振り返り(レトロスペクティブ)の手法とは、一定期間の仕事を見直して次の行動を決めるための「問いの枠組み」です。 枠の分け方が変わると出てくる意見も変わるため、チームの状態に合った手法を選ぶと、同じ60分でも得られるものが大きくなります。

この記事では12の手法を一覧にし、チームの状態・人数・所要時間から1つに決められる早見表を載せました。さらに12手法すべてに、そのまま貼れる記入枠・架空チームの記入例・60分の進行タイムテーブルを付けています。読み終えたら、次の振り返りでそのまま使えます。

確認環境(2026-10-06):タイムテーブルの合計は Python 3.11.15 で検算、選択フロー図は @mermaid-js/mermaid-cli 11.14.0 と Chromium で描画できることを確認しました。スクラムに関する記述はスクラムガイド2020(日本語版)を開いて確認しています。記入例はすべて架空のチーム(図書貸出システムを作る5人のチーム)のものです。

この記事の結論

  • 迷ったら最初はYWT。「やったこと」という事実から書き始めるので、初めてのチームでも手が止まりにくい手法です。
  • 雰囲気が重いときはFDL(Fun/Done/Learn)。課題の枠がなく、前向きな出来事から話せます。
  • 課題を絞って対策を決めたいときはKPT。決めたTryが残りがちならKPTAに替えます。
  • 時間が20分に満たないときはプラス/デルタ、1か月以上の長い期間ならタイムラインか4Lsが向きます。
  • どの手法でも、最後に「誰が・いつまでに・何を」を1〜3件決めて終えると、次の期間が変わります。

振り返り手法12選の早見表

No. 手法 枠の数 向いているチームの状態 人数の目安 所要時間の目安 特徴
1 YWT 3 初めて振り返りをする/手法に迷っている 1〜8人 20分〜 事実から始めるので書き出しやすい
2 FDL(Fun/Done/Learn) 3 雰囲気が重い/チームができたばかり/課題を出しにくい 3〜10人 30分〜 課題の枠がなく、前向きな出来事から話せる
3 KPT 3 課題を絞って対策を決めたい/定例で回したい 3〜8人 30分〜 続けること・困りごと・試すことの3枠で対策まで決まる
4 KPTA 4 Tryが決まっても実行されずに残りがち 3〜8人 40分〜 Tryを案、Actionを実行する行動として分ける
5 4Ls 4 1か月以上の長い期間や大きな区切りを広く見たい 4〜10人 45分〜 学びと「ほしかったもの」まで拾える
6 Start/Stop/Continue 3 行動を「始める・やめる・続ける」ではっきり決めたい 3〜10人 30分〜 枠がそのまま行動の種類なので結論が早い
7 スターフィッシュ 5 やめる・始めるに加えて「増やす・減らす」も決めたい 4〜10人 45分〜 5つの枠で、量の加減まで話せる
8 Mad Sad Glad 3 出来事より先に気持ちを出したい/もやもやが残っている 3〜8人 30分〜 気持ちを入口にして、背景の出来事を見つける
9 タイムライン 4 期間が長く、何があったか思い出しにくい 3〜10人 45分〜 出来事を日付順に並べてから気づきを出す
10 帆船(Sailboat) 4 目標に向けて、この先のリスクも一緒に見たい 4〜10人 45分〜 絵にたとえて、追い風・重り・先のリスクを分ける
11 学習マトリックス 4 感謝を伝え合いたい/新しい案を集めたい 3〜10人 40分〜 感謝とアイデアの枠があり、場が明るくなる
12 プラス/デルタ 2 時間が短い/会議や勉強会の直後にすぐ行いたい 2〜20人 10分〜 2枠だけ。会の終わりの数分でもできる

人数と所要時間は、付箋やオンラインのボードを使う場合の目安の例です。人数が増えたら、共有の時間を増やすか、3〜4人の小さな組に分けて進めます。

表計算ソフトに貼れるタブ区切り版です。

No  手法  枠の数 向いているチームの状態 人数の目安   所要時間の目安 特徴
1   YWT 3   初めて振り返りをする/手法に迷っている 1〜8人    20分〜    事実から始めるので書き出しやすい
2   FDL(Fun/Done/Learn) 3   雰囲気が重い/チームができたばかり/課題を出しにくい  3〜10人   30分〜    課題の枠がなく、前向きな出来事から話せる
3   KPT 3   課題を絞って対策を決めたい/定例で回したい   3〜8人    30分〜    続けること・困りごと・試すことの3枠で対策まで決まる
4   KPTA    4   Tryが決まっても実行されずに残りがち 3〜8人    40分〜    Tryを案、Actionを実行する行動として分ける
5   4Ls 4   1か月以上の長い期間や大きな区切りを広く見たい 4〜10人   45分〜    学びと「ほしかったもの」まで拾える
6   Start/Stop/Continue 3   行動を「始める・やめる・続ける」ではっきり決めたい   3〜10人   30分〜    枠がそのまま行動の種類なので結論が早い
7   スターフィッシュ    5   やめる・始めるに加えて「増やす・減らす」も決めたい   4〜10人   45分〜    5つの枠で、量の加減まで話せる
8   Mad Sad Glad    3   出来事より先に気持ちを出したい/もやもやが残っている  3〜8人    30分〜    気持ちを入口にして、背景の出来事を見つける
9   タイムライン  4   期間が長く、何があったか思い出しにくい 3〜10人   45分〜    出来事を日付順に並べてから気づきを出す
10  帆船(Sailboat)    4   目標に向けて、この先のリスクも一緒に見たい   4〜10人   45分〜    絵にたとえて、追い風・重り・先のリスクを分ける
11  学習マトリックス    4   感謝を伝え合いたい/新しい案を集めたい 3〜10人   40分〜    感謝とアイデアの枠があり、場が明るくなる
12  プラス/デルタ 2   時間が短い/会議や勉強会の直後にすぐ行いたい  2〜20人   10分〜    2枠だけ。会の終わりの数分でもできる

