朝会(デイリースクラム)とは、チームが毎日15分で「ゴールに向けて進んでいるか」を確かめ、今日1日の作業計画を合わせる場です。上司への報告の場ではなく、作業する人どうしが計画を調整するための時間、というのが出発点になります。

この記事では、そのまま使える15分のアジェンダ3種類、司会の進行台本、脱線したときの切り返しフレーズ、チャットに貼れる非同期朝会のテンプレートをまとめました。あわせて、よく知られた「3つの質問」がスクラムガイドでどう扱われてきたかを、2017年版と2020年版の記述を並べて示します。

確認環境:スクラムガイド2017年版・2020年版の日本語版PDFと改訂履歴ページ(いずれも scrumguides.org)を2026年10月5日に開いて確認しました。時間配分の計算は Python 3.11 で実行しています。

朝会の早見表

項目 内容 根拠
目的 スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリントバックログを適応させる スクラムガイド2020
時間 15分 スクラムガイド2020
参加者 スクラムチームの開発者(作業する人) スクラムガイド2020
頻度と場所 スプリント期間中は毎日、同じ時間・場所 スクラムガイド2020
進め方の形式 開発者が選ぶ。ゴールへの進捗に焦点をあて、次の1日の実行可能な計画ができればよい スクラムガイド2020
3つの質問 2017年版では「例」として掲載。2020年版には載っていない 両版の対比(次の章)
終わったときにあるもの 今日の作業計画、妨げになっていることの一覧、朝会後に話す件と参加者 よく使われるやり方
立って行うか スクラムガイドに定めはない。短く終えるための工夫として広まったやり方 よく使われるやり方
やりたいこと 使うもの この記事の章
まず形を決めたい 15分アジェンダ3種類 15分アジェンダ3種類
司会を任された 進行台本 司会の進行台本
話が長引く 切り返しフレーズ一覧 脱線時の切り返しフレーズ一覧
集まる時間が合わない 非同期朝会の投稿テンプレート 非同期朝会の投稿テンプレート
マンネリを感じる 症状別の早見表 形骸化の症状別早見表

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「朝会(デイリースクラム)の進め方|アジェンダとテンプレート集」

「3つの質問」の位置づけ:スクラムガイド2017と2020の対比

「昨日やったこと・今日やること・困っていること」の3つの質問は、朝会の定番として広く知られています。ただ、スクラムガイドの中では、3つの質問は2017年版の時点で「例」であり、2020年版では記述そのものがなくなりました。

観点 スクラムガイド2017 スクラムガイド2020
位置づけの一文 「デイリースクラムとは、開発チームのための15分間のタイムボックスのイベントである」 「デイリースクラムは、スクラムチームの開発者のための15分のイベントである」
目的の書き方 「次の24時間の作業を計画する」「スプリントゴールとスプリントバックログの進捗を検査する」 「スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリントバックログを適応させる」
進め方の決め方 「デイリースクラムの構成は、開発チームが設定する。スプリントゴールを目指している限り、他のやり方で行なっても構わない」 「スプリントゴールの進捗に焦点をあて、これからの1日の作業の実行可能な計画を作成する限り、必要な構造とやり方を選択できる」
3つの質問 「たとえば、以下のような例を使用するといいだろう」として3問を掲載 掲載なし
質問の文面 「開発チームがスプリントゴールを達成するために、私が昨日やったことは何か?」など、3問すべてがスプリントゴールに結び付けられている ―
参加者の呼び方 開発チーム 開発者(プロダクトオーナーやスクラムマスターも、スプリントバックログのアイテムに取り組んでいれば開発者として参加)
朝会後の話し合い 「デイリースクラムの終了直後に集まり、…詳細な議論・適応・再計画を行うこともある」 「より詳細な議論をするために、開発者は一日を通じて頻繁に話し合う」

scrumguides.org の改訂履歴ページでは、2017年版から2020年版への変更点の1つ目に「Even Less Prescriptive(指示的な記述をさらに減らした)」が挙げられ、その例としてデイリースクラムの質問を取り除いたことが書かれています。

