- マネジメント
質問の仕方テンプレート|エンジニアの聞き方例文と15分ルール
質問は、「目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと」の5点がそろえば成立します。 この5点が書かれていれば、相手は状況を聞き返さずに答えを考え始められます。
この記事では、エラー・仕様の確認・方針の相談・レビュー依頼・進め方の確認の5場面について、空欄のテンプレートと、架空の「備品予約システム」を題材に埋めた記入例を載せました。チャットにそのまま貼れる形です。あわせて、質問する前の確認10項目、ログとコードの貼り方、生成AIに先に聞いたときの結果の添え方、15分ルールと30分ルールの使い分けをまとめています。
確認環境:エラーログの例とログを伏せるスクリプトは Python 3.11.15(Linux)で実行した結果です。出力に含まれるパスは /home/taro/app に置き換えています(確認日 2026-10-06)。
この記事の結論
- 質問に書く5点は、目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと。
- 15分ルールは「15分調べて進まなければ聞く」という目安。調べものの種類によっては30分にします。
- 待たずにすぐ聞く場合がある。本番の環境に影響する、権限や費用に関わる、聞けば1分で分かる、などです。
- エラーは文章で説明せず、コードブロックでそのまま貼る。最後の行(例外の種類とメッセージ)は必ず含めます。
- 生成AIに先に聞いたときは、聞いた内容・得た案・試した結果の3つを添えます。
質問に書く5点の早見表
| 項目 | 書くこと | 書き出しの例 |
|---|---|---|
| 目的 | 最終的に何をしたいか | 〜をできるようにしたい |
| 期待した結果 | どうなると思っていたか | 〜と表示されるはず |
| 実際の結果 | 何が起きたか(エラー文はそのまま) | 〜というエラーが出る |
| 試したこと | 調べた場所、変えてみた点、その結果 | 〜を試したが変わらなかった |
| 相手にしてほしいこと | 何を、いつまでに、どの形で | 〜を教えてください(今日17時まで) |
場面ごとに、5点のどれを厚く書くかが変わります。
| 場面 | 特に厚く書く項目 | 添えるもの |
|---|---|---|
| エラー | 実際の結果、試したこと | エラーログ、再現する手順、環境 |
| 仕様の確認 | 目的、相手にしてほしいこと | 仕様書の該当箇所、選択肢 |
| 方針の相談 | 目的、試したこと(比べた案) | 案の比較、自分の考え |
| レビュー依頼 | 相手にしてほしいこと | 変更の場所、見てほしい観点、分量 |
| 進め方の確認 | 目的、期待した結果(自分の理解) | 自分の計画、期限 |
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「質問の仕方テンプレート|エンジニアの聞き方例文と15分ルール」
場面別テンプレートと記入例(5場面)
エラーの質問
【質問・エラー】(何をしているときに、何が起きたか)(期限: )
■目的
■期待した結果
■実際の結果
(エラーログをコードブロックで貼る)
■再現する手順
1.
2.
■環境
■試したこと
・
■知りたいこと
記入例:
@鈴木さん
【質問・エラー】会議室の定員を取得する処理で KeyError が出ます(期限:今日16時まで)
■目的
予約画面に、選んだ会議室の定員を表示したい
■期待した結果
会議室 A-103 の定員が表示される
■実際の結果
A-101 は表示されるが、A-103 で止まる
```
Traceback (most recent call last):
File "/home/taro/app/reserve.py", line 15, in <module>
main()
File "/home/taro/app/reserve.py", line 13, in main
print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
File "/home/taro/app/reserve.py", line 7, in find_capacity
room = rooms[room_id]
~~~~~^^^^^^^^^
KeyError: 'A-103'
```
■再現する手順
1. python3 reserve.py を実行する
2. 2件目(A-103)で上のエラーになる
■環境
