未経験からプログラマー・システムエンジニア(SE)になることは、2026年の今も十分にできます。多くの人はプログラマーとして入り、3年目に詳細設計、5年目に基本設計を含む開発全体を任されるSEへと進みます。この順番は、厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)にも「一般的には3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」「5年目頃には基本設計を含め開発全体ができるようになる」と書かれている、業界で広く共有された道筋です。 この記事は、受託開発(SIer)で未経験者を採用し、4か月の研修で育てている会社の立場から、プログラマーとSEの仕事の違い、SIerという働き方の実際、1日の流れ、入社後3年の道筋、年収の現実、研修で学ぶ順番、「きつい」と言われる点への答えを、省略なしで書いたものです。

確認日:2026年10月6日。仕事内容・就くまでの道筋・労働条件の記述は厚生労働省 jobtag の「プログラマー」「システムエンジニア(受託開発)」のページ、求人倍率は厚生労働省「一般職業紹介状況」と転職サービス doda の「転職求人倍率レポート」、業界の規模は JISA(情報サービス産業協会)「基本統計調査」と総務省「労働力調査」、年収は doda「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月のデータ、約60万人)、未経験採用の企業側の動きはレバテック「IT人材白書」を、確認日に開いて引用しています。1日の流れと向いている人の表は、採用する側の経験をもとに作った例で、会社や配属先によって異なります。

この記事の結論

知りたいこと 答え 根拠・補足
未経験からなれるか なれる。jobtag のプログラマーのページに「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない」「最近は文系出身のプログラマーも多い」とある 本文の「確かめて分かったこと」
プログラマーとSEの違い プログラマーは「SEが作成した詳細設計に基づきプログラムを作成する」人、SEは「顧客へのヒアリングから要件定義・設計・工程管理・テスト・納品後の保守まで」を担当する人 jobtag の両ページの記述を本文の表で対比
どちらから入るか 多くはプログラマーから。jobtag にも「プログラマーとして…経験を積んでから、なる場合もある」とある。SEとして入る場合も、最初の数年は開発の一部を担当する 本文の「どちらから入るか」
入社後3年で何が起きるか 研修(3〜4か月)→ OJT 約2年 → 3年目頃に詳細設計を一人で → 5年目頃に基本設計を含む開発全体 jobtag システムエンジニア(受託開発)
年収はいくらか 平均は SE/プログラマで 435万円(20代 394万円、30代 495万円、40代 576万円)。未経験の1年目は20代の平均より低いところから始まることが多い doda「平均年収ランキング」。1年目の目安は本文の「年収の現実」
SIer とは 顧客の情報システムの開発を引き受ける会社。売上の46.3%が SI サービス、従業員の74.7%がITエンジニア JISA「2025年版 基本統計調査」(300社)
求人は多いか エンジニア(IT・通信)の転職求人倍率は12.04倍で全職種の中で最も高い(2026年8月)。ハローワークでは SE 2.54倍、プログラマー 0.98倍 doda「転職求人倍率レポート」、jobtag
いつ応募するか 今すぐ。未経験者を採る会社は入社後の研修で育てる前提なので、学習を終えてから応募する必要はない 本文の「学ぶ順番」

プログラマーとSEの違い:jobtag の記述で比べる

「プログラマー」と「システムエンジニア(SE)」は、求人票では一緒に並ぶことが多い言葉です。違いは「どの工程を担当するか」と「誰と仕事をするか」にあります。厚生労働省の jobtag の記述をもとに、両者を並べます。

項目 プログラマー システムエンジニア(SE)
担当する工程 詳細設計に基づく実装(コーディング)、単体テスト、デバッグ。結合テスト・総合テストはSEと協働することもある 顧客へのヒアリング、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラマーへの依頼と工程管理、テスト計画、結合・総合テスト、納品、受け入れテスト、運用教育、保守
1日の中心 設計書を読み、コードを書き、動かして確かめる 顧客や社内と話し、決めたことを設計書に落とし、進み具合を管理する
相手 「顧客に直接接することは少ないが、顧客の内部情報に触れることもある」 顧客と要件を検討する。「顧客の事業所等で仕事をする場合もある」
求められる力 「効率的で整理された分りやすいプログラムを作成する、職人的な仕事」 「コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる」
一人前の目安 「詳細設計書を自分で読み解き、時にはその中の誤りを指摘できるレベルになるには、3〜4年かかるといわれる」 「一般的には3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」「5年目頃には基本設計を含め開発全体ができるようになる」
その先 チームリーダー→管理職、SEへの転身、営業、高度な技能を持つエキスパート 開発チームのリーダー→プロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャー、スペシャリスト、ITコンサルタント
有効求人倍率(ハローワーク、令和7年度) 0.98 2.54
求人賃金(月額、同) 33.9万円 36.4万円
就業形態(jobtag の「多いと感じる形態」) 正規の職員・従業員 53.3%、自営・フリーランス 40.0% 正規の職員・従業員 68.4%、自営・フリーランス 21.1%

