システム構成図とは、システムを形づくるサーバー・ネットワーク機器・データベースなどの要素と、そのつながりを1枚にまとめた図です。 設計書の最初のほうに置かれ、「どこに何があり、どこからどこへ通信するのか」を関係者全員が同じ絵で確認するために使います。

この記事では、Web三層・バッチ連携・冗長構成・拠点間接続の4パターンを、コピーして書き換えるだけで使えるMermaidのテンプレートで示します。flowchart の subgraph を使う書き方と、アイコンつきの architecture 図の両方を載せ、記号の早見表、線種と矢印の凡例ルール、記載項目のチェックリストを表にまとめます。

確認環境:Mermaid 12.1.0(@mermaid-js/mermaid-cli 12.0.0 と Chromium で描画)。掲載したMermaidのコードは、すべて図として出力できることを確認しています。例に出てくるホスト名とIPアドレスは架空のもので、外部向けのアドレスには文書用として予約されている範囲(192.0.2.0/24、198.51.100.0/24、203.0.113.0/24)を使っています。

システム構成図の早見表(種類・記号・線)

知りたいこと 答え
構成図の主な種類 論理構成図(役割とつながり)、物理構成図(機器と配線)、ネットワーク構成図(セグメントとIP)
最初に描く1枚 論理構成図。利用者から入口、処理、データの順に左から右(または上から下)へ並べる
Mermaidでの書き方 flowchart の subgraph でセグメントを囲む。アイコンで見せたいときは architecture-beta
囲み(枠)の意味 ネットワークセグメント、拠点、ゾーン、システムの境界
線の種類 実線=通信、点線=管理・監視・起動、太線=データの複製や専用の経路、矢印なし=物理的な結線
矢印の向き 接続を始める側から、受ける側へ
線に書くこと プロトコルとポート番号(HTTPS 443、PostgreSQL 5432 など)
ノードに書くこと 役割、ホスト名、IPアドレス(ネットワーク構成図の場合)
必ず付けるもの 凡例、作成日と版、図の対象範囲

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「システム構成図の書き方と例 Mermaidテンプレートと記号一覧」

論理構成図・物理構成図・ネットワーク構成図の違い比較表

比べる点 論理構成図 物理構成図 ネットワーク構成図
表すもの 役割(Web・AP・DB)とデータの流れ 実際の機器、設置場所、配線 セグメント、IPアドレス、経路
ノードの単位 役割や機能のまとまり 機器1台 機器1台と、そのインターフェース
線の意味 通信(プロトコルとポート) ケーブル(ポート番号、ケーブルの種類) 接続と所属セグメント
主な読み手 開発者、設計レビューの参加者 機器の設置・配線を行う人 ネットワークと運用の担当者
作る時期 基本設計の最初 機器と設置場所が決まった後 アドレス設計が決まった後
書く項目 役割、冗長化の有無、通信の向き 機種、ラック位置、ポート番号 ホスト名、IP、サブネット、VLAN
省くもの 機種、ラック、ケーブル アプリケーションの処理の流れ アプリケーションの処理の流れ

1枚にすべてを書き込まず、目的ごとに図を分けると読みやすくなります。同じシステムでも「論理構成図で全体をつかみ、ネットワーク構成図でアドレスを確かめる」という読み方ができます。

機器の記号早見表(Mermaidでの形)

機器の絵は使うツールや会社によって異なるため、図ごとに凡例を付けて「この形はこの機器」と決めておくのが確実です。この記事のテンプレートでは、Mermaid の flowchart で出せる形を次のように割り当てています。

機器 役割 この記事での形 Mermaid(flowchart)の書き方
ルーター 異なるネットワークの間でパケットを中継する 円 rt(("ルーター"))
L3スイッチ VLANの間のルーティングも行うスイッチ 六角形 l3{{"L3スイッチ"}}
L2スイッチ 同じセグメントの中で機器をつなぐ 長方形 l2["L2スイッチ"]
FW(ファイアウォール) 通してよい通信だけを通す 六角形(名前に FW と書く) fw{{"FW"}}
LB(ロードバランサー) 通信を複数のサーバーへ振り分ける 台形 lb[/"LB"\]
サーバー Web・AP・バッチなどの処理を行う 長方形 sv["サーバー"]
DB(データベース) データを保存する 円柱 db[("DB")]
ストレージ・ファイルサーバー ファイルを保存する 左右に縦線のある長方形 st[["ストレージ"]]
端末・利用者 PCやスマートフォン 両端が丸い長方形 cl(["端末"])
インターネット・外部の網 自分たちの管理の外にあるネットワーク 円 inet(("インターネット"))

