- 設計
システム構成図の書き方と例 Mermaidテンプレートと記号一覧
システム構成図とは、システムを形づくるサーバー・ネットワーク機器・データベースなどの要素と、そのつながりを1枚にまとめた図です。 設計書の最初のほうに置かれ、「どこに何があり、どこからどこへ通信するのか」を関係者全員が同じ絵で確認するために使います。
この記事では、Web三層・バッチ連携・冗長構成・拠点間接続の4パターンを、コピーして書き換えるだけで使えるMermaidのテンプレートで示します。flowchart の subgraph を使う書き方と、アイコンつきの architecture 図の両方を載せ、記号の早見表、線種と矢印の凡例ルール、記載項目のチェックリストを表にまとめます。
確認環境:Mermaid 12.1.0(@mermaid-js/mermaid-cli 12.0.0 と Chromium で描画)。掲載したMermaidのコードは、すべて図として出力できることを確認しています。例に出てくるホスト名とIPアドレスは架空のもので、外部向けのアドレスには文書用として予約されている範囲(192.0.2.0/24、198.51.100.0/24、203.0.113.0/24)を使っています。
システム構成図の早見表(種類・記号・線)
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 構成図の主な種類 | 論理構成図(役割とつながり)、物理構成図(機器と配線)、ネットワーク構成図(セグメントとIP) |
| 最初に描く1枚 | 論理構成図。利用者から入口、処理、データの順に左から右(または上から下)へ並べる |
| Mermaidでの書き方 | flowchart の subgraph でセグメントを囲む。アイコンで見せたいときは architecture-beta |
| 囲み(枠)の意味 | ネットワークセグメント、拠点、ゾーン、システムの境界 |
| 線の種類 | 実線=通信、点線=管理・監視・起動、太線=データの複製や専用の経路、矢印なし=物理的な結線 |
| 矢印の向き | 接続を始める側から、受ける側へ |
| 線に書くこと | プロトコルとポート番号(HTTPS 443、PostgreSQL 5432 など) |
| ノードに書くこと | 役割、ホスト名、IPアドレス(ネットワーク構成図の場合) |
| 必ず付けるもの | 凡例、作成日と版、図の対象範囲 |
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「システム構成図の書き方と例 Mermaidテンプレートと記号一覧」
論理構成図・物理構成図・ネットワーク構成図の違い比較表
| 比べる点 | 論理構成図 | 物理構成図 | ネットワーク構成図 |
|---|---|---|---|
| 表すもの | 役割(Web・AP・DB)とデータの流れ | 実際の機器、設置場所、配線 | セグメント、IPアドレス、経路 |
| ノードの単位 | 役割や機能のまとまり | 機器1台 | 機器1台と、そのインターフェース |
| 線の意味 | 通信(プロトコルとポート) | ケーブル(ポート番号、ケーブルの種類) | 接続と所属セグメント |
| 主な読み手 | 開発者、設計レビューの参加者 | 機器の設置・配線を行う人 | ネットワークと運用の担当者 |
| 作る時期 | 基本設計の最初 | 機器と設置場所が決まった後 | アドレス設計が決まった後 |
| 書く項目 | 役割、冗長化の有無、通信の向き | 機種、ラック位置、ポート番号 | ホスト名、IP、サブネット、VLAN |
| 省くもの | 機種、ラック、ケーブル | アプリケーションの処理の流れ | アプリケーションの処理の流れ |
1枚にすべてを書き込まず、目的ごとに図を分けると読みやすくなります。同じシステムでも「論理構成図で全体をつかみ、ネットワーク構成図でアドレスを確かめる」という読み方ができます。
機器の記号早見表(Mermaidでの形)
機器の絵は使うツールや会社によって異なるため、図ごとに凡例を付けて「この形はこの機器」と決めておくのが確実です。この記事のテンプレートでは、Mermaid の flowchart で出せる形を次のように割り当てています。
| 機器 | 役割 | この記事での形 | Mermaid(flowchart)の書き方 |
|---|---|---|---|
| ルーター | 異なるネットワークの間でパケットを中継する | 円 | rt(("ルーター")) |
| L3スイッチ | VLANの間のルーティングも行うスイッチ | 六角形 | l3{{"L3スイッチ"}} |
| L2スイッチ | 同じセグメントの中で機器をつなぐ | 長方形 | l2["L2スイッチ"] |
| FW(ファイアウォール) | 通してよい通信だけを通す | 六角形(名前に FW と書く) | fw{{"FW"}} |
| LB(ロードバランサー) | 通信を複数のサーバーへ振り分ける | 台形 | lb[/"LB"\] |
| サーバー | Web・AP・バッチなどの処理を行う | 長方形 | sv["サーバー"] |
| DB(データベース) | データを保存する | 円柱 | db[("DB")] |
