質問は、「目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと」の5点がそろえば成立します。 この5点が書かれていれば、相手は状況を聞き返さずに答えを考え始められます。

この記事では、エラー・仕様の確認・方針の相談・レビュー依頼・進め方の確認の5場面について、空欄のテンプレートと、架空の「備品予約システム」を題材に埋めた記入例を載せました。チャットにそのまま貼れる形です。あわせて、質問する前の確認10項目、ログとコードの貼り方、生成AIに先に聞いたときの結果の添え方、15分ルールと30分ルールの使い分けをまとめています。

確認環境:エラーログの例とログを伏せるスクリプトは Python 3.11.15(Linux)で実行した結果です。出力に含まれるパスは /home/taro/app に置き換えています(確認日 2026-10-06)。

この記事の結論

  • 質問に書く5点は、目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと。
  • 15分ルールは「15分調べて進まなければ聞く」という目安。調べものの種類によっては30分にします。
  • 待たずにすぐ聞く場合がある。本番の環境に影響する、権限や費用に関わる、聞けば1分で分かる、などです。
  • エラーは文章で説明せず、コードブロックでそのまま貼る。最後の行(例外の種類とメッセージ)は必ず含めます。
  • 生成AIに先に聞いたときは、聞いた内容・得た案・試した結果の3つを添えます。

質問に書く5点の早見表

項目 書くこと 書き出しの例
目的 最終的に何をしたいか 〜をできるようにしたい
期待した結果 どうなると思っていたか 〜と表示されるはず
実際の結果 何が起きたか(エラー文はそのまま) 〜というエラーが出る
試したこと 調べた場所、変えてみた点、その結果 〜を試したが変わらなかった
相手にしてほしいこと 何を、いつまでに、どの形で 〜を教えてください(今日17時まで)

場面ごとに、5点のどれを厚く書くかが変わります。

場面 特に厚く書く項目 添えるもの
エラー 実際の結果、試したこと エラーログ、再現する手順、環境
仕様の確認 目的、相手にしてほしいこと 仕様書の該当箇所、選択肢
方針の相談 目的、試したこと(比べた案) 案の比較、自分の考え
レビュー依頼 相手にしてほしいこと 変更の場所、見てほしい観点、分量
進め方の確認 目的、期待した結果(自分の理解) 自分の計画、期限

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「質問の仕方テンプレート|エンジニアの聞き方例文と15分ルール」

場面別テンプレートと記入例(5場面)

エラーの質問

【質問・エラー】(何をしているときに、何が起きたか)(期限: )

■目的
■期待した結果
■実際の結果
(エラーログをコードブロックで貼る)
■再現する手順
1.
2.
■環境
■試したこと
・
■知りたいこと

記入例:

@鈴木さん
【質問・エラー】会議室の定員を取得する処理で KeyError が出ます(期限:今日16時まで)

■目的
予約画面に、選んだ会議室の定員を表示したい

■期待した結果
会議室 A-103 の定員が表示される

■実際の結果
A-101 は表示されるが、A-103 で止まる
```
Traceback (most recent call last):
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 15, in <module>
    main()
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 13, in main
    print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))
                   ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 7, in find_capacity
    room = rooms[room_id]
           ~~~~~^^^^^^^^^
KeyError: 'A-103'
```

■再現する手順
1. python3 reserve.py を実行する
2. 2件目(A-103)で上のエラーになる

■環境
Python 3.11.15、検証環境、ブランチ feature/room-capacity

■試したこと
・会議室マスタの JSON を開いた → A-101 と A-102 はあるが A-103 は無い
・画面の選択肢の元データを確認 → A-103 が含まれている

■知りたいこと
A-103 はマスタに追加されるべきものか、選択肢から外すべきものか、
どちらが正しいか教えてください。マスタの担当が別の方なら、どなたに聞けばよいかも知りたいです。