2つ補足します。1つ目は、jobtag の年収・年齢・就業者数は、プログラマーとSE(受託開発)で同じ統計区分の値(578.5万円・37.1歳・389,760人)が示されているので、年収の違いは jobtag では読み取れないという点です。年収は本文の「年収の現実」で、民間調査の職種別の値を使います。2つ目は、求人倍率の差です。ハローワークではプログラマーを探す人のほうが求人よりやや多く(0.98)、SEは求人のほうが多い(2.54)状態です。「プログラマーの仕事が減っている」というより、求人票の職種名が「SE」で出されることが多い、と読むのが実態に近いです。

どちらから入るか:判断表

自分の状態 現実的な入口 理由
プログラミングをしたことがない プログラマー(または「SE・プログラマー」として募集している会社の開発職) jobtag に「配属後、半年から1年間程度、先輩プログラマーやSEなどの指導を受けながら、部分的なプログラムを担当したり等、プログラマーとしての経験を積んでゆく」とある。設計は実装を知ってからのほうが早い
独学やスクールで一通り学んだ プログラマー 設計書を読んで実装する経験が、設計を任される土台になる
前職で業務の流れを設計した経験がある(業務改善、手順書づくり、要件のとりまとめ) SE寄りの開発職も視野に SEに必要な業務知識と「全体を見通せる構想力」(jobtag)を前職で持っている
人と話して決めるのが得意で、コードは入社後に覚えたい SE寄りの開発職(ただし最初の数年は開発の一部を担当する) jobtag に「最初は与えられた開発の一部を担当し」とある。SEとして入ってもコードは書く

どちらで入っても、最初の1〜2年にやることは大きく変わりません。設計書を読み、小さな機能を実装し、テストをして、報告する。違いが出るのは3年目以降です。

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「未経験からシステムエンジニア・プログラマーになるには|違いと3年目までの道筋」

SIer とは:受託開発の会社で何が起きているか

未経験者の求人の多くは、SIer(システムインテグレーター)と呼ばれる会社から出ています。SIer は、顧客の情報システムの開発を引き受けて作る会社です。jobtag の「システムエンジニア(受託開発)」は、この会社で働くSEの仕事を次の流れで説明しています。

工程 やること(jobtag の記述を要約) 未経験者が関わり始める時期の目安
1. ヒアリング・要件定義 顧客の業務の流れ(伝票や書類の流れ、形式、量)や処理内容を把握し、何を作るかを顧客と決める。「この段階で顧客と認識にずれがあると、満足できるシステムができない」 4〜5年目(同席は2〜3年目から)
2. 基本設計 データベースの設計、外部システムとの連携、画面の構成を固める 5年目
3. 詳細設計 データの形式、処理の方法、操作画面の詳細を決める 3年目
4. 実装(プログラミング) 詳細設計書に基づいてコードを書く。SEは工程を管理する 1年目から(部分的な担当)
5. テスト 単体テスト(プログラマー)、結合テスト・総合テスト(SEと協働) 1年目から
6. 納品・受け入れテスト・運用教育・保守 顧客とともに受け入れテストを行い、使い方を教え、運用開始後の保守・管理も担当する 2年目から(保守・問い合わせ対応)

「中規模、小規模の開発であれば一人のSEで担当する場合も多い」ともあり、SIer のSEは、規模によって1〜6をすべて1人で見ることもあります。

業界の規模:どのくらいの人が働いているか

指標 数値 出典
情報通信業の就業者数 302万人(2025年平均、前年比+10万人。2023年278万人→2024年292万人) 総務省「労働力調査」2025年平均
情報サービス業の年間売上高 約17.9兆円(2024年、前年比105.5%)。うち受注ソフトウェアが約11.0兆円 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」2024年年計(JISA 掲載の集計)
JISA 正会員300社の合計 売上高約10.7兆円、従業員279,677人(1社平均932人)。従業員の74.7%がITエンジニア、売上の46.3%がSIサービス JISA「2025年版 情報サービス産業 基本統計調査」(2024年度決算)
同300社の採用と退職 新卒採用は従業員100人あたり4.85人、中途採用は100人あたり2.86人、退職(定年除く)は100人あたり3.99人。平均年齢41.2歳、女性比率24.3% 同上

