- マネジメント
仕事の任せ方と依頼テンプレート|5W1Hと権限委譲レベル表
仕事を任せるとは、「目的・完了条件・権限範囲・報告タイミング」の4点を相手に渡すことです。 この4点のどれかが欠けた依頼が、いわゆる丸投げです。違いは気持ちや信頼の量ではなく、依頼文に書いてあるかどうかで見分けられます。
この記事では、依頼する側が1件の仕事を渡すときに書く内容に絞って、5W1Hに完了条件と権限レベルを加えた依頼テンプレート、架空の資料作成タスクでの記入例、権限委譲の5段階表、レベルの選び方の早見表を載せています。表とチャット用の文面は、そのまま貼って書き換えられます。
確認環境:Ubuntu 24.04、Python 3.11.15(依頼文の項目を点検するスクリプト)、@mermaid-js/mermaid-cli 11.14.0 と Chromium(判断フローの描画)。確認日は 2026-10-06 です。
この記事の結論
- 任せる=目的・完了条件・権限範囲・報告タイミングの4点を渡すこと。 丸投げ=そのどれかが欠けた依頼です。
- 依頼文は9項目で書く。 5W1H(目的・成果物・期限・関係者・置き場所・進め方)に、完了条件・権限レベル・報告タイミングを足します。
- 権限は5段階で伝える。 「任せます」ではなく「レベル3(相談して決める)です」のように、どこまで自分で決めてよいかを番号で渡します。
- レベルは「相手の習熟度 × 作業の重要度」で選ぶ。 同じ相手でも、作業が変わればレベルは変わります。
- 渡した直後に、相手の言葉で言い直してもらう。 受け取り方のずれは、作業が始まる前に見つけるのが最も手間が少なく済みます。
任せる・丸投げの早見表
| 渡すもの | 書いてあると相手ができること | 欠けると起きること | 書き方の例 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 迷ったときに自分で判断できる | 指示の文字どおりに作り、使い道に合わない | 「10/15の定例で、予約枠を増やすかを決めるため」 |
| 完了条件 | どこで手を止めてよいかが分かる | 作り込みすぎる、または足りないまま出す | 「3つの数字が入り、読んで質問なしで判断できる」 |
| 権限範囲 | 確認の往復を減らして進められる | 毎回聞く、または聞かずに決めて手戻りになる | 「レベル3。構成案を見せてから作り始める」 |
| 報告タイミング | 途中で方向を直せる | 期限の日に初めてずれが分かる | 「10/9に構成案、10/13に初版」 |
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「仕事の任せ方と依頼テンプレート|5W1Hと権限委譲レベル表」
任せると丸投げの違い
丸投げという言葉は「何も言わずに渡すこと」を指して使われますが、線を引く場所があいまいなままだと直しようがありません。この記事では、次のように決めます。
| 任せる | 丸投げ | |
|---|---|---|
| 目的 | 書いてある | 書いていない、または「いつものやつ」 |
| 完了条件 | 確かめられる形で書いてある | 「いい感じに」「なるべく早く」 |
| 権限範囲 | 自分で決めてよい範囲が分かる | 分からないので、相手が毎回推測する |
| 報告タイミング | 途中の報告日が決まっている | 期限だけ、または期限も無い |
| 結果の責任 | 依頼した側に残る | 相手に移ったことにされる |
| 依頼後の関わり | 決めた日に確認し、聞かれたら答える | 期限まで何もしない、または細かく口を出す |
最後の2行は依頼文には出てきませんが、4点を渡すと自然に決まります。報告日が決まっていれば、その日以外に細かく確認する必要がなくなり、相手も自分のペースで進められます。
依頼テンプレート(5W1H+完了条件+権限レベル)
Markdownの表
| 項目 | 5W1H | 書くこと | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 目的 | Why | 何のために使うか、何を決めるためか | |
| 成果物 | What | 何を作るか(形式・分量) | |
| 完了条件 | What | どうなっていれば終わりか(確かめられる形で) | |
| 期限 | When | 初版と確定版の日時 | |
| 関係者 | Who | 相談できる人、確認する人、話を通してあるか | |
| 置き場所・資料 | Where | 成果物の保存先、参考にできる資料 | |
| 進め方 | How | 守ってほしい条件と、自由に決めてよい部分 | |
| 権限 | ― | 権限レベル(1〜5)と、確認なしで進めてよいこと | |
| 報告 | ― | 途中報告の日、すぐ連絡してほしい条件 |
タブ区切り(表計算ソフトに貼る用)