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「振り返り手法一覧12選|YWT・FDLの選び方早見表とテンプレート」

手法を1つに決める選択フロー

早見表で迷ったときは、次のフローを上からたどると12手法のどれか1つに決まります。Mermaidのコードなので、対応するエディタやWikiに貼ると図として表示されます。

flowchart TD
    S([振り返りの手法を選ぶ]) --> Q1{使える時間は<br>20分以上ある?}
    Q1 -- いいえ --> M12[プラス/デルタ]
    Q1 -- はい --> Q2{初めて、または<br>手法に迷っている?}
    Q2 -- はい --> M1[YWT]
    Q2 -- いいえ --> Q3{雰囲気が重い、<br>課題を出しにくい?}
    Q3 -- はい --> Q4{気持ちを先に<br>言葉にしたい?}
    Q4 -- はい --> M8[Mad Sad Glad]
    Q4 -- いいえ --> Q5{感謝を伝える枠が<br>ほしい?}
    Q5 -- はい --> M11[学習マトリックス]
    Q5 -- いいえ --> M2[FDL]
    Q3 -- いいえ --> Q6{対象の期間は<br>1か月以上?}
    Q6 -- はい --> Q7{出来事を<br>すぐ思い出せる?}
    Q7 -- いいえ --> M9[タイムライン]
    Q7 -- はい --> Q8{この先のリスクも<br>一緒に見たい?}
    Q8 -- はい --> M10[帆船]
    Q8 -- いいえ --> M5[4Ls]
    Q6 -- いいえ --> Q9{課題を絞って<br>対策を決めたい?}
    Q9 -- はい --> Q10{決めたTryが<br>残りがち?}
    Q10 -- はい --> M4[KPTA]
    Q10 -- いいえ --> M3[KPT]
    Q9 -- いいえ --> Q11{増やす・減らすも<br>決めたい?}
    Q11 -- はい --> M7[スターフィッシュ]
    Q11 -- いいえ --> M6[Start/Stop/Continue]

同じ内容を「条件 → 選ぶ手法」の表にすると次のとおりです。

こんなとき 選ぶ手法 理由
初めて振り返りをする、手法に迷っている YWT 事実(やったこと)から書くので、全員が書き出せる
雰囲気が重い、課題を言い出しにくい FDL 課題の枠がなく、うれしかったことや学びから話せる
課題を絞って対策を決めたい KPT Problemを絞り、Tryまで1回で決まる
決めたTryが次回まで残りがち KPTA 案(Try)と実行する行動(Action)を分けて書く
1か月以上の期間を広く見たい 4Ls 学びと「ほしかったもの」まで拾える
期間が長く、何があったか思い出しにくい タイムライン 出来事を日付順に並べると記憶がそろう
目標までの道のりと、この先のリスクを見たい 帆船 追い風・重り・先のリスクを分けて話せる
行動を「始める・やめる・続ける」で決めたい Start/Stop/Continue 枠がそのまま結論になる
「増やす・減らす」の加減まで決めたい スターフィッシュ 5つの枠で量を調整できる
もやもやした気持ちが残っている Mad Sad Glad 気持ちを入口に、背景の出来事を見つける
感謝を伝え合いたい、新しい案を集めたい 学習マトリックス 感謝とアイデアの枠がある
時間が20分に満たない、会の直後に行いたい プラス/デルタ 2枠だけで、数分でも成り立つ

60分の振り返りに共通する5つの段階

12手法のタイムテーブルは、どれも同じ5つの段階でできています。手法ごとに変わるのは「書く」と「共有する」の枠の中身だけなので、進行役は1つ覚えれば他の手法にも応用できます。

段階 すること 60分での目安
1. 始める チェックイン(一言ずつ話す)、前回決めたことの結果を確認 5分
2. 書く 各自が無言で付箋に書く。1枚に1つの内容 10〜15分
3. 共有する 1枚ずつ読み上げ、似たものを近くに置く 15〜20分
4. 絞って決める 投票で2〜3件に絞り、次の行動を決める 7〜20分
5. 終える 決めたこと・担当・期日を読み上げる 5分

スクラムガイド2020では、スプリントレトロスペクティブの目的を「品質と効果を高める方法を計画すること」とし、スプリントが1か月の場合は最大3時間、スプリントが短ければ時間も短くすることが多いと書かれています。ガイドは特定の手法を指定していないので、この記事の12手法はよく使われるやり方として、チームに合うものを選んでください。

12手法の記入枠・記入例・60分タイムテーブル

記入例は、図書貸出システムを作る架空の5人チーム(佐藤・鈴木・高橋・田中・伊藤)が2週間の作業を振り返った想定です。記入枠はMarkdownなので、チャットやWikiにそのまま貼れます。

1. YWT ― やったこと・わかったこと・次にやること

向いている状態:初めて振り返りをする/手法に迷っている。 事実から始めるので書き出しやすいのが特徴です。人数の目安は1〜8人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(YWT) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Y やったこと(この期間に行ったことを事実で書く)
- 

