- マネジメント
PMBOK第7版と第8版の一覧|原則・パフォーマンス領域の対応表
PMBOKガイドとは、PMI(Project Management Institute)が発行する、プロジェクトマネジメントの知識をまとめた手引きです。第7版は「12の原則と8つのパフォーマンス領域」、第8版(2025年11月発行)は「6つの原則と7つのパフォーマンス領域」で構成されています。
この記事では、第6版・第7版・第8版を横に並べた比較表、第7版の8領域と12原則の一覧、版どうしの読み替え図、目的別の「どの版を読むか」の判断表、そのまま使える自己点検チェックリスト(YAML)をまとめました。版の情報は、2026年10月7日に開いたPMI公式ページの記載にもとづいています。
確認環境:Ubuntu 24.04/Python 3.11.15/PyYAML 6.0.3/Mermaid CLI 11.14.0(スクリプトの出力と図の描画はこの環境で確認)。
PMBOK第6版・第7版・第8版の早見表
| 項目 | 第6版 | 第7版 | 第8版 |
|---|---|---|---|
| 発行 | 第7版の1つ前 | 2021年8月 | 2025年11月 |
| 骨組み | 10知識エリア・5プロセス群 | 12原則・8パフォーマンス領域 | 6原則・7パフォーマンス領域 |
| 中心の考え方 | プロセス(手順) | 原則と成果(価値の提供) | 原則と領域を整理し、プロセスの手引きを再掲 |
| 領域の名前 | 統合/スコープ/スケジュール/コスト/品質/資源/コミュニケーション/リスク/調達/ステークホルダー | ステークホルダー/チーム/開発アプローチとライフサイクル/計画/プロジェクト作業/デリバリー/測定/不確実性 | ガバナンス/スコープ/スケジュール/ファイナンス/ステークホルダー/資源/リスク |
| 厚くなった話題 | ― | テーラリング、モデル・方法・作成物 | AI、PMO、調達 |
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「PMBOK第7版と第8版の一覧|原則・パフォーマンス領域の対応表」
第8版についてPMI公式ページは、第7版の原則とパフォーマンス領域という土台を保ちつつ、より行動に移しやすいよう簡潔・明確にしたと説明しています。あわせて、AI・PMO・調達の内容を広げ、プロセスの手引きを「規定ではない形」で再び載せたとしています(出典は記事末尾)。
3つの版をそのまま貼れる比較表(タブ区切り)
表計算ソフトに貼り付けられるよう、3版比較をタブ区切りでも用意しました。下のブロックをコピーして A1 セルに貼ると、4列の表になります。
項目 第6版 第7版 第8版
発行 第7版の1つ前の版 2021年8月 2025年11月
骨組み 10の知識エリアと5つのプロセス群 12の原則と8つのパフォーマンス領域 6つの原則と7つのパフォーマンス領域
考え方の中心 プロセス(手順) 原則と成果(価値の提供) 原則と領域を整理し、プロセスの手引きを再掲
領域・知識エリアの名前 統合/スコープ/スケジュール/コスト/品質/資源/コミュニケーション/リスク/調達/ステークホルダー ステークホルダー/チーム/開発アプローチとライフサイクル/計画/プロジェクト作業/デリバリー/測定/不確実性 ガバナンス/スコープ/スケジュール/ファイナンス/ステークホルダー/資源/リスク
原則の名前 (原則の一覧はなし) スチュワードシップ/チーム/ステークホルダー/価値/システム思考/リーダーシップ/テーラリング/品質/複雑さ/リスク/適応性と回復力/変革 全体を見る/価値に集中する/品質を組み込む/責任を持って導く/持続可能性を統合する/力を発揮できるチームをつくる
プロセスの扱い 本文の中心(立ち上げ・計画・実行・監視コントロール・終結) プロセス群は「モデル」の1つとして掲載 プロセスの手引きを、規定ではない形で再掲
厚くなった話題 ― テーラリング、モデル・方法・作成物 AI、PMO、調達
社内Wikiに載せたいときは、タブ区切りをMarkdownの表に直す次のスクリプトが使えます。上のブロックを pmbok_editions.tsv として保存してから動かします。
"""タブ区切りの表を Markdown の表に直す。使い方: python3 tsv2md.py pmbok_editions.tsv"""
import csv
import sys
with open(sys.argv[1], encoding="utf-8", newline="") as f:
rows = list(csv.reader(f, delimiter="\t"))
widths = {len(r) for r in rows}
if len(widths) != 1:
sys.exit(f"列数がそろっていません: {sorted(widths)}")
print("| " + " | ".join(rows[0]) + " |")
print("|" + "---|" * len(rows[0]))
