ビジネスフレームワークとは、考える順番や見る観点をあらかじめ決めておく「思考の型」です。3CやSWOTのように枠が決まっているので、何から考えればよいか迷う時間が減り、チームで同じ表を見ながら話せるようになります。

この記事では、よく使われる30種を6つの目的別の早見表にまとめ、主要10種には記入枠と記入例を付けました。記入例は、架空のプログラミング学習アプリ「まなびノート」を題材にしており、数値や状況はすべて説明用のものです。

確認環境:Ubuntu 24.04、Python 3.11.15(早見表の件数と所要時間の集計)、@mermaid-js/mermaid-cli 12.0.0(図の描画確認)。確認日は2026-10-06です。所要時間は、1つの題材を1回埋めるときの目安です。

この記事の結論

  • フレームワークは、埋めること自体が目的ではない。「何を決めたいか」から逆算して、1〜2個だけ選びます。
  • 目的は6つに分けると選びやすい。環境を知る、課題を絞る、打ち手を出す、伝える、進める、振り返る、の順に仕事は流れます。
  • 迷ったら、出力の欄を見る。欲しい出力(例:狙う相手、次に試すこと)が書いてある行を選べば外しません。
  • 3CとPESTは材料集め、SWOTは整理、4Pは打ち手。役割が違うので、同じ段階で全部を埋める必要はありません。
  • 日々の連絡は5W1HとPREPで足りる。分析用の型を毎日の報告に持ち込まなくて大丈夫です。
決めたいこと まず使う1つ 足すなら
自分たちの立ち位置を知りたい 3C分析 SWOT分析
世の中の変化を押さえたい PEST分析 5フォース分析
何が問題かを絞りたい As-Is/To-Be ロジックツリー
施策の案を出したい 4P 4C
抜けなく連絡したい 5W1H PREP
目標を決めて進めたい SMART PDCA
次に向けて改善したい KPT YWT

