結論

GCPとは、Googleが提供するクラウドで、今の正式な呼び名は「Google Cloud」です。サーバー・保存場所・データ分析・AI を、使った分だけ借りられます。

この記事でわかること

  • 主要サービス24の役割とAWS・Azureの対応表
  • 300ドル・90日の無料トライアルと無料枠の条件
  • 予算アラートの既定値と、請求を止める3つの方法

2026年10月22日更新|gcloud CLI 590.0.0・公式ドキュメントで確認

Google Cloud では、まず「プロジェクト」という入れ物を作り、そこに支払い元の「請求先アカウント」をつないでから、サービスを作ります。

flowchart TD
    A[Google アカウント<br>ログインする人] --> P[プロジェクト<br>作業の入れ物]
    B[請求先アカウント<br>カードを登録] -->|支払う| P
    P --> I[IAM<br>誰が何をできるか]
    P --> S[Compute Engine・Cloud Run<br>Cloud Storage など]
    S --> R[リージョンを選ぶ<br>例 東京 asia-northeast1]

最初に出てくる言葉を、AWS での呼び名と並べます。

言葉 一言でいうと AWS でいうと
プロジェクト サービスと権限と請求をまとめる単位 アカウント(に近い)
請求先アカウント 支払い方法を登録した財布 請求の設定
Compute Engine 仮想サーバー EC2
Cloud Run コンテナをサーバーなしで動かす App Runner・Fargate
Cloud Storage ファイルの保存 S3
BigQuery 大量データを SQL で分析 Redshift
IAM 誰が何をできるかを決める IAM
リージョン 拠点の地域(東京・大阪など) リージョン

確認環境:gcloud CLI 590.0.0(2026年10月20日リリース)の配布パッケージの中身(VERSION・リリースノート・コマンドとエラー文の定義ソース)を読みました。Google Cloud には接続せず、Cloud Storage の API を再現する gcp-storage-emulator 2026.7.19 に、Google 公式の Python クライアント google-cloud-storage 3.17.1(Python 3.11・Linux)を向けて、バケットの作成・アップロード・一覧・削除とエラーを動かしました。gcloud コマンドの出力例は公式ドキュメントのものです。無料トライアル・無料枠・料金・リージョン数・IAM・予算は cloud.google.com と docs.cloud.google.com の各ページで確かめました(確認日 2026年10月22日)。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「GCPとは|Google Cloudの主要サービス・料金・無料枠・始め方」

GCPとは:Google Cloudとの関係と読み方

この節では、GCP という言葉の意味と、今の呼び名、クラウドとしての位置づけが分かります。

GCP は「Google Cloud Platform(グーグル・クラウド・プラットフォーム)」の略で、「ジーシーピー」と読みます。 今の公式サイトとドキュメントでは「Google Cloud」と書かれていますが、GCP という略は今も広く使われています。この記事では、両方を同じものとして扱います。

Google Cloud は、Google が自社の検索や YouTube などで使っている仕組みと同じ系統の基盤を、インターネット経由で貸し出すサービスです。公式の無料トライアルのページには「100 種類を超えるプロダクト」と書かれています。

よく混同されるものとの違いです。

名前 何か Google Cloud との関係
Google Cloud(GCP) 開発者・企業向けのクラウド この記事の対象
Google Workspace Gmail・ドライブ・ドキュメントなどの業務アプリ 別の契約・別の製品
Firebase アプリ開発向けのサービス群 中身は Google Cloud のプロジェクトとつながる
Google Drive 個人・会社のファイル置き場 Cloud Storage とは別物

Firebase と、PostgreSQL を土台にした Supabase の違いは、関連記事「Supabaseとは|使い方・料金・RLSとFirebaseとの違いを実例で」で扱っています。

IaaS・PaaS・SaaSで見るGoogle Cloud

クラウドのサービスは、利用者が管理する範囲で3つに分けられます。Google Cloud のアーキテクチャ フレームワークでは、IaaS では「セキュリティの責任の大部分は利用者」、SaaS では「大部分は Google」と説明しています。

種類 利用者が管理するもの Google Cloud の例
IaaS(インフラを借りる) OS・ミドルウェア・アプリ・データ Compute Engine・VPC
PaaS(土台ごと借りる) アプリ・データ App Engine・Cloud Run・Cloud SQL
SaaS(完成品を使う) 使い方・データ Google Workspace

GCPで何ができるか(目的別)

この節では、やりたいことから、使うサービスを引けます。

やりたいこと 使う主なサービス 例
Web アプリ・API を公開する Cloud Run・App Engine・Cloud Load Balancing 社内システム、EC サイトの API
仮想サーバーを自由に使う Compute Engine 既存のサーバーの引っ越し
ファイルをためる・配る Cloud Storage・Cloud CDN 画像・動画・ログ・バックアップ
データベースを使う Cloud SQL・Firestore・Spanner 会員情報・注文データ
大量のデータを分析する BigQuery・Dataflow・Pub/Sub 売上・アクセスログの集計
生成 AI・機械学習を使う Gemini Enterprise Agent Platform(旧 Vertex AI)・Gemini API チャットボット、文書の要約
コンテナを大規模に動かす Google Kubernetes Engine(GKE) マイクロサービス、ゲームのサーバー
画像・音声・文章を AI で処理する Cloud Vision・Speech-to-Text・Natural Language 画像の分類、文字起こし

BigQuery は、Google Analytics 4 のデータの書き出し先としても使われます。分析とAIの両方を、同じプロジェクトの中でつなげられる点が、Google Cloud がよく選ばれる理由の1つです。

GCPの主なサービス一覧(早見表)

