HTML フォームバリデーションとは、required や pattern などの属性だけで、送信前に入力値をブラウザにチェックさせる仕組み(制約検証)です。 JavaScript なしでも動き、足りない部分は setCustomValidity() などの Constraint Validation API で補えます。

この記事では、属性と ValidityState のプロパティの対応表に加えて、Chromium 141(日本語ロケール)で実際に取得した既定のエラーメッセージ(validationMessage)の一覧を載せています。さらに、郵便番号・電話番号・全角カナ・半角英数・パスワードの pattern を実行して一致/不一致を確認した結果、checkValidity と reportValidity の違い、:invalid と :user-invalid の違いの実測、そして確認用パスワードの一致チェック付きで aria-describedby 対応のコピペ用完成フォームまで紹介します。


フォームバリデーションの早見表

属性・指定 何をチェックするか 違反時の ValidityState 既定メッセージ(Chromium 141・日本語)
required 空でないか valueMissing このフィールドを入力してください。
required(checkbox) チェックされているか valueMissing 次に進むにはこのチェックボックスをオンにしてください。
required(select) 空の value 以外を選んだか valueMissing リスト内の項目を選択してください。
type="email" メール形式か typeMismatch メール アドレスに「@」を挿入してください。「taro」内に「@」がありません。
type="url" URL 形式か typeMismatch URL を入力してください。
type="number" に数値でない入力 数値として解釈できるか badInput 数字を入力してください。
pattern 正規表現に全体一致するか patternMismatch 指定されている形式で入力してください。
minlength 文字数の下限 tooShort このテキストは 8 文字以上で指定してください(現在は 3 文字です)。
maxlength 文字数の上限 tooLong (通常は入力自体が止まるため発生しにくい)
min 下限値 rangeUnderflow 値は 1 以上にする必要があります。
max 上限値 rangeOverflow 値は 10 以下にする必要があります。
step 刻み stepMismatch 有効な値を入力してください。有効な値として最も近いのは 5 と 10 です。
type="date" + min 日付の下限 rangeUnderflow 2026/10/01 以降の値を指定する必要があります。
setCustomValidity('…') 独自ルール customError 指定した文字列がそのまま入る
novalidate(form) フォーム全体の検証を省略 — —
formnovalidate(button) そのボタンで送信するときだけ省略 — —

本記事の内容は、ご自由にお使いください。
ご利用の際は、出典として本ページへのリンクを記載いただけますようお願いします。

(記載例)出典:株式会社RJC「HTMLフォームバリデーション|required・pattern早見表と完成例」


制約検証の仕組み

ブラウザは送信時に各入力欄の制約をチェックし、1つでも違反があれば送信を止めて、最初の違反欄に吹き出しを表示します。 結果は各要素の validity(ValidityState オブジェクト)に入り、どの制約に違反したかが真偽値のプロパティで分かります。

flowchart LR
    A[送信ボタン] --> B{form に novalidate? / ボタンに formnovalidate?}
    B -- はい --> S[submit イベント → 送信]
    B -- いいえ --> C[各入力欄の validity を確認]
    C -- すべて valid --> S
    C -- 違反あり --> D[違反欄で invalid イベント]
    D --> E[最初の違反欄にフォーカス+吹き出し表示]

ValidityState のプロパティ一覧

プロパティ true になる条件 主な原因の属性
valueMissing 必須なのに空 required
typeMismatch 型の書式に合わない type="email"、type="url"
patternMismatch 正規表現に合わない pattern
tooShort 文字数が足りない(ユーザーが編集したときのみ) minlength
tooLong 文字数が多すぎる(ユーザーが編集したときのみ) maxlength
rangeUnderflow 下限より小さい min
rangeOverflow 上限より大きい max
stepMismatch 刻みに合わない step
badInput ブラウザが値に変換できない type="number"、type="date" など
customError setCustomValidity に空でない文字列を渡した JavaScript
valid 上のすべてが false —

検証の対象外になる要素

readonly・disabled・type="hidden" の要素は検証されません。 required を付けていても willValidate が false になります。