for r in rows[1:]:
print("| " + " | ".join(c.replace("|", "\|") for c in r) + " |")
print(f"{len(rows) - 1}行 × {len(rows[0])}列", file=sys.stderr)
実行結果(先頭3行と件数):
$ python3 tsv2md.py pmbok_editions.tsv
| 項目 | 第6版 | 第7版 | 第8版 |
|---|---|---|---|
| 発行 | 第7版の1つ前の版 | 2021年8月 | 2025年11月 |
…(省略)…
7行 × 4列
第6版から第8版までの流れ
版ごとの違いは、「何を単位に知識を並べているか」で見ると整理できます。
| 版 | 知識を並べる単位 | 読むと分かること |
|---|---|---|
| 第6版 | 知識エリア × プロセス群 | どの場面で、何を入力に、何を作るか |
| 第7版 | 原則 × パフォーマンス領域 | どんな考え方で、どんな成果を目指すか |
| 第8版 | 原則 × パフォーマンス領域 + プロセスの手引き | 考え方と成果に加え、進め方の手がかり |
- 第6版は、10の知識エリアと5つのプロセス群(立ち上げ・計画・実行・監視コントロール・終結)の組み合わせで、手順を細かく示す構成です。
- 第7版は、手順の一覧から「原則」と「成果を出すための活動のまとまり(パフォーマンス領域)」へ軸を移しました。PMIの第7版向けFAQは、第6版の考え方は引き続き有効で、プロセス群は「モデル・方法・作成物」の章にモデルの1つとして載ると説明しています。
- 第8版は、原則を6つ、領域を7つに絞りました。領域の名前がスコープ・スケジュール・リスクなど第6版の知識エリアに近い言葉になり、第6版で学んだ人にも地図が読みやすくなっています。
第7版の12の原則一覧
原則は、プロジェクトに関わる人の行動の指針です。「何をするか」より「どう判断するか」を示します。右の列は、システム開発に当てはめた例です。
| No | 原則 | 英語名 | ひとことで | 開発での例 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | スチュワードシップ | Stewardship | 誠実に、責任を持って預かる | 予算と個人データを、決めた規程どおりに扱う |
| 2 | チーム | Team | 協力し合える環境をつくる | レビューで指摘しやすい約束ごとを決める |
| 3 | ステークホルダー | Stakeholders | 関係者と積極的に関わる | 利用部門と隔週で画面を見ながら確認する |
| 4 | 価値 | Value | 価値に焦点を当てる | 機能の数より、作業時間の短縮で成果を測る |
| 5 | システム思考 | Systems Thinking | 全体のつながりを見る | 1機能の変更が連携先の処理に及ぶかを確認する |
| 6 | リーダーシップ | Leadership | 状況に合った導き方をする | 立ち上げ期は方針を示し、安定後は任せる |
| 7 | テーラリング | Tailoring | 状況に合わせて進め方を調整する | 小規模なら文書を1枚にまとめる |
| 8 | 品質 | Quality | 過程と成果物に品質を組み込む | 完了の定義に自動テストの通過を入れる |
| 9 | 複雑さ | Complexity | 複雑さを見きわめて対処する | 連携先が多い部分を先に試作する |
| 10 | リスク | Risk | 脅威と好機の両方に備える | 移行の予行を2回行い、手順の時間を測る |
| 11 | 適応性と回復力 | Adaptability and Resiliency | 変化に合わせ、立て直せるようにする | 優先度の見直しを月1回の定例に入れる |
| 12 | 変革 | Change | 目指す状態へ人と組織の変化を促す | 稼働前に操作説明会と問い合わせ窓口を用意する |
第7版の8つのパフォーマンス領域一覧
パフォーマンス領域は、成果を出すために欠かせない活動のまとまりです。8つは順番に進める工程ではなく、プロジェクトの期間を通して同時に動きます。
| 領域 | 目的 | 主な成果物 | 確認する指標 | 開発での例 |
|---|---|---|---|---|
| ステークホルダー | 関係者と良い関係を保ち、合意を得る | 関係者一覧、コミュニケーション計画 | 合意済みの要求の割合、懸念の未解決件数 | 利用部門・運用担当・情報管理担当を一覧にする |
| チーム | 力を発揮できるチームを育てる | 体制図、役割分担表、チームの約束ごと | レビューの往復回数、作業の偏り | コードレビューの担当を固定せず回す |
| 開発アプローチとライフサイクル | 成果物に合う進め方と区切りを選ぶ | 進め方の方針、フェーズ計画 | リリースの頻度、フェーズ判定の通過状況 | 画面は反復型、データ移行は計画型で進める |