項目 5W1H 書くこと 記入欄
目的 Why 何のために使うか、何を決めるためか
成果物 What 何を作るか(形式・分量)
完了条件 What どうなっていれば終わりか(確かめられる形で)
期限 When 初版と確定版の日時
関係者 Who 相談できる人、確認する人、話を通してあるか
置き場所・資料 Where 成果物の保存先、参考にできる資料
進め方 How 守ってほしい条件と、自由に決めてよい部分
権限 ― 権限レベル(1〜5)と、確認なしで進めてよいこと
報告 ― 途中報告の日、すぐ連絡してほしい条件
チャット貼り付け用の文面
〇〇さん、△△を1件お願いします。
【目的】
【成果物】
【完了条件】
【期限】
【関係者】
【置き場所・資料】
【進め方】
【権限】レベル(1〜5):
【報告】
受け取ったら、進め方を2〜3行で返信してもらえますか。認識がそろっているか確かめたいです。
最後の1行が、受け取り方のずれを作業の前に見つけるための仕掛けです。「分かりましたか」と聞くと「はい」が返ってくるので、相手の言葉で言い直してもらう形にします。
各項目の書き方
| 項目 | 伝わりにくい書き方 | 直した書き方 |
|---|---|---|
| 目的 | 定例で使うので | 10/15の定例で、予約枠を増やすかを決めるため |
| 成果物 | 資料 | スライド5枚以内 |
| 完了条件 | 分かりやすくまとめる | 月別件数・取れなかった件数・時間帯別利用率の3点が入っている |
| 期限 | なるべく早く | 10/13(火)17:00に初版 |
| 関係者 | 分からなければ誰かに聞いて | データは総務の鈴木さんに相談できる。話は通してある |
| 置き場所・資料 | 共有に置いて | 共有フォルダ「定例/2026-10」。前回の資料が参考になる |
| 進め方 | 任せます | 集計はCSV出力を使う。グラフの種類と構成は任せる |
| 権限 | 自由にやって | レベル3。構成案を見てから作り始める |
| 報告 | できたら教えて | 10/9に構成案。データが取れないと分かったらすぐ連絡 |
完了条件は、第三者が見て「満たしている・いない」を言える形にします。「分かりやすく」は人によって答えが変わりますが、「3点が入っている」は誰が見ても同じ答えになります。
記入例:資料作成を頼む(直す前と直した後)
題材は架空の「備品予約システム」の利用状況をまとめる資料です。登場する人名もすべて架空です。
直す前
山田さん、来週の定例で使う備品予約システムの利用状況の資料、
いい感じにまとめておいてください。よろしくお願いします。
この文面で山田さんに分かるのは「来週の定例までに何かの資料を作る」ことだけです。何を決める会議か、何枚か、どの期間の数字か、途中で見せるべきかは、山田さんが推測することになります。
直した後
山田さん、資料作成を1件お願いします。
【目的】10/15(木)の定例で、会議室の予約枠を増やすかどうかを決めるため
【成果物】備品予約システムの利用状況をまとめたスライド(5枚以内)
【完了条件】7〜9月の月別予約件数、予約が取れなかった件数、時間帯別の利用率の3点が入り、佐藤が読んで質問なしで判断できる
【期限】10/13(火)17:00 に初版、10/14(水)12:00 に確定版
【関係者】データの出し方は総務の鈴木さんに相談できます(話は通してあります)
【置き場所・資料】共有フォルダ「定例/2026-10」。前回の資料「2026-07_利用状況.pptx」が参考になります
【進め方】集計は予約システムのCSV出力を使う。グラフの種類と構成は任せます
【権限】レベル3(相談して決める)。構成案を箇条書きで見せてもらってから作り始めてください。鈴木さんへの依頼は確認なしで進めて構いません
【報告】10/9(金)に構成案、10/13(火)に初版。データが取れないと分かった時点ですぐ連絡
受け取ったら、進め方を2〜3行で返信してもらえますか。認識がそろっているか確かめたいです。
対比表
| 項目 | 直す前 | 直した後 |
|---|---|---|
| 目的 | 定例で使う | 予約枠を増やすかを決める |
| 成果物 | 資料 | スライド5枚以内 |
| 完了条件 | いい感じに | 3つの数字が入り、質問なしで判断できる |
| 期限 | 来週 | 10/13 17:00 初版、10/14 12:00 確定版 |
| 関係者 | なし | 総務の鈴木さん(話は通してある) |
| 置き場所・資料 | なし | 共有フォルダと前回の資料 |
| 進め方 | なし | CSV出力を使う。グラフと構成は任せる |
| 権限 | なし | レベル3。鈴木さんへの依頼は確認不要 |
| 報告 | なし | 10/9 構成案、10/13 初版、取れないときはすぐ |