| ストレージ・ファイルサーバー | ファイルを保存する | 左右に縦線のある長方形 | st[["ストレージ"]] |
| 端末・利用者 | PCやスマートフォン | 両端が丸い長方形 | cl(["端末"]) |
| インターネット・外部の網 | 自分たちの管理の外にあるネットワーク | 円 | inet(("インターネット")) |
形の種類には限りがあるので、同じ形を2つの機器に使うときは、必ずノードの文字に機器の種類(FW、L3スイッチ など)を書きます。
一覧をまとめて描画するコードです。
flowchart LR
rt(("ルーター"))
l3{{"L3スイッチ"}}
l2["L2スイッチ"]
fw{{"FW"}}
lb[/"LB"\]
sv["サーバー"]
db[("DB")]
st[["ストレージ"]]
cl(["端末"])
rt --- l3 --- l2 --- sv
fw --- lb --- db
st --- cl
architecture 図では、形の代わりにアイコンを指定します。標準で使えるアイコンは次の5つです。
| アイコン名 | 絵 | 向いている要素 |
|---|---|---|
cloud |
雲 | クラウド、DMZ、外部のサービス、グループの見出し |
database |
円柱 | データベース |
disk |
ディスク | ストレージ、ファイルサーバー、バックアップ |
internet |
地球 | インターネット、外部の網 |
server |
サーバー | サーバー全般、ネットワーク機器 |
線種と矢印の凡例ルール
線の意味は図によって変わりやすいので、使った線だけを凡例に書いて図の隅に置きます。
| 線 | Mermaidの書き方 | この記事での意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 実線+矢印 | A --> B |
通信。矢印は接続を始める向き | Web から AP への呼び出し |
| 点線+矢印 | A -.-> B |
管理・監視・起動の通信 | ジョブの起動、死活監視、待機系への切り替え |
| 太線+矢印 | A ==> B |
データの複製、専用の経路 | レプリケーション、VPN |
| 実線・矢印なし | A --- B |
物理的な結線 | スイッチとサーバーの配線 |
| 両向きの矢印 | A <--> B |
どちらからも接続を始める | 拠点間のVPN、相互の監視 |
| 線の上の文字 | A -->|HTTPS 443| B |
プロトコルとポート番号 | すべての通信の線 |
矢印の向きは「データが流れる向き」と「接続を始める向き」の2通りの決め方があります。FWの許可設定と照らし合わせやすいのは接続を始める向きです。どちらにしたかを凡例に1行で書いておくと、読む人が迷いません。
凡例そのものもMermaidで描けます。
flowchart LR
subgraph legend["凡例"]
direction LR
a1["A"] -->|"実線:通信(矢印は接続を始める向き)"| b1["B"]
a2["A"] -.->|"点線:管理・監視・起動"| b2["B"]
a3["A"] ==>|"太線:データの複製・専用の経路"| b3["B"]
a4["A"] ---|"矢印なし:物理的な結線"| b4["B"]
end
パターン1:Web三層構成のテンプレート
利用者からの通信をFWとLBで受け、Webサーバー、APサーバー、DBサーバーの3つの層で処理する構成です。
flowchart(subgraphでセグメントを囲む)
flowchart TB
user(["利用者のPC・スマートフォン"])
inet(("インターネット"))
subgraph dmz["DMZ 192.0.2.0/24"]
fw{{"FW fw01"}}
lb[/"LB lb01 192.0.2.10"\]
end
subgraph websub["Webセグメント 10.0.1.0/24"]
web1["web01 10.0.1.11"]
web2["web02 10.0.1.12"]
end
subgraph apsub["APセグメント 10.0.2.0/24"]
ap1["ap01 10.0.2.11"]
ap2["ap02 10.0.2.12"]
end
subgraph dbsub["DBセグメント 10.0.3.0/24"]
db[("db01 10.0.3.11")]
end
user -->|HTTPS 443| inet --> fw --> lb
lb -->|HTTP 8080| web1 & web2
web1 & web2 -->|HTTP 8081| ap1 & ap2
ap1 & ap2 -->|PostgreSQL 5432| db
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
flowchart TB |
上から下へ並べる。左から右なら LR |
subgraph dmz["DMZ 192.0.2.0/24"] 〜 end |
セグメントを枠で囲み、名前とサブネットを見出しに書く |
lb -->|HTTP 8080| web1 & web2 |
& で複数の相手へまとめて線を引く |
web1 & web2 -->|HTTP 8081| ap1 & ap2 |