### W わかったこと(やってみて気づいたこと・学んだこと)
- 

### T 次にやること(わかったことを受けて次に行うこと(担当と期日つき))
- 

記入例

枠 記入例
Y やったこと 延滞通知メールの文面を3案つくり、司書役の2人に読んでもらった
Y やったこと 貸出履歴の検索画面を、著者名でも探せるようにした
W わかったこと 文面は読む人に見てもらうと、開発側が気づかない言い回しの引っかかりが早く見つかる
W わかったこと 著者名検索は表記ゆれ(姓名の間の空白)で一致しないことがある
T 次にやること 佐藤が10/16までに、空白を無視して検索する処理を入れる。確認は検索テスト10件
T 次にやること 文面を変える作業では、鈴木が着手前に読み手2人へ確認を依頼する

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、前回のTの結果を確認
0:05 10 書く Yを各自で書く(無言で)
0:15 10 共有する Yを時系列に並べて共有
0:25 10 書く Wを各自で書く
0:35 10 共有する Wを共有し、似たものをまとめる
0:45 10 絞って決める Tを決める(1〜3件、担当と期日つき)
0:55 5 終える Tの読み上げ、次回の日程確認

進め方のコツ: Yは評価を入れずに事実だけを書きます。Wが出にくいときは「Yの中で、予想と違ったものはどれですか」と聞くと書きやすくなります。

2. FDL(Fun/Done/Learn) ― 楽しかった・やりとげた・学んだ

向いている状態:雰囲気が重い/チームができたばかり/課題を出しにくい。 課題の枠がなく、前向きな出来事から話せるのが特徴です。人数の目安は3〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(FDL(Fun/Done/Learn)) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

| 出来事 | Fun | Done | Learn |
|---|---|---|---|
|  |  |  |  |
|  |  |  |  |

(当てはまる列に ○ を付ける。複数に付けてよい)

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
Fun + Done 予約機能の結合テストが一度で全件通り、全員で画面を見て喜んだ
Done 蔵書データ2,000件の取り込みを終えた
Learn 取り込み前に件数と重複を数えておくと、取り込み後の確認が5分で済む
Fun + Learn ペア作業で、相手のエディタの使い方を教えてもらった
Fun + Done + Learn 初めて全員で画面レビューをして、その場で3件直して完了まで持っていけた
次の一歩 3つが重なった「全員での画面レビュー」を、次の期間も1回行う(担当:高橋)

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、3つの円の説明
0:05 10 書く 出来事を各自で付箋に書く
0:15 15 共有する 1枚ずつ読み上げ、F・D・Lのどこに置くか本人が決める
0:30 10 共有する 3つが重なる場所の付箋を眺め、共通点を話す
0:40 10 絞って決める 次の期間に重なりを増やす行動を1つ決める
0:50 5 終える 感想を一言ずつ
0:55 5 終える 決めた行動と担当の読み上げ

進め方のコツ: 3つの円を少しずつ重ねて描き、付箋を置く場所は書いた本人が決めます。重なりに置かれた付箋が、チームにとって手応えのあった出来事です。

3. KPT ― Keep・Problem・Try

向いている状態:課題を絞って対策を決めたい/定例で回したい。 続けること・困りごと・試すことの3枠で対策まで決まるのが特徴です。人数の目安は3〜8人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(KPT) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Keep(続けたいこと)
- 

### Problem(困っていること)
- 

### Try(次に試すこと(担当・期日・確認方法つき))
- 

記入例

枠 記入例
Keep 朝の10分で「今日つまりそうな所」を言い合う時間が、相談のきっかけになっている
Problem レビュー依頼が夕方に集中し、翌日まで待つことが3回あった
Problem テスト用の蔵書データが人によって違い、同じ手順でも結果がそろわない
Try 伊藤が10/14までに共通のテストデータ(50件)を用意し、全員が同じものを使う。確認は次回の振り返り
Try レビュー依頼は14時までに出す。2週間試して、翌日持ち越しの件数を数える(担当:田中)

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、前回のTryの結果を確認
0:05 8 書く Keepを各自で書く
0:13 7 共有する Keepを共有
0:20 8 書く Problemを各自で書く
0:28 10 共有する Problemを共有し、投票で2〜3件に絞る
0:38 15 絞って決める 絞ったProblemごとにTryを決める
0:53 7 終える Tryの担当・期日・確認方法を読み上げ

進め方のコツ: Problemは全部を扱おうとせず、投票で2〜3件に絞ります。Tryは担当・期日・確認方法までその場で書きます。

4. KPTA ― Keep・Problem・Try・Action

向いている状態:Tryが決まっても実行されずに残りがち。 Tryを案、Actionを実行する行動として分けるのが特徴です。人数の目安は3〜8人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(KPTA) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Keep(続けたいこと)
- 

### Problem(困っていること)
- 

### Try(試したい案(複数出してよい))
- 

### Action(実行する行動(誰が・いつまでに・何を・確認方法))
- 

記入例

枠 記入例
Keep 画面の変更点をスクリーンショットつきで共有している
Problem 前回のTry 3件のうち、着手できたのは1件だった
Try Tryを減らす/Tryをタスク管理表に登録する/朝の集まりでTryの状況を聞く
Action 鈴木が本日中に、選んだTry 2件をタスク管理表に登録する。確認は登録後のURL共有
Action 高橋が毎週月曜の朝の集まりで、Tryの状況を30秒で確認する。確認は次回の振り返りで着手件数を数える