JISA の数値は会員企業300社の集計で、業界全体ではありませんが、「毎年、従業員の5%近くを新卒で採り、3%近くを中途で採り、4%が辞めていく」という動きが見えます。未経験者を研修で育てる前提の会社が多いのは、この新陳代謝を前提に組織が作られているからです。

SIer・自社サービスの会社・社内SE の違い

項目 SIer(受託開発) 自社サービスの会社 社内SE
作るもの 顧客ごとに違うシステム 自社で運営する1つのサービス 一般企業の情報システム部門で、自社の業務システムの企画・導入・運用
未経験者の入口の広さ 広い。研修を前提にした採用が多い 狭い。経験者を前提にした募集が多い 狭い。情報システム部門は少人数のことが多い
最初に身につくもの 設計書の読み方、工程の進め方、複数の業種の業務知識 1つのサービスの深い知識、改善の速さ 社内調整、ベンダーとのやり取り
働く場所 自社、または「顧客の事業所等で仕事をする場合もある」(jobtag) 自社 自社
向く人 いろいろな業種のシステムを見たい人、設計まで行きたい人 1つのものを育てたい人 会社の業務を内側から支えたい人

未経験からの入口として現実的なのは SIer です。自社サービスや社内SEは、SIer で3〜5年の経験を積んでから移る人が多い、というのが採用する側から見た順番です。

1日の流れ(例):1年目のプログラマーと、3年目のSE

「実際に何をして1日が終わるのか」は、求人票にも jobtag にも書かれていません。採用する側の経験をもとにした例を、2つ並べます。会社や配属先によって違います。

1年目のプログラマーの1日(例)

時刻 やること 補足
9:00 朝会(5〜15分)。昨日やったこと・今日やること・困っていることを1分で話す 「困っていること」を言えるかどうかで、1年目の伸びが変わる
9:15 設計書を読み、担当する機能の処理を確認する 分からない用語は30分調べ、それでも分からなければ質問をまとめて先輩に聞く
10:00 実装。小さな機能の修正、または新しい処理の一部を書く 書いたら必ず動かす。動かないときはエラーメッセージを読むところから
12:00 昼休み
13:00 単体テスト。テスト項目に沿って動作を確認し、結果を記録する 「どこまで確かめたか」を書き残す習慣が、2年目以降に効く
15:00 レビューを受ける。指摘を一覧にして直す 指摘は「直す場所が分かった」こと
16:30 不具合の調査、資料の修正、進み具合の報告 遅れそうなら、その日のうちに伝える
17:30 日報。学んだこと・つまずいたこと・明日やることを書く 研修で続けていた学習ログと同じ形でよい
18:00 退社 jobtag には「開発期限が迫っていたり、開発に問題が生じたような場合は、休日や夜間に仕事をすることもある」とある。1年目は担当範囲が小さいので、山は先輩より小さい

3年目のSEの1日(例)

時刻 やること 補足
9:00 朝会。チームの進み具合と、今日の確認事項を整理する 1年目の人の「困っていること」を受け止める側になる
9:30 顧客との打ち合わせ(週1〜2回)。変更の要望を聞き、影響範囲を答える 「その場で答えられないことは持ち帰る」と決めておく
11:00 詳細設計書を書く。データの形式、処理の方法、画面の項目を決める 「3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」(jobtag)のはこの作業
12:00 昼休み
13:00 実装(自分の担当分)と、プログラマーが書いたコードのレビュー 書く量は1年目より減り、読む量が増える
15:00 テスト計画の作成、結合テストの準備 工程の管理が仕事に入ってくる
16:30 進み具合の整理、顧客への報告資料、翌日の打ち合わせの準備
18:00 退社。納期前は遅くなる日もある 「仕事の山を過ぎたところで、まとまった休日を取るということがよく行われている」(jobtag)

1年目と3年目で変わるのは「書く」から「決める・読む・伝える」への比重です。コードを書く時間は3年目のほうが短くなりますが、書けない人には設計もレビューもできません。1年目に書く時間を確保することが、3年目の仕事の土台になります。

