pythonで動かす
%%writefile hello.py
print('hello from file')
Writing hello.py
!python hello.py
!ls -la
hello from file
total 16
drwxr-xr-x 2 root root 4096 Oct 22 18:49 .
drwxr-xr-x 4 root root 4096 Oct 22 18:48 ..
-rw-r--r-- 1 root root 2786 Oct 22 18:48 first.ipynb
-rw-r--r-- 1 root root 25 Oct 22 18:49 hello.py
argparse を使うスクリプトや、別のファイルから import するモジュールは、この形でファイルにしてから動かします。Colab の作業フォルダは /content で、ここに作ったファイルは左の「ファイル」の欄に出ます。
pip installでライブラリを追加する
この節では、入っていないライブラリの足し方と、足したあとに起きることが分かります。
!pip install tabulate # シェルの pip で入れる
%pip install -q tabulate # 今のカーネルの Python に入れる(-q は表示を減らす)
手元の Jupyter で %pip install -q tabulate を実行すると、次の1行が出てから使えるようになりました。
Note: you may need to restart the kernel to use updated packages.
from tabulate import tabulate
print(tabulate([['T4', 'GPU'], ['v5e1', 'TPU']], headers=['name', 'type']))
name type
------ ------
T4 GPU
v5e1 TPU
入れたライブラリは、ランタイムが消えると一緒に消えます。 ノートブックを開き直したら、!pip install のセルからもう一度実行します。FAQ も、共有したノートブックではライブラリを入れるセルを含めるよう勧めています(VM は共有されないため)。
すでにimportしたライブラリを入れ直したとき
すでに import したライブラリの別の版を入れると、前に読み込んだ版がメモリに残ったままになります。colabtools のソース(_pip.py)では、pip の出力の「Successfully installed …」から、すでに import 済みのパッケージを探し、Colab の画面に警告と再起動のボタンを出す仕組みになっています。警告が出たら「セッションを再起動」してから import し直します。 pip の詳しい使い方は、関連記事「pipコマンド一覧|installのバージョン指定とrequirements.txt」で扱っています。
apt-getでLinuxのパッケージを入れる
Colab のランタイムは Ubuntu なので、!apt-get でも入れられます。
!apt-get -y install fonts-noto-cjk
GPU・TPUの使い方(ランタイムのタイプを変更)
この節では、GPU に切り替える手順、GPU が使えているかの確かめ方、選べる種類が分かります。
ランタイムのタイプを変更を開く
メニューの「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」(Runtime → Change runtime type)を選びます。
GPU か TPU を選んで保存
無料で選べるのは主に T4 の GPU です。L4・A100・H100 などは有料のプランで、空きがあるときに選べます。
GPU が見えるか確かめる
!nvidia-smi を実行し、GPU の名前とメモリが表示されれば使えます。
GPU の無いランタイムで !nvidia-smi を実行すると、次のように出ます(手元の bash で実行した出力。Colab のシェルも bash です)。
/bin/bash: line 1: nvidia-smi: command not found
この表示は「GPU を選んでいない」という意味です。 ランタイムのタイプを GPU に変えてから、もう一度実行します。PyTorch・TensorFlow では次のように確かめます。
import torch
print(torch.cuda.is_available()) # True なら GPU が使える
print(torch.cuda.get_device_name(0)) # GPU の名前
import tensorflow as tf
print(tf.config.list_physical_devices('GPU'))
選べるGPU・TPUの種類
FAQ には「The types of GPUs and TPUs that are available in Colab vary over time.」とあり、種類は固定ではありません。Google が2026年6月に公開した Colab CLI の README では、指定できる名前が次のように書かれています。
| 種類 | 指定できる名前(Colab CLI の README) | 補足 |
|---|---|---|
| GPU | T4・L4・G4・A100・H100 | 公式ノートブックのメタデータでは無料は T4 が多い |
| TPU | v5e1・v6e1 | TPU のランタイムに TensorFlow は入っていない |
FAQ は、GPU のランタイムで動かしても、コードが GPU を使うとは限らないと注意しています(「Executing code in a GPU or TPU runtime does not automatically mean that the GPU or TPU is being utilized」)。GPU を使わない作業のときは、ハードウェア アクセラレータを「なし」に戻すと、GPU の使える時間を無駄にしません。
GPUにつながらないとき
GPU の使用量の上限に達すると、GPU のランタイムにつながらず、CPU のランタイムだけが使える状態になります。FAQ によると上限は公開されておらず、時期によって変わります。
| 状況 | 次の手 |
|---|---|
| 無料で GPU を使い続けた | 時間をおいてからつなぎ直す。その間は CPU で書く |
| 長い学習を毎日動かしたい | 有料のプラン(コンピューティング ユニット)を使う |
| 決まった GPU を確実に使いたい | Colab Enterprise か GCP Marketplace のランタイム(FAQ が案内している) |
| 手元に GPU のある PC がある | ローカルランタイムにつなぐ(後述) |
GPU で学習させるモデルの仕組みは、関連記事「ニューラルネットワークとは|仕組み・学習・AttentionをNumPyで実演」で扱っています。
Googleドライブのマウントとファイルのアップロード
この節では、自分のデータを Colab で読む3つの方法と、それぞれの注意点が分かります。
| 方法 | 書き方 | ランタイムが消えたとき |
|---|---|---|
| ドライブをマウント | drive.mount('/content/drive') |
