PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、プロジェクトの管理に使う手順・様式・情報を整え、PM(プロジェクトマネージャー)が判断しやすい状態をつくる組織または役割です。 PMが「1つのプロジェクトの結果に責任を持って決める人」であるのに対し、PMOは「決めるための材料と仕組みを整える側」に立ちます。

この記事では、PM・PMO・PL・事務局の違いを責任と権限で比べたうえで、PMOの業務30項目を成果物・作成頻度つきの一覧にし、支援型・管理型・指揮型がそれぞれどこまで行うかを○△×で示します。表はそのままコピーして、自分のチームの役割分担を決める下書きに使えます。

確認環境:Ubuntu 24.04、Python 3.11.15(一覧表の件数集計)、@mermaid-js/mermaid-cli 11.14.0 と Chromium 141(Mermaid 図の描画)。PMOの3つの型の定義は PMI の公開ページで確認しました。確認日は 2026-10-06 です。

この記事の結論

  • PMは決める人、PMOは決めるための材料と仕組みを整える組織・役割です。
  • PMOの種類(支援型・管理型・指揮型)の違いは、決定権の強さの違いです。支援型は求められたら手伝う、管理型は標準を守るよう求める、指揮型は自分で決めて動かします。
  • 業務30項目のうち、PMOが主担当になる数は支援型9、管理型25、指揮型29でした(この記事の一覧での集計)。
  • 型は「同時に動くプロジェクトの数」「標準の有無」「是正まで求めるか」の3点で選べます。

PMOとPMの違い早見表

比べる点 PM PMO
ひとことで 決める人 決める材料と仕組みを整える組織・役割
対象 担当する1つのプロジェクト 1つ〜複数のプロジェクト、または組織全体
責任 納期・費用・品質・範囲の結果 管理の仕組みが回り、情報が正しく集まること
権限 計画の決定、要員への作業指示、変更の採否 型によって変わる(助言のみ〜承認まで)
主な成果物 プロジェクト計画書、体制図、各種の判断結果 進捗報告書、課題管理表、会議体一覧、標準テンプレート集
人数 1プロジェクトに1人 1人〜数人のチーム
置かれる場所 プロジェクトの中 プロジェクトの中、または組織の横断部門
困ったときの動き 自分で判断し、上位へ上申する 事実を整理してPMに渡す(指揮型は自ら判断)

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「PMOの役割とPMとの違い|業務内容一覧と支援型・管理型の成果物」

PM・PMO・PL・事務局の違い(責任・権限・成果物)

PMOは、PL(プロジェクトリーダー)や事務局とも混同されやすい役割です。違いは「何に責任を持つか」と「何を決められるか」に表れます。

役割 責任を持つもの 決められること 決められないこと 主な成果物
PM プロジェクト全体の結果(納期・費用・品質・範囲) 計画、体制、優先順位、変更の採否 予算枠そのものの増額(責任者の承認が要る) プロジェクト計画書、体制図、完了報告書
PMO 管理の仕組みと情報の正しさ 型による。報告様式、点検の方法、会議の進め方 支援型・管理型では、個別プロジェクトの計画や採否 進捗報告書、課題管理表、リスク登録簿、会議体一覧、標準テンプレート集
PL 担当チームの作業の完了と品質 チーム内の作業の割り振り、技術的な進め方 チームをまたぐ優先順位、範囲の変更 詳細スケジュール、設計書、テスト結果、チームの進捗報告
事務局 依頼された事務作業の完了 作業の段取り(日程調整の方法など) 管理の方法そのもの、報告内容の評価 会議の案内、議事録の清書、名簿、配布資料

読み分けのポイントは次の2つです。

  • PMOと事務局の違いは「中身を見るかどうか」です。事務局は議事録を整えて配ります。PMOは議事録から宿題を拾い、期限を過ぎたものをPMに知らせます。
  • PMOとPLの違いは「作るものの種類」です。PLはシステムそのもの(設計書・プログラム・テスト結果)を仕上げます。PMOは管理に使う文書を仕上げます。

