- マネジメント
ROASの計算方法|ROI・CPAとの違いと損益分岐
ROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)は、広告費1円あたり、いくらの売上があったかを表す指標です。
ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)
Google 広告のヘルプでも、売上 500円 ÷ 広告費 100円 × 100% = 500% という計算で説明されています。
ROAS は「売上」で見るので、ROAS が高くても利益が出ているとは限りません。 利益が出るかは、損益分岐の ROAS(= 1 ÷ 粗利率) と比べて判断します。
数値の例は架空の数字です。計算は Python 3.11 で検算しました(確認日 2026年10月11日)。
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(記載例)出典:株式会社RJC「ROASの計算方法|ROI・CPAとの違いと損益分岐」
ROAS・ROI・CPA を同じ数字で計算する
例(架空):広告費 40万円、広告経由の売上 100万円、粗利率 30%、成約 50件
| 指標 | 計算式 | 結果 | 何が分かるか |
|---|---|---|---|
| ROAS | 売上 ÷ 広告費 | 100万 ÷ 40万 = 250% | 広告費の何倍の売上か |
| 粗利 | 売上 × 粗利率 | 100万 × 30% = 30万円 | — |
| ROI(広告の) | (粗利 − 広告費)÷ 広告費 | (30万 − 40万)÷ 40万 = −25% | 広告で利益が出たか |
| CPA | 広告費 ÷ 成約数 | 40万 ÷ 50 = 8,000円 | 1件の成約にかかった費用 |
ROAS は 250% で「売上は広告費の2.5倍」なのに、ROI は −25% で、広告をかけた分だけ赤字でした。 粗利が 30万円しかないところに、広告費を 40万円使っているためです。
損益分岐の ROAS = 1 ÷ 粗利率
広告費と粗利がちょうど同じになる ROAS が、損益分岐の ROAS です。
損益分岐 ROAS = 1 ÷ 粗利率 × 100(%)
| 粗利率 | 損益分岐の ROAS |
|---|---|
| 20% | 500% |
| 30% | 333.3% |
| 40% | 250% |
| 50% | 200% |
| 70% | 142.9% |
上の例(粗利率 30%)では、ROAS が 333.3% を超えて、やっと広告費を回収できます。 粗利率が低い商品ほど、高い ROAS が必要です。「ROAS 200% を目標に」と決めるときは、まず自社の粗利率で損益分岐を計算します。
| 判断 | 条件 |
|---|---|
| 広告で利益が出ている | ROAS > 損益分岐の ROAS |
| 広告費を回収できていない | ROAS < 損益分岐の ROAS |
この計算は、広告費以外の費用(人件費・送料など)を粗利率に含めるかで変わります。含める費用の範囲は、社内でそろえておきます。
スプレッドシートの式
| セル | 内容 | 式 |
|---|---|---|
| B1 | 広告経由の売上 | (入力) |
| B2 | 広告費 | (入力) |
| B3 | 粗利率 | (入力、例:0.3) |
| B4 | 成約数 | (入力) |
| B5 | ROAS | =B1/B2 |
| B6 | ROI | =(B1*B3-B2)/B2 |
| B7 | CPA | =B2/B4 |
| B8 | 損益分岐の ROAS | =1/B3 |
| B9 | 判定 | =IF(B5>B8,"回収できている","回収できていない") |
B5・B6・B8 は、セルの表示形式をパーセントにします。
ROAS が向いている場面・向いていない場面
| 場面 | 向いている指標 | 理由 |
|---|---|---|
| EC など、その場で売上が決まる | ROAS | 売上の金額がすぐに分かる |
| BtoB の問い合わせ獲得 | CPA(問い合わせ1件の費用) | 売上が決まるのは、商談・契約のずっとあと |
| 継続課金のサービス | CPA と LTV | 初回の売上だけでは価値を表せない |
| 広告で本当に利益が出たか | ROI | 粗利・費用まで含めて見る |
BtoB では、問い合わせの時点では売上の金額が決まっていないので、まず CPA(問い合わせ1件あたり)で管理します。 そのうえで「問い合わせ → 商談 → 契約」の割合と、1件の契約の粗利から、許容できる CPAを逆算します。
許容できる CPA = 契約1件の粗利 × 商談化率 × 成約率
(例:粗利 300万円 × 商談化 30% × 成約 20% = 18万円)
継続課金での考え方は、関連記事の「LTVとCACの計算方法|ユニットエコノミクス」で扱っています。
広告の画面の ROAS と、実際の ROAS
広告の管理画面の ROAS は、広告の仕組みが「その広告から来た」と記録できた売上だけで計算されます。 自社の売上の集計とずれることがあるので、判断に使う前に、どの売上を数えているか(期間・どの成約まで含むか)を確かめます。
よくある質問
Q. ROAS と ROI は、どちらを見ればよいですか。 A. 日々の広告の運用では ROAS や CPA、広告に予算をかけるかの判断では ROI(利益)を見ます。システム投資など、広告以外の ROI の計算は、既存の記事「ROIの計算方法|システム投資の回収期間・NPVをExcel数式で」で扱っています。
まとめ
- ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費。売上で見るので、高くても赤字のことがある
- 損益分岐の ROAS = 1 ÷ 粗利率(粗利率 30% なら 333.3%)
- ROAS 250% でも、粗利率 30% なら ROI は −25%
- BtoB は CPA で管理し、商談化率・成約率から許容できる CPA を逆算
- 管理画面の ROAS は、記録できた売上だけで計算される
参考・出典
確認日はいずれも 2026年10月11日です。
- Google 広告 ヘルプ(目標広告費用対効果):https://support.google.com/google-ads/answer/6268637?hl=ja
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(記載例)出典:株式会社RJC「ROASの計算方法|ROI・CPAとの違いと損益分岐」
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