ドライブ側のファイルは残る |
| アップロード | files.upload() か、左のファイル欄にドラッグ |
消える |
| URL から取る | !wget URL・!git clone URL |
消える |
ドライブをマウントする
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
実行すると Google アカウントへのアクセスの許可を求められ、許可すると次の1行が出ます(colabtools の drive.py が出す文言)。
Mounted at /content/drive
マイドライブのファイルは /content/drive/MyDrive/ の下に見えます。
import pandas as pd
df = pd.read_csv('/content/drive/MyDrive/data/sample.csv')
colabtools のソースで確かめた drive.mount の引数と関連する関数です。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
drive.mount('/content/drive') |
マウントする。既定の待ち時間は 120,000 ミリ秒(timeout_ms) |
drive.mount('/content/drive', force_remount=True) |
すでにマウント済みでもマウントし直す |
drive.mount('/content/drive', readonly=True) |
読み取り専用でマウントする |
drive.flush_and_unmount() |
書き込みを反映してからマウントを外す |
ドライブに書いたファイルが反映されないときは、drive.flush_and_unmount() を呼んでから終えます。 マウントしていないときに呼ぶと「Drive not mounted, so nothing to flush and unmount.」と出ます。
マウントのエラー(原文)
| エラー・表示(原文) | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
Drive already mounted at /content/drive; to attempt to forcibly remount, call drive.mount("/content/drive", force_remount=True). |
すでにマウントしている | そのまま使う。やり直すなら force_remount=True |
ValueError: Mountpoint must not already contain files |
マウント先のフォルダにファイルがある | 空のフォルダか、存在しないパスを指定する |
ValueError: Mountpoint must not contain a space. |
パスに空白がある | 空白の無いパスにする |
ValueError: mount failed: timeout during initial read of root folder; … |
マイドライブの直下の項目が多すぎる | 直下のファイルをサブフォルダへ移す(下の説明) |
NotImplementedError: Mounting drive is unsupported in this environment. Use PyDrive2 instead. … |
Colab 以外(ローカルランタイムなど)で実行した | PyDrive2 などを使う |
Input/output error |
ドライブの操作回数・転送量の上限を超えた | FAQ の案内では、1日待って上限が戻るのを待つ |
FAQ によると、マイドライブの直下(ルート)に約1万件を超える項目があると、マウントに失敗することがあります。 1つのフォルダの項目を約1万件より少なくなるよう、サブフォルダに分けます。また、ドライブの容量を増やしても、ランタイムのディスクの容量は増えないと書かれています。
ファイルをアップロード・ダウンロードする
from google.colab import files
uploaded = files.upload() # ファイル選択のボタンが出る
for name, data in uploaded.items():
print(name, len(data), 'bytes')
files.download('result.csv') # ブラウザでダウンロードする
colabtools のソースでは、files.upload() は受け取ったファイルごとに Saving (元の名前) to (保存した名前) と表示し、同じ名前があると別の名前を付けて保存します。戻り値は「ファイル名 → 中身(バイト列)」の辞書です。files.download() に存在しないファイルを渡すと FileNotFoundError: Cannot find file: result.csv になります。
アップロードしたファイルは、ランタイムが消えると消えます。 何度も使うデータはドライブに置き、マウントして読みます。
APIキーはシークレットに入れる
API キーやパスワードをコードに直接書くと、ノートブックを共有したときに一緒に渡ってしまいます。Colab には値を別に保存する「シークレット」があり、コードからは userdata.get で読みます。
from google.colab import userdata
api_key = userdata.get('GEMINI_API_KEY')
colabtools のソースにある、読めないときのエラーです。
| エラー(原文) | 原因 |
|---|---|
SecretNotFoundError: Secret GEMINI_API_KEY does not exist. |
その名前のシークレットが無い |
NotebookAccessError: Notebook does not have access to secret GEMINI_API_KEY |
このノートブックに使う許可を与えていない |
TimeoutException: Requesting secret GEMINI_API_KEY timed out. Secrets can only be fetched when running from the Colab UI. |
Colab の画面以外から実行した |
日本語の文字化け(グラフ・CSV)を直す
この節では、Colab でよく出る2種類の文字化けを、実際に起こして直した結果で見られます。
matplotlibのグラフで日本語が□になる
Colab の apt のパッケージの一覧には、日本語(CJK)のフォントが入っていません。そのため、グラフのタイトルや軸に日本語を書くと、文字が四角(□)になります。手元の Jupyter(matplotlib 3.11.2)で、既定のフォントのまま ax.set_title('売上の推移') を描いたときの警告です(5文字分出たうちの2つ)。
UserWarning: Glyph 22770 (\N{CJK UNIFIED IDEOGRAPH-58F2}) missing from font(s) DejaVu Sans.