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、前回のActionの完了確認
0:05 7 書く Keepを各自で書いて共有
0:12 10 書く Problemを各自で書いて共有
0:22 5 絞って決める 投票でProblemを2件に絞る
0:27 10 書く Tryの案を数多く出す
0:37 15 絞って決める Tryから選び、Actionに書き直す(4つの要素)
0:52 8 終える Actionをタスク管理表へ登録し、読み上げ

進め方のコツ: Tryは数を出す場、Actionは絞って約束する場と分けます。Actionはその場でタスク管理表に登録し、会が終わる前に登録を済ませます。

5. 4Ls ― Liked・Learned・Lacked・Longed for

向いている状態:1か月以上の長い期間や大きな区切りを広く見たい。 学びと「ほしかったもの」まで拾えるのが特徴です。人数の目安は4〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(4Ls) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Liked(よかったこと・気に入ったこと)
- 

### Learned(学んだこと)
- 

### Lacked(足りなかったこと)
- 

### Longed for(あればよかったと思うもの)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
Liked 画面の試作を早い時期に見せたので、利用者の意見を設計に入れられた
Learned 貸出期限の計算は、休館日の扱いを最初に決めておくと手戻りが減る
Lacked 利用者向けの操作説明を書く時間を見込んでいなかった
Longed for 本番に近い件数(数万件)のテストデータ
次の一歩 次の期間の計画に、操作説明の作成を2日分入れる(担当:田中)
次の一歩 伊藤が10/20までに、3万件のテストデータを作る手順を用意する

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、対象期間の主な出来事を確認
0:05 12 書く 4つの枠を各自で書く
0:17 8 共有する LikedとLearnedを共有
0:25 10 共有する LackedとLonged forを共有
0:35 5 絞って決める 似たものをまとめ、投票で2〜3件に絞る
0:40 15 絞って決める 絞った項目の次の一歩を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: LackedとLonged forは似ています。Lackedは「あるはずなのに足りなかったもの」、Longed forは「なかったけれど、あれば助かったもの」と説明すると書き分けやすくなります。

6. Start/Stop/Continue ― 始める・やめる・続ける

向いている状態:行動を「始める・やめる・続ける」ではっきり決めたい。 枠がそのまま行動の種類なので結論が早いのが特徴です。人数の目安は3〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(Start/Stop/Continue) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Start(新しく始めること)
- 

### Stop(やめること)
- 

### Continue(続けること)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
Start 画面を直したら、直す前と後の画像をチャットに貼る
Start 週に1回、利用者役の人に30分さわってもらう
Stop 同じ内容を議事メモとチャットの両方に書くこと(議事メモに一本化する)
Stop 夕方以降のレビュー依頼
Continue 朝の集まりで、その日の相談相手を決める
Continue 設計メモを書いてから実装に入る

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、前回決めたことの確認
0:05 10 書く 3つの枠を各自で書く
0:15 10 共有する Continueから共有
0:25 10 共有する Stopを共有し、やめた場合の影響を確かめる
0:35 10 共有する Startを共有し、投票で1〜2件に絞る
0:45 10 絞って決める Start・Stopの担当と開始日を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: Stopは、やめたときに困る人がいないかをその場で確かめます。Startは1〜2件に絞り、開始日を決めます。

7. スターフィッシュ ― Keep・More・Less・Stop・Start

向いている状態:やめる・始めるに加えて「増やす・減らす」も決めたい。 5つの枠で、量の加減まで話せるのが特徴です。人数の目安は4〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(スターフィッシュ) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Keep doing(今のまま続けること)
- 

### More of(もっと増やすこと)
- 

### Less of(減らすこと)
- 

### Stop doing(やめること)
- 

### Start doing(新しく始めること)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
Keep doing 変更のたびに自動テストを流す
More of ペア作業(今は週1回 → 週2回に)
Less of 1時間を超える打ち合わせ(議題を2つまでに)
Stop doing 口頭だけで仕様を決めること(決めたらメモに残す)
Start doing 貸出・返却の画面で、操作にかかった時間を測る
次の一歩 高橋が来週から火・木の午後をペア作業の時間として予定に入れる

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、5つの枠の説明
0:05 12 書く 5つの枠を各自で書く
0:17 8 共有する Keep doing・More ofを共有
0:25 8 共有する Less of・Stop doingを共有
0:33 7 共有する Start doingを共有
0:40 15 絞って決める 投票で2〜3件に絞り、担当と期日を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: More ofとLess ofには「今は週1回 → 週2回」のように量を書きます。量が書けると、次回に変化を確かめられます。

8. Mad Sad Glad ― 腹が立った・悲しかった・うれしかった

向いている状態:出来事より先に気持ちを出したい/もやもやが残っている。 気持ちを入口にして、背景の出来事を見つけるのが特徴です。人数の目安は3〜8人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(Mad Sad Glad) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### Mad(腹が立ったこと・いら立ったこと)
- 

### Sad(悲しかったこと・残念だったこと)
- 

### Glad(うれしかったこと)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
Mad テスト環境が午後に2回止まり、作業が中断した
Sad 時間をかけて作った帳票が、仕様変更で使われなくなった
Glad 困っていた不具合を、田中さんが一緒に調べてくれた
Glad 利用者役の人から「返却が速くなった」と言ってもらえた
次の一歩 伊藤がテスト環境の停止時刻を記録し、来週の集まりで原因を共有する
次の一歩 仕様が変わりそうな機能は、作り込む前に鈴木が15分の確認の場を設ける