Python 3.11.15、検証環境、ブランチ feature/room-capacity
■試したこと
・会議室マスタの JSON を開いた → A-101 と A-102 はあるが A-103 は無い
・画面の選択肢の元データを確認 → A-103 が含まれている
■知りたいこと
A-103 はマスタに追加されるべきものか、選択肢から外すべきものか、
どちらが正しいか教えてください。マスタの担当が別の方なら、どなたに聞けばよいかも知りたいです。
このエラーログを出したコードです。そのまま実行して同じ結果を確かめられます。
import json
def load_rooms(text):
return json.loads(text)
def find_capacity(rooms, room_id):
room = rooms[room_id]
return room["capacity"]
def main():
rooms = load_rooms('{"A-101": {"capacity": 8}, "A-102": {"capacity": 12}}')
for room_id in ["A-101", "A-103"]:
print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))
main()
実行すると、1件目の「A-101 8」が表示された後に、記入例に貼った Traceback が出ます。
仕様の確認
【質問・仕様】(どの仕様の、何を確かめたいか)(期限: )
■目的
■自分の理解
■根拠(仕様書の章・議事録の日付)
■分からない点
■選択肢
A:
B:
■知りたいこと
記入例:
@田中さん
【質問・仕様】予約の取り消し期限を確かめたいです(期限:10/8 17時まで)
■目的
取り消しボタンを表示する条件を実装したい
■自分の理解
利用開始より前であれば、予約した本人が取り消せる
■根拠
仕様書 v1.2 の3.2節「期限までは取り消せる」
■分からない点
「期限」が何時を指すのかが、仕様書と議事録(10/1、10/5)に見当たらない
■選択肢
A:利用開始の1時間前まで
B:利用開始の前日17時まで
■知りたいこと
A・B のどちらでしょうか。どちらでもない場合は、期限の決め方を教えてください。
方針の相談
【相談・方針】(何を決めたいか)(期限: )
■目的
■前提・制約
■案
A:(内容/よい点/気になる点)
B:(内容/よい点/気になる点)
■自分の考え
■知りたいこと
記入例:
@高橋さん
【相談・方針】予約の重なりを防ぐ方法を決めたいです(期限:10/9 まで)
■目的
同じ会議室・同じ時間帯に、予約が2件入らないようにしたい
■前提・制約
・データベースは PostgreSQL 16
・同時に操作する利用者は多くて20人ほど
・10/16 までに実装とテストを終える
■案
A:登録の前にプログラムで重なりを検索する
よい点:実装が短い/気になる点:同時に登録されたときにすり抜ける可能性がある
B:データベースの制約で重なりを拒否する
よい点:同時の登録でも防げる/気になる点:制約の書き方を調べる時間が要る(半日の見込み)
■自分の考え
B。すり抜けを後から直すより、最初に制約で防ぐほうが手戻りが少ないと考えます
■知りたいこと
B で進めてよいか、ほかに検討すべき案があるかを教えてください。
15分ほど通話でお話しできると助かります。
レビュー依頼
【依頼・レビュー】(何を)見てください(期限: )
■対象(リンク、ファイル数、行数)
■変更の目的
■見てほしい点
1.
2.
■見なくてよい点
■確かめたこと(テスト、動作確認)
■不安な点
記入例:
@鈴木さん
【依頼・レビュー】予約の重なりチェックのプルリクエストを見てください(期限:10/13 12時まで)
■対象
プルリクエスト #131(変更は3ファイル、約90行)
■変更の目的
同じ会議室・同じ時間帯の予約をデータベースの制約で拒否する
■見てほしい点
1. 制約の条件が「終了時刻ちょうどに次の予約が始まる」場合を許しているか
2. 制約に反したときのエラーメッセージが利用者に分かる文になっているか
■見なくてよい点
画面の見た目(別のプルリクエストで対応します)
■確かめたこと
・単体テスト12件が合格
・検証環境で、重なる予約が拒否されることを手で確認
■不安な点
既存の予約データに重なりがあった場合の移行手順。ご意見があれば聞かせてください。
進め方の確認
【確認・進め方】(どの作業の進め方か)(期限: )
■作業の目的(自分の理解)
■自分の計画
1.
2.
3.