UserWarning: Glyph 19978 (\N{CJK UNIFIED IDEOGRAPH-4E0A}) missing from font(s) DejaVu Sans.
「missing from font(s) DejaVu Sans」は、既定のフォントに日本語の字が無いという意味です。 よく紹介される japanize-matplotlib(1.1.3)を入れて import すると、Python 3.13 では次のエラーになりました。
----> 5 from distutils.version import LooseVersion
ModuleNotFoundError: No module named 'distutils'
distutils は Python 3.12 で標準ライブラリから外れたため、それを使う japanize-matplotlib は import の時点で止まります。Colab の Python は 3.13 です。代わりに matplotlib-fontja(1.1.0)を入れると、フォントが IPAexGothic に切り替わり、警告は出なくなりました。
%pip install -q matplotlib-fontja
import matplotlib_fontja
import matplotlib.pyplot as plt
print(plt.rcParams['font.family'])
['IPAexGothic']
| 直し方 | Colab での書き方 | 結果(手元の Python 3.13) |
|---|---|---|
| matplotlib-fontja | !pip install matplotlib-fontja → import matplotlib_fontja |
日本語が出る |
| japanize-matplotlib | !pip install japanize-matplotlib → import japanize_matplotlib |
No module named 'distutils' で失敗 |
| フォントを apt で入れる | !apt-get -y install fonts-noto-cjk → plt.rcParams['font.family'] = 'Noto Sans CJK JP' |
警告が出ずに描ける |
OS ごとのフォントの指定や、seaborn での設定は、関連記事「matplotlibの使い方と日本語文字化け対策|OS別・Colab・3.12対応」で扱っています。
CSVを読むとUnicodeDecodeErrorになる
Shift_JIS(cp932)で保存された CSV を、そのまま pd.read_csv で読んだときのエラーです(pandas 3.0.6)。
UnicodeDecodeError: 'utf-8' codec can't decode byte 0x96 in position 0: invalid start byte
pd.read_csv の既定の文字コードは UTF-8 です。先頭のバイト 0x96 は、Shift_JIS の「名」の1バイト目でした(od -c で見ると 226 274、16進で 96 BC)。文字コードを指定すると読めます。
df = pd.read_csv('sjis.csv', encoding='cp932')
df
名前 点数
0 山田 80
1 佐藤 95
| エラー・症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
'utf-8' codec can't decode byte 0x82 などのエラー |
Shift_JIS の CSV | encoding='cp932' |
| 文字は読めるが列がずれる | 区切りがタブ | sep='\t' |
CSV の文字コードと読み書きの書き方は、関連記事「PythonでCSVを読み書き|コピペ用テンプレートと文字化け対策」で扱っています。
セッションの切断と制限(12時間・90分の目安)
この節では、Colab がいつ切れるのか、公式に書かれていることと、切れたときに消えるものが分かります。
FAQ に書かれている時間は「無料のノートブックは最長12時間」と「Pro+ はコンピューティング ユニットが足りていれば最長24時間」の2つです。 操作が無いときの切断(アイドルのタイムアウト)については「Runtimes will time out if you are idle」とあり、時間は書かれていません。
| 切れる条件 | 公式の記述(FAQ) | 時間 |
|---|---|---|
| 続けて動かした時間 | 無料は「can run for at most 12 hours」 | 最長12時間(空き状況と使い方で短くなる) |
| 続けて動かした時間(Pro+) | 「continuous code execution for up to 24 hours」 | ユニットが足りていれば最長24時間 |
| 操作が無い | 「Runtimes will time out if you are idle」 | 公開されていない |
| VM の寿命 | 「deleted when idle for a while, and have a maximum lifetime」 | 公開されていない |
90分は利用者の経験から広まった目安で、2026年10月22日時点の FAQ に数字は無い。上限は「時期によって変わる」と書かれている
FAQ は上限を公開しない理由を「in part because they can vary over time」と説明しています。90分・12時間は、ちょうどその時間まで使える保証ではなく、それより前に切れることがある目安として考えます。
切れると何が消えるか
flowchart TD
A[ランタイムに接続] --> B[セルを実行]
B --> C{操作が無い<br>または上限}
C -->|続けて使う| B
C -->|切断| D[VM が削除される]
D --> E[変数・/content の<br>ファイルが消える]
D --> F[ドライブの .ipynb と<br>保存したファイルは残る]
| 消えるもの | 残るもの |
|---|---|
| 変数・読み込んだデータ(メモリ) | ノートブック(.ipynb)のコードと、保存済みの出力 |
/content に置いたファイル・アップロードしたファイル |
マウントしたドライブに書いたファイル |