PMOの3つの種類:支援型・管理型・指揮型

PMOの種類は、PMI(Project Management Institute)の資料でプロジェクトに対するコントロールの度合いによって3つに分けられています。PMI の公開ページでは、支援型は「テンプレート、ベストプラクティス、研修、情報、ほかのプロジェクトの教訓を提供する相談役」でコントロールは低い、管理型(コントロール型)は「支援に加えて、枠組みや方法論の採用などを通じて順守を求める」でコントロールは中程度、指揮型は「プロジェクトを直接マネジメントする」でコントロールは高い、と説明されています。

比べる点 支援型 管理型(コントロール型) 指揮型
コントロールの度合い 低い 中程度 高い
PMとの関係 相談役。求められたら手伝う 点検役。標準に沿うよう求める 上位者。PMを束ねる、または自らPMを務める
決定権 無い(提案まで) 管理の方法について有る 計画・要員・変更の採否まで有る
標準(様式・手順) 用意して紹介する 使うことを求め、点検する 定めて、守らせる
報告の流れ PMが報告し、PMOは集計を手伝う PMOが集めて責任者へ横並びで報告する PMOが報告を受け、指示を返す
向く状況 PMの管理作業があふれている、標準がまだ無い 複数プロジェクトを同じ物差しで比べたい 多くのプロジェクトの優先順位と要員を一括で決めたい
気を付ける点 作業の引き受け先になりやすい。範囲を先に決める 点検が目的になりやすい。集めた数値の使い道を決める PMの裁量が狭くなる。任せる範囲を明文化する

英語では支援型を Supportive、管理型を Controlling、指揮型を Directive と呼びます。日本語では管理型を「コントロール型」と書く資料もあり、同じものを指します。

PMOの業務内容一覧(30項目)と成果物・作成頻度

PMOの業務を11の領域・30項目に分け、作る成果物、作成頻度、型ごとの担当範囲を1つの表にまとめました。 記号の意味は次のとおりです。

記号 意味
○ PMOが主担当として行う
△ 依頼があれば手伝う、または一部だけ行う(主担当はPM)
× PMOは行わない(PMまたは責任者が行う)
No 領域 業務 主な成果物 作成頻度 支援型 管理型 指揮型
1 進捗 進捗データの収集と集計 進捗報告書 週次 ○ ○ ○
2 進捗 進捗報告の様式をそろえる 進捗報告テンプレート 立ち上げ時・改定時 △ ○ ○
3 進捗 遅れの検知とPMへの知らせ 遅延一覧 週次 △ ○ ○
4 進捗 複数プロジェクトの横並び報告 全体状況一覧 月次 × ○ ○
5 課題 課題管理表の維持(起票・期限の点検) 課題管理表 随時・週次で点検 ○ ○ ○
6 課題 期限を過ぎた課題の催促と上申 期限超過課題一覧 週次 △ ○ ○
7 課題 課題の優先度と対応方針の決定 課題対応方針(議事録に記載) 随時 × △ ○
8 リスク リスク登録簿の維持 リスク登録簿 月次で見直し ○ ○ ○
9 リスク リスクの洗い出し会の運営 リスク洗い出し結果 工程の開始時 △ ○ ○
10 リスク 対応策の実行状況の監視 リスク対応状況報告 月次 × ○ ○
11 変更 変更要求の受付と台帳管理 変更管理台帳 随時 ○ ○ ○
12 変更 影響調査の取りまとめ 影響調査書 変更のつど △ ○ ○
13 変更 変更の採否の判断 変更審査結果 変更のつど × △ ○
14 品質 品質の数値の収集(レビュー指摘・不具合) 品質報告書 週次〜月次 △ ○ ○
15 品質 工程完了の判定資料の点検 工程完了チェック結果 工程の終了時 × ○ ○
16 品質 工程完了の可否の判定 工程完了判定書 工程の終了時 × △ ○
17 コスト 工数の集計(予定と実際の比較) 工数集計表 週次〜月次 ○ ○ ○
18 コスト 完成時の見通しの算出 コスト見通し報告 月次 △ ○ ○
19 コスト 予算の配分と追加の承認 予算配分表 四半期・変更時 × × ○
20 会議体 会議体の設計と一覧化 会議体一覧 立ち上げ時 △ ○ ○
21 会議体 定例会の準備と進行の補助 アジェンダ・会議資料 会議のつど ○ ○ ○
22 会議体 議事録の作成と宿題の追跡 議事録・アクション一覧 会議のつど ○ ○ △
23 標準化 標準テンプレートの整備 標準テンプレート集 立ち上げ時・半期ごと △ ○ ○
24 標準化 管理の手順とルールの策定 プロジェクト管理要領 立ち上げ時・年次 × ○ ○
25 標準化 標準が守られているかの点検 点検結果報告 月次〜四半期 × ○ ○
26 教育 管理手法の勉強会と相談窓口 研修資料・問い合わせ記録 四半期・随時 ○ ○ ○
27 要員 要員の空き状況の一覧化 要員配置表 月次 △ ○ ○
28 要員 プロジェクト間の要員調整とPMの任命 要員調整結果・体制図 随時 × △ ○
29 情報共有 文書の保管場所と版の管理 文書管理台帳・フォルダー構成 立ち上げ時・随時 ○ ○ ○
30 情報共有 振り返りの取りまとめと知見の蓄積 振り返り報告・知見集 工程とプロジェクトの終了時 △ ○ ○