この節では、初心者が最初に出会う24のサービスの役割と、AWS での対応が一度に分かります。上から、学ぶ順番の目安です。

サービス 何をするか AWS の近いもの
IAM ユーザー・権限の管理 IAM
Cloud Billing(予算とアラート) 請求・予算・通知 Billing・Budgets
Compute Engine 仮想サーバー EC2
Cloud Storage ファイルの保存(オブジェクトストレージ) S3
VPC 自分専用のネットワーク VPC
Cloud Run コンテナをサーバーなしで動かす App Runner・Fargate・Lambda
Cloud Run functions(旧 Cloud Functions) 関数をサーバーなしで動かす Lambda
App Engine コードを置くだけで動く Web アプリの土台 Elastic Beanstalk
Cloud SQL 管理付きの MySQL・PostgreSQL・SQL Server RDS
Firestore ドキュメント型のデータベース DynamoDB
Spanner 世界規模で動くリレーショナルDB Aurora・DynamoDB
Memorystore 管理付きのキャッシュ ElastiCache
BigQuery データウェアハウス(SQL で分析) Redshift
Pub/Sub メッセージの受け渡し Kinesis・Amazon MQ
GKE 管理付きの Kubernetes EKS
Artifact Registry コンテナイメージ・パッケージの置き場 ECR
Cloud Build ビルドと CI CodeBuild
Cloud Load Balancing 負荷分散 ELB
Cloud CDN コンテンツ配信網 CloudFront
Cloud DNS ドメイン名の管理 Route 53
Cloud Monitoring・Cloud Logging 監視・ログ CloudWatch
Cloud KMS・Secret Manager 鍵と秘密情報の管理 KMS・Secrets Manager
Gemini Enterprise Agent Platform 生成 AI・機械学習の開発基盤 Bedrock・SageMaker
Cloud Shell ブラウザで使えるコマンド環境 CloudShell

2026年に名前が変わった・終わったもの

以前の解説や書籍と名前が違って迷いやすいものを、公式ドキュメントで確かめました(2026年10月22日時点)。

以前の名前・状態 今の名前・状態 確かめた場所
Vertex AI Gemini Enterprise Agent Platform 予算の上限のページに「formerly Vertex AI」
Cloud Functions Cloud Run functions Functions のドキュメントの表題
Cloud Deployment Manager 2026年3月31日でサポート終了 後継は Infrastructure Manager
基本ロール Owner・Editor・Viewer Admin・Writer・Reader が追加(プレビュー) IAM のロールの概要
Google Cloud Skills Boost 学習サイトは Google Skills(skills.google) 認定資格のページ

Compute Engine・Cloud Run・GKEの使い分け

初心者が最初に迷うのは「プログラムを動かす場所」です。選び方を図にします。

flowchart TD
    Q[何を動かす?] --> C{コンテナに<br>できる?}
    C -->|いいえ| CE[Compute<br>Engine]
    C -->|はい| K{K8s の機能<br>が要る?}
    K -->|はい| G[GKE]
    K -->|いいえ| R[Cloud Run<br>関数は<br>functions]
やりたいこと 選ぶもの 理由
Web アプリ・API を手軽に公開したい Cloud Run 使われた分だけの課金、台数は自動で増減
呼ばれたときだけ短い処理を動かしたい Cloud Run functions 関数のコードだけを置ける
OS やミドルウェアを自分で設定したい Compute Engine 仮想サーバーを丸ごと使える
多くのコンテナを細かく制御したい GKE Kubernetes の機能をそのまま使える
HTML・画像だけのサイトを置きたい Cloud Storage(+Cloud CDN) サーバーを管理しなくてよい

Kubernetes そのものの仕組みは、関連記事「Kubernetes入門|主要リソースとYAMLの書き方、kubectl早見表」で扱っています。

GCPとAWS・Azureの違い

この節では、3大クラウドのシェア、サービスの対応、得意分野の違いが分かります。

Synergy Research Group が 2026年7月30日に公表した、2026年4〜6月期のクラウド インフラ市場のシェアです。

28%Amazon(AWS)2026年4〜6月期
20%Microsoft(Azure)同じ期間
15%Google(Google Cloud)市場全体は前年同期比43%増

AWS・Azureとのサービス対応表

Google Cloud の公式ドキュメント「AWS と Azure のサービスを Google Cloud と比較する」の表から、よく使う行を抜き出しました。

分類 Google Cloud AWS Azure
仮想マシン Compute Engine EC2 Azure Virtual Machines
サーバーレスのコンテナ Cloud Run App Runner・Fargate・Lambda Azure Container Apps
関数 Cloud Run functions Lambda Azure Functions
PaaS App Engine Elastic Beanstalk Azure App Service
Kubernetes GKE EKS AKS
オブジェクトストレージ Cloud Storage S3 Azure Blob Storage
ファイルストレージ Filestore EFS Azure Files
ブロックストレージ Hyperdisk EBS Azure Managed Disks
リレーショナルDB Cloud SQL RDS・Aurora Azure SQL Database など
NoSQL Firestore・Bigtable DynamoDB・DocumentDB Azure Cosmos DB
データウェアハウス BigQuery Redshift Azure Synapse Analytics
メッセージング Pub/Sub Kinesis・Amazon MQ Azure Service Bus
ネットワーク VPC VPC Azure Virtual Network
負荷分散 Cloud Load Balancing Elastic Load Balancing Azure Load Balancer
CDN Cloud CDN CloudFront Azure Front Door
DNS Cloud DNS Route 53 Azure DNS
WAF・DDoS 対策 Cloud Armor AWS WAF・Shield Azure WAF
鍵の管理 Cloud KMS KMS Azure Key Vault
秘密情報 Secret Manager Secrets Manager Azure Key Vault
監視・ログ Cloud Monitoring・Logging CloudWatch Azure Monitor
CI/CD Cloud Build・Cloud Deploy CodeBuild・CodePipeline Azure DevOps
コンテナの置き場 Artifact Registry ECR Azure Container Registry
ブラウザのシェル Cloud Shell CloudShell Azure Cloud Shell

考え方の違い

名前が違うだけでなく、仕組みの考え方にも違いがあります。

AWSアカウントが請求と権限の大きな単位。複数はOrganizationsで束ねる
→
Google Cloudプロジェクトが単位。1つのGoogleアカウントで多数のプロジェクトを作れる

環境ごと(開発・本番)にプロジェクトを分けるのが基本

AWSVPCはリージョンごとに作る
→
Google CloudVPCはグローバル。サブネットをリージョンごとに作る

東京と大阪を1つのVPCでつなげる

AWS長く使う割引は Savings Plans などを申し込む
→
Google Cloud月の大半動かすと、対象のVMは申し込みなしで最大30%引き

継続利用割引(Sustained Use Discounts)