pip install したライブラリ |
GitHub に保存したノートブック |
切断に備えるチェックリスト
- 1結果はドライブに書いているか学習の途中のモデル(チェックポイント)や集計結果を /content/drive/MyDrive の下へ保存する
- 2上から順に実行し直せるかpip install・マウント・データの読み込みのセルが先頭にあり、「すべてのセルを実行」で再現できる
- 3途中から再開できるか学習は何エポックごとに保存し、保存したところから続きを始める書き方にする
- 4終わったらランタイムを止めたか使い終えたら「ランタイムを接続解除して削除」で GPU の時間を空ける
ブラウザを開いたままにしたり、自動でクリックしたりして切断を避ける方法は、FAQ の制限に関わります。 FAQ は、無料のランタイムで「ノートブックの画面を通さずに使うこと」や、制限を回り込むための複数アカウントの利用などを禁止・制限する行為として挙げています。長く動かしたい処理は、有料のプランのバックグラウンド実行か、自分の計算資源で動かします。
「ランタイムを接続解除して削除」と再起動の違い
| 操作 | 変数 | /content のファイル |
使う場面 |
|---|---|---|---|
| セッションを再起動(Restart session) | 消える | 残る | pip で入れ直した後、メモリを空けたいとき |
| ランタイムを接続解除して削除(Disconnect and delete runtime) | 消える | 消える | 最初の状態に戻したいとき、使い終えたとき |
FAQ によると、VM を最初の状態に戻すには「Runtime > Disconnect and delete runtime」を使い、何度も繰り返すと回数が制限されることがあります。コードから終わらせるときは、colabtools の runtime.unassign() も使えます。
from google.colab import runtime
runtime.unassign() # 長い処理の最後に置くと、終わった時点でランタイムを手放す
Google Colabの料金(無料・Pro・Pro+・Pay As You Go)
この節では、有料のプランで何が増えるのかと、2026年9月からの Google AI プランとの関係が分かります。
Colab の有料の機能は「コンピューティング ユニット」という単位で使います。GPU の種類やメモリによって、1時間あたりに減るユニットの数が変わります。FAQ は「Colab Pro, Pro+, and Pay As You Go offer you increased compute availability based on your compute unit balance」と説明しています。
| プラン | 内容(2026年10月22日時点) | 出典 |
|---|---|---|
| 無料 | GPU・TPU を使える。種類・時間・メモリは保証なし。最長12時間 | Colab FAQ |
| Pay As You Go | ユニットを必要な分だけ買う | Colab FAQ |
| Colab Pro | 毎月ユニットが付く。速い GPU・多いメモリ | developers.google.com/colab |
| Colab Pro+ | Pro より多いユニット。バックグラウンドで最長24時間 | Colab FAQ・developers.google.com/colab |
| Google AI プラン | 2026年9月22日から Colab の特典が付く。Ultra はバックグラウンド実行とプレミアム GPU | Google Developers Blog |
| Colab Enterprise | Google Cloud の Vertex AI に組み込まれた Colab。保証された資源 | Colab FAQ・developers.google.com/colab |
Google Workspace 向けの Colab Pro・Pro+ では、Pro が月100ユニット、Pro+ が月500ユニットと発表されています(Google Workspace Updates、2024年6月25日)。個人向けの金額とユニット数は、公式の料金ページ(Colab 有料サービスの料金。colab.research.google.com/signup)に、住んでいる国の通貨で表示されます。 申し込む前にこのページで確かめます。
無料で収まる使い方
Python・pandas の学習、授業や勉強会の教材
数分〜数十分で終わる T4 での学習・推論
切れても上から実行し直せる作業
有料を考える使い方
GPU の上限に毎日のように当たる
A100・H100 などの速い GPU や、多いメモリが要る
ブラウザを閉じても学習を続けたい(バックグラウンド実行)
2026年9月22日の Google Developers Blog「Colab is now part of your Google AI plan」によると、Google AI のサブスクリプションの利用者は、速い GPU などへの優先アクセスといった Colab の特典を受けられるようになり、Ultra の利用者はバックグラウンド実行とプレミアム GPU も使えます。すでに Colab を契約している人の契約は変わらず、特典は重ねて使えるとされています。
保存・共有・ダウンロード(.ipynb・.py・GitHub)
この節では、ノートブックの保存先と、共有・ダウンロード・GitHub との連携の方法が分かります。
| やりたいこと | 方法 |
|---|---|
| 保存する | 自動でドライブに保存される。「ファイル」→「保存」でも保存 |
| 人に見せる・一緒に編集する | 右上の「共有」。Google ドキュメントと同じ権限(閲覧・コメント・編集) |
| GitHub のノートブックを開く | colab.research.google.com/github/ユーザー/リポジトリ/blob/ブランチ/ファイル.ipynb |
| GitHub に保存する | 「ファイル」→「GitHub にコピーを保存」(Save a copy to GitHub) |
| 手元に落とす | 「ファイル」→「ダウンロード」→ .ipynb か .py |
