- マネジメント
タックマンモデル5段階の見分け方|形成期〜機能期の兆候と対応の一覧表
タックマンモデルとは、チームが「形成期 → 混乱期 → 統一期 → 機能期 → 散会期」の5段階を経て成長していくと捉える考え方です。 心理学者のブルース・タックマンが1965年に4段階を示し、1977年にメアリー・アン・ジェンセンとの共著で5つ目の散会期が加わりました。
この記事では、「いま自分のチームはどの段階か」を行動の兆候から見分けるチェックリストと、段階ごとの対応を1枚にまとめた表を載せています。題材は架空の「備品予約システム」の開発チームです。チェックリストの集計は Python で動かし、段階の移り変わりは Mermaid の状態遷移図で示しました。
確認環境:Python 3.11.15(チェックリストの集計)、Mermaid 11.14.0(@mermaid-js/mermaid-cli 11.14.0 と Chromium で描画)。確認日は 2026-10-06 です。チェックリストの項目と点数の区切りは、この記事で用意した目安です。
この記事の結論
- 段階は、発足からの期間ではなく、行動の兆候で見分ける。 発足1年でも形成期にいるチームはあります。
- 混乱期は避けるものではなく、通過するもの。 意見の違いが表に出ることは、チームが前に進んでいる合図です。
- メンバーやリーダーが入れ替わると、前の段階に戻る。 戻ったら、その段階の対応をもう一度行います。
- リーダーの関わり方は段階で変える。 形成期は方向を示し、混乱期は対話を支え、統一期は任せはじめ、機能期は任せます。
- 判定に迷ったら手前の段階として扱う。 手前の段階の課題が残っているとみなすほうが、対応の抜けが少なくなります。
タックマンモデル5段階の早見表
| 段階 | 英語名 | ひとことで言うと | 見分ける兆候(代表) | リーダーの関わり方 |
|---|---|---|---|---|
| 形成期 | Forming | 集まったばかりで、様子を見ている | 発言が少なく、質問はリーダーに集まる | 目的・役割・進め方を示す |
| 混乱期 | Storming | 意見や進め方の違いが表に出る | 進め方への異論が出る、会議が長引く | 違いを出し切る場を作り、決め方を決める |
| 統一期 | Norming | 役割とルールに合意し、まとまりが出る | 自分たちで約束を作り、守ろうとする | 進行を少しずつ任せる |
| 機能期 | Performing | 自分たちで判断して成果を出す | リーダーが不在でも進む、助け合いが自然に起きる | 任せて、障害を取り除く |
| 散会期 | Adjourning | 目的を達成し、解散に向かう | 引き継ぎや振り返りの話題が増える | 学びを残し、区切りをつける |
5段階の名称と、1965年・1977年という年は、参考・出典に挙げたページで確認しました。日本語の「形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期」は、国内で広く使われている訳語です。
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「タックマンモデル5段階の見分け方|形成期〜機能期の兆候と対応の一覧表」
段階を見分ける兆候チェックリスト(各5項目)
各項目に 0=当てはまらない/1=やや当てはまる/2=当てはまる で点を付け、段階ごとに合計します(各段階10点満点)。直近2週間のチームの様子を思い浮かべて答えてください。
形成期の兆候
| No. | 兆候 | 点(0〜2) |
|---|---|---|
| F1 | 会議で発言する人が限られ、沈黙が多い | |
| F2 | 質問や確認が、メンバー同士ではなくリーダーに集まる | |
| F3 | お互いの得意なことや経験を、まだよく知らない | |
| F4 | 「誰が何を担当するか」の質問がたびたび出る | |
| F5 | 反対意見がほとんど出ず、提案がそのまま通る |
混乱期の兆候
| No. | 兆候 | 点(0〜2) |
|---|---|---|
| S1 | 進め方や優先順位について、異なる意見がぶつかる | |
| S2 | 会議が予定の時間を超える、または結論が持ち越される | |
| S3 | 役割や担当範囲について「それは誰の仕事か」という話が出る | |
| S4 | 決まったはずのことが、後からもう一度議論になる | |
| S5 | 一部のメンバー同士でだけ話が進む場面がある |
統一期の兆候
| No. | 兆候 | 点(0〜2) |