ここから読み取れることは3つです。

  • 3つの質問は「使ってはいけない」ものになったわけではありません。2020年版は形式を開発者に委ねているので、質問形式を選ぶのも自由です。
  • 形式より先に決まっているのは、焦点(スプリントゴールへの進捗)と成果(次の1日の実行可能な計画)の2つです。どの形式でも、この2つが満たせているかで見直します。
  • 2017年版の質問は、3問とも「スプリントゴールを達成するために」で始まっていました。「昨日やったこと」を並べるだけの使い方は、もとの文面から「ゴール」が抜け落ちた形だといえます。

15分の時間配分を先に決める

形式を選ぶ前に、1人あたりの持ち時間を数字で持っておくと、進行がぶれません。開始1分(ゴールと残り日数の確認)と締め2分(計画の確認と、朝会後に話す件の整理)を除いた12分を人数で割ります。

# 15分の朝会で、1人あたり何秒話せるかを計算する
TOTAL = 15 * 60      # 全体 15分
OPENING = 60         # 開始:ゴールと残り日数の確認
CLOSING = 120        # 締め:今日の計画の確認と、朝会後に話す件の整理

print("人数  1人あたり")
for n in range(3, 11):
    per = (TOTAL - OPENING - CLOSING) // n
    print(f"{n:>3}人  {per // 60}分{per % 60:02d}秒")

実行結果:

人数  1人あたり
  3人  4分00秒
  4人  3分00秒
  5人  2分24秒
  6人  2分00秒
  7人  1分42秒
  8人  1分30秒
  9人  1分20秒
 10人  1分12秒

6人なら1人2分、8人なら1分30秒です。8人を超えると1人ずつ順番に話す形式では時間が足りなくなりやすいので、後述の「ボードを右から歩く形式」や「ゴール起点形式」のように、人ではなく作業やゴールを軸にする形式が合います。

15分アジェンダ3種類

3つとも、スクラムガイドに定められた手順ではなく、よく使われるやり方です。どれを選んでも、最後に「今日の計画」が残るように組んであります。

形式1:質問形式(1人ずつ3問に答える)

2017年版の例に沿った、もっとも始めやすい形式です。質問の文面に「ゴール」を残すのがポイントです。

時間 やること 発言の型
0:00〜1:00 スプリントゴールと残り日数を読み上げる 「ゴールは○○、残り△日です」
1:00〜13:00 1人ずつ3問に答える(6人なら1人2分) 下の3問
13:00〜14:00 妨げの一覧と、朝会後に話す件・参加者を確認 「このあと話すのはAとB。Aは佐藤さんと田中さん」
14:00〜15:00 今日の計画を一言で確認して終了 「今日は予約変更APIのレビューを通すのが山です」

質問は次の3つです。

1. ゴールに向けて、前回の朝会から何を終えましたか
2. ゴールに向けて、今日は何を終えるつもりですか
3. ゴールに向けて進むうえで、妨げになっていることはありますか

「何をやったか」ではなく「何を終えたか」と聞くと、作業の列挙ではなく完了の報告になり、短くまとまります。

形式2:ボードを右から歩く形式(作業を軸にする)

タスクボード(カンバン)を画面に映し、完了にいちばん近い右端の列から順に、カード1枚ずつ確認していく形式です。人ではなく作業が主語になるため、「誰が忙しいか」ではなく「どのカードが止まっているか」が見えます。