よく挙げられる得意分野は、Google Cloud がデータ分析(BigQuery)・AI・Kubernetes(GKE)、AWS はサービスの幅と利用者の多さ、Azure は Microsoft 製品(Entra ID・Microsoft 365 など)とのつながりです。AWS の基本は、関連記事「AWSとは|初心者向けに主要サービス・料金・始め方を解説」で扱っています。Azure の画面と使い方は、関連記事「Azure Portalとは|Azureの使い方・画面・料金を初心者向けに解説」で扱っています。

どれを選ぶかの判断表

状況 第一候補 理由
データ分析の基盤を作りたい Google Cloud BigQuery はサーバーの管理が要らず、SQL で分析できる
GA4・Google 広告のデータを分析したい Google Cloud BigQuery へ書き出す仕組みがある
Microsoft 365・Entra ID を中心に使っている Azure ID と管理をまとめやすい
会社で既に AWS を使っている AWS 権限・請求・運用の仕組みを使い回せる
コンテナのアプリを手軽に公開したい Google Cloud(Cloud Run) コンテナを置くだけで HTTPS の URL が付く
複数のクラウドで同じ形で動かしたい どれでも(Kubernetes・Terraform) 共通の道具で揃えられる

プロジェクト・請求先アカウント・IAMの考え方

この節では、Google Cloud を使ううえでいちばん大事な3つの入れ物と、その関係が分かります。

Google Cloud では、すべてのリソース(VM・バケットなど)がどこかのプロジェクトに属します。 ドキュメントの「リソース階層」では、組織 → フォルダ → プロジェクト → リソース の順に親子関係があり、上で付けた権限は下に引き継がれます。

flowchart TD
    O[組織<br>会社のドメイン] --> F1[フォルダ 開発部]
    O --> F2[フォルダ 本番]
    F1 --> P1[プロジェクト<br>app-dev]
    F2 --> P2[プロジェクト<br>app-prod]
    P2 --> R[VM・バケット・DB]

組織とフォルダは、Google Workspace か Cloud Identity のアカウントがある会社で使います。個人で始めるときは、組織なしでプロジェクトだけを作ります。

プロジェクトID・プロジェクト名・プロジェクト番号

プロジェクトには3つの呼び名があります。ドキュメントの決まりです。

呼び名 決め方 変えられるか
プロジェクト ID 作るときに自分で決める。6〜30文字・小文字の英字と数字とハイフン・英字で始まりハイフンで終わらない 変えられない
プロジェクト名 画面に出る表示名 変えられる
プロジェクト番号 Google が自動で付ける数字 変えられない(読み取り専用)

プロジェクト ID は、削除したプロジェクトのものも含めて、一度使われたものは使えません。 コマンドや設定ファイルで使うのはプロジェクト ID です。プロジェクトを削除すると、30日後に完全に削除されます(それまでは元に戻せます)。

請求先アカウント(Cloud Billing アカウント)

請求先アカウントは「誰が払うか」を決めるもので、1つの請求先アカウントで複数のプロジェクトの料金を払えます。 ドキュメントでは、請求先アカウントは IAM の意味ではプロジェクトの親ではない、と説明しています。つまり「請求」と「権限」は別の線でつながります。

種類 支払い方法 向く人
セルフサービス(オンライン) クレジットカード・デビットカードなど 個人・小さなチーム
請求書(オフライン) 振込など 条件を満たした会社

IAM:誰が何をできるか

IAM(Identity and Access Management)では、「誰に(プリンシパル)」「どのリソースで」「どのロール(権限の束)を」付けるかを決めます。プリンシパルには、Google アカウント・Google グループ・サービス アカウントなどがあります。

ロールの種類 中身 使いどころ
基本ロール Admin・Writer・Reader(プレビュー)と、以前からの Owner・Editor・Viewer 個人の学習用プロジェクト
事前定義ロール サービスごとに Google が用意した細かい権限(例 roles/storage.objectViewer) チーム・本番
カスタムロール 自分で権限を選んで作る 事前定義で合わないとき

ドキュメントには「本番環境では、ほかに方法が無い場合を除き、基本ロールを付けない」とあります。

サービス アカウントは、人ではなくプログラムや VM が使うアカウントです。メールアドレスの形(例 my-service-account@my-project.iam.gserviceaccount.com)で表されます。ドキュメントでは、サービス アカウントの鍵(JSON の鍵ファイル)は管理を誤ると危険なので、できるだけ作らずに済む方法を使うよう勧めています。

リージョンとゾーン(東京・大阪)

この節では、Google Cloud の拠点の数と、日本のリージョンの名前が分かります。

リージョンは拠点の地域、ゾーンはリージョンの中で独立した区画です。 Google Cloud のロケーションのページの数字です(2026年10月22日時点)。

43リージョン日本は東京と大阪
130ゾーン多くのリージョンに3つ
200+ネットワークのエッジ拠点利用できる国・地域も200以上
リージョン 場所 ゾーン
asia-northeast1 東京 asia-northeast1-a・-b・-c
asia-northeast2 大阪 asia-northeast2-a・-b・-c
asia-northeast3 ソウル asia-northeast3-a・-b・-c

ロケーションのページの注記では、大阪は「3つのゾーンを1つか2つの物理データセンターに置いており、3つ以上に広げているところ」とされています。

条件 選ぶリージョンの目安
日本の利用者向けのサービス 東京(asia-northeast1)
東京が止まったときの予備 大阪(asia-northeast2)
無料枠の e2-micro・Cloud Storage 5GB を使いたい 米国の us-west1・us-central1・us-east1
使いたいサービスがあるか リージョンごとに提供状況が違うので先に確かめる

AWS のリージョンのコードと並べて見たいときは、関連記事「AWSリージョン一覧とコード早見表|東京・大阪のAZも」で扱っています。

責任共有モデルと「shared fate」

AWS と同じく、Google Cloud でもセキュリティの責任を Google と利用者で分けます。Google Cloud のアーキテクチャ フレームワークでは、IaaS は利用者の担当が多く、PaaS は Google の担当が増え、SaaS では大部分が Google と説明しています。どの形でも、アクセスの設定と、自分が置いたデータは利用者の担当です。