2台から2台へ、4本の線が引かれる |
architecture図(アイコンで見せる)
architecture-beta
group dmz(cloud)[DMZ]
group inner(server)[内部ネットワーク]
service inet(internet)[インターネット]
service lb(server)[LB lb01] in dmz
service web(server)[Web web01 web02] in inner
service ap(server)[AP ap01 ap02] in inner
service db(database)[DB db01] in inner
service bk(disk)[バックアップ] in inner
inet:R --> L:lb
lb:R --> L:web
web:R --> L:ap
ap:R --> L:db
db:B --> T:bk
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
architecture-beta |
architecture 図の始まり |
group dmz(cloud)[DMZ] |
グループ。ID、アイコン、表示名の順 |
service lb(server)[LB lb01] in dmz |
サービス。in で所属するグループを指定 |
inet:R --> L:lb |
inet の右側(R)から lb の左側(L)へ矢印を引く。上は T、下は B |
architecture 図の線の書き方にはラベルの指定が無いため、プロトコルとポート番号は図の下に通信一覧の表として添えます。
| 番号 | 接続元 | 接続先 | プロトコル | ポート |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 利用者 | lb01 | HTTPS | 443/tcp |
| 2 | lb01 | web01、web02 | HTTP | 8080/tcp |
| 3 | web01、web02 | ap01、ap02 | HTTP | 8081/tcp |
| 4 | ap01、ap02 | db01 | PostgreSQL | 5432/tcp |
番号 接続元 接続先 プロトコル ポート
1 利用者 lb01 HTTPS 443/tcp
2 lb01 web01、web02 HTTP 8080/tcp
3 web01、web02 ap01、ap02 HTTP 8081/tcp
4 ap01、ap02 db01 PostgreSQL 5432/tcp
パターン2:バッチ連携のテンプレート
あるシステムが出力したファイルを、夜間のバッチで別のシステムへ取り込む構成です。線に番号を振って、処理の順番と時刻を書くと、流れが読み取りやすくなります。
flowchart
flowchart LR
subgraph src["受注システム"]
app1["order-ap01"]
end
subgraph hub["連携基盤 10.0.5.0/24"]
fs[["ファイルサーバー file01"]]
job["ジョブ管理 job01"]
batch["バッチ batch01"]
end
subgraph dst["在庫システム"]
db[("stock-db01")]
app2["stock-ap01"]
end
app1 -->|"① SFTP 22 毎日 01:00 orders.csv"| fs
job -.->|"② 起動 01:30"| batch
fs -->|"③ 読み込み"| batch
batch -->|"④ PostgreSQL 5432 取り込み"| db
batch -.->|"⑤ 結果通知 HTTPS 443"| app2
実線はデータの受け渡し、点線は起動と通知です。ラベルに丸数字や空白を含めるときは、ラベル全体を二重引用符で囲みます。
architecture図
architecture-beta
group src(server)[受注システム]
group hub(cloud)[連携基盤]
group dst(server)[在庫システム]
service app1(server)[order ap01] in src
service fs(disk)[ファイルサーバー file01] in hub
service batch(server)[バッチ batch01] in hub
service job(server)[ジョブ管理 job01] in hub
service db(database)[stock db01] in dst
app1:R --> L:fs
fs:R --> L:batch
job:B --> T:batch
batch:R --> L:db
パターン3:冗長構成のテンプレート
LBを稼働と待機の2台、Webサーバーを2つのゾーンに1台ずつ、DBをプライマリとレプリカに分けた構成です。稼働・待機の別と、複製の向きを図から読めるようにします。
flowchart
flowchart TB
inet(("インターネット"))
subgraph front["フロント 192.0.2.0/24"]
lb1[/"lb01 稼働"\]
lb2[/"lb02 待機"\]
