リリース判定とは、作ったシステムを本番に出してよいかを、あらかじめ決めた基準と照らして Go(出す)か No-Go(出さない)かに決めることです。判定がその場の印象に左右されるのは、基準が数値になっていないか、当日に初めて基準を話し合っているときです。

この記事では、判定基準を5分類22項目のチェックリストにし、数値の例と根拠資料の列を付けて全文を載せました。判定会議の資料テンプレートと記入例、項目の結果から判定を出すPythonの例も付けています。例は架空の「備品予約システム」のリリースです。数値はすべて例なので、自分たちのシステムに合わせて置き換えてください。

確認環境:Ubuntu 24.04、Python 3.11.15(標準ライブラリのみ)。掲載した判定結果は、2026-10-05に実行した出力です。

この記事の結論

  • 判定基準は数値で事前に合意し、当日は基準との差だけを見ます。
  • 必須項目が1つでも未達なら No-Go。例外を作ると、次回から基準が基準として働かなくなります。
  • 推奨項目の未達は、期限と担当を付けた「条件付きGo」。期限か担当が決まらないものは、条件として成り立たないので No-Go に倒します。
  • 会議の資料は判定サマリー・未達項目・条件・決裁欄の4つがあれば足ります。

リリース判定の早見表

知りたいこと 答え
判定の種類 Go/条件付きGo/No-Go の3つ
チェックリストの分類 品質、残課題、移行・切り戻し、運用体制、合意の5分類
項目数(この記事の例) 22項目(必須17、推奨5)
基準をいつ決めるか テスト計画の時点。遅くとも判定会議の2週間前(例)までに合意
必須と推奨の分け方 未達のまま出すと利用者の業務が止まる、または戻せないものが必須
残バグの基準の決め方 件数だけでなく、重要度ごとに上限と条件(回避策の有無)を決める
会議で見るもの 未達の項目と、その根拠資料だけ
会議の出力 判定結果、条件(内容・期限・担当)、決裁者の承認

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「リリース判定基準チェックリスト|Go/No-Goの項目と会議資料の型」

Go・条件付きGo・No-Goの決め方

判定 条件 会議のあとにすること
Go 必須・推奨とも全項目が達成 予定どおりリリースする
条件付きGo 必須は全項目が達成。推奨の未達があり、その全件に内容・期限・担当が決まっている リリースする。条件を課題管理表に登録し、期限の日に結果を決裁者へ報告する
No-Go 必須の未達が1つでもある。または推奨の未達に期限か担当が決まらないものがある リリースを見送る。未達を解消する日と、再判定の日を決める

条件付きGoを「何となく出す」ための抜け道にしないために、条件には次の4つを必ず書きます。

条件に書くこと 例
何を 重要度「中」の未解決バグ4件のうち1件以上を修正し、3件以下にする
いつまでに 2026-10-23
誰が 井上
間に合わなかったときの扱い 該当の機能を一時的に使えない設定にし、利用者に告知する

リリース判定基準チェックリスト(5分類22項目)