表計算ソフトに貼る場合は、次のタブ区切りをコピーしてください。

No  領域  業務  主な成果物   作成頻度    支援型 管理型 指揮型
1   進捗  進捗データの収集と集計 進捗報告書   週次  ○   ○   ○
2   進捗  進捗報告の様式をそろえる    進捗報告テンプレート  立ち上げ時・改定時   △   ○   ○
3   進捗  遅れの検知とPMへの知らせ   遅延一覧    週次  △   ○   ○
4   進捗  複数プロジェクトの横並び報告  全体状況一覧  月次  ×   ○   ○
5   課題  課題管理表の維持(起票・期限の点検)  課題管理表   随時・週次で点検    ○   ○   ○
6   課題  期限を過ぎた課題の催促と上申  期限超過課題一覧    週次  △   ○   ○
7   課題  課題の優先度と対応方針の決定  課題対応方針(議事録に記載)  随時  ×   △   ○
8   リスク リスク登録簿の維持   リスク登録簿  月次で見直し  ○   ○   ○
9   リスク リスクの洗い出し会の運営    リスク洗い出し結果   工程の開始時  △   ○   ○
10  リスク 対応策の実行状況の監視 リスク対応状況報告   月次  ×   ○   ○
11  変更  変更要求の受付と台帳管理    変更管理台帳  随時  ○   ○   ○
12  変更  影響調査の取りまとめ  影響調査書   変更のつど   △   ○   ○
13  変更  変更の採否の判断    変更審査結果  変更のつど   ×   △   ○
14  品質  品質の数値の収集(レビュー指摘・不具合)    品質報告書   週次〜月次   △   ○   ○
15  品質  工程完了の判定資料の点検    工程完了チェック結果  工程の終了時  ×   ○   ○
16  品質  工程完了の可否の判定  工程完了判定書 工程の終了時  ×   △   ○
17  コスト 工数の集計(予定と実際の比較) 工数集計表   週次〜月次   ○   ○   ○
18  コスト 完成時の見通しの算出  コスト見通し報告    月次  △   ○   ○
19  コスト 予算の配分と追加の承認 予算配分表   四半期・変更時 ×   ×   ○
20  会議体 会議体の設計と一覧化  会議体一覧   立ち上げ時   △   ○   ○
21  会議体 定例会の準備と進行の補助    アジェンダ・会議資料  会議のつど   ○   ○   ○
22  会議体 議事録の作成と宿題の追跡    議事録・アクション一覧 会議のつど   ○   ○   △
23  標準化 標準テンプレートの整備 標準テンプレート集   立ち上げ時・半期ごと  △   ○   ○
24  標準化 管理の手順とルールの策定    プロジェクト管理要領  立ち上げ時・年次    ×   ○   ○
25  標準化 標準が守られているかの点検   点検結果報告  月次〜四半期  ×   ○   ○
26  教育  管理手法の勉強会と相談窓口   研修資料・問い合わせ記録    四半期・随時  ○   ○   ○
27  要員  要員の空き状況の一覧化 要員配置表   月次  △   ○   ○
28  要員  プロジェクト間の要員調整とPMの任命  要員調整結果・体制図  随時  ×   △   ○
29  情報共有    文書の保管場所と版の管理    文書管理台帳・フォルダー構成  立ち上げ時・随時    ○   ○   ○
30  情報共有    振り返りの取りまとめと知見の蓄積    振り返り報告・知見集  工程とプロジェクトの終了時   △   ○   ○