このエラーログを出したコードです。そのまま実行して同じ結果を確かめられます。

import json

def load_rooms(text):
    return json.loads(text)

def find_capacity(rooms, room_id):
    room = rooms[room_id]
    return room["capacity"]

def main():
    rooms = load_rooms('{"A-101": {"capacity": 8}, "A-102": {"capacity": 12}}')
    for room_id in ["A-101", "A-103"]:
        print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))

main()

実行すると、1件目の「A-101 8」が表示された後に、記入例に貼った Traceback が出ます。

仕様の確認

【質問・仕様】(どの仕様の、何を確かめたいか)(期限: )

■目的
■自分の理解
■根拠(仕様書の章・議事録の日付)
■分からない点
■選択肢
A:
B:
■知りたいこと

記入例:

@田中さん
【質問・仕様】予約の取り消し期限を確かめたいです(期限:10/8 17時まで)

■目的
取り消しボタンを表示する条件を実装したい

■自分の理解
利用開始より前であれば、予約した本人が取り消せる

■根拠
仕様書 v1.2 の3.2節「期限までは取り消せる」

■分からない点
「期限」が何時を指すのかが、仕様書と議事録(10/1、10/5)に見当たらない

■選択肢
A:利用開始の1時間前まで
B:利用開始の前日17時まで

■知りたいこと
A・B のどちらでしょうか。どちらでもない場合は、期限の決め方を教えてください。

方針の相談

【相談・方針】(何を決めたいか)(期限: )

■目的
■前提・制約
■案
A:(内容/よい点/気になる点)
B:(内容/よい点/気になる点)
■自分の考え
■知りたいこと

記入例:

@高橋さん
【相談・方針】予約の重なりを防ぐ方法を決めたいです(期限:10/9 まで)

■目的
同じ会議室・同じ時間帯に、予約が2件入らないようにしたい

■前提・制約
・データベースは PostgreSQL 16
・同時に操作する利用者は多くて20人ほど
・10/16 までに実装とテストを終える

■案
A:登録の前にプログラムで重なりを検索する
   よい点:実装が短い/気になる点:同時に登録されたときにすり抜ける可能性がある
B:データベースの制約で重なりを拒否する
   よい点:同時の登録でも防げる/気になる点:制約の書き方を調べる時間が要る(半日の見込み)

■自分の考え
B。すり抜けを後から直すより、最初に制約で防ぐほうが手戻りが少ないと考えます

■知りたいこと
B で進めてよいか、ほかに検討すべき案があるかを教えてください。
15分ほど通話でお話しできると助かります。

レビュー依頼

【依頼・レビュー】(何を)見てください(期限: )

■対象(リンク、ファイル数、行数)
■変更の目的
■見てほしい点
1.
2.
■見なくてよい点
■確かめたこと(テスト、動作確認)
■不安な点

記入例:

@鈴木さん
【依頼・レビュー】予約の重なりチェックのプルリクエストを見てください(期限:10/13 12時まで)

■対象
プルリクエスト #131(変更は3ファイル、約90行)

■変更の目的
同じ会議室・同じ時間帯の予約をデータベースの制約で拒否する

■見てほしい点
1. 制約の条件が「終了時刻ちょうどに次の予約が始まる」場合を許しているか
2. 制約に反したときのエラーメッセージが利用者に分かる文になっているか

■見なくてよい点
画面の見た目(別のプルリクエストで対応します)

■確かめたこと
・単体テスト12件が合格
・検証環境で、重なる予約が拒否されることを手で確認

■不安な点
既存の予約データに重なりがあった場合の移行手順。ご意見があれば聞かせてください。

進め方の確認

【確認・進め方】(どの作業の進め方か)(期限: )

■作業の目的(自分の理解)
■自分の計画
1.
2.
3.
■完了の条件(自分の理解)
■期限
■確かめたいこと

記入例:

@高橋さん
【確認・進め方】備品マスタの移行作業の進め方を確かめたいです(期限:今日15時まで)

■作業の目的(自分の理解)
現行の備品マスタ 1,240件を、新しいテーブルに取り込む

■自分の計画
1. 受け取った CSV の項目と件数を確かめる(今日)
2. 検証環境で取り込みを試し、件数と空欄を確かめる(10/15)
3. 結果を報告し、本番の取り込み日を相談する(10/16)