ビジネスフレームワーク30選の目的別早見表

No 目的 フレームワーク ひとことで 入力に要る情報 出力 所要時間の目安 人数
1 環境を知る 3C分析 顧客・競合・自社の3つの視点で状況を並べる 顧客の声、競合の公開情報、自社の数値 自社が選ばれる理由の仮説 60分 1人〜
2 環境を知る PEST分析 政治・経済・社会・技術の変化を洗い出す 制度やルールの動き、景気、人口や価値観、新技術 数年先に効いてくる外部の変化の一覧 60分 1人〜
3 環境を知る 5フォース分析 業界にかかる5つの力から競争の強さを見る 競合、新規参入、代替品、買い手、売り手の情報 収益を押し下げる力と、力を弱める方向 90分 1人〜
4 環境を知る SWOT分析 強み・弱み・機会・脅威の4枠に整理する 3CやPESTの結果、自社の数値 内部と外部の要因を1枚にまとめた表 45分 1人〜
5 環境を知る バリューチェーン分析 仕事の流れを工程に分け、価値を生む工程を探す 工程ごとの作業、かかる時間や費用 強化する工程と見直す工程 90分 2人〜
6 課題を絞る ロジックツリー 問いを枝分かれさせて、もれなく分解する 解きたい問い1つ 原因や打ち手の候補の全体図 45分 1人〜
7 課題を絞る As-Is/To-Be 現状とありたい姿を並べ、差を課題とする 現状の数値、目標の数値 差(ギャップ)と取り組む課題 30分 1人〜
8 課題を絞る なぜなぜ分析 起きた事象に「なぜ」を重ねて原因をたどる 事象の記録(いつ・何が・どれだけ) 仕組みの原因と再発を防ぐ対策 60分 2人〜
9 課題を絞る パレート分析 件数の多い順に並べ、上位に絞る 分類ごとの件数や金額 先に手を付ける上位の項目 30分 1人〜
10 課題を絞る 緊急度×重要度マトリクス 2軸で4つに分け、順番を決める やることの一覧 今やること・予定に入れること・任せること・やめること 15分 1人〜
11 打ち手を出す STP 市場を分け、狙う相手と立ち位置を決める 顧客の属性や行動のデータ 狙う相手と、相手から見た立ち位置 60分 1人〜
12 打ち手を出す 4P 製品・価格・流通・販促の4つで打ち手を組む 狙う相手、自社の強み 売り手視点の施策の組み合わせ 60分 1人〜
13 打ち手を出す 4C 顧客にとっての価値・負担・入手しやすさ・対話で見直す 顧客の声、利用の記録 買い手視点で見た4Pの点検結果 45分 1人〜
14 打ち手を出す クロスSWOT SWOTの4枠を掛け合わせて戦略の案を作る 記入済みのSWOT 強み×機会などの4方向の打ち手 45分 2人〜
15 打ち手を出す アンゾフの成長マトリクス 製品と市場をそれぞれ既存・新規に分ける 既存の製品と顧客の一覧 伸ばす方向(浸透・開発・開拓・多角化) 30分 1人〜
16 伝える 5W1H いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのようにで整理する 伝えたい出来事や依頼 抜けのない連絡文や指示 10分 1人
17 伝える PREP 結論→理由→具体例→結論の順に話す 言いたい結論1つ 短く伝わる説明や報告 10分 1人
18 伝える SDS 要点→詳細→要点の順に話す 伝える内容の全体 全体像が先に伝わる説明 10分 1人
19 伝える ピラミッド構造 結論を頂点に、根拠を下に積む 結論の候補、根拠となる事実 提案書や報告書の骨組み 45分 1人
20 伝える 空・雨・傘 事実→解釈→行動の順に並べる 観察した事実 事実と意見を分けた提案 10分 1人
21 進める PDCA 計画→実行→確認→改善を回す 目標、指標、期限 次の周期の計画 30分 1人〜
22 進める OODA 観察→状況判断→意思決定→行動を回す 目の前の状況の観察 その場で決めた次の行動 10分 1人〜
23 進める SMART 目標を5つの条件で点検する 目標の案 測れて期限のある目標文 15分 1人
24 進める KPIツリー 最終の指標を、動かせる指標に分解する 最終の指標、関係する数値 日々追う指標と担当 60分 2人〜
25 進める RACI 作業ごとに実行・説明・相談・報告の役割を決める 作業の一覧、関係者の一覧 役割分担表 45分 2人〜
26 振り返る KPT 続けること・課題・次に試すことを出す 期間中の出来事 次に試すこと(1〜3個) 45分 2人〜
27 振り返る YWT やったこと・わかったこと・次にやることを書く 期間中にやったこと 学びと次の行動 30分 1人〜
28 振り返る 4L 好きだった・学んだ・足りなかった・望んだで書く 期間中の出来事と感想 気持ちも含めた気づき 30分 2人〜
29 振り返る Start/Stop/Continue 始める・やめる・続けるに分ける 今のやり方の一覧 やり方の入れ替え案 30分 2人〜
30 振り返る Fun/Done/Learn 楽しかった・できた・学んだの3つの円に置く 期間中の出来事 前向きな共有と次の意欲 30分 2人〜

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「ビジネスフレームワーク一覧30選|3C・SWOT・4Pの使い分け目的別早見表」

タブ区切り版(表計算ソフトに貼れる)