一覧の読み方

  • 3つの型すべてが○の8項目(進捗データの収集、課題管理表の維持、リスク登録簿の維持、変更要求の受付、工数の集計、定例会の準備、勉強会と相談窓口、文書の保管と版の管理)が、どの型でもPMOが担う土台です。新しくPMOを置くときは、この8項目から始めると範囲がぶれにくくなります。
  • 支援型で×、管理型で○に変わる項目は「横並びの報告」「対応策の監視」「工程完了の資料の点検」「ルールの策定」「標準の点検」です。ここが支援型と管理型の境目で、どれも「PMOの側から働きかける」業務です。
  • 指揮型だけが○の5項目(No.7・13・16・19・28)は、すべて「決める」業務です。課題の対応方針、変更の採否、工程完了の可否、予算の配分、PMの任命がこれにあたります。
  • No.22(議事録の作成)は指揮型で△にしています。判断を担う立場が記録も兼ねると負荷が偏るため、記録は事務局やプロジェクト側に任せる想定です。

領域ごとの件数と、型ごとの○△×の数

上の一覧を Python で集計した結果です。

型 ○(主担当) △(一部) ×(行わない)
支援型 9 11 10
管理型 25 4 1
指揮型 29 1 0
領域 件数 領域 件数
進捗 4 会議体 3
課題 3 標準化 3
リスク 3 教育 1
変更 3 要員 2
品質 3 情報共有 2
コスト 3 合計 30

作成頻度で並べ替えた成果物カレンダー

同じ30項目を「いつ作るか」で並べ替えると、PMOの1か月の動きが見えます。

タイミング 作る・更新する成果物
立ち上げ時 会議体一覧、進捗報告テンプレート、標準テンプレート集、プロジェクト管理要領、文書管理台帳・フォルダー構成
毎週 進捗報告書、遅延一覧、課題管理表の点検、期限超過課題一覧、工数集計表、品質報告書
会議のつど アジェンダ・会議資料、議事録・アクション一覧
毎月 全体状況一覧、リスク登録簿の見直し、リスク対応状況報告、コスト見通し報告、要員配置表、点検結果報告
四半期・半期 研修資料、予算配分表、標準テンプレート集の改定
変更のつど・随時 変更管理台帳、影響調査書、変更審査結果、課題対応方針、要員調整結果・体制図、問い合わせ記録
工程・プロジェクトの終了時 工程完了チェック結果、工程完了判定書、振り返り報告・知見集

毎週の成果物が6つあり、PMOの定常作業の中心は週次の集計と点検だと分かります。立ち上げ時の5つを先に用意しておくと、週次の作業が様式探しで止まりません。

どの型を選ぶか:判断基準

型は、次の3つの条件で選べます。

条件 選ぶ型 理由
プロジェクトは1〜2つで、PMの管理作業があふれている 支援型 集計と会議運営を引き取るだけで効果が出る
プロジェクトは1〜2つで、管理作業もあふれていない 事務局で足りる 中身の点検まで求める場面が少ない
プロジェクトは3つ以上あるが、共通の様式や手順がまだ無い 支援型で始めて標準を作る 比べる物差しが無いうちは点検ができない
プロジェクトは3つ以上あり、標準があり、横並びで比べて是正まで求めたい 管理型 同じ様式で集めた数値をもとに働きかけられる
上の条件に加えて、PMOがPMを任命し計画を承認する 指揮型 優先順位と要員を一括で決める権限が要る
1つの大規模プロジェクトで、チームが5つ以上に分かれている 管理型(プロジェクト内PMO) チームを複数プロジェクトと見なして横並びで管理する