「判定基準(数値例)」の値は例です。「根拠資料」は、会議で「達成」と言うときに示す資料の名前です。根拠資料を示せない項目は、未達として扱います。

No 分類 確認項目 区分 判定基準(数値例) 根拠資料
Q1 品質 テストケースの消化率 必須 100%(対象外にしたケースは理由つきで合意済み) テスト進捗管理表
Q2 品質 テストケースの合格率 必須 98%以上、かつ不合格の全件にバグ票がある テスト進捗管理表
Q3 品質 重要度「致命的」「重大」の未解決バグ 必須 0件 バグ管理表
Q4 品質 重要度「中」の未解決バグ 推奨 3件以下、かつ全件に回避策がある バグ管理表
Q5 品質 性能テストの応答時間 必須 主要5画面の95パーセンタイルが2.0秒以内 性能テスト報告書
Q6 品質 脆弱性診断の指摘 必須 重要度「高」以上が0件 診断報告書
R1 残課題 未完了の課題 必須 リリースを止める課題が0件 課題管理表
R2 残課題 仕様の未決事項 必須 0件(見送る場合は見送りの合意が記録にある) 課題管理表、議事録
R3 残課題 既知の制約の周知 推奨 利用者向けのお知らせに全件を記載 リリースノート案
M1 移行・切り戻し 移行リハーサル 必須 本番相当のデータ量で1回以上完了し、所要時間が作業枠の80%以内 リハーサル記録
M2 移行・切り戻し 移行後のデータ照合 必須 件数と合計値の差異が0 照合結果
M3 移行・切り戻し 切り戻し手順のリハーサル 必須 1回以上完了し、所要時間が30分以内 リハーサル記録
M4 移行・切り戻し 切り戻しを決める基準と期限 必須 判断者・判断時刻・基準が手順書に書いてある リリース手順書
M5 移行・切り戻し バックアップからの復元確認 推奨 直近1か月以内に復元を1回確認 復元確認の記録
O1 運用体制 監視とアラートの設定 必須 監視項目一覧の全項目が設定済みで、通知の到達を確認済み 監視設定一覧
O2 運用体制 運用手順書と問い合わせ窓口 必須 手順書がレビュー済みで、窓口と受付時間が周知済み 運用手順書
O3 運用体制 リリース当日と翌営業日の体制 必須 連絡網が確定し、各役割に代理がいる 体制表
O4 運用体制 利用者向けマニュアル 推奨 変更した画面の全てについて更新済み マニュアル
A1 合意 受入テストの結果への合意 必須 発注側の責任者の承認が記録にある 受入テスト報告書
A2 合意 リリース日時と停止時間の告知 必須 利用者への告知が5営業日前までに完了 告知文、送信記録
A3 合意 残バグの扱いへの合意 必須 残す全件について修正予定の版と期限に合意済み バグ管理表、議事録
A4 合意 リリース後の観察期間と完了条件 推奨 観察期間(例:5営業日)と完了条件に合意済み 議事録

必須と推奨を分ける質問

質問 はい いいえ
未達のまま出すと、利用者の業務が止まるか 必須 次の質問へ
未達のまま出すと、データが壊れる、または元に戻せなくなるか 必須 次の質問へ
未達のまま出すと、問題が起きても気づけない、または連絡が届かないか 必須 次の質問へ
発注側との約束(契約や合意した文書)に含まれているか 必須 推奨

残バグの基準の決め方

「残バグは何件までか」は、件数を1つ決めるより、重要度ごとに決めるほうが判定しやすくなります。次は例です。

重要度 意味(例) リリース時の上限(例) 付ける条件
致命的 主要な機能が使えない、データが壊れる 0件 なし(残せない)
重大 機能の一部が使えず、回避策がない 0件 なし(残せない)
中 機能の一部に問題があるが、回避策がある 3件以下 全件に回避策と修正予定の版がある
軽微 表示の乱れ、文言の誤りなど 上限なし 全件に修正予定の版がある

表計算ソフトに貼れるタブ区切り版(記入例つき)