No  目的  フレームワーク ひとことで   入力に要る情報 出力  所要時間の目安(分)  人数
1   環境を知る   3C分析    顧客・競合・自社の3つの視点で状況を並べる   顧客の声、競合の公開情報、自社の数値  自社が選ばれる理由の仮説    60  1人〜
2   環境を知る   PEST分析  政治・経済・社会・技術の変化を洗い出す 制度やルールの動き、景気、人口や価値観、新技術 数年先に効いてくる外部の変化の一覧   60  1人〜
3   環境を知る   5フォース分析 業界にかかる5つの力から競争の強さを見る    競合、新規参入、代替品、買い手、売り手の情報  収益を押し下げる力と、力を弱める方向  90  1人〜
4   環境を知る   SWOT分析  強み・弱み・機会・脅威の4枠に整理する 3CやPESTの結果、自社の数値    内部と外部の要因を1枚にまとめた表   45  1人〜
5   環境を知る   バリューチェーン分析  仕事の流れを工程に分け、価値を生む工程を探す  工程ごとの作業、かかる時間や費用    強化する工程と見直す工程    90  2人〜
6   課題を絞る   ロジックツリー 問いを枝分かれさせて、もれなく分解する 解きたい問い1つ    原因や打ち手の候補の全体図   45  1人〜
7   課題を絞る   As-Is/To-Be 現状とありたい姿を並べ、差を課題とする 現状の数値、目標の数値 差(ギャップ)と取り組む課題  30  1人〜
8   課題を絞る   なぜなぜ分析  起きた事象に「なぜ」を重ねて原因をたどる    事象の記録(いつ・何が・どれだけ)   仕組みの原因と再発を防ぐ対策  60  2人〜
9   課題を絞る   パレート分析  件数の多い順に並べ、上位に絞る 分類ごとの件数や金額  先に手を付ける上位の項目    30  1人〜
10  課題を絞る   緊急度×重要度マトリクス    2軸で4つに分け、順番を決める やることの一覧 今やること・予定に入れること・任せること・やめること  15  1人〜
11  打ち手を出す  STP 市場を分け、狙う相手と立ち位置を決める 顧客の属性や行動のデータ    狙う相手と、相手から見た立ち位置    60  1人〜
12  打ち手を出す  4P  製品・価格・流通・販促の4つで打ち手を組む   狙う相手、自社の強み  売り手視点の施策の組み合わせ  60  1人〜
13  打ち手を出す  4C  顧客にとっての価値・負担・入手しやすさ・対話で見直す  顧客の声、利用の記録  買い手視点で見た4Pの点検結果 45  1人〜
14  打ち手を出す  クロスSWOT SWOTの4枠を掛け合わせて戦略の案を作る   記入済みのSWOT   強み×機会などの4方向の打ち手 45  2人〜
15  打ち手を出す  アンゾフの成長マトリクス    製品と市場をそれぞれ既存・新規に分ける 既存の製品と顧客の一覧 伸ばす方向(浸透・開発・開拓・多角化) 30  1人〜
16  伝える 5W1H    いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのようにで整理する 伝えたい出来事や依頼  抜けのない連絡文や指示 10  1人
17  伝える PREP    結論→理由→具体例→結論の順に話す   言いたい結論1つ    短く伝わる説明や報告  10  1人
18  伝える SDS 要点→詳細→要点の順に話す   伝える内容の全体    全体像が先に伝わる説明 10  1人
19  伝える ピラミッド構造 結論を頂点に、根拠を下に積む  結論の候補、根拠となる事実   提案書や報告書の骨組み 45  1人
20  伝える 空・雨・傘   事実→解釈→行動の順に並べる  観察した事実  事実と意見を分けた提案 10  1人
21  進める PDCA    計画→実行→確認→改善を回す  目標、指標、期限    次の周期の計画 30  1人〜
22  進める OODA    観察→状況判断→意思決定→行動を回す  目の前の状況の観察   その場で決めた次の行動 10  1人〜
23  進める SMART   目標を5つの条件で点検する   目標の案    測れて期限のある目標文 15  1人
24  進める KPIツリー  最終の指標を、動かせる指標に分解する  最終の指標、関係する数値    日々追う指標と担当   60  2人〜
25  進める RACI    作業ごとに実行・説明・相談・報告の役割を決める 作業の一覧、関係者の一覧    役割分担表   45  2人〜
26  振り返る    KPT 続けること・課題・次に試すことを出す  期間中の出来事 次に試すこと(1〜3個)    45  2人〜
27  振り返る    YWT やったこと・わかったこと・次にやることを書く  期間中にやったこと   学びと次の行動 30  1人〜
28  振り返る    4L  好きだった・学んだ・足りなかった・望んだで書く 期間中の出来事と感想  気持ちも含めた気づき  30  2人〜
29  振り返る    Start/Stop/Continue 始める・やめる・続けるに分ける 今のやり方の一覧    やり方の入れ替え案   30  2人〜
30  振り返る    Fun/Done/Learn  楽しかった・できた・学んだの3つの円に置く   期間中の出来事 前向きな共有と次の意欲 30  2人〜

目的から1〜2個に絞る選び方

手順 自分に問うこと 例
1 この作業が終わったとき、何が決まっていればよいか 「来期に狙う利用者層が決まっている」
2 それは6つの目的のどれか 打ち手を出す
3 早見表の「出力」が、決めたいことと合う行はどれか STP(狙う相手と立ち位置)
4 「入力に要る情報」は手元にあるか 顧客の属性データが無い → 先に3Cで集める
5 使える時間に収まるか 60分の会議なら1個、半日なら2個まで