|---|---|---|
| N1 | チームの約束(レビューの期限、連絡の方法など)を自分たちで決めている | |
| N2 | 約束から外れたとき、メンバー同士で声をかけ合う | |
| N3 | 意見が分かれても、決め方に沿って結論を出せる | |
| N4 | 「私たちのチームでは」という言い方が出る | |
| N5 | 困ったとき、リーダーより先にメンバーへ相談する |
機能期の兆候
| No. | 兆候 | 点(0〜2) |
|---|---|---|
| P1 | リーダーが不在の日も、判断と作業が止まらない | |
| P2 | 頼まれる前に、手の空いた人がほかの人の作業を手伝う | |
| P3 | 問題が起きたとき、原因を仕組みに求めて改善案が出る | |
| P4 | 目標の達成度を、メンバーが自分たちで確かめている | |
| P5 | 進め方の改善が、メンバーの提案で定期的に行われる |
散会期の兆候
| No. | 兆候 | 点(0〜2) |
|---|---|---|
| A1 | チームの終了日や解散の時期が決まっている | |
| A2 | 引き継ぎ資料や手順書の作成が主な作業になっている | |
| A3 | 次の配属や次の仕事の話題が増えている | |
| A4 | 新しい改善の提案が減り、残作業の消化が中心になっている | |
| A5 | 振り返りや、お礼を伝える場の話が出ている |
判定のしかた
| 結果 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 1つの段階の合計が最も高く、2位との差が3点以上 | その段階にいる | その段階の対応を行う |
| 1位と2位の差が2点以内 | 2つの段階の間を移行中 | 1位の対応を中心に、2位の対応も併用する |
| 同点の段階がある | 手前の段階として扱う | 手前の段階の対応から行う |
| すべての段階が3点以下 | 兆候が読み取れていない | 2週間後にもう一度付ける。メンバーにも付けてもらう |
リーダー1人で付けるより、メンバー全員が付けて結果を見比べるほうが役に立ちます。同じチームでも人によって見え方が違い、その違い自体が話し合いの材料になります。
タブ区切り版です。表計算ソフトに貼り、D列に点を入れて段階ごとに合計してください。
段階 No. 兆候 点
形成期 F1 会議で発言する人が限られ、沈黙が多い
形成期 F2 質問や確認が、メンバー同士ではなくリーダーに集まる
形成期 F3 お互いの得意なことや経験を、まだよく知らない
形成期 F4 「誰が何を担当するか」の質問がたびたび出る
形成期 F5 反対意見がほとんど出ず、提案がそのまま通る
混乱期 S1 進め方や優先順位について、異なる意見がぶつかる
混乱期 S2 会議が予定の時間を超える、または結論が持ち越される
混乱期 S3 役割や担当範囲について「それは誰の仕事か」という話が出る
混乱期 S4 決まったはずのことが、後からもう一度議論になる
混乱期 S5 一部のメンバー同士でだけ話が進む場面がある
統一期 N1 チームの約束を自分たちで決めている
統一期 N2 約束から外れたとき、メンバー同士で声をかけ合う
統一期 N3 意見が分かれても、決め方に沿って結論を出せる
統一期 N4 「私たちのチームでは」という言い方が出る
統一期 N5 困ったとき、リーダーより先にメンバーへ相談する
機能期 P1 リーダーが不在の日も、判断と作業が止まらない
機能期 P2 頼まれる前に、手の空いた人がほかの人の作業を手伝う
機能期 P3 問題が起きたとき、原因を仕組みに求めて改善案が出る
機能期 P4 目標の達成度を、メンバーが自分たちで確かめている
機能期 P5 進め方の改善が、メンバーの提案で定期的に行われる
散会期 A1 チームの終了日や解散の時期が決まっている
散会期 A2 引き継ぎ資料や手順書の作成が主な作業になっている
散会期 A3 次の配属や次の仕事の話題が増えている
散会期 A4 新しい改善の提案が減り、残作業の消化が中心になっている
散会期 A5 振り返りや、お礼を伝える場の話が出ている
Pythonで合計点を出して判定する
上の判定ルールをそのままコードにしました。架空の3チームの点数を入れて実行します。標準ライブラリだけで動きます。
# タックマンモデルの兆候チェックリストを集計する
# 各項目は 0=当てはまらない / 1=やや当てはまる / 2=当てはまる
STAGES = ["形成期", "混乱期", "統一期", "機能期", "散会期"]
def judge(answers):
"""answers: {段階名: [5項目の点数]} を受け取り、合計点と判定を返す"""