FAQ によると、共有すると「the full contents of your notebook (text, code, output, and comments)」が相手に見えます。出力に個人情報やキーが写っていないか確かめてから共有します。 VM は共有されないので、相手は自分のランタイムでセルを実行し直します。
GitHubから開く・バッジを付ける
colabtools の公式ノートブック「Using Google Colab with GitHub」によると、公開リポジトリのノートブックは、URL の github.com の部分を colab.research.google.com/github に置き換えると、認証なしで開けます。
GitHub:https://github.com/googlecolab/colabtools/blob/main/notebooks/colab-github-demo.ipynb
Colab :https://colab.research.google.com/github/googlecolab/colabtools/blob/main/notebooks/colab-github-demo.ipynb
README に「Open In Colab」のバッジを置くときの Markdown です(同じノートブックより)。
[](https://colab.research.google.com/github/googlecolab/colabtools/blob/main/notebooks/colab-github-demo.ipynb)
GitHub から開いたノートブックは編集用のコピーとして開かれ、元のファイルは上書きされません。非公開のリポジトリは、colab.research.google.com/github で「Include Private Repos」にチェックを入れ、GitHub で許可すると開けます。
.pyでダウンロードしたファイルを動かすとエラーになる
.py でダウンロードすると、% と ! の行は IPython の関数呼び出しに変換されます。手元の nbconvert(7.17.2)で、前の節のノートブックを .py に変換した一部です。
get_ipython().run_line_magic('time', 'total = sum(range(10_000_000))')
get_ipython().system('nvidia-smi')
get_ipython().run_line_magic('pip', 'install -q tabulate')
get_ipython().run_cell_magic('writefile', 'hello.py', "print('hello from file')\n")
このファイルを python で動かすと、最初のマジックの行で止まりました。
Hello, Colab
Traceback (most recent call last):
get_ipython().run_line_magic('time', 'total = sum(range(10_000_000))')
^^^^^^^^^^^
NameError: name 'get_ipython' is not defined
get_ipython は IPython の中でしか使えません。 .py として動かすときは、!pip install は事前にシェルで実行し、%time などの行は消すか time モジュールに書き換えます。ipython ファイル.py で動かすと、マジックのまま動かせます。
Colab・Jupyter・Kaggle・VS Codeの違い
この節では、似たノートブックの環境との違いを、公式の説明にある事実で比べます。
| 項目 | Google Colab | Jupyter(手元) | Kaggle Notebooks |
|---|---|---|---|
| 動く場所 | Google の仮想マシン | 自分の PC・サーバー | Kaggle のサーバー |
| 始めるのに要るもの | ブラウザと Google アカウント | Python と Jupyter のインストール | Kaggle のアカウント |
| GPU・TPU | 使える(種類と時間は変動) | PC に積んだ GPU | 使える(時間の上限は Kaggle のドキュメント) |
| 保存先 | Google ドライブ・GitHub | 手元のファイル | Kaggle の上 |
| 実行環境 | 647個の pip パッケージ入り(CPU) | 自分で入れたものだけ | 公開されている Docker イメージ(Kaggle/docker-python) |
| 得意なこと | 共有・GPU の試用・ドライブとの連携 | 社外に出せないデータ・長時間の処理 | コンペと公開データセット |
FAQ は Jupyter との関係を「Jupyter is the open source project on which Colab is based」と説明し、Colab はダウンロードもインストールも実行もせずにノートブックを使い・共有できる点を挙げています。Kaggle の docker-python の README は、Kaggle Notebooks を「run a Python Notebook in the cloud against our competitions and datasets」と説明しています。
VS CodeからColabのランタイムを使う
2025年11月13日の Google Developers Blog によると、VS Code の拡張機能「Google Colab」(ID は Google.colab)を入れると、手元の .ipynb を Colab のランタイムで実行できます。
拡張機能を入れる
拡張機能のビュー(Ctrl/Cmd+Shift+X)で「Google Colab」を探して入れます。Jupyter の拡張も求められます。
.ipynb を開いてカーネルを選ぶ
右上の「Select Kernel」から「Colab」を選び、ランタイムを指定して Google アカウントでログインします。
ターミナルから使う Colab CLI(google-colab-cli)も2026年6月に公開されています。README によると、colab new --gpu T4 でランタイムを作り、colab exec -f ファイル.py で実行し、colab stop で止めます。対応 OS は Linux と macOS です。
迷ったときの判断表