手順4で入力が足りないと分かったときだけ、前の段階のフレームワークを足します。最初から何枚も埋めようとすると、埋める作業で時間が尽きてしまいます。

主要10種の記入枠と記入例

「書くこと」の列までが記入枠です。「記入例」の列を消せば、そのままテンプレートとして使えます。

1. 3C分析

枠 書くこと 記入例(学習アプリ「まなびノート」)
Customer(顧客) だれが、どんな場面で、何に困っているか 働きながら学ぶ20〜30代。平日は学習時間が30分ほどしか取れず、続かないことに困っている
Competitor(競合) 顧客が比べる相手と、その強み 動画講座型のサービスは講座数が多い。書籍は体系的で安価
Company(自社) 自社が持つもの、できること 1回5分の演習問題と、学習の記録を自動で残す仕組みがある
まとめ 顧客が求め、競合が満たせず、自社ができること 「短い時間でも続けられる」ことを前面に出す

2. SWOT分析

枠 書くこと 記入例
Strengths(強み・内部) 自社でコントロールでき、有利に働くこと 5分単位の演習が900問ある。継続日数を見せる画面の評判がよい
Weaknesses(弱み・内部) 自社でコントロールでき、不利に働くこと 動画の解説が少ない。上級者向けの内容が薄い
Opportunities(機会・外部) 自社では変えられない、追い風になる変化 学び直しへの関心が高まっている。生成AIで解説文を作りやすくなった
Threats(脅威・外部) 自社では変えられない、向かい風になる変化 無料の学習コンテンツが増えている。似た短時間型のアプリが出てきた

内部か外部かの見分け方は「自分たちの判断で変えられるか」です。変えられるなら強み・弱み、変えられないなら機会・脅威に置きます。

3. 4P

枠 書くこと 記入例
Product(製品) 何を提供するか。機能、品質、名前 1回5分の演習、学習記録、週ごとの復習メニュー
Price(価格) いくらで、どんな払い方か 月額の定額制。最初の14日間は無料(説明用の設定)
Place(流通) どこで手に入るか スマートフォンのアプリストアとWebブラウザ版
Promotion(販促) どうやって知ってもらうか 学習記録を共有できる画像の出力、勉強会コミュニティへの協賛

4. PEST分析

枠 書くこと 記入例
Politics(政治・制度) 法律、制度、公的な支援の動き 社会人の学び直しを後押しする制度が広がっている
Economy(経済) 景気、物価、所得、為替の動き 物価の上昇で、月額サービスの見直しをする人が増えている
Society(社会) 人口、働き方、価値観の動き 在宅勤務の定着で、通勤時間に学ぶ人が減り、夜に学ぶ人が増えた
Technology(技術) 新しい技術や普及の動き 生成AIにより、個人に合わせた問題の出し分けが作りやすくなった

5. 5W1H

枠 書くこと 記入例(新機能リリースの連絡)
When(いつ) 日時、期限 11月4日(水)10時
Where(どこで) 場所、対象の範囲 スマートフォン版のみ。Webブラウザ版は対象外
Who(だれが) 担当、対象者 開発チームがリリースし、全利用者に公開する
What(何を) 対象、内容 週ごとの復習メニュー機能
Why(なぜ) 目的、背景 2週目に学習をやめる人が多く、復習のきっかけを作るため
How(どのように) 方法、手順 段階的に公開し、初日は利用者の1割から始める

6. ロジックツリー

枠 書くこと 記入例
問い(頂点) 解きたい問いを1文で なぜ2週目の継続率が下がるのか
第1階層 問いを重なりなく2〜4つに分ける 学ぶ時間が取れない/内容が合わない/続ける動機が弱い
第2階層 第1階層をさらに分ける 続ける動機が弱い → 成長が見えない/仲間がいない/目標が遠い
確かめること 枝ごとに、何を見れば分かるか 「成長が見えない」→ 記録画面を開いた回数と継続率の関係を見る

7. STP

枠 書くこと 記入例
Segmentation(分ける) 市場をどんな軸で分けるか 学ぶ目的(転職・業務・趣味)× 使える時間(30分未満・30分以上)
Targeting(狙う) どの区分を狙うか、その理由 「業務で必要 × 30分未満」。短時間の演習という強みが合う
Positioning(立ち位置) 相手の頭の中で、どう覚えてもらうか 「忙しい日でも5分だけ進められる学習アプリ」