要素 willValidate(実測)
<input required readonly> false
<input required disabled> false
<input required type="hidden"> false
<input required> true

既定のエラーメッセージを実際に取得した一覧

検証環境:Python Playwright 1.56.0+Chromium 141.0.7390.37、--lang=ja、ロケール ja-JP。 各入力欄に値を入れて validity と validationMessage を取得しました。

ケース 入力値 ValidityState validationMessage
required 空 valueMissing このフィールドを入力してください。
type="email" taro typeMismatch メール アドレスに「@」を挿入してください。「taro」内に「@」がありません。
type="email" taro@ typeMismatch 「taro@」は完全なメールアドレスではありません。「@」に続く文字列を入力してください。
type="email" やまだ@example.com typeMismatch 「@」の前の文字列に記号「や」を使用しないでください。
type="email" taro@example (違反なし) —
type="url" example.com typeMismatch URL を入力してください。
type="number" 1e / --1 / e と入力 badInput 数字を入力してください。(value は空文字)
pattern="\d{3}-\d{4}" 1234567 patternMismatch 指定されている形式で入力してください。
上に title="123-4567 の形式" を追加 1234567 patternMismatch 指定されている形式で入力してください。(validationMessage には title は入らない)
minlength="8" abc と入力 tooShort このテキストは 8 文字以上で指定してください(現在は 3 文字です)。
type="number" min="1" 0 rangeUnderflow 値は 1 以上にする必要があります。
type="number" max="10" 11 rangeOverflow 値は 10 以下にする必要があります。
type="number" step="5" 7 stepMismatch 有効な値を入力してください。有効な値として最も近いのは 5 と 10 です。
type="date" min="2026-10-01" 2026-09-30 rangeUnderflow 2026/10/01 以降の値を指定する必要があります。

読み取れるポイント

  • type="email" は taro@example のようにドットのないドメインも正しい形式として通します。 HTML の仕様どおりの動作です。ドット必須にしたい場合は pattern を追加します(メールアドレスの正規表現の詳細は別記事にまとめています)。
  • type="number" に文字を入れると value は空文字になり、badInput が true になります。required を付けていなくても送信は止まります。
  • pattern の既定メッセージは「指定されている形式で入力してください。」だけで、どんな形式かは伝わりません。title は吹き出しの補足として表示されますが validationMessage には含まれないので、入力例は画面上のヒント文として出すのが確実です。
  • maxlength は入力自体が止まります。 3文字制限の欄で ef を追加入力しても value は abc のままでした。
  • メッセージの文言はブラウザや言語設定で変わります。画面に出す文言を統一したい場合は、後述の方法で独自メッセージに置き換えます。

pattern 属性の書き方と注意点

pattern は「値全体」に一致するかを見ます。 ブラウザが内部で ^(?: と )$ を補うので、自分で ^ $ を書く必要はありません。

Chromium 141 では pattern を v フラグ付きの正規表現としてコンパイルします。 そのため、文字クラスの中の - などの記号はエスケープが必要です。実際に [A-Za-z0-9-]+ を指定すると、パターンは無効になり、Console に次のメッセージが出て、どんな値も一致扱い(@@@ も通る)になりました。

Pattern attribute value [A-Za-z0-9-]+ is not a valid regular expression: Uncaught SyntaxError: Failed to read the 'patternMismatch' property from 'ValidityState': Invalid regular expression: /[A-Za-z0-9-]+/v: Invalid character class
書き方 abc-1 @@@ 状態
[A-Za-z0-9-]+ 一致 一致 パターン無効(検証されない)
[A-Za-z0-9\-]+ 一致 不一致 正しく動作

文字クラス内の - ( ) [ ] { } / | はバックスラッシュでエスケープすると、v フラグでもエラーになりません。pattern を書いたら Console にエラーが出ていないか確認すると安心です。

日本向け pattern 集(実行結果つき)