| 状況 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| Python を初めて書く・まず試したい | Colab | インストールせずに始められる |
| GPU で少し学習させてみたい | Colab(無料の T4) | ランタイムのタイプを変えるだけ |
| 社外に出せないデータを扱う | 手元の Jupyter | データが自分の PC から出ない |
| 何日も動かす学習・決まった GPU が要る | Colab Enterprise・クラウドの VM | 資源が保証される |
| コンペに出る・公開データで練習する | Kaggle Notebooks | データセットとコンペがつながっている |
| エディターの補完や Git で管理したい | VS Code+Colab の拡張 | 手元のファイルのまま Colab で動かせる |
ローカルランタイムに接続する(自分のPCで動かす)
この節では、Colab の画面のまま、コードを自分の PC で動かす方法を、実際に起動したログで確かめます。
flowchart TD
A[ブラウザの<br>Colab の画面] -->|URL とトークン| B[自分の PC の Jupyter<br>localhost:8888]
B --> C[自分の PC の<br>Python・GPU・ファイル]
A --> D[Google ドライブ<br>.ipynb の保存]
Colab の公式ページ「Local runtimes」の手順は、Docker のイメージを使う方法と、Jupyter を使う方法の2つです。Jupyter の方法では、Colab の画面からの接続を許すオプションを付けて起動します。
jupyter notebook \
--NotebookApp.allow_origin='https://colab.research.google.com' \
--port=8888 \
--NotebookApp.port_retries=0 \
--NotebookApp.allow_credentials=True
このコマンドを notebook 7.6.3 で実行すると、オプションの名前が移ったという警告が出ました(ポートだけ 30600 に変えて実行)。
[W 2026-10-22 18:52:02.357 LabApp] 'allow_origin' has moved from NotebookApp to ServerApp. This config will be passed to ServerApp. Be sure to update your config before our next release.
[W 2026-10-22 18:52:02.357 LabApp] 'port_retries' has moved from NotebookApp to ServerApp. This config will be passed to ServerApp. Be sure to update your config before our next release.
[W 2026-10-22 18:52:02.357 LabApp] 'allow_credentials' has moved from NotebookApp to ServerApp. This config will be passed to ServerApp. Be sure to update your config before our next release.
notebook 7 では、NotebookApp を ServerApp に変えた書き方が対応する名前です。 変えて起動したときのログです(トークンは伏せ、作業フォルダの行を省いています)。
jupyter notebook \
--ServerApp.allow_origin='https://colab.research.google.com' \
--port=8888 \
--ServerApp.port_retries=0 \
--ServerApp.allow_credentials=True
[I 2026-10-22 18:52:20.263 ServerApp] Jupyter Server 2.21.1 is running at:
[I 2026-10-22 18:52:20.263 ServerApp] http://localhost:30600/tree?token=(トークン)
[I 2026-10-22 18:52:20.263 ServerApp] http://127.0.0.1:30600/tree?token=(トークン)
[I 2026-10-22 18:52:20.263 ServerApp] Use Control-C to stop this server and shut down all kernels (twice to skip confirmation).
この http://localhost:8888/?token=… の URL を、Colab の「接続」→「ローカル ランタイムに接続」(Connect to local runtime)に貼り付けます。起動したサーバーに、Colab の画面と同じ Origin を付けて問い合わせると、許可のヘッダーが返りました。
HTTP/1.1 200 OK
Access-Control-Allow-Origin: https://colab.research.google.com
Access-Control-Allow-Credentials: true
トークンを付けずに問い合わせると HTTP/1.1 403 Forbidden で断られ、サーバーは 127.0.0.1 だけで待ち受けていました。URL のトークンは、PC のファイルを操作できる鍵と同じなので、人に渡しません。
公式ページの注意点です。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 信頼できるノートブックだけ | ローカル接続では、コードが PC のファイルを読み書き・削除できる |
| ドライブのマウントは使えない | drive.mount は Mounting drive is unsupported in this environment. になる |
| ファイル欄を使うなら | Jupyter を起動したフォルダの中に /content フォルダを作る |