時間 やること 発言の型
0:00〜1:00 スプリントゴールと残り日数を確認 「ゴールは○○、残り△日です」
1:00〜4:00 「確認待ち」「レビュー中」の列(右端)を1枚ずつ 「このカードを完了にするのに、あと何が必要ですか」
4:00〜10:00 「作業中」の列を1枚ずつ 「今日中に右へ動きますか。動かない理由は何ですか」
10:00〜12:00 「未着手」の列から、今日取りかかるカードを決める 「手が空く人は、どれを取りますか」
12:00〜14:00 ボードに載っていない作業と妨げを確認 「ボードにない作業をしている人はいますか」
14:00〜15:00 朝会後に話す件と参加者を確認して終了 「このあと話すのはAだけです」

右から始める理由は、新しい作業を始めるより、進行中の作業を終わらせるほうがゴールに近づくからです。時間が足りなくなっても、完了に近いカードの確認は済んでいる、という利点もあります。

形式3:ゴール起点形式(ゴールから逆算する)

スプリントゴール(スクラムでないチームなら、今週の目標)を最初に置き、「今日1日でゴールにいちばん近づく動き方は何か」をチームで決める形式です。2020年版の「ゴールへの進捗に焦点をあて、次の1日の実行可能な計画を作る」という書き方に、もっとも素直に沿っています。

時間 やること 発言の型
0:00〜2:00 ゴールを読み上げ、達成の見込みを全員が指の本数(5〜1)で示す 「5が十分届く、1が届かない。せーの」
2:00〜6:00 低い数を出した人から理由を聞く 「2を出した理由を30秒でお願いします」
6:00〜12:00 ゴールに届くために今日やることを決める(誰が・何を・誰と) 「見込みを1つ上げるには、今日何を終えればよいですか」
12:00〜14:00 妨げと、チームの外に頼むことを確認 「チームの外に頼むことはありますか」
14:00〜15:00 今日の計画を読み上げて終了 「今日は3つ。①… ②… ③…」

3形式の選び方

観点 質問形式 ボードを右から歩く形式 ゴール起点形式
軸 人 作業(カード) ゴール
向いている人数 3〜7人 5〜10人 3〜8人
必要な準備 なし 最新の状態のタスクボード 文章になったゴール
得意なこと 全員が必ず発言する 止まっている作業が見つかる 計画の組み直しが早い
気をつけること 作業の列挙になりやすいので、質問に「ゴール」を入れる ボードにない作業が見えにくいので、最後に聞く ゴールがあいまいだと話が広がるので、ゴールを1文にしておく
始めやすさ 高い 中 中

迷ったら、質問形式で始め、慣れてきたら週に1回だけ別の形式を試すと、チームに合う形が見つかります。

司会の進行台本(質問形式・6人の例)

司会は固定せず、日替わりで回すと全員が進行を覚えます。スクラムガイド2020では、形式を選ぶのは開発者自身です。次の台本は、初めて司会をする人がそのまま読めるように書いてあります。架空の「備品予約システム」を作るチームを想定しています。

【開始 0:00】
司会:「おはようございます。9時30分になったので始めます。15分で終わります。」
司会:「今のスプリントゴールは『利用者が自分の予約を変更できる』です。残り4日です。」
司会:「1人2分でお願いします。2分たったら声をかけます。今日は田中さんからお願いします。」

【1人ずつ 1:00〜13:00】
田中:「昨日、予約変更APIを終えてレビューに出しました。今日は画面側のつなぎ込みを終えます。妨げはありません。」
司会:「ありがとうございます。次は佐藤さんお願いします。」
佐藤:「昨日は通知メールの文面を進めましたが、まだ終わっていません。今日中に終えます。
   妨げは、文面の確認先が決まっていないことです。」
司会:「確認先の件は、朝会のあとに話しましょう。メモしておきます。次は鈴木さんお願いします。」
(以下、全員が終わるまで同じ流れ)

【まとめ 13:00〜14:00】
司会:「妨げは2件でした。①通知メールの確認先、②検証環境のデータ不足。」
司会:「朝会のあとに話すのは①と②です。①は佐藤さんと高橋さん、②は鈴木さんと私で話します。
   ほかの人は作業に戻ってください。」