入社後3年の道筋:研修 → OJT → 詳細設計 → 基本設計

jobtag のシステムエンジニア(受託開発)のページにある道筋を、年次ごとに「やること」「学ぶこと」「任される範囲」で整理します。

時期 やること 学ぶこと 任される範囲
入社〜4か月(研修) 言語の基礎、データベース、Web の仕組み、小さなアプリの作成、設計・テストの考え方 jobtag:「入社後の3〜4ヵ月は新人研修を受けて、社会人として仕事をするためのビジネススキルやSEに求められるDX技術の知識を習得する」 研修の課題
1年目(配属〜) 設計書を読んで小さな機能を実装、単体テスト、不具合の調査、資料の修正 jobtag:配属後2年ほどは OJT で応用力を身につける(要約)。「最初は与えられた開発の一部を担当し」 機能の一部。レビューを受けて直す
2年目 機能単位の実装、結合テスト、保守・問い合わせ対応、後輩の質問に答える 設計書の「なぜ」を読む。顧客の業務の流れ 機能1つ。見積もりの一部
3年目 詳細設計を書く、プログラマーへの依頼、レビューする側に回る jobtag:「一般的には3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる」 小さな案件の設計から実装まで
4〜5年目 基本設計、顧客との要件の検討、工程の管理 jobtag:「5年目頃には基本設計を含め開発全体ができるようになる」 開発全体。チームのリーダー

この道筋は「必ずこうなる」ではなく、「多くの会社がこの順で任せていく」という目安です。研修が数日で終わる会社では、1年目に書く時間が減り、3年目の設計が遠くなります。求人票で研修の期間と内容を確認する理由は、ここにあります。

年収の現実:1年目の目安と、年代別の平均

年収は「どの職種の、どの年代の、何の平均か」をそろえないと比べられません。転職サービス doda の「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月のデータ、約60万人、2025年12月1日公開)から、開発職に近い職種の全体と年代別の平均を並べます。

職種(doda の分類) 全体 20代 30代 40代
SE/プログラマ 435万円 394万円 495万円 576万円
システム開発/運用 489万円 404万円 516万円 628万円
Webサービスエンジニア 452万円 397万円 515万円 638万円
プロジェクトマネジャー 707万円 517万円 705万円 855万円
技術系(IT/通信)全体 469万円 ― ― ―

読み方は3つです。

  1. 未経験の1年目は、20代の平均より低いところから始まることが多い。 20代の平均には経験3〜5年の人が含まれます。ハローワークの求人賃金(月額)は、プログラマー33.9万円、SE 36.4万円(jobtag、令和7年度)で、これも全経験年数の平均です。確認日に求人サイトの一覧で見た未経験歓迎の求人では、月給23万円台から、年収で300万円台からの提示が目立ちました。
  2. 上がり方は年代と役割で決まる。 SE/プログラマは20代から40代で約180万円上がり、プロジェクトマネジャーのように役割が変わると大きく動きます。3年目の詳細設計、5年目の基本設計という道筋が、そのまま年収の上がり方です。
  3. 1年目の額だけで会社を比べない。 昇給が年何回か、賞与が何か月分か、2年目・3年目のモデルがあるかを、求人票と面接で確かめてください。

参考として、この記事を書いている RJC の募集要項に載っている給与モデルを、同じ年代の平均と並べます(募集要項は確認日に開いた内容)。

段階(RJC の給与モデル) 年収 doda の同年代・同職種の平均
未経験・1年目(PG 20代初年度、月給25万3千円) 308万〜322万円 20代 SE/プログラマ 394万円(経験者を含む平均)
PG 20代・2年経験 398万〜418万円 20代 SE/プログラマ 394万円
SE 20代・5年経験 434万〜464万円 20代 SE/プログラマ 394万円、全体 435万円
リーダー 30代・7〜9年経験 560万〜652万円 30代 SE/プログラマ 495万円
PM 40代・20年経験 927万〜997万円 40代 プロジェクトマネジャー 855万円

学ぶ順番:入社前は任意、研修で学ぶのはこの順

未経験者を研修で育てる会社に応募するなら、学習を終えてから応募する必要はありません。研修の中身は会社によって大きく違うので、確かめるべきなのは自分の学習量ではなく、応募先の研修の期間と内容です。研修が充実している会社では、おおむね次の順番で学びます。SIer の開発職なら、言語は Java から始まることが多く、データベースと設計書の読み書きが早い段階で入ります。