| 共有したとき | 相手は Colab のランタイムにつながる(自分のローカルランタイムは共有されない) |
Linux で root のまま起動すると、Running as root is not recommended. Use --allow-root to bypass. と出て止まりました。ふだん使うユーザーで起動します。
Google Colabのよくあるエラーと直し方
この節では、Colab で出やすいエラーの原文と、原因・直し方をまとめて引けます。原文は、手元の Jupyter で実際に出たものと、colabtools のソース・FAQ にあるものです。
| エラー・表示(原文) | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
/bin/bash: line 1: nvidia-smi: command not found |
GPU のランタイムではない | ランタイムのタイプを GPU に変える |
NameError: name 'y' is not defined |
変数を作るセルを実行していない・再起動した | 上のセルから順に実行し直す |
ModuleNotFoundError: No module named 'japanize_matplotlib' |
ライブラリを入れていない・ランタイムが変わった | !pip install のセルを先に実行する |
ModuleNotFoundError: No module named 'distutils' |
Python 3.12 以降で、distutils を使うライブラリを import した | matplotlib-fontja など対応したライブラリに替える |
UserWarning: Glyph … missing from font(s) DejaVu Sans. |
日本語のフォントが無い | matplotlib-fontja を入れる |
UnicodeDecodeError: 'utf-8' codec can't decode byte 0x96 … |
Shift_JIS の CSV | encoding='cp932' |
Note: you may need to restart the kernel to use updated packages. |
%pip で入れた(案内の表示) |
入れ直したときは再起動して import し直す |
NameError: name 'get_ipython' is not defined |
.py にしたノートブックを python で実行した |
マジックの行を消すか ipython で動かす |
ValueError: Mountpoint must not already contain files |
マウント先にファイルがある | 空のパスにマウントする |
ValueError: mount failed: timeout during initial read of root folder; … |
マイドライブの直下の項目が多い | 1フォルダ約1万件未満に分ける |
Input/output error(ドライブ) |
ドライブの操作回数・転送量の上限 | 1日おく。容量なら不要なファイルとゴミ箱を空にする |
NotImplementedError: Mounting drive is unsupported in this environment. … |
ローカルランタイムなど Colab 以外 | ドライブを使わずに読む(PyDrive2 など) |
FileNotFoundError: Cannot find file: result.csv |
files.download のファイル名が違う |
!ls で名前とフォルダを確かめる |
SecretNotFoundError: Secret … does not exist. |
シークレットの名前が違う・登録していない | シークレットの名前を合わせる |
NotebookAccessError: Notebook does not have access to secret … |
ノートブックに許可していない | シークレットの欄でノートブックのアクセスを許可する |
Running as root is not recommended. Use --allow-root to bypass. |
ローカルランタイムを root で起動した | 一般のユーザーで起動する |
メモリが足りずに落ちるとき
大きなデータを一度に読み込むと、ランタイムのメモリを使い切ってセッションが落ち、変数が消えます。FAQ によると、無料のユーザーは標準のメモリで、有料のユーザーは空きと残りのユニットに応じてハイメモリのマシンを使えます。
| 対策 | 書き方の例 |
|---|---|
| 必要な列だけ読む | pd.read_csv(path, usecols=['日付', '売上']) |
| 型を小さくする | dtype={'点数': 'int32'} |
| 分けて読む | pd.read_csv(path, chunksize=100_000) |
| 使い終えた変数を消す | del df のあと import gc; gc.collect() |
| ハイメモリにする | 有料のプランで「ランタイムのタイプを変更」→ ハイメモリ |
pandas の読み込みのオプションは、関連記事「pandasの使い方 逆引き81選|pandas 3.0の実行結果つき」で扱っています。
よくある質問
Q. Google Colab(グーグルコラボ)とは何ですか? A. ブラウザだけで Python のノートブックを書いて動かせる、Google のサービスです。Jupyter をもとにしていて、コードは Google の仮想マシンで動き、ノートブックは Google ドライブに保存されます。
Q. Google Colabは無料ですか? A. 無料で使えます。ただし GPU の種類・使える時間・メモリは保証されません。もっと使いたいときは Pay As You Go・Colab Pro・Pro+ などの有料プランがあり、金額は公式の料金ページに国の通貨で表示されます。
Q. 90分ルール・12時間ルールとは? A. FAQ に書かれているのは「無料は最長12時間」と「アイドルが続くとタイムアウトする」の2つで、アイドルの時間(よく言われる90分)は公開されていません。どちらも保証ではなく、それより前に切れることがあります。