■完了の条件(自分の理解)
■期限
■確かめたいこと
記入例:
@高橋さん
【確認・進め方】備品マスタの移行作業の進め方を確かめたいです(期限:今日15時まで)
■作業の目的(自分の理解)
現行の備品マスタ 1,240件を、新しいテーブルに取り込む
■自分の計画
1. 受け取った CSV の項目と件数を確かめる(今日)
2. 検証環境で取り込みを試し、件数と空欄を確かめる(10/15)
3. 結果を報告し、本番の取り込み日を相談する(10/16)
■完了の条件(自分の理解)
検証環境で件数が一致し、空欄の項目の一覧を報告できていること
■期限
10/16(金)
■確かめたいこと
・この順番と完了の条件で合っていますか
・本番の取り込みは、私の担当に含まれますか
質問する前の確認10項目
| No | 確認すること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1 | エラーメッセージを最後の行まで読んだ | 1分 |
| 2 | エラーメッセージをそのまま検索した | 3分 |
| 3 | 公式ドキュメントの該当ページを読んだ | 5分 |
| 4 | チームのドキュメント、過去のチャット、課題管理を検索した | 3分 |
| 5 | 直前に変えた箇所を元に戻して、動くかを確かめた | 3分 |
| 6 | 再現する最小の手順を書き出した | 5分 |
| 7 | 環境(版、ブランチ、設定)を書き出した | 2分 |
| 8 | 期待した結果と実際の結果を、1文ずつで書けた | 2分 |
| 9 | 試したことと、その結果を箇条書きにした | 3分 |
| 10 | 相手にしてほしいことと期限を書いた | 1分 |
目安の時間は例です。1〜5が「調べる」、6〜10が「質問を書く」にあたります。6〜10を書いている途中で自分で解決できることも多く、その場合は解決した方法をメモに残しておくと次に役立ちます。
タブ区切り版です。
No 確認すること 済
1 エラーメッセージを最後の行まで読んだ
2 エラーメッセージをそのまま検索した
3 公式ドキュメントの該当ページを読んだ
4 チームのドキュメント、過去のチャット、課題管理を検索した
5 直前に変えた箇所を元に戻して、動くかを確かめた
6 再現する最小の手順を書き出した
7 環境(版、ブランチ、設定)を書き出した
8 期待した結果と実際の結果を、1文ずつで書けた
9 試したことと、その結果を箇条書きにした
10 相手にしてほしいことと期限を書いた
15分ルールと30分ルールの違い
15分ルールは、「まず15分は自分で調べ、それでも進まなければ質問する」という時間の目安です。調べる時間を30分にしたものが30分ルールで、どちらもチームで決めて使う取り決めです。時間の長さそのものより、「区切りを決めて、過ぎたら必ず聞く」ことに意味があります。
| 観点 | 15分ルール | 30分ルール |
|---|---|---|
| 調べる時間 | 15分 | 30分 |
| 向いている人 | 入ったばかりで、調べる場所がまだ分からない人 | 調べる場所が分かっていて、自分で進められる人 |
| 向いている内容 | 環境の構築、社内の手順、権限 | 設計の検討、ライブラリの調査 |
| 質問される側の負担 | 回数は増えるが、1回が短い | 回数は減るが、1回の内容が濃くなる |
| 過ぎたとき | 途中でも質問する | 途中でも質問する |
どちらを使うかの判断基準です。
| 条件 | 選ぶもの |
|---|---|
| 答えを知っている人がチームにいる(社内の手順、環境、権限) | 15分 |
| 入って1〜3か月で、調べる場所を覚えている途中 | 15分 |
| 調べれば分かる見込みがあり、調べること自体が学びになる | 30分 |
| 設計やライブラリの選定など、考える時間が要る | 30分(途中の考えを添えて相談する) |
| 下の「すぐ聞く場合」に当てはまる | 待たずに聞く |
すぐ聞く場合と自分で調べる場合
| 状況 | 動き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 本番の環境やデータに影響するかもしれない | すぐ聞く | 影響が広がる前に止められる |
| 権限、費用、社外との約束に関わる | すぐ聞く | 自分では決められない |
| 作業の目的や完了の条件が分からない | すぐ聞く | 調べても出てこない |
| 聞けば1分で分かり、調べると30分かかる(保存場所、担当者) | すぐ聞く | 合計の時間が短い |
| 期限まで2時間を切っている | すぐ聞く | 調べる時間が残っていない |
| エラーメッセージを検索すれば出てきそう | 15分調べる | 自分で解決できる見込みが高い |
| 公式ドキュメントに書いてありそう | 15分調べる | 読んだ箇所を質問に添えられる |
| 設計の案を比べたい | 30分考える | 案と自分の考えを持って相談できる |
| 同じ質問を前にもした | まず自分のメモを探す | 見つからなければ、その旨を添えて聞く |
時間が来たら、解決していなくても質問します。そのときの書き出しは次の形で十分です。