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、「人ではなく出来事について書く」と確認
0:05 10 書く 3つの枠を各自で書く
0:15 8 共有する Gladを共有
0:23 12 共有する Sad・Madを共有(聞く側は質問だけにする)
0:35 10 共有する 背景にある出来事や仕組みを話す
0:45 10 絞って決める 次の一歩を1〜2件決める
0:55 5 終える 感想を一言ずつ、決めたことの読み上げ

進め方のコツ: 書く対象は人ではなく出来事にします。共有のとき、聞く側は助言を急がず、質問だけにすると話しやすくなります。

9. タイムライン ― 時系列の出来事と気持ち

向いている状態:期間が長く、何があったか思い出しにくい。 出来事を日付順に並べてから気づきを出すのが特徴です。人数の目安は3〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(タイムライン) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

| 日付 | 出来事 | 気持ち(+/−と一言) | 気づき |
|---|---|---|---|
|  |  |  |  |
|  |  |  |  |

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

日付 出来事 気持ち 気づき
9/1 画面の試作を利用者役に見せた + 反応がよかった 早く見せると安心して進められる
9/8 検索の表示が遅いとわかった − 焦った 件数を増やした確認が後ろに寄っていた
9/12 索引を追加して表示が速くなった + ほっとした 測ってから直すと効果がわかる
9/19 リリース手順を初めて通しで試した − 手順の抜けが2か所 通し稽古は本番の1週間前には行う
9/26 予定どおりリリースした + うれしい 稽古で見つけた抜けを直したのが効いた

次の一歩:次の期間は、3週目に「件数を増やした確認」と「手順の通し稽古」を予定に入れる(担当:佐藤)

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、期間の線(開始日〜終了日)を引く
0:05 10 書く 出来事を各自で書き、日付の位置に貼る
0:15 10 共有する 左から順に読み上げる
0:25 8 共有する 各出来事に気持ち(+/−)を付ける
0:33 12 共有する +と−が集まった所について気づきを話す
0:45 10 絞って決める 次の一歩を1〜2件決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: 期間の線を先に引き、リリース日などの節目を2〜3個書いておくと、出来事を思い出す手がかりになります。カレンダーやチャットの履歴を見ながら書いてかまいません。

10. 帆船(Sailboat) ― 風・錨・岩・島

向いている状態:目標に向けて、この先のリスクも一緒に見たい。 絵にたとえて、追い風・重り・先のリスクを分けるのが特徴です。人数の目安は4〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(帆船(Sailboat)) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### 島(目的地)(チームが目指している状態)
- 

### 風(追い風)(前に進めてくれたもの)
- 

### 錨(重り)(進みを遅くしたもの)
- 

### 岩(この先のリスク)(これからぶつかりそうなもの)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
島(目的地) 11月末に、3つの図書室で貸出システムを使い始める
風(追い風) 利用者役の2人が毎週さわって意見をくれる
錨(重り) 蔵書データの形式が図書室ごとに違い、取り込みのたびに手直しが要る
岩(この先のリスク) 11月は利用者役の2人が棚卸しで時間を取りにくい
次の一歩 伊藤が10/17までに、取り込み前の形式チェックを自動で行う処理を作る
次の一歩 鈴木が今週中に、11月の確認日を利用者役の2人と先に決める

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、帆船の絵と4つの枠の説明
0:05 5 共有する 島(目的地)を全員で1文にする
0:10 10 書く 風・錨・岩を各自で書く
0:20 10 共有する 風を共有
0:30 10 共有する 錨を共有
0:40 8 共有する 岩を共有し、起きやすさで並べる
0:48 7 絞って決める 錨と岩から2〜3件を選び、次の一歩を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: 先に島(目的地)を全員で1文にします。目的地がそろうと、風・錨・岩の付箋が同じ方向を向きます。岩は起きやすさで並べ、上位だけを扱います。

11. 学習マトリックス ― よかった・変えたい・アイデア・感謝

向いている状態:感謝を伝え合いたい/新しい案を集めたい。 感謝とアイデアの枠があり、場が明るくなるのが特徴です。人数の目安は3〜10人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(学習マトリックス) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### よかったこと(続けたいこと)
- 

### 変えたいこと(次は違うやり方にしたいこと)
- 

### 新しいアイデア(試してみたい案)
- 

### 感謝(ありがとうを伝えたい人と出来事)
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
よかったこと 仕様の質問をチャットの1つのスレッドに集めたので、あとから探しやすかった
変えたいこと 確認待ちのタスクが一覧で見えず、だれの番かわかりにくかった
新しいアイデア タスク管理表に「確認待ち」の列を足す
新しいアイデア 月に1回、利用者役の人を招いて画面を見せる会をひらく
感謝 高橋さんへ:取り込みで止まったとき、すぐ一緒にログを見てくれて助かりました
次の一歩 田中が明日までにタスク管理表へ「確認待ち」列を足す

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、4つの枠の説明
0:05 12 書く 4つの枠を各自で書く
0:17 8 共有する 感謝を読み上げる(本人に向けて)
0:25 8 共有する よかったことを共有
0:33 10 共有する 変えたいこと・新しいアイデアを共有
0:43 12 絞って決める 投票でアイデアを1〜2件選び、担当と期日を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: 感謝を最初に読み上げると、そのあとの「変えたいこと」が言いやすくなります。感謝は相手の名前と出来事を具体的に書きます。

12. プラス/デルタ ― よかった点・次に変える点

向いている状態:時間が短い/会議や勉強会の直後にすぐ行いたい。 2枠だけ。会の終わりの数分でもできるのが特徴です。人数の目安は2〜20人です。

記入枠(そのまま貼れます)