■完了の条件(自分の理解)
検証環境で件数が一致し、空欄の項目の一覧を報告できていること

■期限
10/16(金)

■確かめたいこと
・この順番と完了の条件で合っていますか
・本番の取り込みは、私の担当に含まれますか

質問する前の確認10項目

No 確認すること 目安の時間
1 エラーメッセージを最後の行まで読んだ 1分
2 エラーメッセージをそのまま検索した 3分
3 公式ドキュメントの該当ページを読んだ 5分
4 チームのドキュメント、過去のチャット、課題管理を検索した 3分
5 直前に変えた箇所を元に戻して、動くかを確かめた 3分
6 再現する最小の手順を書き出した 5分
7 環境(版、ブランチ、設定)を書き出した 2分
8 期待した結果と実際の結果を、1文ずつで書けた 2分
9 試したことと、その結果を箇条書きにした 3分
10 相手にしてほしいことと期限を書いた 1分

目安の時間は例です。1〜5が「調べる」、6〜10が「質問を書く」にあたります。6〜10を書いている途中で自分で解決できることも多く、その場合は解決した方法をメモに残しておくと次に役立ちます。

タブ区切り版です。

No  確認すること  済
1   エラーメッセージを最後の行まで読んだ  
2   エラーメッセージをそのまま検索した   
3   公式ドキュメントの該当ページを読んだ  
4   チームのドキュメント、過去のチャット、課題管理を検索した    
5   直前に変えた箇所を元に戻して、動くかを確かめた 
6   再現する最小の手順を書き出した 
7   環境(版、ブランチ、設定)を書き出した 
8   期待した結果と実際の結果を、1文ずつで書けた  
9   試したことと、その結果を箇条書きにした 
10  相手にしてほしいことと期限を書いた   

15分ルールと30分ルールの違い

15分ルールは、「まず15分は自分で調べ、それでも進まなければ質問する」という時間の目安です。調べる時間を30分にしたものが30分ルールで、どちらもチームで決めて使う取り決めです。時間の長さそのものより、「区切りを決めて、過ぎたら必ず聞く」ことに意味があります。

観点 15分ルール 30分ルール
調べる時間 15分 30分
向いている人 入ったばかりで、調べる場所がまだ分からない人 調べる場所が分かっていて、自分で進められる人
向いている内容 環境の構築、社内の手順、権限 設計の検討、ライブラリの調査
質問される側の負担 回数は増えるが、1回が短い 回数は減るが、1回の内容が濃くなる
過ぎたとき 途中でも質問する 途中でも質問する

どちらを使うかの判断基準です。

条件 選ぶもの
答えを知っている人がチームにいる(社内の手順、環境、権限) 15分
入って1〜3か月で、調べる場所を覚えている途中 15分
調べれば分かる見込みがあり、調べること自体が学びになる 30分
設計やライブラリの選定など、考える時間が要る 30分(途中の考えを添えて相談する)
下の「すぐ聞く場合」に当てはまる 待たずに聞く

すぐ聞く場合と自分で調べる場合

状況 動き方 理由
本番の環境やデータに影響するかもしれない すぐ聞く 影響が広がる前に止められる
権限、費用、社外との約束に関わる すぐ聞く 自分では決められない
作業の目的や完了の条件が分からない すぐ聞く 調べても出てこない
聞けば1分で分かり、調べると30分かかる(保存場所、担当者) すぐ聞く 合計の時間が短い
期限まで2時間を切っている すぐ聞く 調べる時間が残っていない
エラーメッセージを検索すれば出てきそう 15分調べる 自分で解決できる見込みが高い
公式ドキュメントに書いてありそう 15分調べる 読んだ箇所を質問に添えられる
設計の案を比べたい 30分考える 案と自分の考えを持って相談できる
同じ質問を前にもした まず自分のメモを探す 見つからなければ、その旨を添えて聞く