同じ環境で validity.patternMismatch を確認しました。「一致」は送信できる値です。

用途 pattern 一致 不一致
郵便番号(ハイフン任意) \d{3}-?\d{4} 123-4567、1234567 123-456、123-4567(全角)、123 4567
電話番号(ハイフン任意) 0\d{1,4}-?\d{1,4}-?\d{4} 03-1234-5678、0312345678、090-1234-5678、09012345678 +81-3-1234-5678、1234-5678
全角カナ(全角スペース可) [ァ-ヶー ]+ ヤマダ タロウ、ヴァイオリン ヤマダ(半角)、やまだ、ヤマダ タロウ(半角スペース)
半角英数 [A-Za-z0-9]+ abc123、ABC abc-123、abc(全角)
パスワード(8〜64文字・英小文字・英大文字・数字を各1文字以上) (?=.*[a-z])(?=.*[A-Z])(?=.*\d)[\x21-\x7e]{8,64} Passw0rd、Passw0rd! password1、PASSWORD1、Pass0、Pass w0rd1(空白入り)

電話番号の pattern は桁の組み合わせをゆるく見るだけです。厳密な番号体系のチェックはサーバー側で行い、フォームでは「入力ミスに早く気づいてもらう」程度にとどめると使いやすくなります。全角数字を受け付けたい場合は、pattern で弾くより、送信前に半角へ変換する方が親切です(value.normalize('NFKC') で全角英数字を半角にできます)。

<!-- そのまま使える入力欄の例 -->
<input name="zip" required pattern="\d{3}-?\d{4}" inputmode="numeric" autocomplete="postal-code">
<input name="tel" type="tel" pattern="0\d{1,4}-?\d{1,4}-?\d{4}" autocomplete="tel">
<input name="kana" required pattern="[ァ-ヶー ]+">
<input name="code" pattern="[A-Za-z0-9]+">

JavaScript で検証を制御する API

API 役割 戻り値・動作
el.validity 違反の内容を見る ValidityState
el.validationMessage 表示されるメッセージを取得 文字列(違反なしは空)
el.willValidate 検証の対象か 真偽値
el.checkValidity() 検証だけ行う 真偽値。違反欄で invalid イベント
el.reportValidity() 検証して吹き出しを表示 真偽値。違反欄で invalid、最初の欄にフォーカス
el.setCustomValidity(msg) 独自エラーを設定 空文字で解除
form.requestSubmit() 検証つきで送信 form.submit() は検証も submit イベントもなし

checkValidity と reportValidity の違い(実測)

required の入力欄を2つ持つフォームで、document に invalid イベントの数を数えるリスナー(capture)を付けて実行しました。

呼び出し 戻り値 invalid イベントの回数(累計) フォーカス
form.checkValidity() false 2 移動しない(body のまま)
続けて form.reportValidity() false 4(+2) 最初の違反欄に移動

どちらも違反しているすべての欄で invalid イベントが発生します。 違いは、reportValidity が吹き出しを出して最初の違反欄にフォーカスする点です。invalid イベントはバブリングしないので、form でまとめて受けたいときは addEventListener('invalid', fn, true) のように capture で登録します。

setCustomValidity は自分で解除するまで残る

a.setCustomValidity('NG');
a.validity.valid;      // false
a.value = 'ok';
a.validity.valid;      // false(値を変えても残る)
a.setCustomValidity('');
a.validity.valid;      // true

上の3つの値は実測で [false, false, true] でした。setCustomValidity は値が変わっても自動では消えないため、input イベントのたびに条件を判定し、正しいときは必ず '' を渡します。これを忘れると、直したのに送信できない状態になります。

novalidate と formnovalidate(実測)

フォームの書き方 空の required 欄で送信ボタンを押したとき
通常 submit イベントは発生しない(ブラウザが止める)
<form novalidate> submit イベントが発生
<button formnovalidate> で送信 submit イベントが発生

formnovalidate は「下書き保存」ボタンなど、未入力でも送りたいボタンに付けます。 novalidate はブラウザの吹き出しを使わず、自前のエラー表示に切り替えるときに使います(ValidityState は novalidate でも使えます)。


:invalid と :user-invalid の違い

:invalid はページを開いた瞬間から一致するため、空の必須欄が最初から赤くなります。 :user-invalid は、ユーザーが操作した後や送信しようとした後にだけ一致します。