段階 学ぶこと 身につくこと 3年の道筋のどこで使うか
1 開発環境と1つの言語の基礎(Java の文法、デバッグ) 書いたものを動かして、エラーを直せる 1年目の実装
2 プログラムの構造(クラス、オブジェクト指向の考え方) 部品に分けて作れる、人のコードを読める 1年目のレビュー、2年目の機能単位の担当
3 データベースと SQL データを保存し、取り出し、集計できる 1年目から。3年目の詳細設計(データの形式)
4 Web の仕組み(HTTP、画面と処理の分担) 画面から入力を受けて保存し、表示できる 1年目の画面の修正
5 フレームワーク(Spring Boot など)を使った小さなアプリ 仕事で使う形に近いものを一通り作れる 2年目の機能単位の実装
6 設計書の読み書き・テスト・チームでの進め方(レビュー、Git) 仕様を読んで実装し、確かめて、報告できる 1年目のテスト、3年目の詳細設計
7 生成AIを使った開発の進め方 AI に頼み、出力を確かめ、説明できる 1年目から

入社までに何か触っておくなら、1→3→4 の順で、1日30分でも十分です。言語は応募したい求人票を5件見て、いちばん多く書かれているものにしてください。

資格は必要か

結論は「必須ではなく、入社後でも間に合う」です。jobtag のプログラマーのページには「必須ではないが、基本情報技術者等の資格を持っていると入職時に有利になる」、SEのページには「基本情報処理技術者試験や応用情報技術者試験を受ける者もいる」とあります。順番としては、1年目に基本情報技術者、3年目前後に応用情報技術者が、仕事の内容と重なります。

資格 身につくもの 道筋のどこと重なるか 令和7年度の応募者数・合格率
ITパスポート試験 IT・経営・セキュリティの用語全般 研修の前後。用語の土台 応募者307,266人、合格率48.6%(IPA)
基本情報技術者試験 アルゴリズム、プログラミングの考え方、ネットワーク・データベースの基礎 1年目〜2年目。実装と単体テスト 応募者172,217人、合格率38.3%(IPA)
応用情報技術者試験 設計・マネジメント・経営まで含む応用 3年目前後。詳細設計からリーダーへ ―

資格の勉強のために応募を遅らせる必要はありません。

「きつい」「やめとけ」と言われる点への答え

検索結果には「システムエンジニアは未経験だときつい」という記事が並びます。採用する側として、きつさの中身と、入社前にできる対処を分けて書きます。

言われること 実態(jobtag の記述と、採用側の見方) 入社前にできる対処
納期前は残業が多い jobtag に「開発しているシステムの納期が迫っているときは忙しく」「仕事の山を過ぎたところで、まとまった休日を取るということがよく行われている」とある。山はあるが、1年目の担当範囲は小さい 求人票の年間休日と「完全週休2日」かを見て、面接で「配属先による差」を確かめる
1年目はコードを書けない 最初は読む・確かめる・報告するが中心。これは「書けない」のではなく「書く前の土台を作る時期」 本文の「入社後3年の道筋」を先に知っておく
覚えることが多すぎる 言語・業務知識・ツール・進め方を同時に覚える時期が最初にある。研修がある会社では、順番が決まっている 研修の期間と内容を求人票で確認する
配属先が選べない 未経験の1年目は、育てやすい配属先を会社が選ぶことが多い。希望は面接と配属前の面談で伝える 「配属はどう決まるか」「配属後に相談できる人は誰か」を面接で聞く
SIer は下請けで年収が低い 年収は会社と役割で決まる。年代別の平均と、2年目以降のモデルを見る 本文の「年収の現実」。1年目の額だけで比べない
増えすぎ・いらないと言われる 応募者は多いが、育てる前提で採る会社も多い。レバテック「IT人材白書2026」では、未経験者(新卒除く)を採用している企業が28.4%、検討中が45.0% 入口の職種と働き方の希望を、自分で決めてから応募する

「きつい」の中身の多くは、入社前に求人票と面接で確かめられる項目に置き換えられます。確かめたうえで選んだ人には、「想定どおり」になります。

向いている人:プログラマー寄りか、SE寄りか

どちらも「分からないことに自分で向き合えるか」が土台ですが、そのうえで向き不向きが分かれます。合否ではなく、入口を選ぶ材料として使ってください。

問い 「はい」が多いなら
1つのことに集中して、動くまで試し続けるのが苦にならない プログラマー寄り
細かい違い(数字のずれ、表記の違い)に気づくほうだ プログラマー寄り
人の話を聞いて、要点を整理して書くのが得意だ SE寄り
予定を立てて、人に進み具合を確認するのが苦にならない SE寄り
相手によって説明の仕方を変えられる SE寄り
同じ作業を繰り返すと「楽にできないか」と考える どちらにも向く
分からないことを、調べたうえで人に聞ける どちらにも向く(この1つが最も大切)

jobtag はSEに、情報システムの技術知識や業務知識に加えて「全体を見通せる構想力、問題を発見し解決する能力」などを挙げ、プログラマーには「効率的で整理された分りやすいプログラムを作成する、職人的な仕事」を期待しています。どちらに寄っていても、最初の数年にやることは同じなので、今の答えで入口を決め切る必要はありません。