文面は長くなりますが、書くのにかかる時間は数分です。直す前の文面で始めた場合に起きる聞き返しや作り直しと比べると、依頼する側の時間も短くなります。
スクリプトで項目の抜けを点検する
9項目のラベルがそろっているかは、機械的に確かめられます。次のスクリプトは、依頼文に【目的】などのラベルと中身があるかを数え、4点(目的・完了条件・権限・報告)が欠けていれば丸投げと判定します。
# 依頼文に9項目がそろっているかを点検する
import re
LABELS = ["目的", "成果物", "完了条件", "期限", "関係者", "置き場所・資料", "進め方", "権限", "報告"]
CORE = ["目的", "完了条件", "権限", "報告"] # この4点が欠けると丸投げになる
def check(text):
found = {}
for label in LABELS:
m = re.search(rf"【{re.escape(label)}】[ ]*(.*)", text)
found[label] = bool(m and m.group(1).strip())
return found
bad = """山田さん、来週の定例で使う備品予約システムの利用状況の資料、
いい感じにまとめておいてください。よろしくお願いします。"""
good = """山田さん、資料作成を1件お願いします。
【目的】10/15(木)の定例で、会議室の予約枠を増やすかどうかを決めるため
【成果物】備品予約システムの利用状況をまとめたスライド(5枚以内)
【完了条件】7〜9月の月別予約件数、予約が取れなかった件数、時間帯別の利用率の3点が入り、佐藤が読んで質問なしで判断できる
【期限】10/13(火)17:00 に初版、10/14(水)12:00 に確定版
【関係者】データの出し方は総務の鈴木さんに相談できます(話は通してあります)
【置き場所・資料】共有フォルダ「定例/2026-10」。前回の資料「2026-07_利用状況.pptx」が参考になります
【進め方】集計は予約システムのCSV出力を使う。グラフの種類と構成は任せます
【権限】レベル3(相談して決める)。構成案を箇条書きで見せてもらってから作り始めてください。鈴木さんへの依頼は確認なしで進めて構いません
【報告】10/9(金)に構成案、10/13(火)に初版。データが取れないと分かった時点ですぐ連絡"""
for name, text in [("直す前", bad), ("直した後", good)]:
r = check(text)
missing = [k for k, v in r.items() if not v]
core_missing = [k for k in CORE if not r[k]]
print(f"{name}: {sum(r.values())}/{len(LABELS)} 項目")
print(" 欠けている項目:", "、".join(missing) or "なし")
print(" 判定:", "丸投げ(4点のうち " + "・".join(core_missing) + " が無い)" if core_missing else "任せる依頼")
実行結果:
直す前: 0/9 項目
欠けている項目: 目的、成果物、完了条件、期限、関係者、置き場所・資料、進め方、権限、報告
判定: 丸投げ(4点のうち 目的・完了条件・権限・報告 が無い)
直した後: 9/9 項目
欠けている項目: なし
判定: 任せる依頼
このスクリプトが見ているのはラベルと中身の有無だけです。「いい感じに」と書いた完了条件も「あり」と数えるので、中身の具体さは「各項目の書き方」の表と照らして人が確かめます。
権限委譲のレベル表(5段階)
「任せます」という言葉は、人によって「案を作って」から「全部決めて」まで幅があります。番号で渡すと、その幅がなくなります。
| レベル | 名前 | 決める人 | 相手がすること | 依頼する側がすること | 依頼文の言い方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 指示どおり | 依頼する側 | 手順のとおりに進める | 手順を渡し、結果を確認する | 「この手順のとおりに進めてください」 |
| 2 | 案を出して承認 | 依頼する側 | 案を作り、承認を受けてから進める | 案を見て決める | 「案を2つ出してください。こちらで選びます」 |
| 3 | 相談して決める | 相手(相談のうえ) | 方針を見せ、意見を聞いてから自分で決める | 意見を返す | 「構成案を見せてから作り始めてください」 |
| 4 | 実行して事後報告 | 相手 | 自分で決めて進め、終わったら報告する | 報告を受ける | 「進めて、終わったら結果を教えてください」 |
| 5 | 完全に任せる | 相手 | 自分で決めて進める。報告は求められたときだけ | 目的と完了条件だけ渡す | 「やり方も報告の要否も任せます」 |