同じページで Google は、責任を分けるだけでなく、安全な初期設定やガイドを Google 側も用意して一緒に安全にする考え方を「shared fate(運命共有)」と呼んでいます。

GCPの料金の仕組み

この節では、料金がどう決まるか、割引の種類、計算例が分かります。

1使った分だけ払う

Compute Engine の vCPU とメモリは、最初の1分は最低料金、その後は1秒単位で課金されます。BigQuery は読んだデータの量、Cloud Storage は保存量と操作の回数で決まります。

2割引は3種類

月の大半動かすと自動でかかる継続利用割引(最大30%)、1年・3年の利用を約束する確約利用割引(最大55%、メモリ最適化は最大70%)、中断されうる Spot VM(最大91%引き)です。

3止めても残るものがある

VM を停止すると vCPU とメモリの課金は止まりますが、ディスクや固定の IP アドレスは別の料金です。使い終わったら、プロジェクトごと削除すると残りを防げます。

料金はドル建てで、見積もりは Google Cloud Pricing Calculator(https://cloud.google.com/products/calculator)で作れます。

料金の計算例(BigQuery)

BigQuery の料金ページ(2026年10月22日時点)では、オンデマンドのクエリは 1 TiB あたり 6.25 ドルで、毎月最初の 1 TiB は無料です。クエリ1回・参照するテーブル1つあたり、最低 10 MB として数えます。月に読む量ごとの料金を Python で計算しました。

p = 6.25
for tib in [0.5, 1, 3, 10]:
    bill = max(0, tib - 1) * p
    print(f'{tib:>5} TiB  -> {bill:6.2f} USD')
  0.5 TiB  ->   0.00 USD
    1 TiB  ->   0.00 USD
    3 TiB  ->  12.50 USD
   10 TiB  ->  56.25 USD

BigQuery は「結果の行数」ではなく「読んだ列のデータ量」で課金されます。 SELECT * は全部の列を読むので、要る列だけを書くと料金が下がります。LIMIT を付けても読む量は減らないことがある点も、よくある誤解です。

GCPの無料トライアルと無料枠(2026年10月22日時点)

この節では、無料で使える2つの仕組みの条件と、終わったときに起きることが分かります。

Google Cloud の無料は「無料トライアル(300 ドル・90 日)」と「無料枠(期限なし・毎月の上限つき)」の2つです。

無料トライアル

新しい利用者に 300 ドル分のクレジット

登録から 90 日、またはクレジットを使い切るまで

有料アカウントに上げるまで請求されない

無料枠

対象のサービスを毎月の上限まで無料

終わりの期限なし(30日前の告知で変わることがある)

余った分は翌月に繰り越さない

無料トライアルの条件

項目 内容
対象 Google Cloud・Google Maps Platform・Firebase で有料の利用者になったことがなく、トライアルも初めての人
登録に要るもの 本人確認用の支払い方法(0〜1 ドルの一時的な確認が入るが、請求ではない)
使えないもの VM への GPU 追加、Marketplace、割り当て(クォータ)の引き上げ、Windows Server の VM、VMware Engine
クレジットで払えないもの AI Studio の Gemini API の料金、パートナーの生成 AI モデル
終わると 請求先アカウントが閉じ、リソースは止まる。30日以内に有料に上げれば戻せる可能性があり、過ぎると削除
延長・一時停止 できない

有料アカウントへは、コンソールのようこそページの「Activate」(請求先アカウントの管理者)で上げます。上げても、残りのクレジットは登録から90日まで使えます。

無料枠(主なもの)

公式の一覧から、よく使うものを抜き出しました。上限は請求先アカウントごと・毎月です。

サービス 毎月の無料の量 条件
Compute Engine e2-micro 1台・標準ディスク 30 GB・北米からの送信 1 GB us-west1・us-central1・us-east1 のみ
Cloud Storage 5 GB・Class A 操作 5,000 回・Class B 操作 50,000 回 米国の3リージョンのみ
BigQuery クエリ 1 TiB・保存 10 GiB なし
Cloud Run 200万リクエスト・メモリ 36万 GB 秒・CPU 18万 vCPU 秒 リクエスト単位の課金の場合
Cloud Run functions 200万回の呼び出し・40万 GB 秒 なし
Firestore 保存 1 GiB・1日 5万回の読み取り・2万回の書き込み プロジェクトごと
Cloud Build e2-standard-2 で 2,500 ビルド分 なし
Artifact Registry 0.5 GB なし
Pub/Sub メッセージ 10 GiB なし
Secret Manager 有効なバージョン 6 個・アクセス 1万回 なし
GKE Autopilot かゾーンの Standard のクラスタ 1つ分の管理料 ノードの料金は別
Cloud Shell 無料・永続ディスク 5 GB なし

東京・大阪で e2-micro を作ると、無料枠の対象外で通常の料金がかかります。 無料枠の VM は米国の3リージョンだけです。

予算アラートと請求を止める方法

この節では、思わぬ請求を防ぐための設定と、その限界が分かります。

予算アラートは「通知」だけで、使用を止めません。 ドキュメントには、アラートのみの予算は利用や支出を自動で上限で止めない、と書かれています。止めたいときは、次の3つから選びます。

方法 何が起きるか 注意
予算アラート(アラートのみ) 50%・90%・100% でメール 止まらない
上限付きの予算(spend cap) 対象のサービスの新しい利用を、その月の残りの間止める 対象は Gemini API・Gemini Enterprise Agent Platform・Cloud Run・Cloud Run functions。1つのプロジェクト・1つのサービスごと
予算の通知で請求を外す Pub/Sub と Cloud Run functions で、超えたらプロジェクトの請求を無効にする リソースが止まり、戻せない削除が起きることがある

上限付きの予算でも、動き続けているディスクなどの課金は止まらず、費用のデータには遅れがあります。ドキュメントは、上限の額を本当の限度より少し低く決めるよう勧めています。

予算アラートの作り方(コンソール)