Q. ランタイムが切れたらファイルは消えますか?
A. 変数、/content に置いたファイル、アップロードしたファイル、pip で入れたライブラリは消えます。ノートブックのコードとドライブに書いたファイルは残ります。
Q. GPUが使えません。
A. 「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」で GPU を選んでいるかを確かめ、!nvidia-smi を実行します。GPU の使用量の上限に達したときは、時間をおくか有料のプランを使います。
Q. Pythonのバージョンは選べますか? A. Python だけを選ぶことはできず、ランタイムの版ごとに決まっています。2026年10月22日時点の最新は Python 3.13.16 で、「Runtime Version」で 2026.07(Python 3.12.13)などの以前の版に固定できます。
Q. スマホやタブレットでも使えますか? A. developers.google.com/colab は、インターネットにつながる端末ならどこからでも使えると説明しています。長いコードを書くときは、キーボードのある PC のほうが操作しやすいです。
Q. JupyterとColabの違いは? A. Jupyter は自分の PC に入れて使うオープンソースのノートブックで、Colab は Jupyter をもとに Google が動かしているサービスです。ファイル(.ipynb)の形式は同じで、行き来できます。
Q. KaggleとColabはどちらを使えばいいですか? A. Python の学習や共有、ドライブのデータを使うなら Colab、Kaggle のコンペや公開データセットで練習するなら Kaggle Notebooks が向いています。「迷ったときの判断表」にまとめています。
Q. VS CodeでColabを使えますか? A. 使えます。VS Code の拡張機能「Google Colab」を入れ、.ipynb を開いて「Select Kernel」→「Colab」を選ぶと、Colab のランタイムで実行できます。
Q. 仕事で使ってもいいですか? A. FAQ は、マイニングや画面を通さないリモート操作など、禁止・制限する使い方を挙げています。社外に出せないデータや、資源を保証したい用途には、Google Cloud の Colab Enterprise や、自分の PC で動かすローカルランタイムが案内されています。
まとめ
- Google Colab は、ブラウザだけで Python のノートブックを動かせる Google のサービス。無料で GPU・TPU も試せるが、種類・時間・メモリは保証されない。
- 2026年10月22日時点の実行環境は Ubuntu 24.04.5・Python 3.13.16、pip のパッケージは647個入り。以前の版にも固定できる。
%はマジックコマンド、!はシェル。.ipynb はセルと出力を並べた JSON で、GPU の設定もメタデータに残る。- データはドライブにマウントして読み書きする。アップロードしたファイルと pip で入れたものは、ランタイムが消えると消える。
- グラフの日本語は matplotlib-fontja、Shift_JIS の CSV は
encoding='cp932'で直る。japanize-matplotlib は Python 3.12 以降で失敗する。 - 公式の時間は「無料は最長12時間」「Pro+ は最長24時間」。アイドルの時間(90分)は公開されていないので、結果はこまめにドライブへ保存する。
- 自分の PC で動かすときはローカルランタイム。notebook 7 では
--ServerApp.allow_originの書き方が対応する。
参考・出典
確認日はいずれも 2026年10月22日です。
- Google Colab「Frequently Asked Questions」:https://research.google.com/colaboratory/faq.html
- Google Colab「よくある質問」(日本語):https://research.google.com/colaboratory/intl/ja/faq.html
- Google Colab「Runtime version FAQ」:https://research.google.com/colaboratory/runtime-version-faq.html
- Google Colab「Local runtimes」:https://research.google.com/colaboratory/local-runtimes.html
- Google for Developers「Colab」:https://developers.google.com/colab
- Google Colab「Colab 有料サービスの料金」:https://colab.research.google.com/signup
- Google Developers Blog「Colab is now part of your Google AI plan」(2026年9月22日):https://developers.googleblog.com/colab-is-now-part-of-your-google-ai-plan/
- Google Developers Blog「Introducing the Google Colab CLI」(2026年6月5日):https://developers.googleblog.com/introducing-the-google-colab-cli/
- Google Developers Blog「Google Colab is Coming to VS Code」(2025年11月13日):https://developers.googleblog.com/ja/meeting-developers-where-they-are-google-colab-is-coming-to-vs-code/
- Google Workspace Updates「Colab Pro and Colab Pro+ for Google Workspace」(2024年6月25日):https://workspaceupdates.googleblog.com/2024/06/google-workspace-colab-pro-and-colab-pro-plus.html
- googlecolab/backend-info(GitHub、2026年10月22日のコミット):https://github.com/googlecolab/backend-info
- googlecolab/colabtools(GitHub、drive.py・files.py・userdata.py・runtime.py・_pip.py・notebooks):https://github.com/googlecolab/colabtools
- googlecolab/google-colab-cli(GitHub):https://github.com/googlecolab/google-colab-cli
- Kaggle/docker-python(GitHub):https://github.com/Kaggle/docker-python
- Kaggle「Efficient GPU Usage Tips」:https://www.kaggle.com/docs/efficient-gpu-usage
- IPython「Built-in magic commands」:https://ipython.readthedocs.io/en/stable/interactive/magics.html
- nbformat「The Notebook file format」:https://nbformat.readthedocs.io/en/latest/format_description.html
- matplotlib-fontja(PyPI):https://pypi.org/project/matplotlib-fontja/
- pandas「read_csv」:https://pandas.pydata.org/docs/reference/api/pandas.read_csv.html
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「Google Colabとは|使い方・GPU・料金・制限とエラーの直し方」
株式会社RJC ― SI事業・SES事業・AI駆動開発。RJCは一緒に成長を楽しめる会社です。
WE ARE HIRING
RJCで一緒に開発しながら、
成長を楽しみませんか?
RJCは、Web・モバイル・AIを活用した開発プロジェクトで、テックリードやPM・PMOも活躍するシステム開発会社です。会社を知る、待遇を確かめる、話を聞いてみる。気になるところ見てみてください!
- 127日年間休日
- 12時間平均残業時間
- 毎日ガチャ遊びココロも大切にする福利厚生。アマギフなどの賞品ラインナップ!
ほかにも、チケットレストラン、書籍読み放題、2年ごとの慰労報奨(休暇 or 金一封)、11期連続の黒字決算。