形の種類には限りがあるので、同じ形を2つの機器に使うときは、必ずノードの文字に機器の種類(FW、L3スイッチ など)を書きます。

一覧をまとめて描画するコードです。

flowchart LR
  rt(("ルーター"))
  l3{{"L3スイッチ"}}
  l2["L2スイッチ"]
  fw{{"FW"}}
  lb[/"LB"\]
  sv["サーバー"]
  db[("DB")]
  st[["ストレージ"]]
  cl(["端末"])
  rt --- l3 --- l2 --- sv
  fw --- lb --- db
  st --- cl

architecture 図では、形の代わりにアイコンを指定します。標準で使えるアイコンは次の5つです。

アイコン名 絵 向いている要素
cloud 雲 クラウド、DMZ、外部のサービス、グループの見出し
database 円柱 データベース
disk ディスク ストレージ、ファイルサーバー、バックアップ
internet 地球 インターネット、外部の網
server サーバー サーバー全般、ネットワーク機器

線種と矢印の凡例ルール

線の意味は図によって変わりやすいので、使った線だけを凡例に書いて図の隅に置きます。

線 Mermaidの書き方 この記事での意味 使う場面
実線+矢印 A --> B 通信。矢印は接続を始める向き Web から AP への呼び出し
点線+矢印 A -.-> B 管理・監視・起動の通信 ジョブの起動、死活監視、待機系への切り替え
太線+矢印 A ==> B データの複製、専用の経路 レプリケーション、VPN
実線・矢印なし A --- B 物理的な結線 スイッチとサーバーの配線
両向きの矢印 A <--> B どちらからも接続を始める 拠点間のVPN、相互の監視
線の上の文字 A -->|HTTPS 443| B プロトコルとポート番号 すべての通信の線

矢印の向きは「データが流れる向き」と「接続を始める向き」の2通りの決め方があります。FWの許可設定と照らし合わせやすいのは接続を始める向きです。どちらにしたかを凡例に1行で書いておくと、読む人が迷いません。

凡例そのものもMermaidで描けます。

flowchart LR
  subgraph legend["凡例"]
    direction LR
    a1["A"] -->|"実線:通信(矢印は接続を始める向き)"| b1["B"]
    a2["A"] -.->|"点線:管理・監視・起動"| b2["B"]
    a3["A"] ==>|"太線:データの複製・専用の経路"| b3["B"]
    a4["A"] ---|"矢印なし:物理的な結線"| b4["B"]
  end

パターン1:Web三層構成のテンプレート

利用者からの通信をFWとLBで受け、Webサーバー、APサーバー、DBサーバーの3つの層で処理する構成です。

flowchart(subgraphでセグメントを囲む)

flowchart TB
  user(["利用者のPC・スマートフォン"])
  inet(("インターネット"))
  subgraph dmz["DMZ 192.0.2.0/24"]
    fw{{"FW fw01"}}
    lb[/"LB lb01 192.0.2.10"\]
  end
  subgraph websub["Webセグメント 10.0.1.0/24"]
    web1["web01 10.0.1.11"]
    web2["web02 10.0.1.12"]
  end
  subgraph apsub["APセグメント 10.0.2.0/24"]
    ap1["ap01 10.0.2.11"]
    ap2["ap02 10.0.2.12"]
  end
  subgraph dbsub["DBセグメント 10.0.3.0/24"]
    db[("db01 10.0.3.11")]
  end
  user -->|HTTPS 443| inet --> fw --> lb
  lb -->|HTTP 8080| web1 & web2
  web1 & web2 -->|HTTP 8081| ap1 & ap2
  ap1 & ap2 -->|PostgreSQL 5432| db
書き方 意味
flowchart TB 上から下へ並べる。左から右なら LR
subgraph dmz["DMZ 192.0.2.0/24"] 〜 end セグメントを枠で囲み、名前とサブネットを見出しに書く
lb -->|HTTP 8080| web1 & web2 & で複数の相手へまとめて線を引く
web1 & web2 -->|HTTP 8081| ap1 & ap2 2台から2台へ、4本の線が引かれる