| 計画 | 必要な分だけ、見直せる計画を作る | WBS、スケジュール、予算、基準(ベースライン) | 計画と結果の差、見積りの精度 | 3か月先まで詳細に、その先は粗く計画する |
| プロジェクト作業 | 作業の流れを整え、学びを生かす | 作業手順、変更管理の記録、課題一覧 | 課題の滞留日数、手戻りの件数 | チケットの状態を「着手・レビュー・完了」に統一する |
| デリバリー | 求められた成果を、求められた品質で届ける | 要件一覧、受入基準、テスト結果 | 受入の合格率、稼働後の不具合件数 | 要件ごとに受入テストの項目をひも付ける |
| 測定 | 状態を数字で把握し、判断につなげる | 指標の定義、ダッシュボード、状況報告 | 進み具合、コストの消化率、品質の傾向 | バーンダウンと不具合の件数を週次で出す |
| 不確実性 | 分からないことに備え、好機も生かす | リスク一覧、対応策、予備の期間と予備費 | 対応済みリスクの割合、予備の残り | 外部サービスの仕様変更に備え、代替手段を調べておく |
指標は3〜7個に絞ると、毎週の確認が続きます。上の表から、自分のプロジェクトで判断に使うものだけを選んでください。
第7版の「モデル・方法・作成物」の代表例
第7版には、領域を進めるときに使える道具を集めた章があります。モデルは考え方の型、方法は成果を得るための手段、作成物は作る文書や図です。
| 区分 | 代表例 | 使う場面 |
|---|---|---|
| モデル | 状況対応型リーダーシップ | メンバーの習熟度に合わせて関わり方を変える |
| モデル | タックマンの成長段階 | チームが今どの段階かを見立てる |
| モデル | カネヴィン・フレームワーク | 問題の複雑さに合わせて進め方を選ぶ |
| モデル | プロセス群(立ち上げ〜終結) | 作業を場面ごとに整理する |
| 方法 | 見積り(類推・パラメトリック・三点) | 期間とコストの見通しを立てる |
| 方法 | アーンド・バリュー分析 | 進み具合とコストを同じ物差しで測る |
| 方法 | 振り返り(レトロスペクティブ) | 進め方の改善点を定期的に見つける |
| 方法 | 原因分析(なぜなぜ、特性要因図) | 不具合や遅れの元をたどる |
| 作成物 | プロジェクト憲章 | 立ち上げ時に目的と権限を定める |
| 作成物 | WBS、バックログ | 作業を分け、優先順位を付ける |
| 作成物 | リスク登録簿、課題ログ | 懸念と対応を記録する |
| 作成物 | ガントチャート、バーンダウンチャート | 予定と進み具合を見えるようにする |
第8版の6つの原則と7つのパフォーマンス領域
PMI公式ページ(2026年10月7日確認)に載っている名前を、英語の原文と並べます。日本語は本記事での訳です。日本語版の正式な訳語は、PMI日本支部の案内で確認してください。
6つの原則
| No | 英語の原文 | 本記事での訳 | 開発での例 |
|---|---|---|---|
| 1 | Adopt a holistic view | 全体を見る | 機能単体ではなく、業務の流れ全体で効果を見る |
| 2 | Focus on value | 価値に集中する | 要望を「誰の何が良くなるか」で並べ替える |
| 3 | Embed quality | 品質を組み込む | 設計レビューと自動テストを工程に入れておく |
| 4 | Lead accountably | 責任を持って導く | 判断の理由を記録し、関係者に説明する |
| 5 | Integrate sustainability | 持続可能性を統合する | 稼働後の運用コストと保守のしやすさを設計で考える |
| 6 | Build empowered teams | 力を発揮できるチームをつくる | チームが決められる範囲を文章にして渡す |
7つのパフォーマンス領域
| 英語の原文 | 日本語 | 開発で確認すること |
|---|---|---|
| Governance | ガバナンス | 誰が何を決めるか、判定の場と基準は決まっているか |
| Scope | スコープ | 作るもの・作らないものは合意できているか |
| Schedule | スケジュール | マイルストーンと依存関係は見えているか |
| Finance | ファイナンス | 予算・費用・得られる効果は釣り合っているか |
| Stakeholders | ステークホルダー | 関係者の期待と懸念を把握できているか |
| Resources | 資源 | 人・機材・外部の協力先は足りているか |
| Risk | リスク | 脅威と好機への備えはあるか |
第8版の変更点(PMI公式ページの記載)
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 6つに整理 |
| パフォーマンス領域 | 7つに整理 |
| 広がった話題 | AI、PMO、調達 |