【締め 14:00〜15:00】
司会:「今日の山は、予約変更APIのレビューを午前中に通すことです。レビューは伊藤さんにお願いします。」
司会:「ゴールに届きそうかどうか、気になる人はいますか。……なければ終わります。明日の司会は佐藤さんです。」

台本のポイントは4つです。

  • 開始時刻ちょうどに始める。そろうのを待つと、開始が毎日少しずつ後ろにずれます。
  • ゴールと残り日数を最初に声に出す。以降の発言がゴールに結び付きます。
  • 解決の相談はその場で始めず、「朝会のあと」に回す。メモを取って見える場所に書くと、話を止められた人も安心できます。
  • 締めで「今日の山」を1つ言う。朝会の成果である計画が、全員の記憶に残ります。

脱線時の切り返しフレーズ一覧

話を止めるのは、言い方が決まっていれば難しくありません。相手の発言を受け止めてから、扱う場所を示すのが型です。

場面 切り返しフレーズ
解決策の相談が始まった 「大事な話なので、朝会のあとに続けましょう。関係するのは誰ですか」
2人だけの会話が続く 「その件は、お2人でこのあと10分取れますか。先に進めます」
経緯の説明が長い 「ありがとうございます。結論として、今日は何を終えますか」
持ち時間を過ぎた 「2分たちました。妨げがあるかだけ教えてください」
作業の列挙になっている 「その中で、ゴールにいちばん効くのはどれですか」
「特にありません」が続く 「今日終える予定のものを1つだけ教えてください」
設計や仕様の議論が始まった 「決めるのに必要な人がそろっていないので、別に時間を取りましょう。誰が設定しますか」
上長やチーム外の人が質問を始めた 「ご質問は朝会のあとに伺います。先に全員の計画を確認させてください」
遅れて来た人のために繰り返しそうになった 「ここまでの内容はメモにあります。続きから進めます」
妨げが出たのに誰も引き取らない 「この件、今日のうちに誰が動きますか」
時間が残り2分になった 「残り2分です。まだ話していない人は、妨げの有無だけお願いします」
話題がスプリントの外に広がった 「今のスプリントの外の話なので、バックログに1行足しておきます」

朝会のあとに回した件は、「あとで話すこと」リストとして、ボードの端やチャットのスレッドに書き残します。書いた時点で「誰と誰が、いつ話すか」まで決めると、流れてしまうことが減ります。

■ あとで話すこと(10/5)
- 通知メールの確認先を決める … 佐藤・高橋(朝会直後 5分)
- 検証環境のデータ不足 … 鈴木・伊藤(11:00〜 15分)

非同期朝会の投稿テンプレート

勤務時間帯がずれていて集まれないチームでは、チャットへの書き込みで朝会の代わりにするやり方がよく使われます。スクラムガイド2020は「毎日、同じ時間・場所で開催する」としているので、これはガイドに書かれた形ではなく、チームの事情に合わせた応用です。「ゴールへの進捗を確かめ、今日の計画を合わせる」という目的が満たせているかで、続けるかどうかを判断します。

司会(当番)が毎朝立てるスレッド

【朝会 10/5(月)】スプリント3・残り4日
ゴール:利用者が自分の予約を変更できる
ボード:(タスクボードのURL)

このスレッドに 10:30 までに返信してください。
妨げがある人は、助けてほしい相手にメンションを付けてください。
11:00 に当番が「今日の計画」をまとめて投稿します。

メンバーの返信テンプレート

■ 終えたこと(ゴールに向けて)
- 
■ 今日終えること
- 
■ 妨げ・助けてほしいこと(なければ「なし」)
- 
■ ゴールの見込み(5:十分届く 〜 1:届かない)
- 

記入例:

■ 終えたこと(ゴールに向けて)
- 予約変更APIを終えてレビューに出した(#142)
■ 今日終えること
- 予約変更画面のつなぎ込み(#145)
■ 妨げ・助けてほしいこと(なければ「なし」)
- #142 のレビューを午前中に見てほしい @伊藤さん
■ ゴールの見込み(5:十分届く 〜 1:届かない)
- 4

当番のまとめ投稿

【今日の計画 10/5】
- 山:予約変更API(#142)のレビューを午前中に通す(伊藤)
- 妨げ:2件
  1. 通知メールの確認先が未定 → 佐藤・高橋が 13:00 に通話
  2. 検証環境のデータ不足 → 鈴木が今日中に投入
- ゴールの見込み:平均 3.8(最低 2:佐藤)→ 13:00 の通話で確認

非同期で回すためのルール

ルール 理由
締め切り時刻を決める(例:10:30) 書き込みが1日中ばらつくと、計画を合わせる場になりにくい
ほかの人の投稿を読むところまでを朝会とする 書くだけでは報告で終わるため。読んだらリアクションを付ける
妨げには必ずメンションを付ける 誰が動くかがその場で決まる
当番が「今日の計画」をまとめる 個人の投稿の集まりを、チームの計画に変える
見込みが2以下の人がいたら通話に切り替える 文字のやり取りより、話したほうが早い場面があるため
週に1回は同じ時間に集まる 文字では伝わりにくい様子を確かめる

形骸化の症状別早見表

朝会が形だけになってきたと感じたら、症状から原因と打ち手を探します。

症状1:進捗報告会になっている

見えるサイン 考えられる原因 打ち手
全員が司会や上長のほうを向いて話す 聞き手が1人に固定されている 司会を日替わりにする。上長は輪の外で聞く
「昨日は○○をやりました」の列挙が続く 質問から「ゴール」が抜けている 質問を「ゴールに向けて何を終えたか」に変える
ほかの人の発言に誰も反応しない 作業が個人ごとに分かれ、互いに関係がない ボードを右から歩く形式に変え、作業を主語にする
朝会が終わっても計画が変わらない 成果(今日の計画)を確認していない 締めで「今日の山」を1つ声に出す
進捗の数字を聞かれる場になっている 状況を知る手段がほかにない ボードやバーンダウンチャートを共有し、数字はそちらで見てもらう

症状2:15分で終わらない

見えるサイン 考えられる原因 打ち手
その場で解決の相談が始まる 相談の受け皿がない 「あとで話すこと」リストを作り、朝会直後の時間を空けておく
1人の話が長い 持ち時間が決まっていない 人数から持ち時間を計算し、タイマーを全員に見える所に置く
開始が遅れる 人がそろうのを待っている 時刻ちょうどに始める。遅れた人には繰り返さない
人数が多い 1人ずつ話す形式の限界 ボードを右から歩く形式に変える。チームの分け方を見直す
仕様の確認が毎回入る バックログの準備が足りていない 仕様の確認は別の場(リファインメント)に移す

症状3:発言が偏る

見えるサイン 考えられる原因 打ち手
「特にありません」が続く人がいる 何を話せばよいかがわからない 「今日終えるものを1つ」と具体的に聞く
妨げが誰からも出ない 困りごとを言うと評価に響くと感じている 司会が先に自分の困りごとを話す。「妨げ」を「助けてほしいこと」と言い換える
詳しい人だけが話す 順番が決まっておらず、声の大きい人から話す 話し終えた人が次の人を指名する
新しく入った人が話さない 用語や経緯がわからない 最初の2週間は隣で一緒に作業する人を決め、2人で1つの報告にする
オンラインで発言が重なり、遠慮が生まれる 話す順番が見えない 参加者一覧の並び順で進める。チャットに順番を貼る