ドキュメントの日本語版の画面の文言です。

1

「お支払い」を開く

コンソールの左のナビゲーションで「お支払い」を選び、請求先アカウントを選びます。

プロジェクト単位の権限の人は、先にプロジェクトを選んでから開く

2

「予算とアラート」→「予算の作成」

予算に名前を付け、対象(すべてのプロジェクトか、特定のプロジェクト・サービス)を選びます。

学習用なら、プロジェクトを1つに絞ると分かりやすい

3

金額を決める

月の上限にしたい額を入れます。前の月の実際の額を使う選び方もあります。

トライアル中はクレジットを含めるかを確かめる

4

しきい値を確かめて「完了」

最初から 50%・90%・100%(実際の額)のルールが入っています。月末の見込みで知らせる「予測」のルールも足せます。

メールは請求先アカウントの管理者とユーザーに届く

gcloud でも作れます。リファレンスの例(100.75 ドルの予算で、実際の額が50%、見込みが75%で通知)です。

gcloud billing budgets create --billing-account=123 \
  --display-name="BUDGET1" --budget-amount=100.75USD \
  --threshold-rule=percent=0.50 \
  --threshold-rule=percent=0.75,basis=forecasted-spend

GCPの始め方:最初にやること

この節では、アカウントを作ってから最初の30分で済ませる設定が、順番に分かります。

1

無料トライアルに登録する

Google アカウントで Google Cloud コンソールに入り、無料トライアルに登録します。本人確認用の支払い方法を登録すると、請求先アカウントが作られます。

会社で使う場合は、個人の Google アカウントではなく会社の管理下のアカウントで

2

プロジェクトを作る

画面上部のプロジェクトの選択から「新しいプロジェクト」を作ります。プロジェクト ID は後から変えられないので、用途が分かる名前にします。

例 rjc-study-2026 のように、学習用と分かる名前

3

予算アラートを作る

「お支払い」→「予算とアラート」で、月の上限の目安とメール通知を決めます。手順は前の節のとおりです。

アラートは通知だけで、使用は止まらない

4

アカウントを2段階認証にする

Google アカウントに2段階認証プロセスを設定します。プロジェクトのオーナーが乗っ取られると、すべてのリソースを操作されます。

人に権限を渡すときは、基本ロールより事前定義ロール

5

使う API を有効にし、リージョンを決める

Google Cloud では、サービスごとに API を有効にしてから使います。作るときは東京(asia-northeast1)などのリージョンを選びます。

無料枠の VM は米国の3リージョンだけ

学習が終わったらプロジェクトごと消す

学習用に作ったものは、プロジェクトを削除すると中のリソースがまとめて止まり、課金も止まります。 削除したプロジェクトは30日間は復元でき、その後は完全に消えます。同じプロジェクト ID は二度と使えません。

gcloud CLIのインストールと使い方

この節では、コマンドで Google Cloud を操作する gcloud CLI の入れ方と、最初に使うコマンドが分かります。

gcloud CLI(Google Cloud CLI)は、Google Cloud をコマンドで操作する公式の道具です。 2026年10月22日時点の最新は 590.0.0(2026年10月20日リリース)で、Python 3.10〜3.15 が要ります(Linux の x86_64 版と Windows 版は Python を同梱)。BigQuery 用の bq と、Cloud Storage 用の gsutil も一緒に入ります。590.0.0 の配布パッケージでは、bq は 2.1.40、gsutil は 5.37 でした。

OS 入れ方(公式ドキュメント)
Windows GoogleCloudSDKInstaller.exe を落として実行
Mac(Apple シリコン) google-cloud-cli-darwin-arm.tar.gz を展開して ./google-cloud-sdk/install.sh
Mac(Intel) google-cloud-cli-darwin-x86_64.tar.gz を展開して install.sh
Linux(x86_64) google-cloud-cli-linux-x86_64.tar.gz を展開して install.sh
Debian・Ubuntu Google のリポジトリを足して sudo apt-get install google-cloud-cli

Linux の手順です。ダウンロード元は https://dl.google.com/dl/cloudsdk/channels/rapid/downloads/ です。

curl -O https://dl.google.com/dl/cloudsdk/channels/rapid/downloads/google-cloud-cli-linux-x86_64.tar.gz
tar -xf google-cloud-cli-linux-x86_64.tar.gz
./google-cloud-sdk/install.sh
gcloud init

install.sh は PATH への追加とコマンドの補完を聞いてきます。apt 版には kubectl と App Engine の拡張が入っていないので、要るときは別に入れます。ブラウザが無いサーバーでは gcloud init --console-only で認証します。

gcloud init で起きること

gcloud init は、設定(configuration)の作成・ログイン・プロジェクトの選択・既定のリージョンとゾーンを、対話で順に決めます。590.0.0 のソースにある表示の文言です。

Welcome! This command will take you through the configuration of gcloud.
...
Pick cloud project to use:
...
The Google Cloud CLI is configured and ready to use!

設定が済んだかどうかは gcloud config list で見ます。名前付きの設定の中身は gcloud config configurations describe 設定名 でも見られます。公式ドキュメント「gcloud CLI の構成の管理」に載っている、構成のプロパティの表示例です。

is_active: false
name: default
properties:
  compute:
    region: us-east1
    zone: us-east1-b
  core:
    account: user@google.com
    project: example-project

compute の region・zone は、コマンドで --region を省いたときに使われる既定値です。東京にするには次のようにします。

gcloud config set project rjc-study-2026
gcloud config set compute/region asia-northeast1
gcloud config set compute/zone asia-northeast1-a

仕事用と学習用など、設定を切り替えたいときは名前付きの設定を作ります。公式ドキュメントにある一覧の出力例です。

$ gcloud config configurations list
NAME         IS_ACTIVE     ACCOUNT            PROJECT               DEFAULT_ZONE  DEFAULT_REGION
default      False         user@gmail.com     example-project-1     us-east1-b    us-east1
project-1    False         user@gmail.com     example-project-2     us-east1-c    us-east1
project-2    True          user@gmail.com     example-project-3     us-east1-b    us-east1