【質問】15分調べましたが進まないので相談させてください
(以下、5点のテンプレートで書く)
エラーログとコードの貼り方
どこまで載せるか
| 貼るもの | 載せる範囲 | 書き方 |
|---|---|---|
| エラーログ | 最初のエラーから最後の行まで | コードブロックに入れ、手を加えない |
| 長いログ(50行を超える) | 先頭10行と末尾20行をチャットに、全体はファイルで添付 | 省いた箇所に「…(省略)…」と書く |
| コード | エラーに出てくる関数と、その呼び出し元 | 行番号が分かるようにファイル名と行を書く |
| 再現するコード | そのまま実行できる最小の形 | 入力データもコードに含める |
| 設定ファイル | 関係する項目だけ | 値を伏せたことを書く |
| 画面のエラー | 文字は文字として貼る。画面の配置が関係するときだけ画像を添える | 画像だけにしない(検索やコピーができない) |
| 実行したコマンド | 入力した行をそのまま | コマンドと出力を同じコードブロックに入れる |
Python の Traceback を例に、読む順番を示します。
Traceback (most recent call last):
File "/home/taro/app/reserve.py", line 15, in <module> ← 呼び出しの入口
main()
File "/home/taro/app/reserve.py", line 13, in main
print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
File "/home/taro/app/reserve.py", line 7, in find_capacity ← 実際に止まった場所
room = rooms[room_id]
~~~~~^^^^^^^^^
KeyError: 'A-103' ← 例外の種類と値
矢印の注釈は説明のために足したものです。質問に貼るときは、注釈を付けずに出力のままにします。
伏せる情報
ログや設定には、他の人に見せないほうがよい情報が混ざることがあります。貼る前に次の表で確かめます。
| 伏せる情報 | 例 | 置き換え方 |
|---|---|---|
| パスワード | DB_PASSWORD の値 | *** |
| APIキー、トークン | API_KEY、Authorization ヘッダーの値 | *** |
| 秘密鍵、証明書 | BEGIN PRIVATE KEY で始まるブロック | 貼らない |
| 個人を特定できる情報 | 氏名、メールアドレス、電話番号、住所 | 「(メールアドレス)」などの語に置き換える |
| 社内のホスト名、IPアドレス | 192.168.10.24 | 「(IPアドレス)」に置き換える |
| ユーザー名を含むパス | /home/ に続く名前 | 一般的な名前に置き換える |
| 利用者のデータ | 予約の内容、問い合わせの本文 | 架空の値に置き換える |
置き換えたときは、質問に「値は伏せています」と1行書いておくと、相手が設定の誤りと取り違えません。
決まった形の情報は、スクリプトでまとめて置き換えられます。Python の標準ライブラリだけで書いた例です。
import re
RULES = [
# JSON 形式 "password": "値"
(re.compile(r'(?i)("(?:password|passwd|secret|token|api[_-]?key)"\s*:\s*)"[^"]*"'), r'\1"***"'),
# 環境変数・設定ファイル形式 DB_PASSWORD=値 / API_KEY: 値
(re.compile(r"(?i)(password|passwd|secret|token|api[_-]?key)(\s*[=:]\s*)\S+"), r"\1\2***"),
# HTTP ヘッダー Authorization: Bearer 値
(re.compile(r"(?i)(authorization:\s*bearer\s+)\S+"), r"\1***"),
(re.compile(r"[\w.+-]+@[\w-]+\.[\w.-]+"), "<メールアドレス>"),
(re.compile(r"\b(?:\d{1,3}\.){3}\d{1,3}\b"), "<IPアドレス>"),
(re.compile(r"/home/[^/\s]+"), "/home/<ユーザー名>"),
]
def mask(text):
for pattern, repl in RULES:
text = pattern.sub(repl, text)
return text
log = """2026-10-06 10:15:02 INFO login user=sato.hanako@example.com from 192.168.10.24
2026-10-06 10:15:03 DEBUG config DB_PASSWORD=Xy7!kkPq2 API_KEY: sk_test_9f8e7d