- レベルが上がるほど、依頼する側の確認の手間は減り、相手が決める範囲が広がります。
- どのレベルでも、目的と完了条件は渡します。 レベル5は「何も言わない」ではなく、「やり方と報告の仕方を決めない」です。
- 1件の中でレベルを分けて構いません。記入例では、資料の構成はレベル3、鈴木さんへの依頼はレベル4にしています。
レベルの選び方:習熟度×重要度の早見表
| 相手の習熟度 \ 作業の重要度 | 低:やり直しがきく、影響は自分たちだけ | 中:やり直しに半日〜数日かかる | 高:やり直しにくい、影響が広い |
|---|---|---|---|
| 初めての種類の作業 | レベル2 | レベル1 | レベル1 |
| 手順や前例を見ればできる | レベル3 | レベル2 | レベル2 |
| 同じ種類を1人で終えたことがある | レベル5 | レベル4 | レベル3 |
タブ区切り版:
相手の習熟度 重要度:低 重要度:中 重要度:高
初めての種類の作業 レベル2 レベル1 レベル1
手順や前例を見ればできる レベル3 レベル2 レベル2
同じ種類を1人で終えたことがある レベル5 レベル4 レベル3
この表は目安の例です。習熟度は「その人」ではなく「その人とその作業の組み合わせ」で見ます。設計の経験が長い人でも、初めて扱う集計作業ならば1行目から始めます。同じ種類の作業を1件終えるごとに、1段ずつ上げていくと無理がありません。
判断フロー(Mermaid)
表を2つの質問に縮めたものです。
flowchart TD
S["仕事を1件渡す"] --> Q1{"やり直しが<br/>きく作業か"}
Q1 -- "きく" --> Q2{"相手は同じ種類の作業を<br/>1人で終えたことがあるか"}
Q1 -- "ききにくい" --> Q3{"相手は同じ種類の作業を<br/>1人で終えたことがあるか"}
Q2 -- "ある" --> L4["レベル4〜5<br/>事後報告/完全に任せる"]
Q2 -- "ない" --> L2["レベル2〜3<br/>案を出して承認/相談して決める"]
Q3 -- "ある" --> L3["レベル3<br/>相談して決める"]
Q3 -- "ない" --> L1["レベル1〜2<br/>指示どおり/案を出して承認"]
報告タイミングの決め方
報告日は「期限の何日前」ではなく、方向を直せる最後の時点に置きます。
| タイミング | 見せるもの | 確かめること | 向くレベル |
|---|---|---|---|
| 着手の前 | 進め方を2〜3行で言い直したもの | 目的と完了条件の受け取り方 | すべて |
| 2割ほど進んだ時点 | 構成案、目次、画面の下書き | 方向が合っているか | 1〜3 |
| 5割ほど進んだ時点 | 中身が半分入ったもの | 完了条件に届きそうか、期限に間に合うか | 1〜3 |
| 初版 | ひととおりそろったもの | 完了条件を満たしているか | 1〜4 |
| すぐ連絡する条件 | 状況と選択肢 | 期限・完了条件・権限を変える必要があるか | すべて |
「すぐ連絡する条件」は、依頼文に1つ書いておくと相手が迷いません。例:「データが取れないと分かったとき」「期限に間に合わないと思ったとき」「権限の範囲を超える判断が必要になったとき」。
指示・委任・丸投げ・エスカレーションの違い
| 指示 | 委任(任せる) | 丸投げ | エスカレーション | |
|---|---|---|---|---|
| 向き | 依頼する側→相手 | 依頼する側→相手 | 依頼する側→相手 | 相手→判断できる人 |
| 渡すもの | 手順と期限 | 目的・完了条件・権限・報告 | 作業名だけ | 状況・影響・してほしい判断 |
| やり方を決める人 | 依頼する側 | 相手 | 決まっていない | 上げた先の人 |
| 権限レベル | 1 | 2〜5 | 書いていない | 権限を超えたときに使う |
| 結果の責任 | 依頼する側 | 依頼する側 | あいまいになる | 判断は上げた先、作業は元の担当 |
| 向く場面 | 手順が決まっている、初めての作業 | 相手が判断できる、育てたい | ― | 自分の権限や時間で解決できない |
どれを使うかの判断表
| 条件 | 選ぶもの |
|---|---|
| 手順が決まっていて、そのとおりに進めてほしい | 指示(レベル1) |
| やり方は相手が決めてよく、目的と完了条件を言える | 委任(レベル2〜5) |
| 目的や完了条件を自分でも言えない | 渡す前に自分で整理する。または「整理すること」自体をレベル2で頼む |
| 渡された仕事で、決めてよい範囲を超える判断が出てきた | エスカレーション(依頼した人へ上げる) |
| だれがどの作業を受け持つかをチーム全体で決めたい | 役割分担表を作る(1件ごとの依頼文とは別の道具) |