vip(["仮想IP 192.0.2.10"])
end
subgraph zoneA["ゾーンA 10.0.1.0/24"]
web1["web01"]
db1[("db01 プライマリ")]
end
subgraph zoneB["ゾーンB 10.0.2.0/24"]
web2["web02"]
db2[("db02 レプリカ")]
end
inet -->|HTTPS 443| vip
vip --> lb1
vip -.-> lb2
lb1 <-.->|死活監視| lb2
lb1 --> web1 & web2
web1 & web2 -->|5432| db1
db1 ==>|レプリケーション 5432| db2
| 表したいこと | 書き方 |
|---|---|
| 稼働と待機 | ノードの文字に「稼働」「待機」と書く。待機側への線は点線 |
| 仮想IP | 独立したノードにして、そこから稼働系へ実線、待機系へ点線を引く |
| 互いの監視 | lb1 <-.->|死活監視| lb2(両向きの点線) |
| レプリケーション | db1 ==>|レプリケーション 5432| db2(太線。複製元から複製先へ) |
| ゾーン | subgraph で囲み、見出しにゾーン名とサブネットを書く |
architecture図
1本の線を2つに分けたいときは junction(分岐点)を置きます。
architecture-beta
group zonea(cloud)[ゾーンA]
group zoneb(cloud)[ゾーンB]
service inet(internet)[インターネット]
service lb(server)[LB 仮想IP]
junction j
service web1(server)[web01] in zonea
service db1(database)[db01 プライマリ] in zonea
service web2(server)[web02] in zoneb
service db2(database)[db02 レプリカ] in zoneb
inet:R --> L:lb
lb:R -- L:j
j:T --> B:web1
j:B --> T:web2
web1:R --> L:db1
web2:R --> L:db2
db1:B --> T:db2
パターン4:拠点間接続のテンプレート
本社・支社・データセンターをVPNでつなぐ構成です。ネットワーク機器が主役なので、機器どうしは矢印なしの線(結線)でつなぎ、VPNは太い両向きの矢印で区別します。
flowchart
flowchart LR
subgraph hq["本社 192.168.10.0/24"]
pc1["PC 60台"]
l2a["L2スイッチ hq-sw01"]
l3a{{"L3スイッチ hq-l3-01"}}
fwa{{"FW hq-fw01"}}
rta(("ルーター hq-rt01"))
end
subgraph br["支社 192.168.20.0/24"]
pc2["PC 15台"]
l2b["L2スイッチ br-sw01"]
rtb(("ルーター br-rt01"))
end
subgraph dc["データセンター 10.0.0.0/16"]
rtc(("ルーター dc-rt01"))
fwc{{"FW dc-fw01"}}
srv["業務サーバー群"]
end
net(("インターネット"))
pc1 --- l2a --- l3a --- fwa --- rta
pc2 --- l2b --- rtb
rtc --- fwc --- srv
rta ---|"203.0.113.1"| net
rtb ---|"203.0.113.65"| net
rtc ---|"198.51.100.1"| net
rta <==>|"IPsec VPN"| rtc
rtb <==>|"IPsec VPN"| rtc
architecture図
architecture-beta
group hq(server)[本社]
group br(server)[支社]
group dc(cloud)[データセンター]
service pc1(server)[PC 60台] in hq
service rta(server)[ルーター hq rt01] in hq
service pc2(server)[PC 15台] in br
service rtb(server)[ルーター br rt01] in br
service net(internet)[インターネット VPN]
service rtc(server)[ルーター dc rt01] in dc
service srv(server)[業務サーバー群] in dc
pc1:R -- L:rta
pc2:R -- L:rtb
rta:R <--> L:net
rtb:T <--> B:net
net:R <--> L:rtc
rtc:R -- L:srv
flowchartとarchitecture図のどちらを使うか
| 比べる点 | flowchart(subgraph) | architecture図(architecture-beta) |
|---|---|---|
| ノードの見た目 | 形(長方形、円柱、六角形など) | アイコン(標準は5種類) |