2026-10-06 10:15:03 DEBUG header Authorization: Bearer eyJhbGciOiJIUzI1NiJ9.abc.def
2026-10-06 10:15:03 DEBUG body {"user": "sato", "password": "Xy7!kkPq2"}
2026-10-06 10:15:04 ERROR open failed: /home/sato/app/data/rooms.json"""
print(mask(log))
実行結果:
2026-10-06 10:15:02 INFO login user=<メールアドレス> from <IPアドレス>
2026-10-06 10:15:03 DEBUG config DB_PASSWORD=*** API_KEY: ***
2026-10-06 10:15:03 DEBUG header Authorization: Bearer ***
2026-10-06 10:15:03 DEBUG body {"user": "sato", "password": "***"}
2026-10-06 10:15:04 ERROR open failed: /home/<ユーザー名>/app/data/rooms.json
4行目の "user": "sato" のように、決まった形を持たない情報はスクリプトでは置き換わりません。スクリプトは下準備と考え、貼る前に自分の目で1行ずつ確かめます。ログに出てくる値はすべて架空のものです。
伝わりにくい質問を直す対比表
| 伝わりにくい質問 | 足りない点 | 直した質問 |
|---|---|---|
| 動きません | 何が、どう動かないか | 予約の登録ボタンを押すと「500 Internal Server Error」と表示されます |
| エラーが出ます。どうすればいいですか | エラー文、試したこと | KeyError: 'A-103' が出ます。マスタに A-103 が無いことまでは確かめました |
| これで合ってますか | 何が、何に照らして | 取り消し期限を「1時間前」と理解しています。仕様書3.2節の解釈として合っていますか |
| 環境構築がうまくいきません | どの手順で、何が起きたか | 手順書の4番(依存パッケージの導入)で、次のエラーになります(ログを貼る) |
| 教えてください | 目的、知りたい範囲 | 検証環境への配置手順を知りたいです。手順書の場所を教えてください |
| 急ぎです | 期限、理由 | 今日16時のテストに使うため、15時までに教えていただけると助かります |
| 前に聞いたかもしれませんが | 探した範囲 | 自分のメモとチャットを「配置」で検索しましたが見当たらないため、もう一度教えてください |
| どっちがいいですか | 案の内容、自分の考え | A案(プログラムで検索)とB案(制約)を比べ、B案がよいと考えています。理由は…… |
| なんか遅いです | 何が、どれくらい | 予約一覧の表示に8秒かかります。昨日は1秒ほどでした |
| 全部分かりません | 分かっている範囲 | 手順書の1〜3番はできました。4番の「環境変数を設定する」のやり方が分かりません |
生成AIに先に聞いたときの結果の添え方
質問する前に生成AIへ聞くと、エラーメッセージの意味や調べる方向が早く分かることがあります。そのうえで人に質問するときは、聞いた内容・得た案・試した結果の3つを添えると、相手は同じ案をもう一度出さずに済みます。
■生成AIに聞いたこと
(何を、どんな情報を添えて聞いたか。1〜2行)
■得た案
1.
2.
■試した結果
1. →
2. →
■自分の判断
(どの案が違うと考えたか、何がまだ分からないか)
記入例(架空の題材):
■生成AIに聞いたこと
KeyError: 'A-103' の Traceback と find_capacity のコードを貼り、原因を尋ねた
■得た案
1. 辞書に A-103 のキーが無い。get() で取り出して、無いときの扱いを決める
2. マスタの読み込みで A-103 が落ちている可能性がある
■試した結果
1. → get() にすると止まらなくなったが、定員が表示されないだけで、元の原因は残る
2. → マスタの JSON を開いて確かめた。A-103 は最初から入っていない
■自分の判断
コードの直し方ではなく、A-103 をマスタに入れるべきかどうかが分かっていない。
これは仕様の話なので、田中さんに確認したい
添えるときの決まりです。
| 決まり | 理由 |
|---|---|
| 得た案は、自分の言葉で要点だけ書く | 長い回答をそのまま貼ると、質問の本題が埋もれる |
| 試していない案は「試していない」と書く | 相手が、どこまで確かめたかを判断できる |
| 案をうのみにせず、公式ドキュメントで確かめた箇所を書く | 生成AIの回答には誤りが含まれることがある |
| 社内のコードや設定を生成AIに入力してよいかは、チームの決まりに従う | 入力してよい情報の範囲は、組織ごとに決められている |
| 生成AIで解決できたときも、解決した方法をメモに残す | 次に同じ問題に当たった人が使える |