時間が来たら、解決していなくても質問します。そのときの書き出しは次の形で十分です。

【質問】15分調べましたが進まないので相談させてください
(以下、5点のテンプレートで書く)

エラーログとコードの貼り方

どこまで載せるか

貼るもの 載せる範囲 書き方
エラーログ 最初のエラーから最後の行まで コードブロックに入れ、手を加えない
長いログ(50行を超える) 先頭10行と末尾20行をチャットに、全体はファイルで添付 省いた箇所に「…(省略)…」と書く
コード エラーに出てくる関数と、その呼び出し元 行番号が分かるようにファイル名と行を書く
再現するコード そのまま実行できる最小の形 入力データもコードに含める
設定ファイル 関係する項目だけ 値を伏せたことを書く
画面のエラー 文字は文字として貼る。画面の配置が関係するときだけ画像を添える 画像だけにしない(検索やコピーができない)
実行したコマンド 入力した行をそのまま コマンドと出力を同じコードブロックに入れる

Python の Traceback を例に、読む順番を示します。

Traceback (most recent call last):
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 15, in <module>      ← 呼び出しの入口
    main()
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 13, in main
    print(room_id, find_capacity(rooms, room_id))
                   ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
  File "/home/taro/app/reserve.py", line 7, in find_capacity  ← 実際に止まった場所
    room = rooms[room_id]
           ~~~~~^^^^^^^^^
KeyError: 'A-103'                                              ← 例外の種類と値

矢印の注釈は説明のために足したものです。質問に貼るときは、注釈を付けずに出力のままにします。

伏せる情報

ログや設定には、他の人に見せないほうがよい情報が混ざることがあります。貼る前に次の表で確かめます。

伏せる情報 例 置き換え方
パスワード DB_PASSWORD の値 ***
APIキー、トークン API_KEY、Authorization ヘッダーの値 ***
秘密鍵、証明書 BEGIN PRIVATE KEY で始まるブロック 貼らない
個人を特定できる情報 氏名、メールアドレス、電話番号、住所 「(メールアドレス)」などの語に置き換える
社内のホスト名、IPアドレス 192.168.10.24 「(IPアドレス)」に置き換える
ユーザー名を含むパス /home/ に続く名前 一般的な名前に置き換える
利用者のデータ 予約の内容、問い合わせの本文 架空の値に置き換える

置き換えたときは、質問に「値は伏せています」と1行書いておくと、相手が設定の誤りと取り違えません。

決まった形の情報は、スクリプトでまとめて置き換えられます。Python の標準ライブラリだけで書いた例です。

import re

RULES = [
    # JSON 形式  "password": "値"
    (re.compile(r'(?i)("(?:password|passwd|secret|token|api[_-]?key)"\s*:\s*)"[^"]*"'), r'\1"***"'),
    # 環境変数・設定ファイル形式  DB_PASSWORD=値 / API_KEY: 値
    (re.compile(r"(?i)(password|passwd|secret|token|api[_-]?key)(\s*[=:]\s*)\S+"), r"\1\2***"),
    # HTTP ヘッダー  Authorization: Bearer 値
    (re.compile(r"(?i)(authorization:\s*bearer\s+)\S+"), r"\1***"),
    (re.compile(r"[\w.+-]+@[\w-]+\.[\w.-]+"), "<メールアドレス>"),
    (re.compile(r"\b(?:\d{1,3}\.){3}\d{1,3}\b"), "<IPアドレス>"),
    (re.compile(r"/home/[^/\s]+"), "/home/<ユーザー名>"),
]

def mask(text):
    for pattern, repl in RULES:
        text = pattern.sub(repl, text)
    return text

log = """2026-10-06 10:15:02 INFO  login user=sato.hanako@example.com from 192.168.10.24
2026-10-06 10:15:03 DEBUG config DB_PASSWORD=Xy7!kkPq2 API_KEY: sk_test_9f8e7d
2026-10-06 10:15:03 DEBUG header Authorization: Bearer eyJhbGciOiJIUzI1NiJ9.abc.def
2026-10-06 10:15:03 DEBUG body {"user": "sato", "password": "Xy7!kkPq2"}
2026-10-06 10:15:04 ERROR open failed: /home/sato/app/data/rooms.json"""

print(mask(log))