totals = {s: sum(answers[s]) for s in STAGES}
top = max(totals.values())
# 同点のときは手前の段階を採用する(手前の課題が残っているとみなす)
stage = next(s for s in STAGES if totals[s] == top)
ranked = sorted(totals.values(), reverse=True)
mixed = ranked[0] - ranked[1] <= 2 # 1位と2位の差が2点以内なら移行中
return totals, stage, mixed
teams = {
"A(発足2週目)": {
"形成期": [2, 2, 1, 2, 2], "混乱期": [0, 1, 0, 0, 1],
"統一期": [0, 0, 1, 0, 0], "機能期": [0, 0, 0, 0, 0], "散会期": [0, 0, 0, 0, 0]},
"B(発足3か月)": {
"形成期": [1, 0, 0, 1, 0], "混乱期": [2, 2, 1, 2, 1],
"統一期": [1, 2, 1, 1, 1], "機能期": [0, 0, 1, 0, 0], "散会期": [0, 0, 0, 0, 0]},
"C(発足1年・先月2名交代)": {
"形成期": [1, 2, 1, 1, 1], "混乱期": [1, 1, 0, 1, 0],
"統一期": [1, 1, 2, 1, 1], "機能期": [1, 1, 1, 1, 0], "散会期": [0, 0, 0, 0, 0]},
}
for name, answers in teams.items():
totals, stage, mixed = judge(answers)
line = " ".join(f"{s}{totals[s]:>2}" for s in STAGES)
note = "(移行中:2番目の段階の対応も併用)" if mixed else ""
print(f"{name}\n {line}\n 判定: {stage}{note}")
実行結果です。
A(発足2週目)
形成期 9 混乱期 2 統一期 1 機能期 0 散会期 0
判定: 形成期
B(発足3か月)
形成期 2 混乱期 8 統一期 6 機能期 1 散会期 0
判定: 混乱期(移行中:2番目の段階の対応も併用)
C(発足1年・先月2名交代)
形成期 6 混乱期 3 統一期 6 機能期 4 散会期 0
判定: 形成期(移行中:2番目の段階の対応も併用)
チームCは発足から1年たっていますが、先月2名が交代したため、形成期と統一期が同点(6点)になりました。同点は手前の段階として扱うので、判定は形成期です。期間ではなく兆候で見ると、「1年たったのだから機能期のはず」という思い込みを外せます。
段階別の対応表(リーダーがやること・控えること・使える打ち手)
| 段階 | リーダーがやること | 控えること | 使える打ち手 | 次の段階へ進む合図 |
|---|---|---|---|---|
| 形成期 | 目的・期限・役割を言葉にして示す。お互いを知る時間を取る | 細かい説明を省いて「あとは任せます」と離れること | キックオフ、自己紹介シート、役割表、連絡手段の取り決め | メンバーから進め方への質問や異論が出はじめる |
| 混乱期 | 意見の違いを出し切る場を設ける。何を誰がどう決めるかを決める | 議論を早めに打ち切ること。リーダーがすべて1人で決めてしまうこと | ワーキングアグリーメント、1on1、決め方の合意(多数決・担当者が決める等)、論点の書き出し | 決め方に沿って結論が出て、蒸し返しが減る |
| 統一期 | 進行役や判断を少しずつメンバーに渡す。約束を見直す場を定期的に持つ | 細かい手順まで指示し続けること。まとまりを優先して異論を出にくくすること | 振り返り(KPTなど)、約束の見直し、スキルマップ、ペア作業 | リーダーが不在でも判断と作業が進む |
| 機能期 | 任せる。チームの外との調整や障害の取り除きに回る。次の目標を示す | 順調だからと関わりを無くすこと。うまくいっている進め方を理由なく変えること | 目標の更新、改善提案の場、メンバーによる後輩の支援、権限の委譲 | 目的の達成、または解散の時期が決まる |
| 散会期 | 学びを記録に残す。引き継ぎを確かめる。貢献を言葉にして伝える | 区切りをつけずに自然に終わらせること | 完了の振り返り、引き継ぎ資料、手順書の更新、感謝を伝える場 | (解散、または新しいチームの形成期へ) |