| 線のラベル | 書ける | 書けない(通信一覧の表を添える) |
| 線の種類 | 実線・点線・太線 | 実線(矢印の有無と向きを選べる) |
| 線の出る位置 | 自動 | 上下左右(T・B・L・R)を自分で指定 |
| 囲み | subgraph(入れ子にできる) | group(in で入れ子にできる) |
| 向いている図 | ネットワーク構成図、ポートまで書く論理構成図 | 概要を伝える論理構成図、説明資料の1枚目 |
| 使える版 | Mermaidの基本機能 | v11.1.0 以降 |
詳細まで書く設計書の図は flowchart、全体像をひと目で伝える図は architecture 図、という使い分けが目安です。architecture 図は名前に beta が付いているとおり書き方が変わる可能性があるので、貼り付け先のMermaidの版で描画されるかを確かめてから使います。
記載項目チェックリスト(ホスト名・IP・ポート・プロトコル)
| 分類 | 記載項目 | 書き方の例 | 論理 | 物理 | ネットワーク |
|---|---|---|---|---|---|
| ノード | 役割 | Web、AP、DB、バッチ | ○ | ○ | ○ |
| ノード | ホスト名 | web01、db01 | ○ | ○ | ○ |
| ノード | IPアドレス | 10.0.1.11 | - | - | ○ |
| ノード | 台数・冗長化 | 2台、稼働/待機、プライマリ/レプリカ | ○ | ○ | ○ |
| ノード | OS・ミドルウェアと版 | PostgreSQL 16 | ○ | - | - |
| ノード | 機種・設置場所 | ラック番号、ユニット位置 | - | ○ | - |
| 囲み | セグメント名 | DMZ、Webセグメント | ○ | - | ○ |
| 囲み | サブネット | 10.0.1.0/24 | - | - | ○ |
| 囲み | 拠点・ゾーン | 本社、ゾーンA | ○ | ○ | ○ |
| 線 | プロトコル | HTTPS、SFTP、PostgreSQL | ○ | - | ○ |
| 線 | ポート番号 | 443/tcp、22/tcp、5432/tcp | ○ | - | ○ |
| 線 | 向き | 接続を始める側から受ける側へ | ○ | - | ○ |
| 線 | ケーブル・インターフェース | ポート番号、ケーブルの種類 | - | ○ | ○ |
| 図全体 | 凡例 | 形と線の意味 | ○ | ○ | ○ |
| 図全体 | タイトル・対象範囲 | 備品予約システム 本番環境 | ○ | ○ | ○ |
| 図全体 | 作成日・版・作成者 | 2026-10-05 第1.0版 | ○ | ○ | ○ |
分類 記載項目 書き方の例 論理 物理 ネットワーク
ノード 役割 Web、AP、DB、バッチ ○ ○ ○
ノード ホスト名 web01、db01 ○ ○ ○
ノード IPアドレス 10.0.1.11 - - ○
ノード 台数・冗長化 2台、稼働/待機、プライマリ/レプリカ ○ ○ ○
ノード OS・ミドルウェアと版 PostgreSQL 16 ○ - -
ノード 機種・設置場所 ラック番号、ユニット位置 - ○ -
囲み セグメント名 DMZ、Webセグメント ○ - ○
囲み サブネット 10.0.1.0/24 - - ○
囲み 拠点・ゾーン 本社、ゾーンA ○ ○ ○
線 プロトコル HTTPS、SFTP、PostgreSQL ○ - ○
線 ポート番号 443/tcp、22/tcp、5432/tcp ○ - ○
線 向き 接続を始める側から受ける側へ ○ - ○
線 ケーブル・インターフェース ポート番号、ケーブルの種類 - ○ ○
図全体 凡例 形と線の意味 ○ ○ ○
図全体 タイトル・対象範囲 備品予約システム 本番環境 ○ ○ ○
図全体 作成日・版・作成者 2026-10-05 第1.0版 ○ ○ ○
図に書き切れない項目は、図にはホスト名だけを書き、IPアドレスやポートは一覧表に分けると、図も表も読みやすくなります。ホスト一覧のひな形です。
| ホスト名 | 役割 | セグメント | IPアドレス | 待ち受けポート | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| lb01 | LB | DMZ | 192.0.2.10 | 443/tcp | 稼働 |
| web01 | Web | Webセグメント | 10.0.1.11 | 8080/tcp | |
| web02 | Web | Webセグメント | 10.0.1.12 | 8080/tcp | |
| ap01 | AP | APセグメント | 10.0.2.11 | 8081/tcp | |
| ap02 | AP | APセグメント | 10.0.2.12 | 8081/tcp | |
| db01 | DB | DBセグメント | 10.0.3.11 | 5432/tcp | PostgreSQL |
ホスト名 役割 セグメント IPアドレス 待ち受けポート 備考
lb01 LB DMZ 192.0.2.10 443/tcp 稼働
web01 Web Webセグメント 10.0.1.11 8080/tcp