生成AIに聞くか、人に聞くかの目安も表にします。
| 知りたいこと | 先に聞く相手 |
|---|---|
| エラーメッセージの一般的な意味 | 生成AI、公式ドキュメント |
| 言語やライブラリの使い方 | 公式ドキュメント、生成AI |
| 自分のチームの仕様、決まり、経緯 | 人(チームのドキュメントを検索してから) |
| 権限、環境、担当者 | 人 |
| 設計の方針 | 自分で案を作り、人に相談(案の洗い出しに生成AIを使う) |
質問した後にすること
| タイミング | すること | 文面の例 |
|---|---|---|
| 答えをもらった直後 | お礼と、自分の理解を1行で返す | ありがとうございます。A-103 は選択肢から外す、と理解しました |
| 試した後 | 結果を同じスレッドに書く | 選択肢から外して、エラーが出なくなりました |
| 自分で解決したとき | 質問を取り下げ、解決した方法を書く | 自己解決しました。原因はマスタの読み込み先の設定でした |
| 落ち着いたとき | 手順書やメモに追記する | 手順書の4番に、環境変数の設定例を追記しました |
確かめて分かったこと
- Python 3.11 の Traceback には、エラーになった式の位置を示す記号の行が出ます。今回の例では rooms[room_id] の下に波線と山形の記号が付き、どの部分で止まったかが一目で分かりました。貼るときにこの行を削ると情報が減るため、出力のまま貼ります。
- Traceback は下に行くほど原因に近くなります。いちばん上は呼び出しの入口(main の呼び出し)、いちばん下のファイル行が実際に止まった場所、最後の1行が例外の種類と値でした。長くて省くときも、末尾は残します。
- 設定ファイル向けの置き換え規則だけでは、JSON 形式のパスワードは置き換わりませんでした。"password": "値" の形は、キーの直後に引用符が入るため、別の規則を足して対応しています。ログの形式ごとに規則が要ります。
- スクリプトで置き換えた後も、"user": "sato" のような名前は残りました。決まった形を持たない情報は、目で確かめる工程が欠かせません。
- エラーの記入例を書いてみると、知りたいことは「直し方」ではなく「マスタと選択肢のどちらが正しいか」でした。試したことを書き出す途中で、質問の相手と内容が変わることがあります。
よくある質問
Q. 15分ルールとは? A. まず15分は自分で調べ、それでも進まなければ質問する、という時間の目安です。時間の長さはチームで決めてよく、区切りを過ぎたら解決していなくても聞くことが要点です。
Q. 15分ルールと30分ルールの違いは? A. 自分で調べる時間の長さが違います。答えを知っている人がいる社内の手順や環境は15分、設計やライブラリの調査のように考える時間が要るものは30分が目安です。
Q. 質問するのが申し訳ないと感じるときは? A. 5点のテンプレートで書けば、相手が答えるのにかかる時間は短くなります。調べた範囲と試したことが書かれていれば、相手は続きから考えられます。
Q. 質問の仕方が分からないときは何から書けばよいですか? A. 「期待した結果」と「実際の結果」を1文ずつ書くところから始めます。この2つの差が、そのまま質問の中心になります。
Q. 質問しても返事がもらえないときは? A. 同じスレッドに、期限と「はい/いいえ」で答えられる形の問いを書き足します。急ぎであれば通話に切り替え、分かったことをスレッドに残します。
まとめ
- 質問に書くのは5点:目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと。
- 場面ごとに型を変える。エラー、仕様の確認、方針の相談、レビュー依頼、進め方の確認の5つを使い分けます。
- 15分(または30分)調べて進まなければ聞く。本番への影響や権限に関わることは、待たずに聞きます。
- エラーログはコードブロックでそのまま貼り、末尾の行を必ず含める。パスワードやトークン、個人を特定できる情報は伏せます。
- 生成AIに先に聞いたときは、聞いた内容・得た案・試した結果を添えます。
- 答えをもらったら、理解したことと結果を同じスレッドに返すと、次に同じ問題に当たった人の助けになります。
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「質問の仕方テンプレート|エンジニアの聞き方例文と15分ルール」
株式会社RJC ― SI事業・SES事業・AI駆動開発。RJCは一緒に成長を楽しめる会社です。
WE ARE HIRING
RJCで一緒に開発しながら、
成長を楽しみませんか?
RJCは、Web・モバイル・AIを活用した開発プロジェクトで、テックリードやPM・PMOも活躍するシステム開発会社です。会社を知る、待遇を確かめる、話を聞いてみる。気になるところ見てみてください!
- 127日年間休日
- 12時間平均残業時間
- 毎日ガチャ遊びココロも大切にする福利厚生。アマギフなどの賞品ラインナップ!
ほかにも、チケットレストラン、書籍読み放題、2年ごとの慰労報奨(休暇 or 金一封)、11期連続の黒字決算。