「3つ以上」「5つ以上」は目安の例です。組織の大きさに合わせて読み替えてください。

同じ判断を流れ図にすると次のとおりです。

flowchart TD
    S["PMOを置きたい"] --> N{"同時に動く<br>プロジェクトは3つ以上?"}
    N -- "いいえ(1〜2つ)" --> B{"PMの管理作業が<br>あふれている?"}
    B -- "はい" --> SUP["支援型"]
    B -- "いいえ" --> NO["事務局で足りる"]
    N -- "はい" --> ST{"共通の標準<br>(様式・手順)がある?"}
    ST -- "まだ無い" --> SUP2["支援型で始めて<br>標準を作る"]
    ST -- "ある" --> G{"横並びで比べて<br>是正まで求めたい?"}
    G -- "はい" --> CTL["管理型"]
    G -- "いいえ" --> SUP
    CTL --> D{"PMOがPMを任命し<br>計画を承認する?"}
    D -- "はい" --> DIR["指揮型"]
    D -- "いいえ" --> CTL2["管理型のまま"]

型は段階的に強めてよい

最初から管理型や指揮型で始める必要はありません。次の順で進めると、PMとの関係を保ちながら範囲を広げられます。

  1. 支援型で土台の8項目を回す(集計・台帳・会議・文書の保管)。
  2. 集めた情報から標準テンプレート集と管理要領を作る(No.23・24)。
  3. 標準ができたら点検を始める(No.15・25)。ここで管理型になります。
  4. 責任者が決定権を委ねた項目だけ、PMOが決める(No.7・13・16・19・28)。ここで指揮型になります。

立ち上げ時に使える役割分担表テンプレート

PMOを置くときに最初に決めたいのは、「誰が決め、誰が作り、誰が手伝うか」です。次の表を、プロジェクト計画書や体制の資料にそのまま貼って使えます。記号は4つだけにしました。

記号 意味
決 決める(最終的に判断する人。1行に1人)
作 作る(成果物を作成・更新する人)
支 支える(材料を出す、確認する)
報 報告を受ける

担当の割り当て方を記号で表す書き方には RACI という広く使われる記法があります。ここでは記法の説明には踏み込まず、PMOの立ち上げで決める項目に絞っています。

テンプレート(空欄)

# 役割分担表(PMO立ち上げ時)

- 対象プロジェクト:
- PMOの型:支援型 / 管理型 / 指揮型
- 作成日:   作成者:   承認者:
- 見直しの時期:

| No | 業務 | 成果物 | 頻度 | 責任者 | PM | PMO | PL | 事務局 |
|---:|---|---|---|:---:|:---:|:---:|:---:|:---:|
| 1 | 進捗の集計と報告 | 進捗報告書 | | | | | | |
| 2 | 課題の管理 | 課題管理表 | | | | | | |
| 3 | 課題の対応方針の決定 | 議事録 | | | | | | |
| 4 | リスクの管理 | リスク登録簿 | | | | | | |
| 5 | 変更要求の受付 | 変更管理台帳 | | | | | | |
| 6 | 変更の採否の判断 | 変更審査結果 | | | | | | |
| 7 | 品質の数値の収集 | 品質報告書 | | | | | | |
| 8 | 工程完了の判定 | 工程完了判定書 | | | | | | |
| 9 | 工数の集計 | 工数集計表 | | | | | | |
| 10 | 会議体の設計 | 会議体一覧 | | | | | | |
| 11 | 定例会の運営 | アジェンダ・議事録 | | | | | | |
| 12 | 標準テンプレートの整備 | 標準テンプレート集 | | | | | | |
| 13 | 文書の保管と版の管理 | 文書管理台帳 | | | | | | |

## PMOが行わないこと
-

## 困ったときの上申先
- PMとPMOの見解が分かれたとき:

記入例(支援型・架空の備品予約システム刷新)

# 役割分担表(PMO立ち上げ時)

- 対象プロジェクト:備品予約システム刷新(開発チーム2つ、計12名)
- PMOの型:支援型
- 作成日:2026-10-06 作成者:PMO 佐藤 承認者:PM 鈴木
- 見直しの時期:基本設計の完了時