結果・未達の内容・期限・担当の4列を加えた10列です。記入例は、推奨の2項目が未達の状態です。

No  分類  確認項目    区分  判定基準(数値例)   根拠資料    結果  未達の内容   期限  担当
Q1  品質  テストケースの消化率  必須  100%(対象外にしたケースは理由つきで合意済み)   テスト進捗管理表    達成          
Q2  品質  テストケースの合格率  必須  98%以上、かつ不合格の全件にバグ票がある   テスト進捗管理表    達成          
Q3  品質  重要度「致命的」「重大」の未解決バグ  必須  0件  バグ管理表   達成          
Q4  品質  重要度「中」の未解決バグ    推奨  3件以下、かつ全件に回避策がある    バグ管理表   未達  中が4件(回避策は全件あり)  2026-10-23  井上
Q5  品質  性能テストの応答時間  必須  主要5画面の95パーセンタイルが2.0秒以内  性能テスト報告書    達成          
Q6  品質  脆弱性診断の指摘    必須  重要度「高」以上が0件 診断報告書   達成          
R1  残課題 未完了の課題  必須  リリースを止める課題が0件   課題管理表   達成          
R2  残課題 仕様の未決事項 必須  0件(見送る場合は見送りの合意が記録にある)  課題管理表、議事録   達成          
R3  残課題 既知の制約の周知    推奨  利用者向けのお知らせに全件を記載    リリースノート案    達成          
M1  移行・切り戻し 移行リハーサル 必須  本番相当のデータ量で1回以上完了し、所要時間が作業枠の80%以内    リハーサル記録 達成          
M2  移行・切り戻し 移行後のデータ照合   必須  件数と合計値の差異が0 照合結果    達成          
M3  移行・切り戻し 切り戻し手順のリハーサル    必須  1回以上完了し、所要時間が30分以内  リハーサル記録 達成          
M4  移行・切り戻し 切り戻しを決める基準と期限   必須  判断者・判断時刻・基準が手順書に書いてある   リリース手順書 達成          
M5  移行・切り戻し バックアップからの復元確認   推奨  直近1か月以内に復元を1回確認 復元確認の記録 達成          
O1  運用体制    監視とアラートの設定  必須  監視項目一覧の全項目が設定済みで、通知の到達を確認済み 監視設定一覧  達成          
O2  運用体制    運用手順書と問い合わせ窓口   必須  手順書がレビュー済みで、窓口と受付時間が周知済み    運用手順書   達成          
O3  運用体制    リリース当日と翌営業日の体制  必須  連絡網が確定し、各役割に代理がいる   体制表 達成          
O4  運用体制    利用者向けマニュアル  推奨  変更した画面の全てについて更新済み   マニュアル   未達  12画面のうち2画面が未更新  2026-10-16  森田
A1  合意  受入テストの結果への合意    必須  発注側の責任者の承認が記録にある    受入テスト報告書    達成          
A2  合意  リリース日時と停止時間の告知  必須  利用者への告知が5営業日前までに完了  告知文、送信記録    達成          
A3  合意  残バグの扱いへの合意  必須  残す全件について修正予定の版と期限に合意済み  バグ管理表、議事録   達成          
A4  合意  リリース後の観察期間と完了条件 推奨  観察期間(例:5営業日)と完了条件に合意済み  議事録 達成          

判定会議の資料テンプレート

資料は1〜2ページに収めます。チェックリストの全項目は添付に回し、本体には未達の項目だけを書きます。

# リリース判定会議 資料

- 対象:(システム名・版)
- リリース予定日時:
- 判定会議の日時:
- 判定の基準:(合意した基準の文書名と合意日)

## 1. 判定サマリー

- 提案する判定:Go / 条件付きGo / No-Go
- 必須項目: / 達成
- 推奨項目: / 達成

| 分類 | 必須(達成/全体) | 推奨(達成/全体) | 状態 |
|---|---|---|---|
| 品質 | | | |
| 残課題 | | | |
| 移行・切り戻し | | | |
| 運用体制 | | | |
| 合意 | | | |

## 2. 未達項目

| No | 確認項目 | 区分 | 判定基準 | 現在の値 | 差 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|

## 3. 条件(条件付きGoの場合)

| No | 条件の内容 | 期限 | 担当 | 間に合わなかったときの扱い |
|---|---|---|---|---|

## 4. 切り戻しの判断

- 判断する人:
- 判断の期限:
- 切り戻す基準:

## 5. 決裁欄

| 役割 | 氏名 | 判定 | 日付 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 決裁者 | | | | |
| 開発の責任者 | | | | |
| 品質の責任者 | | | | |
| 運用の責任者 | | | | |

## 添付

- チェックリスト(全項目)
- 根拠資料の一覧

記入例(架空の備品予約システム 2.0)