8. PREP

枠 書くこと 記入例(上長への提案)
Point(結論) 言いたいことを1文で 復習メニュー機能を次の四半期に開発したいです
Reason(理由) そう言える理由 2週目に学習をやめる人が最も多いためです
Example(具体例) 数字や事例 利用開始から8〜14日目に、やめた人の4割が集中しています(説明用の数値)
Point(結論) もう一度結論 そのため、復習のきっかけを作る機能を優先したいです

9. As-Is/To-Be

枠 書くこと 記入例
As-Is(現状) 今の状態を数値で 2週目の継続率は55%(説明用の数値)
To-Be(ありたい姿) いつまでに、どうなっていたいか 来年3月末までに70%
ギャップ 差はどれだけか 15ポイント
課題 差を埋めるために取り組むこと 復習のきっかけ作り、成長が見える画面の改善

10. KPT

枠 書くこと 記入例(リリース後の振り返り)
Keep(続けること) うまくいったこと、続けたいこと 段階的な公開で、不具合を早い段階で見つけられた
Problem(課題) 困ったこと、気になったこと お知らせ文の準備が前日になり、確認の時間が短かった
Try(次に試すこと) 次の期間で試すことを1〜3個 お知らせ文の下書きを、リリースの5営業日前に用意する

似たフレームワークの違いと使い分け

3C分析とSWOT分析の違い

観点 3C分析 SWOT分析
役割 材料を集める 集めた材料を整理する
枠 顧客・競合・自社 強み・弱み・機会・脅威
分け方の軸 だれの話か 内部か外部か × 有利か不利か
出力 自社が選ばれる理由の仮説 内部と外部の要因の一覧
使う順番 先 後(3Cの結果を入れる)

4Pと4Cの違い

観点 4P 4C
視点 売り手 買い手
製品 ↔ 価値 Product(何を作るか) Customer Value(顧客にとっての価値は何か)
価格 ↔ 負担 Price(いくらにするか) Cost(お金・時間・手間の負担はどれだけか)
流通 ↔ 入手しやすさ Place(どこで売るか) Convenience(手に入れやすいか)
販促 ↔ 対話 Promotion(どう知らせるか) Communication(双方向にやり取りできるか)
使いどころ 施策を組み立てる 組み立てた施策を顧客の側から点検する

PEST分析と5フォース分析の違い

観点 PEST分析 5フォース分析
見る範囲 世の中全体(マクロ) 自分たちの業界(ミクロ)
枠 政治・経済・社会・技術 競合・新規参入・代替品・買い手・売り手
時間の幅 数年先までの変化 今の競争の構造
出力 追い風と向かい風の一覧 収益を押し下げる力の強さ
使う順番 先(広く見る) 後(業界に絞る)

どれを使うかの判断基準

条件 選ぶもの
顧客や競合の情報がまだ集まっていない 3C分析(SWOTは後)
材料はあるが、ばらばらで全体が見えない SWOT分析
新しい施策を一から組み立てる 4P
今の施策が顧客に合っているか確かめたい 4C
数年単位の計画を立てる PEST分析
競争相手や代替手段が増えてきた 5フォース分析
原因がいくつも考えられる ロジックツリー
起きた1つの事象を深く掘りたい なぜなぜ分析
聞き手に全体像を先に渡したい SDS
聞き手に結論と根拠を伝えたい PREP
計画どおりに進めやすい仕事 PDCA
状況が刻々と変わる仕事 OODA

使う順番(Mermaid)