| プロセス | 手引きを、規定ではない発展させた形で再掲 |
| 作り方 | 数千人のプロジェクト専門家の意見と48,000件を超えるデータをもとに改訂 |
| ページ数 | 408ページ |
第7版から第8版への読み替え図
第7版で学んだ内容を第8版でどこから読み始めるかを、図にしました。名前と主題をもとに本記事が整理した読み替えの目安で、PMIが公表した対応表ではありません。Mermaid対応のエディターやWikiに貼ると図になります。
12の原則から6つの原則へ
flowchart LR
subgraph V7["第7版 12の原則"]
A1["スチュワードシップ"]
A2["チーム"]
A3["ステークホルダー"]
A4["価値"]
A5["システム思考"]
A6["リーダーシップ"]
A7["テーラリング"]
A8["品質"]
A9["複雑さ"]
A10["リスク"]
A11["適応性と回復力"]
A12["変革"]
end
subgraph V8["第8版 6つの原則"]
B1["全体を見る"]
B2["価値に集中する"]
B3["品質を組み込む"]
B4["責任を持って導く"]
B5["持続可能性を統合する"]
B6["力を発揮できるチームをつくる"]
end
A5 --> B1
A7 --> B1
A9 --> B1
A10 --> B1
A11 --> B1
A4 --> B2
A3 --> B2
A12 --> B2
A8 --> B3
A1 --> B4
A6 --> B4
A1 --> B5
A2 --> B6
8つの領域から7つの領域へ
flowchart LR
subgraph V7["第7版 8つの領域"]
S1["ステークホルダー"]
S2["チーム"]
S3["開発アプローチとライフサイクル"]
S4["計画"]
S5["プロジェクト作業"]
S6["デリバリー"]
S7["測定"]
S8["不確実性"]
end
subgraph V8["第8版 7つの領域"]
T1["ガバナンス"]
T2["スコープ"]
T3["スケジュール"]
T4["ファイナンス"]
T5["ステークホルダー"]
T6["資源"]
T7["リスク"]
end
S1 --> T5
S2 --> T6
S3 --> T1
S4 --> T2
S4 --> T3
S4 --> T4
S5 --> T6
S5 --> T1
S6 --> T2
S7 --> T1
S7 --> T3
S7 --> T4
S8 --> T7
図が使えない場合は、次の表で同じ内容を確認できます。
| 第7版の領域 | 第8版で最初に読む領域 | 読み替えの理由 |
|---|---|---|
| ステークホルダー | ステークホルダー | 名前がそのまま引き継がれている |
| チーム | 資源 | 人と体制を扱う |
| 開発アプローチとライフサイクル | ガバナンス | 進め方と判定の区切りを決める |
| 計画 | スコープ/スケジュール/ファイナンス | 計画の対象ごとに分かれる |
| プロジェクト作業 | 資源/ガバナンス | 調達や作業の流れ、変更の扱い |
| デリバリー | スコープ | 要求と成果物の対応 |
| 測定 | ガバナンス/スケジュール/ファイナンス | 測る対象の領域で扱う |
| 不確実性 | リスク | 脅威と好機への備え |
どの版を読むかを目的別に決める判断表
| 目的 | まず読むもの | 次に読むもの | 理由 |
|---|---|---|---|
| PMP受験 | PMI公式の試験内容の概要 | 第8版 | 出題範囲は試験内容の概要で決まり、配点は人33%・プロセス41%・ビジネス環境26% |
| 社内標準づくり | 第8版の7領域 | 第6版のプロセス群 | 領域で章立てを決め、手順の粒度は第6版が参考になる |
| 基礎学習 | 第7版の12原則 | 第7版の8領域 | 考え方から入ると、手法の意味がつかみやすい |
| 進行中の点検 | 第7版の8領域 | 本記事のチェックリスト | 領域ごとに抜けを確認できる |
| 第6版で学んだ人の更新 | 第8版の7領域 | 第8版の6原則 | 知識エリアに近い名前で読み始められる |
| アジャイル中心のチーム | 第7版の原則とテーラリング | 第8版 | 進め方を状況に合わせる考え方がまとまっている |
迷ったら最新の第8版から読み、分かりにくい部分を第7版(考え方)や第6版(手順)で補う順番が進めやすいです。PMP試験の配点や受験資格は改定されることがあるため、受験の前にPMI公式ページの最新の記載を確認してください。
領域ごとの自己点検チェックリスト(YAML)
第7版の8領域それぞれに3問、合計24問のチェックリストです。done を true/false に書き換えるだけで使えます。記入例として、架空の「備品管理システム刷新」の値を入れています。
# PMBOKガイド第7版 8つのパフォーマンス領域の自己点検(done を true / false で記入)
project: 備品管理システム刷新