# リリース判定会議 資料

- 対象:備品予約システム 2.0
- リリース予定日時:2026-10-10(土)22:00〜24:00
- 判定会議の日時:2026-10-08(木)15:00〜15:30
- 判定の基準:リリース判定基準書 第1.0版(2026-09-01 合意)

## 1. 判定サマリー

- 提案する判定:条件付きGo
- 必須項目:17 / 17 達成
- 推奨項目:3 / 5 達成

| 分類 | 必須(達成/全体) | 推奨(達成/全体) | 状態 |
|---|---|---|---|
| 品質 | 5/5 | 0/1 | 推奨1件が未達 |
| 残課題 | 2/2 | 1/1 | 達成 |
| 移行・切り戻し | 4/4 | 1/1 | 達成 |
| 運用体制 | 3/3 | 0/1 | 推奨1件が未達 |
| 合意 | 3/3 | 1/1 | 達成 |

## 2. 未達項目

| No | 確認項目 | 区分 | 判定基準 | 現在の値 | 差 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Q4 | 重要度「中」の未解決バグ | 推奨 | 3件以下、全件に回避策 | 4件(回避策は全件あり) | +1件 | バグ管理表 |
| O4 | 利用者向けマニュアル | 推奨 | 変更した12画面すべて更新済み | 10画面が更新済み | −2画面 | マニュアル |

## 3. 条件(条件付きGoの場合)

| No | 条件の内容 | 期限 | 担当 | 間に合わなかったときの扱い |
|---|---|---|---|---|
| Q4 | 4件のうち1件以上を修正し、3件以下にする | 2026-10-23 | 井上 | 月次利用一覧の出力を一時的に止め、利用者に告知する |
| O4 | 残り2画面のマニュアルを更新する | 2026-10-16 | 森田 | 該当画面の操作手順をお知らせに掲載する |

## 4. 切り戻しの判断

- 判断する人:開発の責任者(佐藤)
- 判断の期限:2026-10-10 23:15
- 切り戻す基準:23:15 の時点で移行後のデータ照合に差異がある、または確認項目に1つでも不合格がある

## 5. 決裁欄

| 役割 | 氏名 | 判定 | 日付 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 決裁者 | 山本 | 条件付きGo | 2026-10-08 | 条件2件の結果を各期限の日に報告のこと |
| 開発の責任者 | 佐藤 | 条件付きGo | 2026-10-08 | |
| 品質の責任者 | 高橋 | 条件付きGo | 2026-10-08 | |
| 運用の責任者 | 田中 | 条件付きGo | 2026-10-08 | |

判定会議の進め方(30分の例)

時間 すること 担当
0〜3分 判定の基準と、今日決めることの確認 進行役
3〜8分 判定サマリーの説明(提案する判定と達成数) 開発の責任者
8〜20分 未達項目の確認(現在の値・差・根拠資料) 各項目の担当
20〜25分 条件の確認(内容・期限・担当・間に合わなかったときの扱い) 進行役
25〜30分 判定の決定と決裁欄への記入、次の報告日の確認 決裁者

資料は前日までに配り、会議では達成した項目を読み上げません。達成の根拠に疑問がある人は、会議の前に資料の担当へ問い合わせておきます。

項目の結果から判定を出すPythonの例

タブ区切りのチェックリストを読み、Go/条件付きGo/No-Go を出します。判定のルールを文章ではなくコードにしておくと、当日に解釈が分かれません。

import csv
import sys
from collections import Counter

def judge(rows):
    """必須の未達が1つでもあれば No-Go。
    推奨の未達は、期限と担当がそろっていれば条件付き Go、欠けていれば No-Go。"""
    must_ng = [r for r in rows if r["区分"] == "必須" and r["結果"] != "達成"]
    rec_ng = [r for r in rows if r["区分"] == "推奨" and r["結果"] != "達成"]
    no_plan = [r for r in rec_ng if not (r["期限"] and r["担当"])]
    if must_ng:
        return "No-Go", must_ng, rec_ng, no_plan
    if no_plan:
        return "No-Go(条件が決まっていない)", must_ng, rec_ng, no_plan
    if rec_ng:
        return "条件付きGo", must_ng, rec_ng, no_plan
    return "Go", must_ng, rec_ng, no_plan