<input required minlength="3"> で状態ごとに matches() を確認した結果です。

状態 :invalid :user-invalid
ページを開いた直後(空) true false
フォーカスして x と入力中 true false
別の欄に移った(blur) true true
xyz に直した false false
別のフォームで、空のまま送信ボタンを押した直後 true true

入力欄を赤くするスタイルには :user-invalid を使うと、触る前から赤くなることがなく、送信しようとしたときには未入力欄も赤くなります。対になる :user-valid もあります。:user-invalid は Chrome 119、Firefox 88、Safari 16.5 以降で使えます。

/* 直す前:開いた瞬間から赤い */
input:invalid { border-color: #b00020; }

/* 直した後:操作した後や送信しようとした後だけ赤い */
input:user-invalid { border-color: #b00020; background: #fff5f5; }
input:user-valid   { border-color: #1b7f3b; }

コピペ用完成フォーム(パスワード確認つき)

前提:HTML ファイル1つで動きます(外部ライブラリなし)。 全角カナの氏名、郵便番号、メールアドレス、パスワードと確認用パスワードを受け付けます。ブラウザの吹き出しの代わりに入力欄の下へエラーを表示し、aria-describedby でエラー文と入力欄を関連づけています。

<!doctype html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
<title>会員登録フォーム</title>
<style>
  body { font-family: system-ui, sans-serif; max-width: 480px; margin: 2rem auto; padding: 0 16px; }
  .field { margin-bottom: 1.25rem; }
  label { display: block; font-weight: 600; margin-bottom: .25rem; }
  input { width: 100%; padding: .5rem; font-size: 1rem; border: 1px solid #888; border-radius: 4px; box-sizing: border-box; }
  .hint { font-size: .85rem; color: #555; margin: .25rem 0 0; }
  .error { font-size: .85rem; color: #b00020; margin: .25rem 0 0; min-height: 1.2em; }
  /* 触る前は赤くしない::user-invalid を使う */
  input:user-invalid { border-color: #b00020; background: #fff5f5; }
  input:user-valid { border-color: #1b7f3b; }
  button { padding: .6rem 1.5rem; font-size: 1rem; }
</style>
</head>
<body>
<h1>会員登録</h1>
<form id="signup" action="/signup" method="post" novalidate>
  <div class="field">
    <label for="name">氏名(全角カナ)</label>
    <input id="name" name="name" required pattern="[ァ-ヶー ]+" autocomplete="name"
           aria-describedby="name-hint name-error">
    <p class="hint" id="name-hint">例:ヤマダ タロウ</p>
    <p class="error" id="name-error" aria-live="polite"></p>
  </div>
  <div class="field">
    <label for="zip">郵便番号</label>
    <input id="zip" name="zip" required pattern="\d{3}-?\d{4}" inputmode="numeric"
           autocomplete="postal-code" aria-describedby="zip-hint zip-error">
    <p class="hint" id="zip-hint">例:123-4567(ハイフンなしも可)</p>
    <p class="error" id="zip-error" aria-live="polite"></p>
  </div>
  <div class="field">
    <label for="email">メールアドレス</label>
    <input id="email" name="email" type="email" required autocomplete="email"
           aria-describedby="email-error">
    <p class="error" id="email-error" aria-live="polite"></p>
  </div>
  <div class="field">
    <label for="password">パスワード</label>
    <input id="password" name="password" type="password" required minlength="8" maxlength="64"
           pattern="(?=.*[a-z])(?=.*[A-Z])(?=.*\d)[\x21-\x7e]{8,64}" autocomplete="new-password"
           aria-describedby="password-hint password-error">
    <p class="hint" id="password-hint">8〜64文字。英小文字・英大文字・数字をそれぞれ1文字以上</p>
    <p class="error" id="password-error" aria-live="polite"></p>
  </div>
  <div class="field">
    <label for="password2">パスワード(確認)</label>
    <input id="password2" name="password2" type="password" required autocomplete="new-password"
           aria-describedby="password2-error">
    <p class="error" id="password2-error" aria-live="polite"></p>
  </div>
  <button type="submit">登録する</button>
</form>