6つの目的は、仕事の流れの順に並んでいます。すべてを通る必要はなく、今いる段階から始めます。

flowchart LR
    subgraph S1[1. 環境を知る]
        PEST[PEST分析] --> F5[5フォース分析] --> C3[3C分析] --> SWOT[SWOT分析]
    end
    subgraph S2[2. 課題を絞る]
        ASIS[As-Is/To-Be] --> LT[ロジックツリー]
    end
    subgraph S3[3. 打ち手を出す]
        XSWOT[クロスSWOT] --> STP[STP] --> P4[4P] --> C4[4C]
    end
    subgraph S4[4. 伝える]
        PYR[ピラミッド構造] --> PREP[PREP]
    end
    subgraph S5[5. 進める]
        SMART[SMART] --> KPI[KPIツリー] --> PDCA[PDCA]
    end
    subgraph S6[6. 振り返る]
        KPT[KPT]
    end
    SWOT --> ASIS
    LT --> XSWOT
    C4 --> PYR
    PREP --> SMART
    PDCA --> KPT
    KPT -. 次の周期へ .-> PDCA
段階 前の段階から受け取るもの 次の段階へ渡すもの
1. 環境を知る ― 強み・弱み・機会・脅威
2. 課題を絞る 現状の数値と要因 取り組む課題
3. 打ち手を出す 取り組む課題 狙う相手と施策の案
4. 伝える 施策の案と根拠 合意された提案
5. 進める 合意された提案 目標・指標・結果
6. 振り返る 結果と出来事 次の周期で試すこと

うまく使うためのコツ

こうなりがち こうするとよい
枠をすべて埋めたところで終わる 最後に「だから何をするか」を1文で書く欄を足す
思い付きと事実が混ざる 事実には出どころ(数値、日付、だれの発言か)を添える
1枚に1時間以上かかる 時間を区切り、空欄は「調べること」として残す
毎回ちがう型を使い、比べられない チームでよく使う型を3〜5個に決めておく
強みと機会の区別がつかない 「自分たちの判断で変えられるか」で内部と外部を分ける

確かめて分かったこと

  • 30種のうち15種は、30分以内で1回埋められる目安だった。所要時間の目安を集計すると、30分以内が15種、60分以上が8種でした。60分以上の8種のうち4種は「環境を知る」の型です。
  • 15分以内のものは7種で、うち4種が「伝える」の型だった。緊急度×重要度マトリクス、5W1H、PREP、SDS、空・雨・傘、OODA、SMARTの7種です。短い時間で使えるので、日々の連絡や計画に組み込みやすい型です。
  • 21種は1人で始められる。残りの9種(なぜなぜ分析、KPIツリー、RACI、KPTなど)は、複数人の視点があって初めて意味を持つ型でした。
  • 使う順番のMermaidは、6つのsubgraphをまたぐ矢印を含めて、掲載のコードのまま描画できた。

よくある質問

Q. ビジネスフレームワークとは何ですか? A. 考える順番や観点をあらかじめ決めた、思考の型です。3C分析なら顧客・競合・自社、5W1Hならいつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように、というように枠が決まっています。

Q. 3C分析とSWOT分析の違いは何ですか? A. 3C分析は材料を集める型、SWOT分析は集めた材料を整理する型です。3Cで顧客・競合・自社の情報を集め、その結果を内部と外部、有利と不利に分けてSWOTの4枠に入れます。

Q. 4Pと4Cはどちらを使えばよいですか? A. 施策を組み立てるときは4P、組み立てた施策を顧客の側から点検するときは4Cを使います。4Pで作って4Cで確かめる、という順で両方使うのが一般的です。

Q. フレームワークを埋めても結論が出ないときはどうすればよいですか? A. 「何を決めたいか」を1文で書き直してから、早見表の出力の欄と照らし合わせます。出力が決めたいことと合っていなければ、別の型に替えます。合っている場合は、枠の最後に「だから何をするか」を1文で足すと結論にたどり着きやすくなります。

Q. 5W1Hはどんなときに使いますか? A. 連絡・依頼・報告の文章を書く前に、抜けがないかを確かめるときに使います。6項目のうち書けないものがあれば、それが確認しておくべき点です。

まとめ

  • フレームワークは、何を決めたいかから逆算して1〜2個選ぶ。
  • 目的は6つ。環境を知る → 課題を絞る → 打ち手を出す → 伝える → 進める → 振り返る。
  • 早見表は「出力」の欄から選び、「入力に要る情報」が手元にあるかを確かめる。
  • 3Cは材料集め、SWOTは整理。4Pは売り手視点、4Cは買い手視点。PESTは世の中、5フォースは業界。
  • 30種のうち15種は30分以内、7種は15分以内で埋められる目安。
  • 枠を埋めたら、最後に「だから何をするか」を1文で書く。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
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(記載例)出典:株式会社RJC「ビジネスフレームワーク一覧30選|3C・SWOT・4Pの使い分け目的別早見表」

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