def report(path):
    with open(path, encoding="utf-8", newline="") as f:
        rows = list(csv.DictReader(f, delimiter="\t"))
    result, must_ng, rec_ng, no_plan = judge(rows)
    total = Counter(r["区分"] for r in rows)
    done = Counter(r["区分"] for r in rows if r["結果"] == "達成")
    print(f"判定: {result}")
    for kind in ("必須", "推奨"):
        print(f"  {kind}: {done[kind]}/{total[kind]} 達成")
    for r in must_ng:
        print(f"  [必須の未達] {r['No']} {r['確認項目']}: {r['未達の内容']}")
    for r in rec_ng:
        plan = f"期限 {r['期限']} / 担当 {r['担当']}" if r["期限"] and r["担当"] else "期限・担当が空欄"
        print(f"  [推奨の未達] {r['No']} {r['確認項目']}: {r['未達の内容']}({plan})")

for p in sys.argv[1:]:
    print(f"== {p}")
    report(p)

4つの状態で実行しました。checklist.tsv は先ほどの記入例、case_go.tsv は全項目を達成にしたもの、case_noplan.tsv は O4 の期限と担当を空欄にしたもの、case_nogo.tsv は必須の Q3 を未達にしたものです。

$ python3 judge.py case_go.tsv checklist.tsv case_noplan.tsv case_nogo.tsv
== case_go.tsv
判定: Go
  必須: 17/17 達成
  推奨: 5/5 達成
== checklist.tsv
判定: 条件付きGo
  必須: 17/17 達成
  推奨: 3/5 達成
  [推奨の未達] Q4 重要度「中」の未解決バグ: 中が4件(回避策は全件あり)(期限 2026-10-23 / 担当 井上)
  [推奨の未達] O4 利用者向けマニュアル: 12画面のうち2画面が未更新(期限 2026-10-16 / 担当 森田)
== case_noplan.tsv
判定: No-Go(条件が決まっていない)
  必須: 17/17 達成
  推奨: 3/5 達成
  [推奨の未達] Q4 重要度「中」の未解決バグ: 中が4件(回避策は全件あり)(期限 2026-10-23 / 担当 井上)
  [推奨の未達] O4 利用者向けマニュアル: 12画面のうち2画面が未更新(期限・担当が空欄)
== case_nogo.tsv
判定: No-Go
  必須: 16/17 達成
  推奨: 3/5 達成
  [必須の未達] Q3 重要度「致命的」「重大」の未解決バグ: 重大が1件(予約の二重登録)
  [推奨の未達] Q4 重要度「中」の未解決バグ: 中が4件(回避策は全件あり)(期限 2026-10-23 / 担当 井上)
  [推奨の未達] O4 利用者向けマニュアル: 12画面のうち2画面が未更新(期限 2026-10-16 / 担当 森田)

未達の内容が同じでも、期限と担当が空欄になるだけで条件付きGoから No-Go に変わります(checklist.tsv と case_noplan.tsv の違い)。条件付きGoの「条件」は、期限と担当がそろって初めて条件になる、という決まりをそのまま表したものです。

リリース判定・出荷判定・受入判定・カットオーバー判定の違い

これらの語は組織によって指す範囲が異なります。次は一般的な使い分けの例です。自分たちの計画書でどう定義しているかを先に確かめてください。

判定 誰が決めるか 何を基準に決めるか 主なタイミング
リリース判定 提供する側の決裁者(発注側が同席することもある) 品質・残課題・移行・運用体制・合意の基準 本番へ出す直前
出荷判定 開発した側の品質の責任者 開発側のテスト結果と品質の基準 開発側から発注側へ引き渡す前
受入判定 発注側の責任者 受入テストの結果と、合意した合否の基準 受入テストの終了時
カットオーバー判定 発注側・開発側・運用側の責任者 移行リハーサルの結果、業務側の準備、切り戻しの準備 以前のシステムから切り替える直前
条件 行う判定
自社で開発し、自社で運用するサービスに機能を追加する リリース判定
開発を請け負い、成果物を発注側へ納める 出荷判定 → 受入判定
以前のシステムからデータを移して切り替える 受入判定 → カットオーバー判定
毎週のように小さく出す リリース判定を自動チェックに置き換え、会議は基準を変えるときだけ開く