30代・第二新卒・新卒から目指す場合

立場 採用側から見た実態 入社後に生きるもの
新卒 JISA 正会員300社の新卒採用は従業員100人あたり4.85人(2025年4月採用)。研修を前提に採る会社が最も多い 学ぶ時間の長さ。研修と OJT の2年をフルに使える
第二新卒(社会人1〜3年) 「ポテンシャル採用」の枠で、新卒に近い扱いで採る会社が多い 社会人の基礎(報告・連絡・相談)。前職の業務の流れ
20代後半〜30代前半 レバテック「IT人材白書2025」では、未経験採用で最も多い年齢層は20代後半34.8%、20代前半28.7%、30代前半22.8% 前職の業務知識、調整力、資料作成力。jobtag に「IT以外の様々な業界の経験や知識も生かせる」とある
30代後半〜 同調査で30代後半は5.1%と少なくなる。前職の専門性が生きる分野を選ぶと道が開ける マネジメント、顧客対応、改善の経験。SE寄りの入口が現実的

jobtag のSEのページにも「他業界からの転職者も比較的多い」とあります。30代で大切なのは、前職を捨てて0から始めるのではなく、「前職の業務知識に技術を足す」という見方です。年齢を理由に応募を先延ばしにすると、その分だけ入社時の年齢が上がるので、迷っているなら今週応募するほうが有利です。

生成AI時代のプログラマーとSE

「AIがコードを書くなら、プログラマーの仕事はなくなるのか」という問いに、jobtag のプログラマーのページは「生成AIによるプログラムも年々、質が良いものになっており」としたうえで、「このような中、プログラマーはエンジニアとしてシステム全体の開発を担当するようになったり、プログラミングの技を磨き、開発になくてはならない役割を果たすようになったり」「ブロックチェーン、AI、ゲームなど特定分野の専門性を活かし活躍している人もいる」と答えています。採用する側の見方も同じです。

変わるもの 変わらないもの
コードを「書く」時間は短くなる。雛形はAIが出す 設計書を読んで、何を作るかを理解する力
1年目から生成AIを使う前提で研修が組まれる 出力が正しいかを動かして確かめる力、説明する力
3年目の「詳細設計」で、AIに何を頼み何を自分で決めるかの切り分けが仕事になる 顧客と要件を決める力、工程を管理する力(SEの中心はここ)

IPA は2024年7月、ソフトウェアエンジニアを含む人材類型について、生成AIを「活用する」場合の行動例を DX推進スキル標準に加えています。未経験者に求められるのは、AIに頼み、出力を確かめ、説明できることで、これは1年目の「読む・確かめる・報告する」の延長にあります。

確かめて分かったこと(2026年10月6日の公開データ)

この記事を書くにあたり、確認日に次の公開情報を開いて確かめました。

厚生労働省 jobtag「プログラマー」「システムエンジニア(受託開発)」

項目 プログラマー システムエンジニア(受託開発)
学歴・資格 「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない」「最近は文系出身のプログラマーも多い」 「大卒や大学院卒(修士)が多く…理系のイメージが強いが文系も多い」。学歴は大卒84.6%が最多
入職後 「配属後、半年から1年間程度、先輩プログラマーやSEなどの指導を受けながら、部分的なプログラムを担当したり等、プログラマーとしての経験を積んでゆく」 「入社後の3〜4ヵ月は新人研修」、配属後2年ほど OJT(要約)、「3年目頃には一人で詳細設計」「5年目頃には基本設計を含め開発全体」
有効求人倍率(令和7年度) 0.98 2.54
求人賃金(月額、令和7年度) 33.9万円 36.4万円
就業形態(多いと感じる形態) 正規の職員・従業員 53.3%、自営・フリーランス 40.0% 正規の職員・従業員 68.4%、自営・フリーランス 21.1%
働く場所 「東京や大阪を中心とする大都市とその周辺で就業することが多い」 「多くが東京や大阪の大都市圏に集中している」「顧客の事業所等で仕事をする場合もある」
年齢層 「就業者は男性の割合が高く、20歳代後半から40歳代が多い」 同左