| No | 業務 | 成果物 | 頻度 | 責任者 | PM | PMO | PL | 事務局 |
|---:|---|---|---|:---:|:---:|:---:|:---:|:---:|
| 1 | 進捗の集計と報告 | 進捗報告書 | 週次(木曜) | 報 | 決 | 作 | 支 | |
| 2 | 課題の管理 | 課題管理表 | 随時・火曜に点検 | | 決 | 作 | 支 | |
| 3 | 課題の対応方針の決定 | 議事録 | 随時 | 報 | 決 | 支 | 支 | |
| 4 | リスクの管理 | リスク登録簿 | 月次 | 報 | 決 | 作 | 支 | |
| 5 | 変更要求の受付 | 変更管理台帳 | 随時 | | 決 | 作 | 支 | |
| 6 | 変更の採否の判断 | 変更審査結果 | 変更のつど | 決 | 作 | 支 | 支 | |
| 7 | 品質の数値の収集 | 品質報告書 | 月次 | 報 | 決 | 支 | 作 | |
| 8 | 工程完了の判定 | 工程完了判定書 | 工程の終了時 | 決 | 作 | 支 | 支 | |
| 9 | 工数の集計 | 工数集計表 | 週次 | | 決 | 作 | 支 | |
| 10 | 会議体の設計 | 会議体一覧 | 立ち上げ時 | 報 | 決 | 作 | | |
| 11 | 定例会の運営 | アジェンダ・議事録 | 週次 | | 決 | 作 | 支 | 作 |
| 12 | 標準テンプレートの整備 | 標準テンプレート集 | 立ち上げ時 | | 決 | 作 | 支 | |
| 13 | 文書の保管と版の管理 | 文書管理台帳 | 随時 | | 決 | 作 | | 支 |

## PMOが行わないこと
- 設計書やプログラムの作成とレビュー(PLが行う)
- 課題の対応方針と変更の採否の決定(PMと責任者が行う)
- 利用部門との仕様の調整(PMとPLが行う)

## 困ったときの上申先
- PMとPMOの見解が分かれたとき:責任者(情報システム部長)に、双方の案を並べて相談する

記入例の人名・部署名は架空のものです。タブ区切り版は次のとおりです。

No  業務  成果物 頻度  責任者 PM  PMO PL  事務局
1   進捗の集計と報告    進捗報告書   週次(木曜)  報   決   作   支   
2   課題の管理   課題管理表   随時・火曜に点検        決   作   支   
3   課題の対応方針の決定  議事録 随時  報   決   支   支   
4   リスクの管理  リスク登録簿  月次  報   決   作   支   
5   変更要求の受付 変更管理台帳  随時      決   作   支   
6   変更の採否の判断    変更審査結果  変更のつど   決   作   支   支   
7   品質の数値の収集    品質報告書   月次  報   決   支   作   
8   工程完了の判定 工程完了判定書 工程の終了時  決   作   支   支   
9   工数の集計   工数集計表   週次      決   作   支   
10  会議体の設計  会議体一覧   立ち上げ時   報   決   作       
11  定例会の運営  アジェンダ・議事録   週次      決   作   支   作
12  標準テンプレートの整備 標準テンプレート集   立ち上げ時       決   作   支   
13  文書の保管と版の管理  文書管理台帳  随時      決   作       支

記入するときの点検

点検すること 見るところ 直し方
「決」が1行に1人か 各行を横に見る 2人いる行は、最終判断者を1人に絞る
PMOの列に「決」が無いか(支援型・管理型) PMOの列を縦に見る 「決」があれば、型の認識がずれている。型を見直すか「支」に直す
「作」が無い行が無いか 各行を横に見る 成果物を作る人がいない行は、担当を決める
「PMOが行わないこと」が書かれているか 表の下 3つ以上書く。作業の引き受けすぎを防げる
見直しの時期が入っているか 表の上 工程の区切りを1つ選んで書く

型ごとの1週間の動き(例)

同じ「週次の進捗報告」でも、型によってPMOの動きが変わります。

曜日 支援型 管理型 指揮型
月 各チームから進捗データを集める 同じ様式で全プロジェクトから集める 同左
火 課題管理表の期限を点検し、PMに一覧を渡す 期限超過を各PMに知らせ、対応予定日を求める 期限超過の課題に対応方針を指示する
水 進捗報告書の下書きを作る 横並びの一覧を作り、基準を外れたものに印を付ける 一覧をもとに優先順位と要員の入れ替えを決める
木 PMが定例会で報告する。PMOは進行と記録を補助する PMOが責任者へ全体状況を報告する PMOが各PMから報告を受け、指示を返す
金 宿題をアクション一覧に反映する 是正の進み具合を確認する 決定事項を体制図と計画に反映する