タブ区切り版です。
段階 リーダーがやること 控えること 使える打ち手 次の段階へ進む合図
形成期 目的・期限・役割を言葉にして示す。お互いを知る時間を取る 細かい説明を省いて離れること キックオフ、自己紹介シート、役割表、連絡手段の取り決め メンバーから進め方への質問や異論が出はじめる
混乱期 意見の違いを出し切る場を設ける。決め方を決める 議論を早めに打ち切ること。すべて1人で決めること ワーキングアグリーメント、1on1、決め方の合意、論点の書き出し 決め方に沿って結論が出て、蒸し返しが減る
統一期 進行役や判断を少しずつ渡す。約束を定期的に見直す 細かい手順まで指示し続けること。異論を出にくくすること 振り返り、約束の見直し、スキルマップ、ペア作業 リーダーが不在でも判断と作業が進む
機能期 任せる。外との調整や障害の取り除きに回る。次の目標を示す 関わりを無くすこと。理由なく進め方を変えること 目標の更新、改善提案の場、後輩の支援、権限の委譲 目的の達成、または解散の時期が決まる
散会期 学びを記録に残す。引き継ぎを確かめる。貢献を伝える 区切りをつけずに終わらせること 完了の振り返り、引き継ぎ資料、手順書の更新、感謝を伝える場 解散、または新しいチームの形成期へ
打ち手と段階の対応
同じ打ち手でも、段階によって目的が変わります。
| 打ち手 | 形成期 | 混乱期 | 統一期 | 機能期 | 散会期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 役割表 | 最初の版を作る | 重なりとすき間を直す | メンバーが自分で更新する | 役割を入れ替えて幅を広げる | 引き継ぎ先を書く |
| ワーキングアグリーメント | 連絡手段など最小限だけ決める | ぶつかった論点を約束にする | 守れているかを見直す | 身についたものを外す | 次のチームへ残す |
| 1on1 | 期待と不安を聞く | 言いにくい意見を聞く | 任せたい役割を話す | 次の挑戦を話す | 学びと今後を話す |
| 振り返り | 短く、困りごと中心 | 進め方の違いを扱う | 約束の見直し | 改善の提案 | 全体の学びの記録 |
| 会議の進行 | リーダーが進行する | リーダーが進行し、全員に発言を求める | 進行役を持ち回りにする | メンバーが進行する | リーダーが区切りの場を設ける |
混乱期を通過するための進め方
混乱期は、意見の違いが表に出てくる時期です。ここで違いを出し切り、決め方に合意できると統一期に進めます。次の4つの手順で進めます。
- 論点を書き出す。 「誰と誰が合わない」ではなく、「レビューを誰がいつまでに見るか」のように、ことがらの形にします。
- 決め方を先に決める。 全員の合意が要るのか、担当者が決めるのか、リーダーが決めるのかを論点ごとに決めます。
- 決まったことを約束として書く。 「レビュー依頼は翌営業日の正午までに見る」のように、行動の形で残します。
- 2週間後に見直す。 守れなかった約束は、内容か決め方を直します。
| 混乱期に起きること | 受け止め方 | 声のかけ方の例 |
|---|---|---|
| 進め方への異論が出る | 関心を持って考えている合図 | 「違う見方を出してくれて助かります。もう少し聞かせてください」 |
| 会議が長引く | 決め方がまだ決まっていない | 「この件は誰が最終的に決めるかを先に決めましょう」 |
| 決定が蒸し返される | 納得していない人がいる | 「前回の決定で引っかかっている点を教えてください」 |
| 一部の人だけで話が進む | 情報の届き方に偏りがある | 「いまの話を、全員が見える場所に書いておきましょう」 |
| 発言しない人がいる | 言う機会が無いのかもしれない | 「順番に一言ずつ聞かせてください。同じ意見でも構いません」 |
段階の遷移と逆戻り(Mermaidの状態遷移図)
段階は一方通行ではありません。メンバーの入れ替え、リーダーの交代、目標の変更などをきっかけに、前の段階へ戻ります。次のコードを Mermaid に対応したエディタや Markdown の表示画面に貼ると、状態遷移図として表示されます。
stateDiagram-v2
[*] --> 形成期: チーム発足
形成期 --> 混乱期: 意見の違いが表に出る
混乱期 --> 統一期: 役割と決め方に合意する
統一期 --> 機能期: 合意が習慣になる
機能期 --> 散会期: 目的を達成する
散会期 --> [*]: 解散・引き継ぎ
統一期 --> 混乱期: 合意していない論点が出る
機能期 --> 混乱期: リーダーの交代