checked_on: 2026-10-07
domains:
- name: ステークホルダー
items:
- {q: 関係者の一覧があり、関心と影響の大きさを書いている, done: true}
- {q: 関係者ごとに、伝える内容・頻度・手段を決めている, done: true}
- {q: 直近1か月で、主要な関係者の満足度や懸念を聞いている, done: false}
- name: チーム
items:
- {q: 役割と責任を全員が説明できる, done: true}
- {q: チームの約束ごと(会議・連絡・レビューの決まり)を文章にしている, done: true}
- {q: メンバーが困りごとを早めに出せる場が週1回以上ある, done: true}
- name: 開発アプローチとライフサイクル
items:
- {q: 予測型・適応型・ハイブリッドのどれで進めるかを理由つきで決めている, done: true}
- {q: フェーズの区切りと、次へ進む判定条件を決めている, done: false}
- {q: 成果物を渡す頻度(一括・段階・反復)を関係者と合意している, done: true}
- name: 計画
items:
- {q: スコープ・スケジュール・予算の基準(ベースライン)がある, done: true}
- {q: 見積りの根拠と精度の幅を記録している, done: false}
- {q: 計画を見直す時期ときっかけを決めている, done: false}
- name: プロジェクト作業
items:
- {q: 作業の進め方(チケット・レビュー・リリース手順)を決めている, done: true}
- {q: 変更要求の受付から判断までの流れがある, done: true}
- {q: 学んだことを記録し、次の作業に反映している, done: false}
- name: デリバリー
items:
- {q: 要求と成果物の対応が追える, done: true}
- {q: 完了の定義と受入基準を文章にしている, done: true}
- {q: 品質の確認(レビュー・テスト)の結果を記録している, done: true}
- name: 測定
items:
- {q: 進み具合・コスト・品質の指標を3〜7個に絞っている, done: true}
- {q: 指標ごとに、対応を始めるしきい値を決めている, done: false}
- {q: 指標を関係者が見られる場所に定期的に出している, done: true}
- name: 不確実性
items:
- {q: リスクの一覧があり、担当者と対応策を書いている, done: true}
- {q: 好機(プラスのリスク)も挙げている, done: false}
- {q: 予備の期間と予備費を計画に入れている, done: true}
集計スクリプト
上のYAMLを pmbok7_check.yaml として保存し、次のスクリプトで領域ごとの達成数と、次に取り組む項目を出します。
"""自己点検YAMLを集計し、領域ごとの達成数と次に取り組む項目を出す。
準備: pip install pyyaml 使い方: python3 pmbok7_check.py pmbok7_check.yaml
"""
import sys
import yaml
with open(sys.argv[1], encoding="utf-8") as f:
data = yaml.safe_load(f)
print(f"{data['project']}(点検日 {data['checked_on']})")
todo, total_done, total = [], 0, 0
for d in data["domains"]:
items = d["items"]
done = sum(1 for i in items if i["done"])
total_done += done
total += len(items)
print(f"{d['name']:<16}\t{done}/{len(items)}\t{'■' * done}{'□' * (len(items) - done)}")
todo += [(d["name"], i["q"]) for i in items if not i["done"]]
print(f"合計 {total_done}/{total}({total_done / total:.0%})")
print("次に取り組む項目:")
for name, q in todo:
print(f"- [{name}] {q}")
実行結果:
$ python3 pmbok7_check.py pmbok7_check.yaml
備品管理システム刷新(点検日 2026-10-07)
ステークホルダー 2/3 ■■□
チーム 3/3 ■■■
開発アプローチとライフサイクル 2/3 ■■□
計画 1/3 ■□□
プロジェクト作業 2/3 ■■□
デリバリー 3/3 ■■■
測定 2/3 ■■□