architecture図(アイコンで見せる)

architecture-beta
  group dmz(cloud)[DMZ]
  group inner(server)[内部ネットワーク]

  service inet(internet)[インターネット]
  service lb(server)[LB lb01] in dmz
  service web(server)[Web web01 web02] in inner
  service ap(server)[AP ap01 ap02] in inner
  service db(database)[DB db01] in inner
  service bk(disk)[バックアップ] in inner

  inet:R --> L:lb
  lb:R --> L:web
  web:R --> L:ap
  ap:R --> L:db
  db:B --> T:bk
書き方 意味
architecture-beta architecture 図の始まり
group dmz(cloud)[DMZ] グループ。ID、アイコン、表示名の順
service lb(server)[LB lb01] in dmz サービス。in で所属するグループを指定
inet:R --> L:lb inet の右側(R)から lb の左側(L)へ矢印を引く。上は T、下は B

architecture 図の線の書き方にはラベルの指定が無いため、プロトコルとポート番号は図の下に通信一覧の表として添えます。

番号 接続元 接続先 プロトコル ポート
1 利用者 lb01 HTTPS 443/tcp
2 lb01 web01、web02 HTTP 8080/tcp
3 web01、web02 ap01、ap02 HTTP 8081/tcp
4 ap01、ap02 db01 PostgreSQL 5432/tcp
番号  接続元 接続先 プロトコル   ポート
1   利用者 lb01    HTTPS   443/tcp
2   lb01    web01、web02 HTTP    8080/tcp
3   web01、web02 ap01、ap02   HTTP    8081/tcp
4   ap01、ap02   db01    PostgreSQL  5432/tcp

パターン2:バッチ連携のテンプレート

あるシステムが出力したファイルを、夜間のバッチで別のシステムへ取り込む構成です。線に番号を振って、処理の順番と時刻を書くと、流れが読み取りやすくなります。

flowchart

flowchart LR
  subgraph src["受注システム"]
    app1["order-ap01"]
  end
  subgraph hub["連携基盤 10.0.5.0/24"]
    fs[["ファイルサーバー file01"]]
    job["ジョブ管理 job01"]
    batch["バッチ batch01"]
  end
  subgraph dst["在庫システム"]
    db[("stock-db01")]
    app2["stock-ap01"]
  end
  app1 -->|"① SFTP 22 毎日 01:00 orders.csv"| fs
  job -.->|"② 起動 01:30"| batch
  fs -->|"③ 読み込み"| batch
  batch -->|"④ PostgreSQL 5432 取り込み"| db
  batch -.->|"⑤ 結果通知 HTTPS 443"| app2

実線はデータの受け渡し、点線は起動と通知です。ラベルに丸数字や空白を含めるときは、ラベル全体を二重引用符で囲みます。

architecture図

architecture-beta
  group src(server)[受注システム]
  group hub(cloud)[連携基盤]
  group dst(server)[在庫システム]

  service app1(server)[order ap01] in src
  service fs(disk)[ファイルサーバー file01] in hub
  service batch(server)[バッチ batch01] in hub
  service job(server)[ジョブ管理 job01] in hub
  service db(database)[stock db01] in dst

  app1:R --> L:fs
  fs:R --> L:batch
  job:B --> T:batch
  batch:R --> L:db

パターン3:冗長構成のテンプレート

LBを稼働と待機の2台、Webサーバーを2つのゾーンに1台ずつ、DBをプライマリとレプリカに分けた構成です。稼働・待機の別と、複製の向きを図から読めるようにします。