機能期 --> 形成期: メンバーの入れ替え
統一期 --> 形成期: メンバーの入れ替え
機能期 --> 統一期: 目標や担当範囲の変更
図の内容を表にすると次のとおりです。
| きっかけ | 戻りやすい段階 | 最初にやること |
|---|---|---|
| メンバーが加わった、入れ替わった | 形成期 | 目的・役割・約束を新しい人と一緒に確認する。約束は「読んでもらう」のではなく、理由を話して合意し直す |
| リーダーが交代した | 混乱期 | 決め方(誰が何を決めるか)を確認し直す |
| 目標や担当範囲が変わった | 統一期 | 役割表と約束を見直す |
| 働く場所や連絡手段が変わった | 統一期 | 連絡と会議の約束を見直す |
| チームが2つに分かれた、合流した | 形成期 | それぞれを新しいチームとして発足の手順から行う |
戻ること自体は自然な動きです。一度通った段階は、最初より短い時間で通過できることが多くあります。約束や役割表が記録として残っているためです。
心理的安全性・リーダーシップの型との違い
タックマンモデルと一緒に語られることの多い考え方を整理します。
| 考え方 | 何を表すか | 答えてくれる問い | 単位 |
|---|---|---|---|
| タックマンモデル | チームの成長の段階 | いまチームはどの段階にいて、次に何が起きるか | チームの時間の流れ |
| 心理的安全性 | 言いにくいことを言っても不利益を受けないという、メンバーの確信 | このチームでは率直に発言できるか | チームのある時点の状態 |
| リーダーシップの型(指示型・支援型など) | リーダーの関わり方の種類 | リーダーはどう関わるとよいか | リーダーの行動 |
| ワーキングアグリーメント | チームが自分たちで決めた行動の約束 | 何を守ると決めたか | 約束の一覧 |
3つは競合するものではなく、組み合わせて使います。タックマンモデルで段階を見分け、その段階に合ったリーダーシップの型を選び、心理的安全性を土台として整える、という関係です。
| 段階 | 合いやすいリーダーシップの型 | 心理的安全性との関係 |
|---|---|---|
| 形成期 | 指示型(方向と手順を具体的に示す) | 質問しても大丈夫だと伝える。最初の発言を歓迎する |
| 混乱期 | 指示と支援の両方(方向は示しつつ、対話を支える) | 異論を出した人が不利益を受けないことを、行動で示す。ここが最も大切な時期 |
| 統一期 | 支援型(判断を任せ、求められたら助ける) | まとまりを優先して異論が出にくくなっていないかを確かめる |
| 機能期 | 委任型(任せて、結果を見る) | 高い水準を保ったまま、率直な指摘が続いているかを確かめる |
| 散会期 | 支援型(区切りと次への移行を支える) | うまくいかなかった点も記録に残せる雰囲気を作る |
どれを使うかの判断表
| 知りたいこと・困っていること | 使うもの |
|---|---|
| チームがなぜ今ぎくしゃくしているのかを理解したい | タックマンモデル(混乱期かどうかを見分ける) |
| 新しいメンバーが入って雰囲気が変わった | タックマンモデル(逆戻りとして扱う) |
| 会議で発言が出ない、問題の報告が遅い | 心理的安全性 |
| メンバーごとに、どこまで任せるかを決めたい | リーダーシップの型 |
| 同じ行き違いが繰り返し起きる | ワーキングアグリーメント |
確かめて分かったこと
- 同点の扱いを決めておかないと、判定が1つに定まりませんでした。 チームCは形成期と統一期が6点で並びました。「手前の段階を採用する」と決めておくと、コードでも人の判断でも結果がそろいます。
- 差が2点以内のチームが3つのうち2つありました。 段階はきれいに1つに分かれるより、2つの段階の兆候が同時に出ることのほうが多いと考えて、対応を併用する欄を判定表に入れています。
- Python の max() だけで判定すると、辞書の並び順に結果が左右されます。 段階の順番を STAGES のリストで固定し、その順に最初の最高点を探す書き方にしました。
- Mermaid の状態遷移図は、状態名に日本語をそのまま書いて描画できました(Mermaid 11.14.0)。 遷移11本とラベルがすべて表示されました。同じ遷移ラベル(メンバーの入れ替え)を2本に付けても、それぞれ表示されます。
- 戻る矢印を加えると、図の線が交差して読みにくくなります。 戻りの矢印は「きっかけが違うもの」だけに絞り、細かい条件は表に回すと読みやすさを保てます。