不確実性 2/3 ■■□
合計 17/24(71%)
次に取り組む項目:
- [ステークホルダー] 直近1か月で、主要な関係者の満足度や懸念を聞いている
- [開発アプローチとライフサイクル] フェーズの区切りと、次へ進む判定条件を決めている
- [計画] 見積りの根拠と精度の幅を記録している
- [計画] 計画を見直す時期ときっかけを決めている
- [プロジェクト作業] 学んだことを記録し、次の作業に反映している
- [測定] 指標ごとに、対応を始めるしきい値を決めている
- [不確実性] 好機(プラスのリスク)も挙げている
この例では「計画」が1/3と最も少なく、見積りの根拠と見直しの時期を決めることが次の一歩だと分かります。月1回、同じYAMLを更新して差分を見ると、領域ごとの変化を追えます。
つまずきやすい点と整理のしかた
| つまずきやすい点 | 整理のしかた |
|---|---|
| 第7版には手順が載っていないように見える | プロセス群は「モデル」の1つとして載っている。手順は第6版や第8版の手引きで補う |
| 8領域を工程の順番だと受け取る | 領域は同時に動く活動のまとまり。工程は「開発アプローチとライフサイクル」で決める |
| 原則と領域の区別がつきにくい | 原則は判断の指針、領域は成果を出す活動。原則は全領域に効く |
| 第7版と第8版で領域の名前が違う | 本記事の読み替え表で、最初に読む領域を決める |
| 「ステークホルダー」が原則にも領域にもある | 原則は関わり方の姿勢、領域は具体的な活動と成果を扱う |
よくある質問
Q. 第8版が出たら、第7版で学んだ内容は使えなくなりますか? A. 引き続き役立ちます。PMI公式ページは、第8版が第7版の原則とパフォーマンス領域の土台を保ち、簡潔で行動に移しやすい形にしたと説明しています。第7版の12原則と8領域は、考え方を学ぶ入口として今も読みやすい構成です。
Q. 第6版の10の知識エリアは、もう学ばなくてよいですか? A. 学ぶ価値があります。PMIの第7版向けFAQは、第6版の主要な考え方は有効で、知識エリアの考え方は複数のパフォーマンス領域に含まれていると説明しています。第8版の領域名(スコープ・スケジュール・リスクなど)も知識エリアに近い言葉です。
Q. パフォーマンス領域と知識エリアは何が違いますか? A. 知識エリアは「知識の分野」、パフォーマンス領域は「成果を出すための活動のまとまり」です。前者は何を知っているか、後者はどんな成果が出ているかに目を向けます。
Q. 第8版の日本語版はどこで確認できますか? A. PMI日本支部のサイトで案内を確認できます。2026年10月7日時点のトップページには、第8版の勉強会の解説動画(支部会員向け)を公開した告知が2026年10月2日付で載っています。
まとめ
- 第6版は10知識エリア・5プロセス群、第7版は12原則・8パフォーマンス領域、第8版は6原則・7パフォーマンス領域です。
- 第8版は2025年11月発行。第7版の土台を保ちつつ整理し、AI・PMO・調達を厚くして、プロセスの手引きを再掲しています。
- 第7版の8領域は工程の順番ではなく、同時に動く活動のまとまりです。目的・成果物・指標の表で点検できます。
- 第8版の7領域(ガバナンス・スコープ・スケジュール・ファイナンス・ステークホルダー・資源・リスク)は、第6版の知識エリアに近い名前で読みやすくなっています。
- 読み替え図と表を使うと、第7版で学んだ内容を第8版のどこから読むかが決まります。
- 自己点検チェックリスト(YAML)と集計スクリプトで、領域ごとの抜けを月次で確認できます。
参考・出典(確認日:2026年10月7日)
- PMI「PMBOK Guide」:第8版の発行年月(2025年11月)、6原則、7パフォーマンス領域、変更点、ページ数 https://www.pmi.org/standards/pmbok
- PMI「PMBOK Guide – Seventh Edition FAQs」(PDF):第7版の発行日(2021年8月1日)、12原則、第6版との関係、モデル・方法・作成物の章 https://www.pmi.org/-/media/pmi/documents/public/pdf/pmbok-standards/pmbok-guide-public-faqs-29-march-2021.pdf
- PMI「Project Management Professional (PMP)」:試験の配点 https://www.pmi.org/certifications/project-management-pmp
- PMI日本支部:第8版勉強会の告知 https://www.pmi-japan.org/
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「PMBOK第7版と第8版の一覧|原則・パフォーマンス領域の対応表」
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