flowchart

flowchart TB
  inet(("インターネット"))
  subgraph front["フロント 192.0.2.0/24"]
    lb1[/"lb01 稼働"\]
    lb2[/"lb02 待機"\]
    vip(["仮想IP 192.0.2.10"])
  end
  subgraph zoneA["ゾーンA 10.0.1.0/24"]
    web1["web01"]
    db1[("db01 プライマリ")]
  end
  subgraph zoneB["ゾーンB 10.0.2.0/24"]
    web2["web02"]
    db2[("db02 レプリカ")]
  end
  inet -->|HTTPS 443| vip
  vip --> lb1
  vip -.-> lb2
  lb1 <-.->|死活監視| lb2
  lb1 --> web1 & web2
  web1 & web2 -->|5432| db1
  db1 ==>|レプリケーション 5432| db2
表したいこと 書き方
稼働と待機 ノードの文字に「稼働」「待機」と書く。待機側への線は点線
仮想IP 独立したノードにして、そこから稼働系へ実線、待機系へ点線を引く
互いの監視 lb1 <-.->|死活監視| lb2(両向きの点線)
レプリケーション db1 ==>|レプリケーション 5432| db2(太線。複製元から複製先へ)
ゾーン subgraph で囲み、見出しにゾーン名とサブネットを書く

architecture図

1本の線を2つに分けたいときは junction(分岐点)を置きます。

architecture-beta
  group zonea(cloud)[ゾーンA]
  group zoneb(cloud)[ゾーンB]

  service inet(internet)[インターネット]
  service lb(server)[LB 仮想IP]
  junction j
  service web1(server)[web01] in zonea
  service db1(database)[db01 プライマリ] in zonea
  service web2(server)[web02] in zoneb
  service db2(database)[db02 レプリカ] in zoneb

  inet:R --> L:lb
  lb:R -- L:j
  j:T --> B:web1
  j:B --> T:web2
  web1:R --> L:db1
  web2:R --> L:db2
  db1:B --> T:db2

パターン4:拠点間接続のテンプレート

本社・支社・データセンターをVPNでつなぐ構成です。ネットワーク機器が主役なので、機器どうしは矢印なしの線(結線)でつなぎ、VPNは太い両向きの矢印で区別します。

flowchart

flowchart LR
  subgraph hq["本社 192.168.10.0/24"]
    pc1["PC 60台"]
    l2a["L2スイッチ hq-sw01"]
    l3a{{"L3スイッチ hq-l3-01"}}
    fwa{{"FW hq-fw01"}}
    rta(("ルーター hq-rt01"))
  end
  subgraph br["支社 192.168.20.0/24"]
    pc2["PC 15台"]
    l2b["L2スイッチ br-sw01"]
    rtb(("ルーター br-rt01"))
  end
  subgraph dc["データセンター 10.0.0.0/16"]
    rtc(("ルーター dc-rt01"))
    fwc{{"FW dc-fw01"}}
    srv["業務サーバー群"]
  end
  net(("インターネット"))
  pc1 --- l2a --- l3a --- fwa --- rta
  pc2 --- l2b --- rtb
  rtc --- fwc --- srv
  rta ---|"203.0.113.1"| net
  rtb ---|"203.0.113.65"| net
  rtc ---|"198.51.100.1"| net
  rta <==>|"IPsec VPN"| rtc
  rtb <==>|"IPsec VPN"| rtc

architecture図

architecture-beta
  group hq(server)[本社]
  group br(server)[支社]
  group dc(cloud)[データセンター]

  service pc1(server)[PC 60台] in hq
  service rta(server)[ルーター hq rt01] in hq
  service pc2(server)[PC 15台] in br
  service rtb(server)[ルーター br rt01] in br
  service net(internet)[インターネット VPN]
  service rtc(server)[ルーター dc rt01] in dc
  service srv(server)[業務サーバー群] in dc

  pc1:R -- L:rta
  pc2:R -- L:rtb
  rta:R <--> L:net
  rtb:T <--> B:net
  net:R <--> L:rtc
  rtc:R -- L:srv

flowchartとarchitecture図のどちらを使うか

比べる点 flowchart(subgraph) architecture図(architecture-beta)
ノードの見た目 形(長方形、円柱、六角形など) アイコン(標準は5種類)
線のラベル 書ける 書けない(通信一覧の表を添える)
線の種類 実線・点線・太線 実線(矢印の有無と向きを選べる)
線の出る位置 自動 上下左右(T・B・L・R)を自分で指定
囲み subgraph(入れ子にできる) group(in で入れ子にできる)
向いている図 ネットワーク構成図、ポートまで書く論理構成図 概要を伝える論理構成図、説明資料の1枚目
使える版 Mermaidの基本機能 v11.1.0 以降