確かめて分かったこと

  • 30項目を集計すると、支援型と管理型の差(○が9→25)は、管理型と指揮型の差(25→29)よりずっと大きいことが分かりました。型を1段強めるときの負荷は、支援型から管理型へ移るときに集中します。
  • 指揮型だけが○になる5項目は、すべて「決める」業務でした。作業の量ではなく決定権が型を分けている、という結論が一覧からも読み取れます。
  • 3つの型すべてで○の業務は8項目で、進捗・課題・リスク・変更・コスト・会議体・教育・情報共有の8領域に1つずつ分かれました。品質・標準化・要員の3領域には、型を問わずPMOが担う業務が入りませんでした。
  • PMI の公開ページでは、3つの型は「コントロールの度合い」が低い・中程度・高いという1本の軸で説明されていました。業務の種類で分けているわけではありません。
  • 判断の流れ図は Mermaid のコードのまま描画でき、分岐の文言の途中に改行タグを入れても崩れませんでした。

つまずきやすい点と整え方

つまずきやすい点 こうすると整う
PMOが議事録と日程調整だけを続けている 一覧の No.5・6(課題の点検と催促)を担当に加え、中身を見る役割に広げる
PMとPMOの両方が同じ集計をしている 役割分担表で「作」を1人に決め、もう一方は「支」にする
報告様式がプロジェクトごとに違い、比べられない No.2(様式をそろえる)を先に行い、その後に横並びの報告を始める
PMOの点検がPMの負担になっている 集める項目を「判断に使うもの」だけに絞り、使い道を管理要領に書く
PMOがいつの間にか採否を決めている 型を責任者と確認し、指揮型でなければ「決」をPMに戻す
PMOに依頼が集中して回らない 「PMOが行わないこと」を書き足し、依頼の窓口を1つにする

よくある質問

Q. PMOとPMの違いは何ですか? A. PMは1つのプロジェクトの結果に責任を持って決める人で、PMOは決めるための材料と仕組みを整える組織・役割です。PMは計画や変更の採否を決め、PMOは進捗報告書や課題管理表などを整えてその判断を支えます。

Q. PMOとは何をする仕事ですか? A. 進捗・課題・リスク・変更・品質・コストの情報を集めて整え、会議体と標準の様式を用意する仕事です。この記事の一覧では30項目に分けており、どの型でも共通して担うのは集計・台帳の維持・会議の準備・文書の保管などの8項目です。

Q. 支援型PMOと管理型PMOの違いは何ですか? A. 標準を守るよう求める権限があるかどうかです。支援型は様式や助言を提供して求められたら手伝い、管理型は様式の利用を求めて点検し、基準を外れたものの是正まで働きかけます。

Q. PMOと事務局の違いは何ですか? A. 管理の中身まで見るかどうかです。事務局は会議の案内や議事録の清書などの事務作業を担い、PMOは集めた情報から遅れや期限超過を見つけてPMに知らせます。

Q. PMOを置いてもうまく回らないときはどうすればよいですか? A. まず型と「PMOが行わないこと」を責任者・PMと文書で確認します。役割分担表で「決」と「作」が1行に1人ずつ決まっているかを点検すると、重複や空白が見つかります。

まとめ

  • PMは決める人、PMOは決めるための材料と仕組みを整える組織・役割です。
  • 支援型・管理型・指揮型の違いは決定権の強さで、PMI の資料ではコントロールの度合い(低い・中程度・高い)で分けられています。
  • PMOの業務は11領域・30項目に整理でき、それぞれに成果物と作成頻度があります。
  • PMOが主担当になる項目は支援型9、管理型25、指揮型29。差が大きいのは支援型から管理型へ移るときです。
  • 指揮型だけが担う5項目はすべて「決める」業務です。
  • 型はプロジェクトの数、標準の有無、是正まで求めるかで選び、段階的に強めていけます。
  • 立ち上げ時は役割分担表で「決」「作」「支」「報」を1行ずつ決め、PMOが行わないことを書いておくと範囲がぶれません。

参考

  • Project Management Institute「PMO evolution: from the origin to the future」(2015年。PMOの定義と、支援型・コントロール型・指揮型の説明を確認)https://www.pmi.org/learning/library/pmo-evolution-9645

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(記載例)出典:株式会社RJC「PMOの役割とPMとの違い|業務内容一覧と支援型・管理型の成果物」

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