実行結果:

2026-10-06 10:15:02 INFO  login user=<メールアドレス> from <IPアドレス>
2026-10-06 10:15:03 DEBUG config DB_PASSWORD=*** API_KEY: ***
2026-10-06 10:15:03 DEBUG header Authorization: Bearer ***
2026-10-06 10:15:03 DEBUG body {"user": "sato", "password": "***"}
2026-10-06 10:15:04 ERROR open failed: /home/<ユーザー名>/app/data/rooms.json

4行目の "user": "sato" のように、決まった形を持たない情報はスクリプトでは置き換わりません。スクリプトは下準備と考え、貼る前に自分の目で1行ずつ確かめます。ログに出てくる値はすべて架空のものです。

伝わりにくい質問を直す対比表

伝わりにくい質問 足りない点 直した質問
動きません 何が、どう動かないか 予約の登録ボタンを押すと「500 Internal Server Error」と表示されます
エラーが出ます。どうすればいいですか エラー文、試したこと KeyError: 'A-103' が出ます。マスタに A-103 が無いことまでは確かめました
これで合ってますか 何が、何に照らして 取り消し期限を「1時間前」と理解しています。仕様書3.2節の解釈として合っていますか
環境構築がうまくいきません どの手順で、何が起きたか 手順書の4番(依存パッケージの導入)で、次のエラーになります(ログを貼る)
教えてください 目的、知りたい範囲 検証環境への配置手順を知りたいです。手順書の場所を教えてください
急ぎです 期限、理由 今日16時のテストに使うため、15時までに教えていただけると助かります
前に聞いたかもしれませんが 探した範囲 自分のメモとチャットを「配置」で検索しましたが見当たらないため、もう一度教えてください
どっちがいいですか 案の内容、自分の考え A案(プログラムで検索)とB案(制約)を比べ、B案がよいと考えています。理由は……
なんか遅いです 何が、どれくらい 予約一覧の表示に8秒かかります。昨日は1秒ほどでした
全部分かりません 分かっている範囲 手順書の1〜3番はできました。4番の「環境変数を設定する」のやり方が分かりません

生成AIに先に聞いたときの結果の添え方

質問する前に生成AIへ聞くと、エラーメッセージの意味や調べる方向が早く分かることがあります。そのうえで人に質問するときは、聞いた内容・得た案・試した結果の3つを添えると、相手は同じ案をもう一度出さずに済みます。

■生成AIに聞いたこと
(何を、どんな情報を添えて聞いたか。1〜2行)
■得た案
1.
2.
■試した結果
1. →
2. →
■自分の判断
(どの案が違うと考えたか、何がまだ分からないか)

記入例(架空の題材):

■生成AIに聞いたこと
KeyError: 'A-103' の Traceback と find_capacity のコードを貼り、原因を尋ねた

■得た案
1. 辞書に A-103 のキーが無い。get() で取り出して、無いときの扱いを決める
2. マスタの読み込みで A-103 が落ちている可能性がある

■試した結果
1. → get() にすると止まらなくなったが、定員が表示されないだけで、元の原因は残る
2. → マスタの JSON を開いて確かめた。A-103 は最初から入っていない

■自分の判断
コードの直し方ではなく、A-103 をマスタに入れるべきかどうかが分かっていない。
これは仕様の話なので、田中さんに確認したい

添えるときの決まりです。

決まり 理由
得た案は、自分の言葉で要点だけ書く 長い回答をそのまま貼ると、質問の本題が埋もれる
試していない案は「試していない」と書く 相手が、どこまで確かめたかを判断できる
案をうのみにせず、公式ドキュメントで確かめた箇所を書く 生成AIの回答には誤りが含まれることがある
社内のコードや設定を生成AIに入力してよいかは、チームの決まりに従う 入力してよい情報の範囲は、組織ごとに決められている
生成AIで解決できたときも、解決した方法をメモに残す 次に同じ問題に当たった人が使える