- 今回開いた資料には、リーダーの交代で混乱期に戻る例が挙げられていました。 高い成果を出しているチームでも、状況によって前の段階に戻るという説明です。
つまずきやすい点と整え方
| つまずきやすい点 | 起きること | 整え方 |
|---|---|---|
| 期間で段階を決める | 「3か月たったから統一期」と考え、実際の兆候と合わない対応をする | チェックリストで兆候を数える |
| 混乱期を早く終わらせようとする | 異論が表に出ないまま残り、後で蒸し返される | 論点を書き出し、決め方を決めてから結論を出す |
| 形成期に任せすぎる | 役割が分からず、質問がリーダーに集まり続ける | 役割表と連絡手段を最初に示す |
| 機能期に関わりを無くす | 目標が更新されず、進め方が固定される | 次の目標を示し、外との調整に回る |
| 新メンバーに約束を渡すだけにする | 約束の理由が伝わらず、守られにくくなる | 理由を話し、必要なら約束を作り直す |
| リーダーだけで段階を判定する | メンバーの見え方とずれる | 全員が付けて見比べる |
よくある質問
Q. タックマンモデルとは何ですか? A. チームが形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期の5段階を経て成長すると捉える考え方です。1965年にブルース・タックマンが4段階を示し、1977年に散会期が加わりました。
Q. 混乱期と統一期の違いは何ですか? A. 混乱期は意見の違いが表に出て決め方が定まっていない状態、統一期は役割と決め方に合意して自分たちで約束を守ろうとする状態です。見分ける目安は「決まったことが蒸し返されるかどうか」です。
Q. 混乱期を飛ばして統一期に進むことはできますか? A. 意見の違いを出し切らずに進むと、後から同じ論点が出てきて混乱期に戻ることが多くあります。小さな違いのうちに出し合って決め方を決めておくと、混乱期を短く通過できます。
Q. 各段階にはどれくらいの期間がかかりますか? A. 決まった期間はなく、チームの人数、目的、メンバーの経験によって変わります。期間ではなく、チェックリストの兆候で判断してください。
Q. メンバーが1人入れ替わっただけでも、形成期に戻りますか? A. 1人でも、役割や約束の確認をやり直す必要があるため、形成期の対応を行うのがおすすめです。残っているメンバーが約束を覚えているので、最初より短い時間で次の段階へ進めます。
まとめ
- タックマンモデルは、形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期の5段階でチームの成長を捉える考え方です。
- 段階は期間ではなく、行動の兆候で見分けます。 各段階5項目のチェックリストに0〜2点を付け、合計点で判定します。
- 混乱期は通過する段階です。 論点を書き出し、決め方を決め、約束として残すことで統一期に進めます。
- メンバーの入れ替えやリーダーの交代があると、前の段階に戻ります。 戻った段階の対応をもう一度行います。
- リーダーの関わり方は段階で変えます。 形成期は示す、混乱期は対話を支える、統一期は任せはじめる、機能期は任せる、散会期は区切りをつける、です。
- 同点や僅差のときは手前の段階として扱い、2つの段階の対応を併用します。
- 心理的安全性やリーダーシップの型とは、組み合わせて使います。
参考・出典
- Wikipedia(英語版)「Tuckman's stages of group development」(2026-10-06 閲覧)。原論文の書誌(Bruce W. Tuckman, "Developmental sequence in small groups", Psychological Bulletin, Vol. 63, No. 6, pp. 384–399, 1965)、1977年に Tuckman と Mary Ann Jensen が5つ目の段階を加えたこと、状況によって前の段階に戻るという説明を確認しました。 https://en.wikipedia.org/wiki/Tuckman%27s_stages_of_group_development
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「タックマンモデル5段階の見分け方|形成期〜機能期の兆候と対応の一覧表」
株式会社RJC ― SI事業・SES事業・AI駆動開発。RJCは一緒に成長を楽しめる会社です。
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