詳細まで書く設計書の図は flowchart、全体像をひと目で伝える図は architecture 図、という使い分けが目安です。architecture 図は名前に beta が付いているとおり書き方が変わる可能性があるので、貼り付け先のMermaidの版で描画されるかを確かめてから使います。

記載項目チェックリスト(ホスト名・IP・ポート・プロトコル)

分類 記載項目 書き方の例 論理 物理 ネットワーク
ノード 役割 Web、AP、DB、バッチ ○ ○ ○
ノード ホスト名 web01、db01 ○ ○ ○
ノード IPアドレス 10.0.1.11 - - ○
ノード 台数・冗長化 2台、稼働/待機、プライマリ/レプリカ ○ ○ ○
ノード OS・ミドルウェアと版 PostgreSQL 16 ○ - -
ノード 機種・設置場所 ラック番号、ユニット位置 - ○ -
囲み セグメント名 DMZ、Webセグメント ○ - ○
囲み サブネット 10.0.1.0/24 - - ○
囲み 拠点・ゾーン 本社、ゾーンA ○ ○ ○
線 プロトコル HTTPS、SFTP、PostgreSQL ○ - ○
線 ポート番号 443/tcp、22/tcp、5432/tcp ○ - ○
線 向き 接続を始める側から受ける側へ ○ - ○
線 ケーブル・インターフェース ポート番号、ケーブルの種類 - ○ ○
図全体 凡例 形と線の意味 ○ ○ ○
図全体 タイトル・対象範囲 備品予約システム 本番環境 ○ ○ ○
図全体 作成日・版・作成者 2026-10-05 第1.0版 ○ ○ ○
分類  記載項目    書き方の例   論理  物理  ネットワーク
ノード 役割  Web、AP、DB、バッチ   ○   ○   ○
ノード ホスト名    web01、db01  ○   ○   ○
ノード IPアドレス  10.0.1.11   -   -   ○
ノード 台数・冗長化  2台、稼働/待機、プライマリ/レプリカ ○   ○   ○
ノード OS・ミドルウェアと版 PostgreSQL 16   ○   -   -
ノード 機種・設置場所 ラック番号、ユニット位置    -   ○   -
囲み  セグメント名  DMZ、Webセグメント    ○   -   ○
囲み  サブネット   10.0.1.0/24 -   -   ○
囲み  拠点・ゾーン  本社、ゾーンA ○   ○   ○
線   プロトコル   HTTPS、SFTP、PostgreSQL   ○   -   ○
線   ポート番号   443/tcp、22/tcp、5432/tcp ○   -   ○
線   向き  接続を始める側から受ける側へ  ○   -   ○
線   ケーブル・インターフェース   ポート番号、ケーブルの種類   -   ○   ○
図全体 凡例  形と線の意味  ○   ○   ○
図全体 タイトル・対象範囲   備品予約システム 本番環境   ○   ○   ○
図全体 作成日・版・作成者   2026-10-05 第1.0版    ○   ○   ○

図に書き切れない項目は、図にはホスト名だけを書き、IPアドレスやポートは一覧表に分けると、図も表も読みやすくなります。ホスト一覧のひな形です。

ホスト名 役割 セグメント IPアドレス 待ち受けポート 備考
lb01 LB DMZ 192.0.2.10 443/tcp 稼働
web01 Web Webセグメント 10.0.1.11 8080/tcp
web02 Web Webセグメント 10.0.1.12 8080/tcp
ap01 AP APセグメント 10.0.2.11 8081/tcp
ap02 AP APセグメント 10.0.2.12 8081/tcp
db01 DB DBセグメント 10.0.3.11 5432/tcp PostgreSQL
ホスト名    役割  セグメント   IPアドレス  待ち受けポート 備考
lb01    LB  DMZ 192.0.2.10  443/tcp 稼働
web01   Web Webセグメント    10.0.1.11   8080/tcp    
web02   Web Webセグメント    10.0.1.12   8080/tcp    
ap01    AP  APセグメント 10.0.2.11   8081/tcp    
ap02    AP  APセグメント 10.0.2.12   8081/tcp    
db01    DB  DBセグメント 10.0.3.11   5432/tcp    PostgreSQL