よく使うgcloudコマンド早見表

gcloud cheat-sheet が表示する一覧(590.0.0 のソースで確認)を中心に、初心者が最初に使うものです。

やりたいこと コマンド
初期設定(ログイン・プロジェクト選択) gcloud init
版と入っている部品を見る gcloud version
部品を更新する gcloud components update
今の設定を見る gcloud config list
既定のプロジェクトを変える gcloud config set project PROJECT_ID
ログインしているアカウントの一覧 gcloud auth list
プログラム用の認証情報を作る gcloud auth application-default login
プロジェクトを作る gcloud projects create PROJECT_ID
API を有効にする gcloud services enable SERVICE_NAME
ゾーンの一覧 gcloud compute zones list
VM の一覧 gcloud compute instances list
VM に SSH で入る gcloud compute ssh VM_NAME
バケットを作る gcloud storage buckets create gs://BUCKET_NAME
ファイルを置く gcloud storage cp FILE gs://BUCKET_NAME
GKE の認証情報を kubectl に渡す gcloud container clusters get-credentials CLUSTER
コマンドの説明 gcloud help 語句 か gcloud コマンド --help

590.0.0 のリリースノートでは、gcloud-man-pages の部品が取り除かれ、コマンドの説明は --help で見る形になりました。

gcloud storage のコマンドと出力

Cloud Storage の公式クイックスタートにある、コマンドと出力例です。

$ gcloud storage buckets create gs://my-awesome-bucket/ --uniform-bucket-level-access
Creating gs://my-awesome-bucket/...

$ gcloud storage cp Desktop/kitten.png gs://my-awesome-bucket
Copying file://Desktop/kitten.png to gs://my-awesome-bucket/kitten.png
  Completed files 1/1 | 8.6kiB/8.6kiB

$ gcloud storage ls gs://my-awesome-bucket
gs://my-awesome-bucket/kitten.png
gs://my-awesome-bucket/quickstart-folder/

同じ名前のバケットがあると、次のエラーになります。

ServiceException: 409 Bucket my-awesome-bucket already exists.

gcloud storage buckets delete は空のバケットしか消しません。中身ごと消すのは gcloud storage rm --recursive gs://BUCKET_NAME です。確認なしで中身を全部消すので、バケット名を見直してから実行します。

コードからGoogle Cloudを使う(Cloud Storageの例)

この節では、Python から Cloud Storage を操作するコードと、その実行結果が分かります。

Google Cloud の各サービスは、公式のクライアントライブラリ(Python・Java・Node.js・Go など)から使えます。ここでは Python の google-cloud-storage で、バケットの作成からエラー、削除までを動かしました。出力は、Cloud Storage の API を再現するエミュレーター(gcp-storage-emulator)にクライアントを向けて得たものです。 本物の Google Cloud では、gcloud auth application-default login でログインしたうえで、環境変数 STORAGE_EMULATOR_HOST を付けずに同じコードを動かします。

pip install google-cloud-storage
from google.auth.credentials import AnonymousCredentials
from google.cloud import storage
from google.api_core import exceptions

client = storage.Client(project="rjc-sample-20261022", credentials=AnonymousCredentials())

print("== バケットを作る ==")
def show(r, *a, **k):
    print(r.request.method, r.request.url.split("?")[0], r.status_code)
    print("  body:", r.request.body.decode() if isinstance(r.request.body, bytes) else r.request.body)
client._http.hooks["response"].append(show)
bucket = client.create_bucket("rjc-sample-20261022", location="ASIA-NORTHEAST1")
client._http.hooks["response"].clear()
print("created:", bucket.name)

print("== 同じ名前でもう一度作る ==")
try:
    client.create_bucket("rjc-sample-20261022", location="ASIA-NORTHEAST1")
except exceptions.GoogleAPICallError as e:
    print(type(e).__name__, e.code, e.message)

print("== アップロード ==")
bucket.blob("index.html").upload_from_string("<h1>Hello Google Cloud</h1>\n", content_type="text/html")
bucket.blob("data/fruits.csv").upload_from_string("id,name\n1,apple\n2,banana\n", content_type="text/csv")

print("== 一覧 ==")
for b in client.list_blobs("rjc-sample-20261022"):
    print(f"{b.size:>4} bytes  {b.content_type:<10} {b.name}")

print("== data/ の下だけ ==")
for b in client.list_blobs("rjc-sample-20261022", prefix="data/"):
    print(b.name)

print("== 中身を読む ==")
print(bucket.blob("data/fruits.csv").download_as_text(), end="")

print("== 無いファイルを読む ==")
try:
    bucket.blob("nothing.txt").download_as_text()
except exceptions.GoogleAPICallError as e:
    print(type(e).__name__, e.code)

print("== 中身があるバケットを消す ==")
try:
    bucket.delete()
except exceptions.GoogleAPICallError as e:
    print(type(e).__name__, e.code)

print("== 中身を消してからバケットを消す ==")
for b in client.list_blobs("rjc-sample-20261022"):
    b.delete()
    print("deleted", b.name)
bucket.delete()
print("buckets:", [b.name for b in client.list_buckets()])

show は、クライアントが実際に送ったリクエストを表示するための仕掛けです。本番のコードには要りません。実行結果です。

== バケットを作る ==
POST http://127.0.0.1:27601/storage/v1/b 200
  body: {"name": "rjc-sample-20261022", "location": "ASIA-NORTHEAST1"}
created: rjc-sample-20261022
== 同じ名前でもう一度作る ==
Conflict 409 POST http://127.0.0.1:27601/storage/v1/b?project=rjc-sample-20261022&prettyPrint=false: You already own this bucket. Please select another name.
== アップロード ==
== 一覧 ==
  25 bytes  text/csv   data/fruits.csv
  28 bytes  text/html  index.html
== data/ の下だけ ==
data/fruits.csv
== 中身を読む ==
id,name
1,apple
2,banana
== 無いファイルを読む ==
NotFound 404
== 中身があるバケットを消す ==
Conflict 409
== 中身を消してからバケットを消す ==
deleted data/fruits.csv
deleted index.html
buckets: []