web02 Web Webセグメント 10.0.1.12 8080/tcp
ap01 AP APセグメント 10.0.2.11 8081/tcp
ap02 AP APセグメント 10.0.2.12 8081/tcp
db01 DB DBセグメント 10.0.3.11 5432/tcp PostgreSQL
システム構成図の書き方(6つの手順)
| 手順 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 図の目的と読み手を決める | 論理・物理・ネットワークのどれを描くかを先に決める |
| 2 | 要素を洗い出す | 利用者、入口(FW・LB)、処理(Web・AP・バッチ)、データ(DB・ファイル)、外部のシステム |
| 3 | 囲みを決める | セグメント、拠点、ゾーンなど、境界になるものを subgraph にする |
| 4 | 向きをそろえて並べる | 利用者を左(または上)、データを右(または下)に置く |
| 5 | 線を引き、プロトコルとポートを書く | 矢印は接続を始める向きにそろえる |
| 6 | 凡例・タイトル・作成日を付ける | 使った形と線だけを凡例に書く |
読みやすい構成図にするポイント
| つまずきやすい点 | こうするとよい |
|---|---|
| 線が交差して追いにくい | 層ごとに subgraph を分け、流れの向きを1方向にそろえる |
| 同じ役割のサーバーが多く、図が横に広がる | 「web01〜web04」のように1つのノードにまとめ、台数を書く |
| 1枚に情報を詰め込みすぎる | 図にはホスト名、表にIPとポート、と分ける |
| 形の意味が人によって違う | 凡例を必ず付ける。形が足りないときは文字で機器の種類を書く |
| 図が設定の変更に追いつかない | Mermaidのコードを設計書と同じリポジトリで管理し、変更と同時に直す |
| 本番環境と検証環境の違いがわからない | 環境ごとに図を分け、タイトルに環境名を書く |
よくある質問
Q. システム構成図とネットワーク構成図は何が違いますか? A. システム構成図は、システムを形づくる要素とつながりを表す図の総称です。そのうち、セグメントやIPアドレス、経路に焦点を当てたものがネットワーク構成図です。役割とデータの流れに焦点を当てたものは論理構成図と呼びます。
Q. 矢印はどちら向きに引けばよいですか? A. 接続を始める側から受ける側へ引くと、FWの許可設定と対応させやすくなります。データが流れる向きで引く方法もあるので、どちらで描いたかを凡例に書きます。
Q. Mermaidで機器のアイコンは使えますか? A. architecture 図では、標準で cloud・database・disk・internet・server の5つのアイコンが使えます。Mermaidの公式ドキュメントには、アイコンパックを登録して種類を増やす方法も書かれています。flowchart では、形と文字で機器を区別します。
Q. 例に使うIPアドレスは何を書けばよいですか? A. 外部向けのアドレスの例には、文書用に予約されている 192.0.2.0/24、198.51.100.0/24、203.0.113.0/24(RFC 5737)を使うと、実在のアドレスと重なりません。
まとめ
- システム構成図は目的ごとに分ける。役割とつながりは論理構成図、機器と配線は物理構成図、セグメントとIPはネットワーク構成図
- Mermaidでは flowchart の subgraph でセグメントを囲む。アイコンで概要を見せたいときは architecture-beta
- 機器の形は図ごとに凡例で決める。同じ形を使うときはノードの文字に機器の種類を書く
- 線は実線=通信、点線=管理・監視、太線=複製や専用の経路、矢印なし=結線。矢印は接続を始める向き
- 通信の線にはプロトコルとポート番号を書く。architecture 図では通信一覧の表を添える
- 図にはホスト名、表にIPとポートと分けると、どちらも読みやすい
- 凡例・タイトル・作成日と版を付けて、いつ時点のどの環境の図かをはっきりさせる
参考・出典
- Mermaid「Architecture Diagrams Documentation」(group・service・junction・線の書き方、標準アイコン、v11.1.0以降): https://mermaid.js.org/syntax/architecture.html
- Mermaid「Flowcharts Syntax」(ノードの形、線の種類、subgraph): https://mermaid.js.org/syntax/flowchart.html
- RFC 5737「IPv4 Address Blocks Reserved for Documentation」: https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5737.html
本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。
(記載例)出典:株式会社RJC「システム構成図の書き方と例 Mermaidテンプレートと記号一覧」
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