システム構成図の書き方(6つの手順)

手順 すること ポイント
1 図の目的と読み手を決める 論理・物理・ネットワークのどれを描くかを先に決める
2 要素を洗い出す 利用者、入口(FW・LB)、処理(Web・AP・バッチ)、データ(DB・ファイル)、外部のシステム
3 囲みを決める セグメント、拠点、ゾーンなど、境界になるものを subgraph にする
4 向きをそろえて並べる 利用者を左(または上)、データを右(または下)に置く
5 線を引き、プロトコルとポートを書く 矢印は接続を始める向きにそろえる
6 凡例・タイトル・作成日を付ける 使った形と線だけを凡例に書く

読みやすい構成図にするポイント

つまずきやすい点 こうするとよい
線が交差して追いにくい 層ごとに subgraph を分け、流れの向きを1方向にそろえる
同じ役割のサーバーが多く、図が横に広がる 「web01〜web04」のように1つのノードにまとめ、台数を書く
1枚に情報を詰め込みすぎる 図にはホスト名、表にIPとポート、と分ける
形の意味が人によって違う 凡例を必ず付ける。形が足りないときは文字で機器の種類を書く
図が設定の変更に追いつかない Mermaidのコードを設計書と同じリポジトリで管理し、変更と同時に直す
本番環境と検証環境の違いがわからない 環境ごとに図を分け、タイトルに環境名を書く

よくある質問

Q. システム構成図とネットワーク構成図は何が違いますか? A. システム構成図は、システムを形づくる要素とつながりを表す図の総称です。そのうち、セグメントやIPアドレス、経路に焦点を当てたものがネットワーク構成図です。役割とデータの流れに焦点を当てたものは論理構成図と呼びます。

Q. 矢印はどちら向きに引けばよいですか? A. 接続を始める側から受ける側へ引くと、FWの許可設定と対応させやすくなります。データが流れる向きで引く方法もあるので、どちらで描いたかを凡例に書きます。

Q. Mermaidで機器のアイコンは使えますか? A. architecture 図では、標準で cloud・database・disk・internet・server の5つのアイコンが使えます。Mermaidの公式ドキュメントには、アイコンパックを登録して種類を増やす方法も書かれています。flowchart では、形と文字で機器を区別します。

Q. 例に使うIPアドレスは何を書けばよいですか? A. 外部向けのアドレスの例には、文書用に予約されている 192.0.2.0/24、198.51.100.0/24、203.0.113.0/24(RFC 5737)を使うと、実在のアドレスと重なりません。

まとめ

  • システム構成図は目的ごとに分ける。役割とつながりは論理構成図、機器と配線は物理構成図、セグメントとIPはネットワーク構成図
  • Mermaidでは flowchart の subgraph でセグメントを囲む。アイコンで概要を見せたいときは architecture-beta
  • 機器の形は図ごとに凡例で決める。同じ形を使うときはノードの文字に機器の種類を書く
  • 線は実線=通信、点線=管理・監視、太線=複製や専用の経路、矢印なし=結線。矢印は接続を始める向き
  • 通信の線にはプロトコルとポート番号を書く。architecture 図では通信一覧の表を添える
  • 図にはホスト名、表にIPとポートと分けると、どちらも読みやすい
  • 凡例・タイトル・作成日と版を付けて、いつ時点のどの環境の図かをはっきりさせる

参考・出典

  • Mermaid「Architecture Diagrams Documentation」(group・service・junction・線の書き方、標準アイコン、v11.1.0以降): https://mermaid.js.org/syntax/architecture.html
  • Mermaid「Flowcharts Syntax」(ノードの形、線の種類、subgraph): https://mermaid.js.org/syntax/flowchart.html
  • RFC 5737「IPv4 Address Blocks Reserved for Documentation」: https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5737.html

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「システム構成図の書き方と例 Mermaidテンプレートと記号一覧」

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