打ち手は一度に1つだけ試し、1〜2週間後のふりかえりで続けるかを決めると、何が効いたかがわかります。

スクラムではないチームの朝会に当てはめる

スクラムを採用していないチームでも、朝会の骨組みはそのまま使えます。言葉を置き換えるだけです。

スクラムの言葉 置き換え先の例
スプリントゴール 今週の目標、次のリリースで届けるもの
スプリントバックログ 今週のタスク一覧、WBSのうち今週分
開発者 手を動かす担当者全員
スプリント残り日数 次の節目(リリース、レビュー)までの日数

「ゴールを1文で言える状態にしておく」ことが、どの進め方でも共通の前提です。ゴールが決まっていない週は、朝会が作業の列挙になりやすいので、週の初めの朝会でゴールを決めるところから始めます。

朝会を始める前のチェックリスト

  • [ ] 開始時刻と場所(またはオンラインの入室先)が毎日同じになっている
  • [ ] ゴールが1文で書かれ、全員が見える場所にある
  • [ ] タスクボードが朝会の前に最新になっている
  • [ ] 形式(質問・ボード・ゴール起点)をチームで選んだ
  • [ ] 1人あたりの持ち時間を決め、タイマーを用意した
  • [ ] 「あとで話すこと」を書く場所がある
  • [ ] 司会の順番が決まっている
  • [ ] 朝会直後の10〜15分は、ほかの予定を入れずに空けてある

よくある質問

Q. 3つの質問は、もう使わないほうがよいのですか? A. 使ってかまいません。スクラムガイド2020は、ゴールへの進捗に焦点をあて、次の1日の実行可能な計画を作成できる限り、構造とやり方を開発者が選べるとしています。3つの質問は2017年版で例として載っていた形式で、2020年版では記述がなくなっただけです。使うときは、質問に「ゴールに向けて」を付けると作業の列挙になりにくくなります。

Q. スクラムマスターやプロダクトオーナーは参加しますか? A. スクラムガイド2020では、デイリースクラムは開発者のためのイベントです。プロダクトオーナーやスクラムマスターは、スプリントバックログのアイテムに積極的に取り組んでいる場合に、開発者として参加します。

Q. 朝ではなく夕方に行ってもよいですか? A. スクラムガイド2020が定めているのは「毎日、同じ時間・場所」で、時刻の指定はありません。全員が集まりやすく、毎日同じにできる時刻を選びます。夕方に行う場合は「今日終えること」を「次の朝会までに終えること」と読み替えます。

Q. 15分で話しきれないときはどうしますか? A. 朝会では「誰と誰が、いつ話すか」だけを決め、詳しい話は朝会のあとに関係者だけで行います。スクラムガイド2020にも、より詳細な議論のために開発者は一日を通じて頻繁に話し合う、と書かれています。

まとめ

  • 朝会の焦点は「ゴールへの進捗」、成果は「次の1日の実行可能な計画」。形式はチームが選ぶ
  • 3つの質問はスクラムガイド2017では「例」、2020では掲載なし。使う場合は質問に「ゴールに向けて」を入れる
  • 形式は質問形式・ボードを右から歩く形式・ゴール起点形式の3つから、人数と準備に合わせて選ぶ
  • 1人あたりの持ち時間を計算しておく(6人なら2分、8人なら1分30秒)
  • 解決の相談は「あとで話すこと」リストに回し、誰といつ話すかまで決める
  • 集まれないチームは投稿テンプレート+当番のまとめ投稿で、個人の報告をチームの計画に変える
  • 形だけになってきたら、症状(報告会化・長時間化・発言の偏り)から打ち手を1つ選んで試す

参考・出典

  • スクラムガイド 2020年版 日本語版(Ken Schwaber, Jeff Sutherland)https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
  • スクラムガイド 2017年版 日本語版(同上)https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf
  • Scrum Guide Revisions(改訂履歴)https://scrumguides.org/revisions.html

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(記載例)出典:株式会社RJC「朝会(デイリースクラム)の進め方|アジェンダとテンプレート集」

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