## 振り返り(プラス/デルタ) YYYY-MM-DD
対象期間: / 参加者: / 進行役:

### +(プラス)(よかった点・次も続けたい点)
- 

### Δ(デルタ)(次に変えたい点(不満ではなく変更案として書く))
- 

### 次の一歩(誰が・いつまでに・何を)
- 

記入例

枠 記入例
+(プラス) 画面を映しながら話したので、説明が短く済んだ
+(プラス) 最初に終了時刻とゴールを確認した
Δ(デルタ) 資料を前日までに共有する(当日読む時間をなくす)
Δ(デルタ) 質問の時間を最後ではなく、議題ごとに2分ずつ取る
次の一歩 次回の進行役(鈴木)が、Δの2件を次回の進め方に入れる

60分のタイムテーブル

開始 分 段階 すること
0:00 5 始める チェックイン、対象(どの会・どの期間か)を確認
0:05 8 書く +を各自で書く
0:13 10 共有する +を共有
0:23 8 書く Δを各自で書く(変更案の形で)
0:31 12 共有する Δを共有し、似たものをまとめる
0:43 12 絞って決める 投票でΔを2〜3件選び、担当を決める
0:55 5 終える 決めたことの読み上げ

進め方のコツ: Δは不満ではなく「次はこうする」という変更案の形で書きます。60分取れないときは、+とΔを各3分で書き、5分で共有するだけでも成り立ちます。

12手法のタイムテーブル(タブ区切り)と合計の検算

12手法のタイムテーブルを1つにまとめたタブ区切り版です。表計算ソフトに貼り、手法の列で絞り込むと使いやすくなります。

手法  開始  分   段階  すること
YWT 0:00    5   始める チェックイン、前回のTの結果を確認
YWT 0:05    10  書く  Yを各自で書く(無言で)
YWT 0:15    10  共有する    Yを時系列に並べて共有
YWT 0:25    10  書く  Wを各自で書く
YWT 0:35    10  共有する    Wを共有し、似たものをまとめる
YWT 0:45    10  絞って決める  Tを決める(1〜3件、担当と期日つき)
YWT 0:55    5   終える Tの読み上げ、次回の日程確認
FDL(Fun/Done/Learn) 0:00    5   始める チェックイン、3つの円の説明
FDL(Fun/Done/Learn) 0:05    10  書く  出来事を各自で付箋に書く
FDL(Fun/Done/Learn) 0:15    15  共有する    1枚ずつ読み上げ、F・D・Lのどこに置くか本人が決める
FDL(Fun/Done/Learn) 0:30    10  共有する    3つが重なる場所の付箋を眺め、共通点を話す
FDL(Fun/Done/Learn) 0:40    10  絞って決める  次の期間に重なりを増やす行動を1つ決める
FDL(Fun/Done/Learn) 0:50    5   終える 感想を一言ずつ
FDL(Fun/Done/Learn) 0:55    5   終える 決めた行動と担当の読み上げ
KPT 0:00    5   始める チェックイン、前回のTryの結果を確認
KPT 0:05    8   書く  Keepを各自で書く
KPT 0:13    7   共有する    Keepを共有
KPT 0:20    8   書く  Problemを各自で書く
KPT 0:28    10  共有する    Problemを共有し、投票で2〜3件に絞る
KPT 0:38    15  絞って決める  絞ったProblemごとにTryを決める
KPT 0:53    7   終える Tryの担当・期日・確認方法を読み上げ
KPTA    0:00    5   始める チェックイン、前回のActionの完了確認
KPTA    0:05    7   書く  Keepを各自で書いて共有
KPTA    0:12    10  書く  Problemを各自で書いて共有
KPTA    0:22    5   絞って決める  投票でProblemを2件に絞る
KPTA    0:27    10  書く  Tryの案を数多く出す
KPTA    0:37    15  絞って決める  Tryから選び、Actionに書き直す(4つの要素)
KPTA    0:52    8   終える Actionをタスク管理表へ登録し、読み上げ
4Ls 0:00    5   始める チェックイン、対象期間の主な出来事を確認
4Ls 0:05    12  書く  4つの枠を各自で書く
4Ls 0:17    8   共有する    LikedとLearnedを共有
4Ls 0:25    10  共有する    LackedとLonged forを共有
4Ls 0:35    5   絞って決める  似たものをまとめ、投票で2〜3件に絞る
4Ls 0:40    15  絞って決める  絞った項目の次の一歩を決める
4Ls 0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
Start/Stop/Continue 0:00    5   始める チェックイン、前回決めたことの確認
Start/Stop/Continue 0:05    10  書く  3つの枠を各自で書く
Start/Stop/Continue 0:15    10  共有する    Continueから共有
Start/Stop/Continue 0:25    10  共有する    Stopを共有し、やめた場合の影響を確かめる
Start/Stop/Continue 0:35    10  共有する    Startを共有し、投票で1〜2件に絞る
Start/Stop/Continue 0:45    10  絞って決める  Start・Stopの担当と開始日を決める
Start/Stop/Continue 0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
スターフィッシュ    0:00    5   始める チェックイン、5つの枠の説明
スターフィッシュ    0:05    12  書く  5つの枠を各自で書く
スターフィッシュ    0:17    8   共有する    Keep doing・More ofを共有
スターフィッシュ    0:25    8   共有する    Less of・Stop doingを共有
スターフィッシュ    0:33    7   共有する    Start doingを共有
スターフィッシュ    0:40    15  絞って決める  投票で2〜3件に絞り、担当と期日を決める
スターフィッシュ    0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
Mad Sad Glad    0:00    5   始める チェックイン、「人ではなく出来事について書く」と確認
Mad Sad Glad    0:05    10  書く  3つの枠を各自で書く
Mad Sad Glad    0:15    8   共有する    Gladを共有
Mad Sad Glad    0:23    12  共有する    Sad・Madを共有(聞く側は質問だけにする)
Mad Sad Glad    0:35    10  共有する    背景にある出来事や仕組みを話す
Mad Sad Glad    0:45    10  絞って決める  次の一歩を1〜2件決める
Mad Sad Glad    0:55    5   終える 感想を一言ずつ、決めたことの読み上げ
タイムライン  0:00    5   始める チェックイン、期間の線(開始日〜終了日)を引く
タイムライン  0:05    10  書く  出来事を各自で書き、日付の位置に貼る
タイムライン  0:15    10  共有する    左から順に読み上げる
タイムライン  0:25    8   共有する    各出来事に気持ち(+/−)を付ける
タイムライン  0:33    12  共有する    +と−が集まった所について気づきを話す
タイムライン  0:45    10  絞って決める  次の一歩を1〜2件決める
タイムライン  0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
帆船(Sailboat)    0:00    5   始める チェックイン、帆船の絵と4つの枠の説明
帆船(Sailboat)    0:05    5   共有する    島(目的地)を全員で1文にする
帆船(Sailboat)    0:10    10  書く  風・錨・岩を各自で書く
帆船(Sailboat)    0:20    10  共有する    風を共有
帆船(Sailboat)    0:30    10  共有する    錨を共有
帆船(Sailboat)    0:40    8   共有する    岩を共有し、起きやすさで並べる
帆船(Sailboat)    0:48    7   絞って決める  錨と岩から2〜3件を選び、次の一歩を決める
帆船(Sailboat)    0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
学習マトリックス    0:00    5   始める チェックイン、4つの枠の説明
学習マトリックス    0:05    12  書く  4つの枠を各自で書く
学習マトリックス    0:17    8   共有する    感謝を読み上げる(本人に向けて)
学習マトリックス    0:25    8   共有する    よかったことを共有
学習マトリックス    0:33    10  共有する    変えたいこと・新しいアイデアを共有
学習マトリックス    0:43    12  絞って決める  投票でアイデアを1〜2件選び、担当と期日を決める
学習マトリックス    0:55    5   終える 決めたことの読み上げ
プラス/デルタ 0:00    5   始める チェックイン、対象(どの会・どの期間か)を確認
プラス/デルタ 0:05    8   書く  +を各自で書く
プラス/デルタ 0:13    10  共有する    +を共有
プラス/デルタ 0:23    8   書く  Δを各自で書く(変更案の形で)
プラス/デルタ 0:31    12  共有する    Δを共有し、似たものをまとめる
プラス/デルタ 0:43    12  絞って決める  投票でΔを2〜3件選び、担当を決める
プラス/デルタ 0:55    5   終える 決めたことの読み上げ