求人倍率と業界の規模

項目 数値 出典
転職求人倍率 エンジニア(IT・通信) 12.04倍(全職種で最高。全体は2.86倍、業種「IT・通信」は7.47倍) doda「転職求人倍率レポート」2026年8月(2026年9月17日発表)
有効求人倍率 情報処理・通信技術者 1.33(常用・含パート、原数値。職業計は1.06) 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年8月分
情報通信業の就業者数 302万人(2025年平均、前年比+10万人) 総務省「労働力調査」
情報サービス業の年間売上高 約17.9兆円(2024年、前年比105.5%) 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(JISA 掲載)
JISA 正会員300社 売上高約10.7兆円、従業員279,677人、ITエンジニア74.7%、SIサービス46.3%、新卒採用4.85人/100人、中途採用2.86人/100人、退職3.99人/100人、平均年齢41.2歳 JISA「2025年版 基本統計調査」

未経験採用をする企業側の動き(レバテック「IT人材白書」)

2025年版は2024年11月調査、2026年版は2026年1月28日公開で、いずれも企業の採用担当者1,000名への調査です。

項目 2025年版 2026年版
未経験者(新卒除く)の採用状況 採用している39.4%、検討中31.2%、採用していない29.4% 採用している28.4%、検討中45.0%、採用していない26.6%
採用を始めた理由(上位) 経験者採用が難しくなっている50.8%、ポテンシャルの高い人材は多い40.1%、採用コストを抑えられる35.0%、成長意欲の高い人が多い34.3% 経験者採用が難しくなっている46.5%、ポテンシャルの高い人材が多い40.8%、成長意欲の高い人材が多い37.7%
採用の課題(上位) スキルや能力の見極めが難しい55.3%、教育・育成の工数33.2%、技術習得に時間29.7% 見極めが難しい51.1%、母集団形成が難しい32.4%、教育・育成の工数32.4%
最も多い年齢層(2025年版) 20代後半34.8%、20代前半28.7%、30代前半22.8%、30代後半5.1% ―

よくある質問

プログラマーとSEは、どちらが上ですか

上下ではなく、担当する工程の違いです。jobtag では、プログラマーは「SEが作成した詳細設計に基づきプログラムを作成する」、SEは要件定義から設計・工程管理・納品後の保守までを担当するとされています。求人賃金はSEのほうがやや高く(36.4万円と33.9万円)、多くの人はプログラマーから始めてSEへ進みます。

未経験からSEになるには何年かかりますか

jobtag の記述では、3〜4か月の研修と2年ほどの OJT を経て、3年目頃に一人で詳細設計を書けるようになり、5年目頃に基本設計を含む開発全体ができるようになります。「SEとして採用される」のは入社時でも、「SEの仕事を一人でできる」のは3〜5年目、と分けて考えてください。

SIer はやめとけと言われますが、本当ですか

SIer は、未経験者の入口として最も広い働き方です。jobtag の受託開発SEのページには「他業界からの転職者も比較的多い」とあり、JISA の会員300社は毎年従業員の5%近くを新卒で採っています。きつさの中身(納期前の忙しさ、1年目の地味な仕事、配属)は本文の表のとおり、求人票と面接で確かめられる項目です。

文系でもプログラマー・SEになれますか

なれます。jobtag のプログラマーのページに「最近は文系出身のプログラマーも多い」、SEのページに「理系のイメージが強いが文系も多い」とあります。SEに必要な「対象業界の業務知識」「コミュニケーション能力」は、文系の前職で身につけている人が多い力です。

未経験のプログラマーの年収はいくらですか

doda「平均年収ランキング」(2024年9月〜2025年8月)では SE/プログラマの平均が435万円、20代は394万円です。未経験の1年目はこれより低いところから始まることが多く、確認日に見た未経験歓迎の求人では月給23万円台・年収300万円台からの提示が目立ちました。3年目の詳細設計、5年目の基本設計と役割が上がるにつれて、30代平均495万円、40代平均576万円の水準に近づきます。

資格は先に取るべきですか

必須ではありません。jobtag にも「必須ではないが、基本情報技術者等の資格を持っていると入職時に有利になる」とあるだけです。1年目に基本情報技術者、3年目前後に応用情報技術者を目指すと、仕事の内容と重なって無理がありません。