読み取れることです。

  • create_bucket は、Cloud Storage の JSON API(POST /storage/v1/b)に、バケット名と場所(ASIA-NORTHEAST1=東京)を送っています。
  • 自分が持っている名前でもう一度作ると 409 です。メッセージ「You already own this bucket. Please select another name.」は、Cloud Storage の公式ドキュメントの 409 の例と同じ文です。
  • data/fruits.csv のように / を含めると、フォルダのように prefix で絞り込めます。中身は「data/fruits.csv という名前のオブジェクトが1つ」です。
  • 無いファイルは 404、中身が残っているバケットの削除は 409 になります。ドキュメントのとおり、バケットは空にしてからでないと消せません。

GCPでよくあるエラーと直し方

この節では、始めたばかりの人が出会うエラー文と、その直し方が分かります。gcloud のエラー文は 590.0.0 のソースにある文言です。

エラー・症状(原文) 原因 直し方
You do not currently have an active account selected. gcloud にログインしていない gcloud auth login か gcloud init
The required property [project] is not currently set. 既定のプロジェクトが無い gcloud config set project PROJECT_ID か --project
API [サービス名] not enabled on project [ID]. Would you like to enable and retry その API を有効にしていない y で有効にするか gcloud services enable
409 Bucket ... already exists. バケット名が使われている(バケット名は全体で重ならない) 別の名前にする
You already own this bucket. Please select another name. 同じ名前のバケットを自分が持っている 既にあるので作り直さない
403 Forbidden・insufficientPermissions そのロールが無い IAM で事前定義ロールを足す
403 accountDisabled・billing の問題 請求先アカウントがつながっていない・閉じている 「お支払い」でプロジェクトの請求先を確かめる
無料トライアルで GPU が付けられない トライアルの制限 有料アカウントへ上げる
作ったはずの VM が一覧に出ない 別のプロジェクトを見ている 画面上部のプロジェクトと gcloud config list を確かめる
東京の e2-micro に請求が来た 無料枠は米国の3リージョンだけ 無料で試すなら us-central1 などで作る

The required property [project] is not currently set. のあとには、ソースでは次の案内が続きます。

You may set it for your current workspace by running:

  $ gcloud config set project VALUE

or it can be set temporarily by the environment variable [CLOUDSDK_CORE_PROJECT]

思わぬ請求を防ぐ確認リスト

よくある失敗と対策

始めたばかりのころに起きやすい失敗を、ドキュメントの仕組みと合わせて整理します。

失敗 起きること 対策
開発と本番を1つのプロジェクトに入れる 権限と請求が混ざり、誤って本番を消す 環境ごとにプロジェクトを分ける
全員に基本ロール(Owner など)を付ける 誰でも全部を消せる 事前定義ロールを付ける
BigQuery で大きな表を何度も全件読む 読んだ量だけ課金される 列を絞る・パーティション分割
Cloud Storage から大量に外へ送る 外向きのデータ転送の料金 Cloud CDN を使う・転送量を見る
新しく Deployment Manager で作る 2026年3月31日でサポート終了 Infrastructure Manager か Terraform

構成をコードで管理する Terraform は、関連記事「Terraform入門|基本の流れからstate管理・既存リソースの取り込みまで」で扱っています。

GCPの学び方と資格

この節では、学ぶ順番と、Google Cloud の認定資格の種類が分かります。

順番 学ぶこと 手を動かす例
1 プロジェクト・請求・IAM プロジェクト作成、予算アラート、ロールの付与
2 Cloud Storage バケットを作り、ファイルを置いて消す
3 Compute Engine と VPC e2-micro を米国リージョンで作り、SSH で入って消す
4 Cloud Run コンテナを1つ公開する
5 Cloud SQL・Firestore Cloud Run からデータベースにつなぐ
6 BigQuery 公開データセットに SQL を投げる
7 Terraform・Infrastructure Manager 1〜6 をコードで作り直す

Cloud Run でコンテナを動かす前に、手元でコンテナを動かせると理解が早くなります。手元の開発環境の作り方は、関連記事「Docker Composeの使い方|compose.yamlの書き方と開発環境の作り方」で扱っています。

業務で使うときは、Google Cloud のサービス名だけでなく、コンテナ(Docker・Kubernetes)、構成のコード化(Terraform)、CI/CD(Cloud Build)、SQL もあわせて使う場面が多くなります。

Google Cloud認定資格の一覧

Google Cloud の認定資格のページの区分です(2026年10月22日時点)。学習用の教材は Google Skills(skills.google)にまとまっています。

レベル 資格
Foundational(基礎) Cloud Digital Leader・Generative AI Leader
Associate Cloud Engineer・Data Practitioner・Google Workspace Administrator
Professional Cloud Architect・Cloud Developer・Data Engineer・Cloud DevOps Engineer
Professional(続き) Cloud Security Engineer・Cloud Network Engineer・Cloud Database Engineer
Professional(続き) Machine Learning Engineer・Security Operations Engineer・Agentic Architect

手を動かして構築する力を確かめるなら Associate Cloud Engineer、全体像と用語なら Cloud Digital Leader が入口になります。

よくある質問

Q. GCP とは何ですか? A. Google が提供するクラウドで、Google Cloud Platform の略です。今の正式な呼び名は Google Cloud です。サーバー・保存場所・データベース・データ分析・AI を、使った分だけ借りられます。

Q. Google Cloud とは GCP と同じですか? A. 同じものです。公式サイトとドキュメントは「Google Cloud」と書き、GCP は略として使われ続けています。Gmail などの Google Workspace は別の製品です。

Q. GCP の読み方は? A. 「ジーシーピー」です。Google Cloud は「グーグル・クラウド」と読みます。

Q. GCP の料金はどう決まりますか? A. 使った時間・量・回数で決まる従量課金です。VM は1分の最低料金のあとは1秒単位、BigQuery は読んだデータの量で決まります。継続利用割引は申し込みなしで最大30%です(「GCPの料金の仕組み」)。

Q. GCP の無料枠は? A. 2026年10月22日時点で、新しい利用者は 300 ドルのクレジットを90日間使えます。これとは別に、e2-micro 1台(米国の3リージョン)や BigQuery の月1 TiB のクエリなど、期限なしの無料枠があります。