<script>
const form = document.getElementById('signup');
const pw = document.getElementById('password');
const pw2 = document.getElementById('password2');

// 属性ごとの独自メッセージ(未指定のものはブラウザ既定の validationMessage を使う)
const messages = {
  name:     { valueMissing: '氏名を入力してください。', patternMismatch: '全角カタカナで入力してください。' },
  zip:      { valueMissing: '郵便番号を入力してください。', patternMismatch: '123-4567 の形式で入力してください。' },
  email:    { valueMissing: 'メールアドレスを入力してください。', typeMismatch: 'メールアドレスの形式で入力してください。' },
  password: { valueMissing: 'パスワードを入力してください。', tooShort: '8文字以上で入力してください。',
              patternMismatch: '英小文字・英大文字・数字をそれぞれ1文字以上含めてください。' },
  password2:{ valueMissing: '確認用パスワードを入力してください。' },
};

function messageFor(input) {
  const v = input.validity;
  const m = messages[input.name] || {};
  for (const key of ['valueMissing', 'typeMismatch', 'patternMismatch', 'tooShort', 'tooLong',
                     'rangeUnderflow', 'rangeOverflow', 'stepMismatch', 'badInput']) {
    if (v[key]) return m[key] || input.validationMessage;
  }
  if (v.customError) return input.validationMessage;
  return '';
}

function checkMatch() {
  // 一致しないときだけ customError を立てる。一致したら必ず '' で解除する
  pw2.setCustomValidity(pw2.value && pw.value !== pw2.value ? 'パスワードが一致しません。' : '');
}

function showError(input) {
  const msg = messageFor(input);
  const box = document.getElementById(input.id + '-error');
  box.textContent = msg;
  input.setAttribute('aria-invalid', msg ? 'true' : 'false');
}

pw.addEventListener('input', () => { checkMatch(); if (pw2.value) showError(pw2); });
pw2.addEventListener('input', checkMatch);

for (const input of form.querySelectorAll('input')) {
  input.addEventListener('blur', () => showError(input));          // 離れたときに表示
  input.addEventListener('input', () => {                          // 直したらすぐ消す
    if (input.getAttribute('aria-invalid') === 'true') showError(input);
  });
}

form.addEventListener('submit', (e) => {
  checkMatch();
  const inputs = [...form.querySelectorAll('input')];
  inputs.forEach(showError);
  const firstInvalid = inputs.find(i => !i.validity.valid);
  if (firstInvalid) {
    e.preventDefault();
    firstInvalid.focus();
  }
});
</script>
</body>
</html>

完成フォームの動作確認(Playwright+Chromium 141)

1. 何も入力せずに「登録する」を押した場合:送信されず、氏名欄にフォーカスが移りました。

エラー欄 表示された文言
name-error 氏名を入力してください。
zip-error 郵便番号を入力してください。
email-error メールアドレスを入力してください。
password-error パスワードを入力してください。
password2-error 確認用パスワードを入力してください。

2. 誤った値で送信した場合(氏名 やまだ、郵便番号 123456、メール taro、パスワード password1、確認 password2):5欄すべてで aria-invalid="true" になりました。

エラー欄 表示された文言
name-error 全角カタカナで入力してください。
zip-error 123-4567 の形式で入力してください。
email-error メールアドレスの形式で入力してください。
password-error 英小文字・英大文字・数字をそれぞれ1文字以上含めてください。
password2-error パスワードが一致しません。

3. 正しい値で送信した場合(ヤマダ タロウ、123-4567、taro@example.com、Passw0rd! を2回):エラー表示は空になり、/signup に POST が送られました。

POST /signup
name=%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%80%E3%80%80%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%A6&zip=123-4567&email=taro%40example.com&password=Passw0rd%21&password2=Passw0rd%21