30代未経験でもプログラマー・SEになれますか

なれます。レバテック「IT人材白書2025」では、未経験採用で最も多い年齢層として30代前半を挙げた企業が22.8%ありました。30代後半は5.1%と少なくなるので、前職の業務知識が生きる分野を選び、SE寄りの入口も視野に入れてください。

プログラマーの仕事は生成AIでなくなりますか

なくなるのではなく、中身が変わります。jobtag は、生成AIのプログラムの質が上がる中で、プログラマーは「システム全体の開発を担当するようになったり、プログラミングの技を磨き、開発になくてはならない役割を果たすようになったり」している、と書いています。コードを書く時間は短くなり、設計書を読む力、出力を確かめる力、説明する力の比重が上がります。

新卒・第二新卒でSEを目指すには何をすればいいですか

学習を終えてから応募する必要はありません。研修の期間と内容が求人票に書いてある会社を選び、応募してください。入社までに触っておくなら、言語の基礎→データベース→Web の仕組みの順で、1日30分で十分です。

RJC で未経験からプログラマー・SEになる場合

最後に、この記事を書いている RJC(株式会社RJC)の場合を、募集要項と入社時研修の内容から書いておきます。本文の「入社後3年の道筋」を、自社の制度で答える形です。

項目 RJC の場合
募集職種 プログラマー/システムエンジニア、テックリード/アーキテクト、リーダー/プロジェクトマネージャー。学歴不問、業界未経験者歓迎
入社時研修 4か月・12段階。Java の基礎から、オブジェクト指向、データベースと SQL、Web の基礎、Spring Boot、JavaScript・React・Next.js と進み、最後の段階で設計・実装・単体テストのサイクルを手で回したあと、同じサイクルを AI と一緒に回せるようにする
研修のあと 10年育成プログラムとして、技術研修・設計研修・昇進研修が続く。600本以上の動画講座と、書籍購入費用の会社負担
これまで 500名以上の未経験者を育ててきた。他業種からの転職者が多い
給与の見通し 未経験・1年目は年収308万〜322万円。PG 2年経験のモデルは398万〜418万円、SE 5年経験は434万〜464万円。昇給年1回、賞与年2回
休日・働き方 年間休日127日、完全週休2日制(土日)。本社は東京都千代田区飯田橋
選考 面談のあと、短い体験会でプログラミングとの相性を一緒に確かめる。知識の量を試すものではないので、事前に何かを仕上げておく必要はない

応募は今日からで構いません。学ぶのは入社後の研修で、採用した担当者が研修の修了まで一緒に伴走します。

参考・出典

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「プログラマー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「システムエンジニア(受託開発)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/312 (2026-10-06 確認)
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表 https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001753011.pdf (2026-10-06 確認)
  • doda「転職求人倍率レポート(2026年8月)」 https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ および職種別・業種別データ https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/data/ (2026-10-06 確認)
  • doda「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)」2024年9月〜2025年8月・約60万人・2025年12月1日公開 https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/ (2026-10-06 確認)
  • JISA「2025年版 情報サービス産業 基本統計調査」 https://www.jisa.or.jp/Portals/0/report/basic2025report.pdf (2026-10-06 確認)
  • JISA 掲載 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」2024年年計 https://www.jisa.or.jp/Portals/0/resource/statistics/dotai2024.pdf (2026-10-06 確認)
  • 総務省「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/gaiyou.pdf (2026-10-06 確認)
  • レバテック「IT人材白書2025」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2025.pdf および「IT人材白書2026」 https://levtech.jp/files/doc/levtech_research_2026.pdf (2026-10-06 確認)
  • IPA「令和7年度 iパス(ITパスポート試験)の年間応募者数等について」 https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/ip-oubo2025.html (2026-10-06 確認)
  • IPA「情報処理技術者試験 統計資料(基本情報技術者試験)令和8年3月分」 https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/ps6vr70000016ew6-att/202603_fe_toukei.pdf (2026-10-06 確認)
  • IPA プレス発表「DX推進スキル標準に生成AIに関する補記などを追加」(2024年7月8日) https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2024/press20240708.html (2026-10-06 確認)
  • 株式会社RJC「採用情報」 https://www.r-jc.jp/recruitment/ (2026-10-06 確認)

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(記載例)出典:株式会社RJC「未経験からシステムエンジニア・プログラマーになるには|違いと3年目までの道筋」

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