PMF(Product Market Fit:プロダクトマーケットフィット)とは、製品が市場の顧客に受け入れられ、使われ続けている状態です。 言葉を広めた Marc Andreessen は、2007年の記事で 「良い市場にいて、その市場を満足させられる製品を持っていること」 と定義しています。

PMF に達したかを測る代表的な方法が、Sean Ellis の「40%テスト」です。

項目 内容
質問 「この製品が使えなくなったら、どう感じますか」
選択肢 とても残念/やや残念/残念ではない
基準 「とても残念」が 40% 以上なら PMF に近い
根拠 Sean Ellis が約100社のスタートアップを比べ、40% を下回る会社は成長に苦しんでいたとされる(First Round Review)

数値の例は架空の数字です。計算は Python 3.11 で検算しました(確認日 2026年10月11日)。

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(記載例)出典:株式会社RJC「PMFとは|40%テストでの測り方と集計方法」

4つの質問(Superhuman の例)

メールソフトの Superhuman は、40%テストを使って PMF を目指した手順を公開しています(First Round Review)。使った質問は次の4つです。

# 質問 何に使うか
1 この製品が使えなくなったら、どう感じますか(とても残念/やや残念/残念ではない) PMF の点数
2 どんな人が、この製品で一番得をすると思いますか 一番の顧客像を知る
3 この製品から得ている一番の価値は何ですか 強みを知る
4 どうすれば、もっと良くなりますか 何を直すかを知る

誰に聞くか

条件 理由
最近2週間で2回以上使った人 使っていない人の意見は「使えなくなったら」の質問に答えられない
1人に1回だけ 何度も聞くと回答が偏る
40件ほどから傾向が見え始める Superhuman の記事では、40件前後で方向は正しく読めるとされる

集計の方法

スプレッドシートの式

B列に質問1の回答が入っているとき:

「とても残念」の割合:=COUNTIF(B2:B500,"とても残念")/COUNTA(B2:B500)
回答数:            =COUNTA(B2:B500)

計算例(架空)

回答 人数
とても残念 42
やや残念 50
残念ではない 22
(もう使っていない) 6(集計から外す)

「とても残念」の割合 = 42 ÷ 114 = 36.8%。40% にはまだ届いていません。

回答数による誤差

回答数が少ないと、たまたまのばらつきが大きくなります。 割合が 40% のとき、95% の幅(±)を計算しました。

回答数 誤差の目安(±)
30 ±17.5 ポイント
50 ±13.6 ポイント
100 ±9.6 ポイント
200 ±6.8 ポイント
400 ±4.8 ポイント

上の例(114件で 36.8%)は、±8.9 ポイントの幅があります。38% と 42% の違いは、回答数が数百ないと区別できません。 1回の数字で判断せず、同じ方法で繰り返し測り、傾向を見ます。

40% に届かないときの進め方(Superhuman の手順)

Superhuman は、最初の調査で 22% でしたが、手順を踏んで 33%、さらに3四半期後には 58% まで上げたと紹介されています。

手順 内容
1. 「とても残念」の人に絞る 質問2・3の答えから、一番の顧客像と、その人が感じる価値を知る
2. 顧客の範囲を絞る その顧客像に合う人だけで集計し直す(Superhuman は 22% → 33%)
3. 「残念ではない」の意見は追わない 合わない人に合わせると、強みがぼやける
4. 「やや残念」の人を分ける 一番の価値(Superhuman では速さ)を挙げた人の、質問4の答えを直す
5. 計画の半分を強み、半分を弱みの解消に 強みをさらに伸ばしつつ、「やや残念」の人の障害を取り除く

全員の意見を平均して直すのではなく、「とても残念」と答えた人を中心に、製品と顧客の範囲を絞り込むのが、この手順の要点です。

BtoB・社内システムで使うとき

場面 聞く相手 注意
BtoB のサービス 実際に使っている担当者(契約した責任者だけでなく) 1社から1人ずつ、または利用者全員かを決めて変えない
社内システム 最近使った利用者 「使えなくなったら」の代わりに「以前のやり方に戻ったら」と聞いてもよい
受託開発の成果物 発注側の利用部門 回答数が少ないので、点数より質問3・4の中身を重視

社内システムは、使うことを強制されているので、使っている人数だけでは価値が分かりません。 「以前のやり方に戻ったら、どう感じますか」と聞くと、本当に役に立っているかを確かめられます。

よくある質問

Q. 40% は、どの業界でも同じ基準ですか。 A. 40% は Sean Ellis がスタートアップを比べて見つけた目安です。業界や製品の種類ごとの基準は示されていないので、自社では同じ方法で繰り返し測り、上がっているかで判断するのが確実です。

Q. PMF の前に確かめることはありますか。 A. 課題と解決策が合っているか(PSF)を先に確かめます。関連記事の「PSFとPMFの違い|検証の順番と判断基準」で扱っています。

まとめ

  • PMF は、良い市場で、その市場を満足させる製品を持つこと(Andreessen, 2007)
  • 「使えなくなったら、とても残念」が 40% 以上が目安(Sean Ellis)
  • 聞くのは最近使った人、40件ほどから傾向が見える
  • 回答 100件でも ±10 ポイント近い誤差。繰り返し測って傾向を見る
  • 届かないときは、「とても残念」の人に絞って顧客と製品を磨く(Superhuman は 22% → 58%)

参考・出典

確認日はいずれも 2026年10月11日です。

  • Marc Andreessen「The only thing that matters」(2007年6月25日):https://pmarchive.com/guide_to_startups_part4.html
  • First Round Review「How Superhuman Built an Engine to Find Product/Market Fit」:https://review.firstround.com/how-superhuman-built-an-engine-to-find-product-market-fit/

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(記載例)出典:株式会社RJC「PMFとは|40%テストでの測り方と集計方法」

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