このフォームの設計ポイント

ポイント 理由
novalidate + ValidityState で自前表示 文言を統一でき、吹き出しが消えても画面にエラーが残る
エラーは blur で表示し、input で消す 入力中に急かさず、直したらすぐ反映される
確認用パスワードは setCustomValidity 他の制約と同じ validity.valid で一括判定できる
一致したら setCustomValidity('') 解除しないと送信できないまま残る
送信時に最初の違反欄へ focus() キーボード操作やスクリーンリーダーでも位置が分かる
autocomplete="new-password" パスワード管理ツールが強いパスワードを提案しやすくなる

アクセシビリティ:エラーを支援技術に伝える

属性 役割 完成フォームでの使い方
<label for> 入力欄の名前 すべての欄に付ける
aria-describedby 補足説明とエラー文を関連づける "zip-hint zip-error" のように空白区切りで複数指定
aria-invalid="true" 入力に誤りがあることを伝える エラー表示と同時に切り替え
aria-live="polite" 文言の変化を読み上げる エラー表示用の <p> に付ける
色以外の手がかり 色だけに頼らない 赤枠に加えてエラー文を表示

エラー文は「何が」「どう直せばよいか」まで書くと伝わりやすくなります。「入力が正しくありません」より「123-4567 の形式で入力してください。」の方が、一度で直せます。


サーバー側の検証も必須

HTML の制約検証は「入力ミスを早く知らせる」ための仕組みで、送信されるデータの安全を保証するものではありません。 開発者ツールで属性を外したり、curl などでフォームを通さずに直接 POST したりできるためです。

項目 クライアント(HTML・JS) サーバー
目的 入力体験の向上、早期の気づき データの正しさと安全の保証
回避できるか できる(属性の削除、直接リクエスト) できない
必須チェック・形式チェック 行う 同じルールで必ず行う
重複チェック(登録済みメールなど) 補助的に(API で問い合わせ) 行う
エラーの返し方 入力欄の下に表示 422 などで欄ごとのメッセージを返し、画面に反映

pattern の正規表現はサーバー側と共通の定義にしておくと、ルールのずれを防げます。サーバーからのエラーも、完成フォームの .error 欄と aria-invalid に流し込めば、同じ見た目で表示できます。


よくある質問

Q. ブラウザの吹き出しの文言だけを日本語の独自メッセージに変えられますか? A. invalid イベントで setCustomValidity('独自の文言') を呼び、input イベントで setCustomValidity('') に戻すと変えられます。ただし解除を忘れると送信できなくなるため、本記事の完成フォームのように novalidate で自前表示にする方が管理しやすいです。

Q. pattern を指定したのに何を入れても通ります。 A. 正規表現が無効になっている可能性があります。 Chromium では pattern を v フラグでコンパイルするため、[A-Za-z0-9-] のように文字クラス内の - をエスケープしないと無効になります。Console のエラーを確認し、\- と書きます。

Q. :invalid と :user-invalid はどちらを使えばよいですか? A. 見た目のエラー表示には :user-invalid が向いています。ページを開いた直後は一致せず、ユーザーが操作した後や送信しようとした後に一致します。

Q. type="email" でドットのないドメインが通ります。 A. HTML の仕様どおりです。ドット必須にしたい場合は pattern を併用し、最終的なチェックはサーバー側で行います。


まとめ

  • required・pattern・minlength・min などの属性ごとに、ValidityState の対応するプロパティが true になります。
  • 既定のメッセージはブラウザと言語で変わるため、統一したい場合は novalidate と ValidityState で自前表示にします。
  • pattern は値全体に一致するかを見ます。 Chromium では v フラグでコンパイルされるので、文字クラス内の - はエスケープします。
  • setCustomValidity は自分で '' を渡すまで残ります。 確認用パスワードの一致チェックでは、一致したら必ず解除します。
  • checkValidity は判定のみ、reportValidity は吹き出しとフォーカス移動つきです。どちらも違反欄で invalid イベントが発生します。
  • エラーの見た目には :user-invalid、エラー文の関連づけには aria-describedby と aria-invalid を使います。
  • HTML の検証は入力体験のため、サーバー側の検証は安全のためで、両方そろえて初めて完成です。

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(記載例)出典:株式会社RJC「HTMLフォームバリデーション|required・pattern早見表と完成例」

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