時間を調整したあとは、合計が会議の長さと合っているかを確かめます。次のPythonは、上のタブ区切りを timetable.tsv として保存して実行したものです。

# check_tt.py : 手法ごとのタイムテーブルの合計と、段階ごとの時間を集計する
# Python 3.11、標準ライブラリのみ
import csv
from collections import defaultdict

total = defaultdict(int)
decide = defaultdict(int)
with open("timetable.tsv", encoding="utf-8", newline="") as f:
    for row in csv.DictReader(f, delimiter="\t"):
        minutes = int(row["分"])
        total[row["手法"]] += minutes
        if row["段階"] == "絞って決める":
            decide[row["手法"]] += minutes

for name, minutes in total.items():
    mark = "OK" if minutes == 60 else "要調整"
    print(f"{name}\t合計{minutes}分\t決める時間{decide[name]}分\t{mark}")
print(f"手法の数: {len(total)}")
YWT 合計60分   決める時間10分    OK
FDL(Fun/Done/Learn) 合計60分   決める時間10分    OK
KPT 合計60分   決める時間15分    OK
KPTA    合計60分   決める時間20分    OK
4Ls 合計60分   決める時間20分    OK
Start/Stop/Continue 合計60分   決める時間10分    OK
スターフィッシュ    合計60分   決める時間15分    OK
Mad Sad Glad    合計60分   決める時間10分    OK
タイムライン  合計60分   決める時間10分    OK
帆船(Sailboat)    合計60分   決める時間7分 OK
学習マトリックス    合計60分   決める時間12分    OK
プラス/デルタ 合計60分   決める時間12分    OK
手法の数: 12

KPTから他の手法へ乗り換える判断基準

KPTは定例に向いた手法ですが、同じ枠を続けていると出てくる意見が似てくることがあります。枠を変えると問いが変わり、違う意見が出やすくなります。 次の表の合図が見えたら、1回だけ別の手法に替えてみて、合えば続け、合わなければKPTに戻します。