確かめて分かったこと

  • 22項目のうち必須は17項目(77%)になりました。必須と推奨を分ける質問に沿って振り分けると、推奨に残るのは「出したあとでも直せるもの」だけになります。
  • 判定を分けたのは未達の件数ではなく、区分と期限・担当の有無でした。推奨が2件未達の同じ状態から、期限と担当の2セルを空にしただけで判定が変わります。
  • 必須の未達があるときも、推奨の未達を一緒に出力しておくと再判定が1回で済みます。No-Go の出力に推奨の未達2件が並ぶので、解消する範囲を一度に決められます。
  • 合格率の基準は、数値だけだと判定できませんでした。「98%以上」に「不合格の全件にバグ票がある」を足して、残り2%の中身を確かめられる形にしています。
  • 判定基準の列に数値を書けない項目は、根拠資料の有無を基準にすると判定できます(例:「判断者・判断時刻・基準が手順書に書いてある」)。

つまずきやすい点と直し方

つまずき こうなる 直し方
基準を判定会議の場で決める 現在の値に合わせて基準が動く テスト計画の時点で基準を合意し、文書の版と合意日を資料に書く
全項目を会議で読み上げる 時間が足りず、未達の議論が浅くなる 資料は前日までに配り、会議では未達だけを扱う
「おおむね良好」と書く 人によって受け取り方が変わる 現在の値と基準との差を数字で書く
条件に期限がない リリース後に条件が忘れられる 期限・担当・間に合わなかったときの扱いを必ず書く
決裁者が当日不在 判定が持ち越しになる 代理の決裁者を事前に決め、資料に書いておく

よくある質問

Q. リリース判定とは何ですか? A. 本番に出してよいかを、事前に合意した基準と照らして決めることです。結果は Go/条件付きGo/No-Go のいずれかで、決裁者が承認して記録に残します。

Q. Go/No-Go判定と条件付きGoの違いは何ですか? A. 条件付きGoは、必須の基準はすべて満たし、推奨の未達に期限と担当を付けたうえで出す判定です。必須の未達がある場合は条件を付けても Go にはせず、No-Go とします。

Q. 残バグが何件までならリリースできますか? A. 決まった件数はなく、重要度ごとに上限を決めます。この記事の例では、致命的・重大は0件、中は回避策つきで3件以下、軽微は修正予定の版が決まっていれば上限なしとしています。

Q. リリース判定会議の資料には何を書けばよいですか? A. 判定サマリー、未達項目、条件、決裁欄の4つです。全項目のチェックリストと根拠資料は添付に回し、本体は1〜2ページに収めます。

Q. No-Goになったときはどうすればよいですか? A. 未達を解消する日と再判定の日をその場で決めます。再判定では全項目をやり直さず、未達だった項目と、延期によって値が変わる項目(告知、体制など)だけを確かめます。

まとめ

  • 判定基準は数値で事前に合意し、当日は基準との差だけを見る。
  • 必須の未達が1つでもあれば No-Go。推奨の未達は、期限と担当を付けて条件付きGo。
  • チェックリストは品質・残課題・移行/切り戻し・運用体制・合意の5分類で、項目ごとに根拠資料を決めておく。
  • 残バグの基準は重要度ごとの上限と条件で決める。
  • 会議の資料は判定サマリー・未達項目・条件・決裁欄。本体には未達だけを書く。
  • 判定のルールをコードや表にしておくと、当日に解釈が分かれない。

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(記載例)出典:株式会社RJC「リリース判定基準チェックリスト|Go/No-Goの項目と会議資料の型」

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