| 自分が分からないことを聞きたい | 質問として書く(依頼文ではなく、目的・試したこと・してほしいことを書く) |
最後の2行が、この記事の範囲の外側です。役割分担表は「どの種類の作業をだれが受け持つか」を前もって決める表で、依頼テンプレートは「今日のこの1件をどう渡すか」を書く文面です。役割分担が決まっていても、1件ごとの目的・完了条件・期限は毎回違うので、依頼文は別に要ります。
依頼した後にすること
| 時点 | 依頼する側がすること | 控えること |
|---|---|---|
| 渡した直後 | 言い直しの返信を読み、ずれがあればその場で直す | 「分かった?」だけで済ませる |
| 報告日まで | 聞かれたら早く答える。関係者に話を通す | 報告日でもないのに進み具合を何度も聞く |
| 途中報告 | 完了条件に照らして意見を返す。よい点も伝える | 依頼文に無い条件をあとから足す(足すなら期限も見直す) |
| 完了 | 完了条件を満たしたかを確かめ、使った結果を伝える | 受け取って終わりにする |
| 次の依頼 | うまく進んだら権限レベルを1段上げる | 毎回同じレベルで渡し続ける |
途中で条件が変わることはあります。その場合は、依頼文の該当する項目を書き換えて送り直すと、どこが変わったかが相手に伝わります。
確かめて分かったこと
- 直す前の依頼文は、9項目のうち0項目でした。 「来週」「資料」と書いてあっても、ラベルを付けて中身を書こうとすると、期限も成果物も決まっていなかったことが分かります。
- スクリプトで点検できるのは項目の有無までです。 「【完了条件】いい感じに」も1項目として数えられました。中身の具体さは人が見る必要があります。
- 直した後の文面は、言い直しを頼む1行を含めて約500字でした。 チャットで1画面に収まる長さで、9項目すべてを書けます。
- 1件の中に2つのレベルが入りました。 資料の構成はレベル3、関係者への依頼はレベル4と分けて書くと、「どこは聞かずに進めてよいか」がはっきりします。
- 早見表の9マスを2つの質問のフローに縮めると、幅のある答え(レベル2〜3など)になりました。 細かく決めたいときは表、すばやく決めたいときはフローが向いています。
よくある質問
Q. 任せると丸投げの違いは何ですか? A. 目的・完了条件・権限範囲・報告タイミングの4点を渡しているかどうかです。4点がそろっていれば、やり方を相手に委ねていても任せる依頼になります。どれかが欠けると、相手は推測で埋めることになり、丸投げと受け取られます。
Q. 依頼文が長くなって相手の負担になりませんか? A. 9項目を書いても500字ほどで、読むのは1〜2分です。短い依頼文は、読む時間は短くても、聞き返しと作り直しの時間が後から加わります。急ぎのときは、4点(目的・完了条件・権限・報告)だけを先に送り、残りを後から足す方法もあります。
Q. 権限委譲のレベルはどう決めればよいですか? A. 相手がその種類の作業を1人で終えたことがあるかと、やり直しがきく作業かの2つで決めます。初めてでやり直しにくい作業はレベル1、慣れていてやり直しがきく作業はレベル5、その間は早見表を引きます。
Q. 任せたのに途中で口を出したくなったときはどうすればよいですか? A. 依頼文で決めた報告日まで待つのが基本です。待てないほど気になる場合は、権限レベルの設定が実際より高かった合図なので、「ここからはレベル2に変えます」と伝えて設定を直します。黙って細かく確認するより、相手は動きやすくなります。
Q. 依頼された側が、情報が足りないと感じたときはどうすればよいですか? A. テンプレートの9項目のうち空いている項目を、自分の理解で埋めて返信します。「目的は〜、完了条件は〜と理解しました。権限は構成を決めるところまでで合っていますか」と書くと、依頼した側は直すだけで済みます。
まとめ
- 任せる=目的・完了条件・権限範囲・報告タイミングの4点を渡すこと。 丸投げはそのどれかが欠けた依頼です。
- 依頼文は9項目(目的・成果物・完了条件・期限・関係者・置き場所と資料・進め方・権限・報告)で書きます。
- 完了条件は、第三者が満たしたかどうかを言える形にします。
- 権限は5段階の番号で渡す。 1件の中で部分ごとにレベルを分けられます。
- レベルは習熟度×重要度で選び、うまく進んだら1段上げる。
- 渡した直後に、相手の言葉で進め方を言い直してもらう。
- 役割分担表やエスカレーションとは別の道具。 依頼テンプレートは1件ごとの渡し方を書きます。
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(記載例)出典:株式会社RJC「仕事の任せ方と依頼テンプレート|5W1Hと権限委譲レベル表」
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