Q. GCP は個人でも使えますか? A. 使えます。Google アカウントと、本人確認用の支払い方法があれば登録できます。組織やフォルダが無くても、プロジェクトだけで始められます。

Q. 無料トライアルが終わると勝手に請求されますか? A. 有料アカウントへ自分で上げない限り請求されません。終わると請求先アカウントが閉じてリソースが止まり、30日以内に上げないと削除されます。

Q. GCP で請求の上限を設定できますか? A. 予算アラートは通知だけです。Cloud Run・Cloud Run functions・Gemini API・Gemini Enterprise Agent Platform は、上限付きの予算でその月の新しい利用を止められます。

Q. GCP と AWS の違いは? A. 請求と権限の単位が、AWS はアカウント、Google Cloud はプロジェクトです。VPC が Google Cloud ではグローバルなこと、継続利用割引が自動でかかることも違います。サービスの対応は「AWS・Azureとのサービス対応表」にまとめています。

Q. Cloud Run と Cloud Run functions の違いは? A. Cloud Run はコンテナを動かし、Cloud Run functions は関数のコードだけを置いて動かします。Cloud Run functions は以前の Cloud Functions です。

Q. Vertex AI はどうなりましたか? A. 2026年10月22日時点の公式ドキュメントでは、Gemini Enterprise Agent Platform(旧 Vertex AI)と表記されています。

まとめ

  • GCP は Google のクラウドで、今の呼び名は Google Cloud。サービスは100種類を超える。
  • すべてはプロジェクトに入る。請求先アカウントが支払い、IAM の権限は組織→フォルダ→プロジェクトと引き継がれる。
  • 2026年10月22日時点で、リージョンは43、ゾーンは130。日本は東京(asia-northeast1)と大阪(asia-northeast2)。
  • 無料は「300 ドル・90 日のトライアル」と「期限なしの無料枠」。無料枠の VM と Cloud Storage は米国の3リージョンだけ。
  • 予算アラートは 50%・90%・100% で通知するだけ。止めたいときは上限付きの予算か、請求の無効化。
  • gcloud CLI の最新は 590.0.0。gcloud init → gcloud config list で設定を確かめる。
  • バケットは空にしないと消せない。学習用のプロジェクトは使い終わったら削除する。

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月22日です。

  • Google Cloud「無料クレジット・無料枠(無料トライアル)」:https://cloud.google.com/free-trial?hl=ja
  • Google Cloud「Free cloud features and trial offer」:https://docs.cloud.google.com/free/docs/free-cloud-features
  • Google Cloud「Global Locations」:https://cloud.google.com/about/locations
  • Google Cloud「Compare AWS and Azure services to Google Cloud」:https://docs.cloud.google.com/docs/get-started/aws-azure-gcp-service-comparison
  • Resource Manager「Resource hierarchy」:https://docs.cloud.google.com/resource-manager/docs/cloud-platform-resource-hierarchy
  • Resource Manager「Creating and managing projects」:https://docs.cloud.google.com/resource-manager/docs/creating-managing-projects
  • Cloud Billing「Overview of Cloud Billing concepts」:https://docs.cloud.google.com/billing/docs/concepts
  • Cloud Billing「予算と予算アラートを作成、編集、削除する」:https://docs.cloud.google.com/billing/docs/how-to/budgets?hl=ja
  • Cloud Billing「Manage spend cap budgets」:https://docs.cloud.google.com/billing/docs/how-to/budgets-spend-caps
  • Cloud Billing「Disable billing usage with notifications」:https://docs.cloud.google.com/billing/docs/how-to/disable-billing-with-notifications
  • IAM「Roles and permissions」:https://docs.cloud.google.com/iam/docs/roles-overview
  • IAM「Service accounts overview」:https://docs.cloud.google.com/iam/docs/service-account-overview
  • Architecture Framework「Shared responsibilities and shared fate on Google Cloud」:https://docs.cloud.google.com/architecture/framework/security/shared-responsibility-shared-fate
  • Memorystore「Regions and zones」:https://docs.cloud.google.com/memorystore/docs/memcached/regions
  • Compute Engine「Pricing」:https://cloud.google.com/products/compute/pricing
  • Compute Engine「Sustained use discounts」:https://docs.cloud.google.com/compute/docs/sustained-use-discounts
  • BigQuery「Pricing」:https://cloud.google.com/bigquery/pricing
  • Google Cloud Pricing Calculator:https://cloud.google.com/products/calculator
  • Cloud Run functions「Functions overview」:https://docs.cloud.google.com/functions/docs/concepts/overview
  • Cloud Deployment Manager「Deprecations」:https://docs.cloud.google.com/deployment-manager/docs/deprecations
  • Gemini Enterprise Agent Platform「Introduction」:https://docs.cloud.google.com/vertex-ai/docs/start/introduction-unified-platform
  • Google Cloud CLI「Install the gcloud CLI」:https://docs.cloud.google.com/sdk/docs/install-sdk
  • Google Cloud CLI「Managing gcloud CLI configurations」:https://docs.cloud.google.com/sdk/docs/configurations
  • Google Cloud CLI「gcloud billing budgets create」:https://docs.cloud.google.com/sdk/gcloud/reference/billing/budgets/create
  • Cloud Storage「Discover object storage with the gcloud tool」:https://docs.cloud.google.com/storage/docs/discover-object-storage-gcloud
  • Cloud Storage「Delete buckets」:https://docs.cloud.google.com/storage/docs/deleting-buckets
  • Cloud Storage「HTTP status and error codes for JSON」:https://docs.cloud.google.com/storage/docs/json_api/v1/status-codes
  • Google Cloud「認定資格」:https://cloud.google.com/learn/certification
  • Synergy Research Group「Q2 Cloud Market Passes $143 Billion」:https://www.srgresearch.com/articles/q2-cloud-market-passes-143-billion-highest-growth-rate-in-eight-years
  • gcp-storage-emulator(Cloud Storage のエミュレーター):https://github.com/oittaa/gcp-storage-emulator

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(記載例)出典:株式会社RJC「GCPとは|Google Cloudの主要サービス・料金・無料枠・始め方」

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