生成AIに聞くか、人に聞くかの目安も表にします。

知りたいこと 先に聞く相手
エラーメッセージの一般的な意味 生成AI、公式ドキュメント
言語やライブラリの使い方 公式ドキュメント、生成AI
自分のチームの仕様、決まり、経緯 人(チームのドキュメントを検索してから)
権限、環境、担当者 人
設計の方針 自分で案を作り、人に相談(案の洗い出しに生成AIを使う)

質問した後にすること

タイミング すること 文面の例
答えをもらった直後 お礼と、自分の理解を1行で返す ありがとうございます。A-103 は選択肢から外す、と理解しました
試した後 結果を同じスレッドに書く 選択肢から外して、エラーが出なくなりました
自分で解決したとき 質問を取り下げ、解決した方法を書く 自己解決しました。原因はマスタの読み込み先の設定でした
落ち着いたとき 手順書やメモに追記する 手順書の4番に、環境変数の設定例を追記しました

確かめて分かったこと

  • Python 3.11 の Traceback には、エラーになった式の位置を示す記号の行が出ます。今回の例では rooms[room_id] の下に波線と山形の記号が付き、どの部分で止まったかが一目で分かりました。貼るときにこの行を削ると情報が減るため、出力のまま貼ります。
  • Traceback は下に行くほど原因に近くなります。いちばん上は呼び出しの入口(main の呼び出し)、いちばん下のファイル行が実際に止まった場所、最後の1行が例外の種類と値でした。長くて省くときも、末尾は残します。
  • 設定ファイル向けの置き換え規則だけでは、JSON 形式のパスワードは置き換わりませんでした。"password": "値" の形は、キーの直後に引用符が入るため、別の規則を足して対応しています。ログの形式ごとに規則が要ります。
  • スクリプトで置き換えた後も、"user": "sato" のような名前は残りました。決まった形を持たない情報は、目で確かめる工程が欠かせません。
  • エラーの記入例を書いてみると、知りたいことは「直し方」ではなく「マスタと選択肢のどちらが正しいか」でした。試したことを書き出す途中で、質問の相手と内容が変わることがあります。

よくある質問

Q. 15分ルールとは? A. まず15分は自分で調べ、それでも進まなければ質問する、という時間の目安です。時間の長さはチームで決めてよく、区切りを過ぎたら解決していなくても聞くことが要点です。

Q. 15分ルールと30分ルールの違いは? A. 自分で調べる時間の長さが違います。答えを知っている人がいる社内の手順や環境は15分、設計やライブラリの調査のように考える時間が要るものは30分が目安です。

Q. 質問するのが申し訳ないと感じるときは? A. 5点のテンプレートで書けば、相手が答えるのにかかる時間は短くなります。調べた範囲と試したことが書かれていれば、相手は続きから考えられます。

Q. 質問の仕方が分からないときは何から書けばよいですか? A. 「期待した結果」と「実際の結果」を1文ずつ書くところから始めます。この2つの差が、そのまま質問の中心になります。

Q. 質問しても返事がもらえないときは? A. 同じスレッドに、期限と「はい/いいえ」で答えられる形の問いを書き足します。急ぎであれば通話に切り替え、分かったことをスレッドに残します。

まとめ

  • 質問に書くのは5点:目的・期待した結果・実際の結果・試したこと・相手にしてほしいこと。
  • 場面ごとに型を変える。エラー、仕様の確認、方針の相談、レビュー依頼、進め方の確認の5つを使い分けます。
  • 15分(または30分)調べて進まなければ聞く。本番への影響や権限に関わることは、待たずに聞きます。
  • エラーログはコードブロックでそのまま貼り、末尾の行を必ず含める。パスワードやトークン、個人を特定できる情報は伏せます。
  • 生成AIに先に聞いたときは、聞いた内容・得た案・試した結果を添えます。
  • 答えをもらったら、理解したことと結果を同じスレッドに返すと、次に同じ問題に当たった人の助けになります。

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