KPTで見える合図 乗り換え先 KPTとの違い
Problemばかりが増え、場が重くなる FDL Problemの枠がなく、Fun・Done・Learnの重なりを見る
Keepが毎回同じで、学びが言葉にならない YWT 「わかったこと」の枠で、学びを言葉にする
Tryが次回まで手つかずで残る KPTA 案(Try)と約束する行動(Action)を分ける
Problemの背景にある気持ちが出てこない Mad Sad Glad 気持ちを入口にする
Tryが「気をつける」のように行動にならない Start/Stop/Continue 始める・やめる・続けるの3択で行動を書く
「やめる」ほどではない加減の話が多い スターフィッシュ 増やす・減らすの枠がある
2週間より長い期間を一度に見たい タイムライン、4Ls 出来事を並べ直す、学びと要望まで広げる
目の前の課題だけで、先の話が出ない 帆船 目的地と、この先のリスクを書く枠がある
助け合いが見えにくくなっている 学習マトリックス 感謝の枠がある
振り返りの時間が取れない週がある プラス/デルタ 2枠で、10分程度から行える

乗り換えるときは、会の冒頭で「今日はいつもと枠を変えます。理由は◯◯です」と一言伝えると、参加者が安心して書けます。前回のTryの結果確認は、どの手法に替えても最初の5分で続けます。

振り返りと混同しやすい会との違い

比べる点 振り返り 進捗の確認 成果物のレビュー
見る対象 仕事の進め方、チームの協力のしかた 予定に対する進み具合 作ったもの(画面・文書・コード)
問い 次の期間に何を変えるか 予定どおりか、遅れにどう対応するか 求める品質を満たしているか
出てくるもの 次に試す行動(1〜3件) 対応策、予定の見直し 指摘と修正
向いている手法 この記事の12手法 進捗報告、朝の集まり レビュー用の確認表

進め方を変えたいのか、遅れに対応したいのか、作ったものを確かめたいのかで会を分けると、それぞれの時間が短くなります。1つの会に混ぜる場合も、議題と時間を分けて扱います。

確かめて分かったこと

  • 12手法のタイムテーブルは、すべて合計60分になりました。 Pythonで段階ごとに集計すると、「絞って決める」に使う時間は手法によって7〜20分(60分の11〜33%)で、残りの大半は「書く」と「共有する」でした。時間を調整するときは、決める時間を先に確保してから残りを配分すると収まりやすくなります。
  • 枠の数は2〜5で、3枠と4枠がそれぞれ5手法ずつでした(2枠はプラス/デルタ、5枠はスターフィッシュ)。枠が1つ増えるごとに共有の時間が要るので、60分で5枠を扱うスターフィッシュでは、共有を2枠ずつまとめています。
  • スクラムガイド2020は、振り返りの手法を指定していません。 書かれているのは目的・検査する対象・時間の上限(1か月のスプリントで最大3時間)で、KPTやYWTといった名前は出てきません。手法はチームが選ぶものです。
  • Mermaidの選択フローは、ノード名に半角の丸かっこを入れると描画が止まりました。 M10[帆船(Sailboat)] と書くと mermaid-cli 11.14.0 では Parse error になり、M10["帆船(Sailboat)"] のように二重引用符で囲むと描画できました。この記事のフローはかっこを使わない名前にしています。
  • Start/Stop/Continue のスラッシュや、全角の「/」「?」を含むラベルは、引用符なしでも描画できました。 改行は <br> で入れています。

よくある質問

Q. 振り返りの手法はどれから始めるのがよいですか? A. YWTから始めるのがおすすめです。「やったこと」という事実から書くので、初めての人も手が止まりにくく、3枠なので60分に収めやすいからです。2〜3回行って慣れたら、チームの状態に合わせて早見表から選び直します。

Q. YWTとKPTの違いは何ですか? A. 出発点が違います。YWTは「やったこと(事実)」から始めて学びを言葉にし、KPTは「続けたいこと・困っていること」から始めて対策を決めます。学びを残したいときはYWT、課題を絞って手を打ちたいときはKPTが向きます。

Q. FDLとは何ですか? A. Fun(楽しかった)・Done(やりとげた)・Learn(学んだ)の3つの円に出来事を置いていく手法です。課題の枠がないので、チームができたばかりの時期や、雰囲気が重いときに話しやすくなります。3つの円が重なる場所に置かれた出来事を増やすことを、次の行動にします。

Q. 振り返りで意見が出ないときはどうすればよいですか? A. まず「各自が無言で書く時間」を取ります。話す前に書くと、声の大きさに関係なく全員の意見が場に出ます。それでも出にくいときは、タイムラインで出来事を並べてから始めるか、FDLやプラス/デルタのように書きやすい枠に替えます。

Q. 毎回同じ手法を使い続けてもよいですか? A. 続けてかまいません。同じ手法は準備が要らず、前回との比較もしやすくなります。意見が似てきたと感じたら、「KPTから他の手法へ乗り換える判断基準」の表を見て、1回だけ別の手法を試します。

まとめ

  • 迷ったら最初はYWT、雰囲気が重いときはFDL、課題を絞りたいときはKPT。この3つを起点に選びます。
  • 早見表と選択フローを使うと、チームの状態・人数・時間から12手法のどれか1つに決まります。
  • 12手法すべてに記入枠・記入例・60分タイムテーブルを載せました。記入枠はそのまま貼って使えます。
  • どの手法も「始める・書く・共有する・絞って決める・終える」の5段階でできています。
  • 決める時間を先に確保し、最後に「誰が・いつまでに・何を」を1〜3件読み上げて終えます。
  • KPTで意見が似てきたら、合図に合わせて1回だけ枠を替えると、新しい意見が出やすくなります。

参考

  • スクラムガイド2020 日本語版(スプリントレトロスペクティブ): https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf (2026-10-06 確認)

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
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(記載例)出典:株式会社RJC「振り返り手法一覧12選|YWT・FDLの選び方早見表とテンプレート」

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